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IPv6による次世代ネットワークとその応用可能性

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Academic year: 2021

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2000年のIT戦略会議やe-JAPAN構想などでIPv6という言 葉が取り上げられて以来、IPv6は今後のITを支える一つのキ ー技術として期待をもって語られている。最近では、IPv6の 実装も着実に進展してきており、日本ではさまざまな応用分野 でビジネス化を狙った実証実験が行われている。また関心が薄 いと言われていた米国でも2003年6月の国防総省のIPv6化 宣言により、セキュリティベンダをはじめとして急速な動きが みられるようになってきた。 IPv6は、コンピュータだけでなく、携帯、家電、車などあ らゆる「もの」をネットワークに取り込むことにより、今まで のインターネットが果たしてきた変革とは比べものにならない 大きな社会的なインパクトをもつ。あらゆる「もの」が個別に 認識され、そこから収集される情報を生かし、さらに企業プロ セスを変えていくことにより、大きな経営的な効果を上げてい くことができる。情報は異業種間でもやりとりされ、企業間連 携により日本の、さらにアジアの産業全体が活性化していく期 待もある。この意味でIPv6は大きな情報交換のためのプラッ トフォームとなっていくと予想される。 現在、インターネットで主に使われているのがIPv4であり、 IPv6はその後継バージョンになる。通常後継バージョンへの バージョンアップについては、それ自体が主役として扱われる ことはない。場合によってはユーザ告知などもされずに行われ る場合もある。まして、社会経済の変革者として語られること などない。ではなぜIPv6は単なる後継バージョンという立場 だけではなく、ビジネス展望や経済効果などをもって語られる のか。その登場背景から順を追って、IPv6そのものについて 見ていく。 IPv4という現プロトコルが設計されたのは1980年前後で ある。しかし、1990年代初頭に早くもIPv4の問題点として 指摘されていたのが、このプロトコルの中でインターネット上 の住所(番地)の役割を果たすIPアドレスの枯渇であった。 当 時 の ア ド レ ス 割 り 当 て の 方 式 に よ る と 、 I P ア ド レ ス は 1995年にはなくなってしまうと思われていた。 そこで登場した考えが、次の3つの方法であった。

1. はじめに

2. IPv6とは

荒野 高志

Takashi Arano

インターネットは90年代後半から急速に世の中に普及し、ビジネスやライフスタイルを変えるまでに至って

いる。現インターネットの規格であるIPv4(Internet Protocol version4)の限界を克服し、さらにパワーアッ

プさせるという意味で、現在、日本を中心として世界各国でインターネットを次世代規格にバージョンアップ

する取り組みが行われている。この規格がIPv6である。

本稿では、IPv6について、その登場背景や特徴について概説し、現在のIPv4からIPv6に移行する際のフェ

ーズ、シナリオ、コスト、移行技術について述べる。次にIPv6が開く新しいアプリケーションの可能性につい

て整理し、IPv6のさまざまな特徴ごとにどういう分野でどういう効果を期待できるかについて述べる。

概要

2.1 IPv6登場の背景

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40周年記念

第2号

I N T E C T E C H N I C A L J O U R N A L

2003

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(1)Classless Inter Domain Routingという手法を使って

IPアドレスの分割・配分のルールを厳しくする (2)プライベートアドレスやNAT(Network Address Translation:アドレス変換技術)の使用を推進する (3)新しいアドレス体系を開発する (1)、(2)の方法は、それぞれ劇的な効果を発揮し、IPアド レスの枯渇は先延ばしされた。しかし、あくまでも延命された というに過ぎず、将来的な枯渇に対する不安は以前残したまま であり、ネットワークの健全な成長が阻害される恐れは続いて いる。 (3)の新しいアドレス体系に関しては、1990年代前半に インターネット技術国際標準化団体であるIETF(Internet Engineering Task Force)において、いわゆる新プロトコ ル提案同士のコンペが行われた。その中のひとつがIPv6であ った。IPv5とかIPv7といった規格も当初存在していたが、現 在のIPv6が勝ち残った。 IPv6では、アドレスを表現するビット幅をIPv4では32ビ ットであったのを128ビットに広げることにより、莫大な数 のアドレス領域を持った。IPv4の32ビットで表現できるアド レスの数はおよそ43億=4.3×109である。 232=4,294,967,296 それに対して、IPv6が128ビットで表現できるアドレス数 は、およそ3.4×1038である。 2128=340,282,366,920,938,463,463,374,607,431,768,211,456 IPv4のアドレス総量を仮に1b相当とすると、IPv6のそれ は銀河系の半径規模に換算される。これは、本当に天文学的に 広大であり、IPv6は、特定の用途やネットワークトポロジを 考慮したアドレス体系になっており、アドレス全てを端末一つ 一つに使えるということはないとしても、この広大さがあれば、 もうIPv4が抱えるIPアドレスの枯渇のような問題に頭を悩ま せる必要はなくなるはずである。 しかし、空間が膨大になったところで何が変わるのか、とい う意見もあるだろう。しかし、大きいという量の特徴が質の特 徴に変わりうるのだ。 もう少し踏み込んで考えてみよう。今までグローバルアドレ スの数が足りないがために、グローバルアドレスの割り当てが できなかった機器にグローバルアドレスが割り当てられるよう になる。これにはNATの内側でプライベートアドレスが振ら れていたコンピュータにも該当し、携帯電話や家電なども対象 となる。これらのグローバルアドレスならではの応用は少ない アドレス量では決して成し遂げられなかったことであり、量の 変化が質の変化を生むという所以である。具体的な可能性につ いては、第4章で取り上げる。 また、IPv6はIPv4の経験を踏まえて、アドレスアーキテク チャを再設計した。IPv4の欠点だった部分を改良し、IPv4の 経験上必要な機能を標準装備として仕様に取り込んでいる。そ の結果、IPv4で複雑だったパケットフォーマットは、IPv6で は大幅に簡素化され、フォーマットが複雑であるが故に起こっ て い た 機 械 処 理 の 負 担 を 減 ら せ る 工 夫 が な さ れ た 。 ま た IPSec(IP Security)と呼ぶセキュリティ機能やQoS (Quality of Service)の実現に有用なフローラベル機能など が新たに標準機能として追加された。また、あらゆるものをネ ットワークにつなぐときに必要なプラグアンドプレイ機能が備 わっている。 さらにIPv6はIPv4の後継バージョンとして、IPv4の次の主 な4つの特徴を継承している。 (1)パケット伝送による効率性 (2)デファクト標準による開発とスピード (3)オープンでフラットなネットワーク (4)自律分散ネットワーク 移行にあたって一番問題になるのが、にわとりが先か卵が先 か、いわゆるチキンエッグ問題と呼ばれるものである。実際、 IPv6を普及させるためには、IPv6の製品やサービスが充実 し、コンテンツが揃っていれば、ユーザは自然とIPv6を使うよ うになってくるわけだが、そのために企業などがビジネスベー スでIPv6を始めるためにはそれなりのIPv6ユーザベースがな いとコミットできないという矛盾である。これをどうやって解 決していくか、どういうシナリオを想定し、どういう課題をクリ アしていくか、これは大きなチャレンジである。この章では移 行のフェーズ、シナリオ及びコストについて述べる。 IPv6への移行は、3つのフェーズとして、導入期、普及期、 成熟期(IPv4衰退期)の3つに分けることがきる(図1参照)。 最初の導入期はまだIPv6が浸透していない時期で、IPv4を使

2.2 IPv6の特徴

3. IPv6への移行

3.1 移行のフェーズ

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あるときから、クリティカルマスを超えると、徐々に状況が 変わっていく。これがIPv6普及期である。IPv6普及期になる と、使いはじめる人が急速に増えてくる。人々の間で徐々に利 用価値も理解され、周りにつられて使いはじめる人もでてくる。 また、それにともない、技術や製品などの単価が下がってくる。 ますますエントリーバリアは低くなり、多くの人が利用するよ うになる。いわゆるチキンエッグ問題の解消である。 さらにある程度まで普及してくると、IPv4よりIPv6を使う 人の方が多くなってきて、IPv4を利用している人が徐々に減っ てくる。あるときIPv4を使っている人の方がIPv6導入期と逆 で10%以下になる。これが成熟期(IPv4衰退期)である。た だ過去の資産や遺産を使い続けなければいけない事情がある人 や組織などがあり、その減り方はゆっくりであると予想できる。 主に導入期における移行に対する2つの動機づけとその移行 の仕組みを考察した(表1参照)。 まず、IPv4アドレスが枯渇するから節約しようという動機 付けは個別の組織に見られるものではなく、極めて公共的なも のと事情は似ていると考える。 一方、現在、日本のいろいろな企業で取り組まれているよう に、新しいアプリケーションでビジネスをメークしたいという 動機付けでIPv6に取り組むというシナリオがある。この応用 がひとつ当たればIPv6はその分野で急激に普及しうるという 側面をもつ。 この2つのシナリオが組み合わさって、移行は進んでいく。 基本的な移行コストをモデル化した(図2参照)。 IPv6はそもそもIPv4よりオペレーションコストが高いと考 えられる。IPv4とIPv6とのコスト差、すなわちIPv4のコスト 増要因はアドレス不足によるオペレーションコストの増加に起 因するものが主であり、ネットワーク設計・運用の複雑化など がある。また、第4章でも述べるように、情報によるビジネス プロセス改革によりさらに大きなコスト低減が図りうる。 一方、最終的なIPv6移行に至る過程には一時的に、移行の ためのコストがかかる。装置などのオーバーヘッド、教育や管 理システムなどの負担などである。IPv6に進めるかどうかは この移行の山を乗り越えられるか、どうかにかかっている。こ のカーブはちょうど化学反応の際のエネルギーレベルの変遷に 似ている。化学反応ではあるエネルギーレベルに隆起しないと その後の安定状態(低エネルギーレベル)に移行できない。こ のため、化学では熱して外からエネルギーを注入したり、触媒 を用いたりする。触媒はそれ自体がその変遷に係わることはな いが、その山の高さを低くするような効果をもたらす。例えば、

3.2 移行の2つのシナリオ

理 由 動機付け 実 装 何が必要か? IPv4アドレス不足 公共的なインセンティブ (自分がすでにアドレスを持って いれば困らない) 新しいアプリケーションへの期待 個々の企業のインセンティブ、 投機的・競争的 ゆっくり、しかし確実に 自然置き換えによる 一旦起こったら急激 政府やNPO(v6協議会、JPNIC、 インターネット協会等)の サポートが重要 個々の企業のイニシアチブと チャレンジ 表1 IPv6導入の2つの側面 Critical Mass 100% IPv6 Ratio Time Phase I v6 導入期 Phase 2 v6 普及期 Phase 3 v6成熟期 (v4 衰退期) 図1 IPv6移行の3フェーズ

3.3 コストモデル

IPv6 IPv4 化学反応のエネルギ遷移モデルと同じ形 移行期 v4/v6のコスト差 トランジションコスト 図2 IIPv6移行コストモデル

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40周年記念

第2号

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政府の関与は触媒のようなものであるべきだと考えている。民 間セクタが順調にIPv6に移行するための困難を取り除いてや るというのが重要である。 ただ、このモデル化は将来的にIPv6だけになるという理想 的なシナリオに基づいたコストモデルである。現実的には IPv6とIPv4の併用期間が長ければ長いほど山の部分の負担が 大きいコストになる。これはたぶん個々の組織やネットワーク により事情がいろいろ異なってくるだろう。極端な例では、ま ったく新規にネットワークを作る場合には最初からIPv6を前 提にした設計にしておけば移行コストは最小限で済むし、逆に 社内システムがIPv4に依存しているようなところは長期間 IPv4を引きずらざるをえないため、移行には多くのコストが かかる。また、IPv4を使い続けるコストは今後ますます高く なってくる可能性もある。移行コストはこのIPv4を使い続け るコストと比較されるべきであろう。 IPv6ならではのアプリケーションとはどういうものであろ うか。どのような分野でどのように応用されていくのであろう か。ここでIPv6の特徴、応用分野例、期待される効果につい てまとめる(表2参照)。 第一に挙げられるのがアドレスの量である。莫大な量をもつ という「量の変化」がすべてのものをネットワーク化できると いう「質の変化」を生む具体的な3つの例を挙げてみたい。1 点目は「もの」の高機能化である。コンピュータ化と呼んでも よいかもしれない。機能はネットワーク越しにアップグレード することができる。「もの」の利用者は自分の好きなように 「もの」をカスタマイズさせ、成長させていくことができる。 ちょうどパソコンユーザが購入後、自分のパソコンに仕立てて いくのに似ている。2点目は人間の五感の遠隔への延長である。 会社勤めのお母さんが勤め先から保育園でのわが子の様子を確 認したり、エアコンやビデオを外出先からコントロールするな どである。3点目は、「もの」から取得できる情報を活用する ということである。実際、家電の利用状況、車の走行状態など 今までネットワークがなければ情報化されずに捨てられていた ものが手に入れられる。企業の立場からいえば、これらの情報 をどう生かすかが鍵である。この情報を得て、マーケティング、 製造、流通、販売などのビジネスプロセスを変えることができ、 利用状況情報を生かして、「もの」を従量制で売ることも可能 かもしれない。これらにより企業は大きなメリットを得ること ができる。また、情報のやりとりは製造メーカと製造物だけの 関係にとどまらない。車の情報はガソリンスタンドにも、レス トランにも、さらにワイパーなどの状況とも組み合わせると気 象業界にも利用される。このように新たに作り出された情報は 業種を超えて交換されるであろう。IPv6ネットワークはこの 意味で情報交換プラットフォーム(図3参照)となっていくと 考えている。 セキュリティは期待される効果のひとつである。米国国防総 省のIPv6化は、セキュリティが理由のひとつである。とはい え、IPv6がIPプロトコルのセキュリティ問題のすべてを解決 するわけではない。IPv6がIPv4に比べ優位なのは、通信の暗 号化を行うIPSecが標準になっているということだけである。 IPSec自体はIPv4でも実装されているが、標準であるという ことが実践的な場面での差を生む。今までのインターネットで はサイトの入り口に置くファイアウォールがサイトを効率的に 守るツールとして利用されてきた。ファイアウォールの前提に はサイト内部は安全であり、またセキュリティレベルとしては 一様であるという仮定がおかれている。しかし、実際には内部 からのアタックや情報漏えいが起こったり、また、取締役間あ るいは特定顧客と営業とのやりとりなどは特別にセキュリティ レベルを高めたいなど、よりきめの細かいセキュリティが望ま れ て い る 。 I P v 6 で は 、 従 来 の フ ァ イ ア ウ ォ ー ル に 加 え 、 IPSecを利用したエンドツーエンドセキュリティを組み合わせ ることで、よりパワフルなソリューションを提供することがで きる。実現については今後の研究開発が待たれるところである。 コンテンツ配信

BAS(Building Automation System)

ITS(Intelligence Transport System) 高機能 ネットワーク越しに アップグレード 家電、車 家電、カメラなど ITS(Intelligence Transport System)、医療など リモートモニタリング リモート操作 デバイスからの情報 効率的配信 十分なアドレス量 = Everything on IPv6 IPSec VPN P2Pセキュリティ 粒度の細かく、ダイナミックな セキュリティ制御、 個々端末の認識 セキュリティ(IPSec) VoIP/Videoなどを含む コラボレーションツール サーバーレスグループウェア Light-weighted シンプルで低コストの 設計運用 P2P(NATがないこと) Multicast 家電、車 固定・プリアサインアドレス Mobile IP オープンで安価なプラット フォームとして IPとしての特徴 IPv6の特徴 応用分野 期待される効果 表2 IIPv6の期待できる効果と応用

4. アプリケーションの可能性

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を推進する理由のひとつがこれである。 マルチキャストやモバイルIPもIPv6ではじめて実質的に動 作すると期待できる、IPv6の大きな魅力である。スカイパー フェクト・コミュニケーションズ社の衛星放送通信サービスで あるスカイパーフェクTVは、衛星が届かない地域への配信を IPv6マルチキャストを使って有線配信するサービスをはじめ たが、このような利用は今後、多くなってくると考える。モバ イルIPでは、レイヤ1・レイヤ2に非依存で共通で動作すると いうIPのメリットを生かして、携帯や車などでの移動するも のへの利用も期待されているが、移動しないものに対する「も の」への適用も面白い。すなわち、メーカが工場出荷時に IPv6アドレスを焼きこみ、それを管理IDとして使うのだ。今 までのIPv4では経路制御上夢物語であったことが、IPv6では モバイルIPを用いて可能になる。この点はアドレスポリシー 改定も含め、今後の議論が必要である。 最後に、最近の実験例では非IPネットワークをIP化する際 に、将来を見据えてIPv6を用いることも多くなってきている。 これはIPv6の直接的なメリットを享受するというよりは、オ (株)インテック・ネットコア(以下、ネットコア)は2002年 5月に設立され、ネットワーク最先端技術の研究開発を専門に 行っている。研究テーマとして、高信頼ネットワーク技術と、 IPv6を利用した情報交換プラットフォーム研究を2つの柱と している。この研究成果を他社に対し、ライセンシングやコン サルティングをしていくと同時に、新しい分野を創造するとい う意味で、業界活動を重視している。業界活動による広い社会 インフラ・コンセンサス・マーケット作りと、具体的なビジネ スとを両面でうまく組み合わせていく。 情報交換プラットフォーム研究は基本的には第4章で述べた 新たなIPv6の応用可能性の追求であり、さまざまな「もの」 からの情報を流通させるための基礎的な仕組みについて研究し ている(図3参照)。具体的にはいくつかの実産業ネットワー クへのIPv6応用例の実現を通じ、それに必要な認証、課金、 セキュリティ、サービス管理、統計、プライバシー保護などの 技術を組み合わせ、ソリューションを作っていく。ネットコア

5. インテック・ネットコアの取り組み

・認証課金技術 ・セキュリティ技術 ・IPv4→IPv6移行技術 ・DB・アプリケーション技術 ・デバイス技術 ・コストパフォーマンス最適化技術 インテグレーション技術 Information Exchange Platform 高信頼でセキュアなネットワーク基盤の上で、産業間のビジネス情報のやりとり→ ビジネスプロセスを見直すことにより、最大の効果を!

Everything, Everywhere, Everytime on Reliable Network

BAS 家電 医療 ITS etc

駐車場 道路 医療機器 電子タグ パブリックセンサ 家庭 ホームセキュリティ ゲーム機 電子カルテ 空調 ビルセキュリティ オフィス エレベータ PC 事務機 グル ープウェア PC 家電 携帯 屋外 PDA ガソリンスタンド 車 データセンタ サーバ すべてのものを結ぶ IPv4/IPv6 高信頼ユビキタス・ネットワーク 様々な産業ネットが相互接続する情報交換プラットフォーム (Information Exchange Platform)

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40周年記念

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I N T E C T E C H N I C A L J O U R N A L

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は新しい産業ネットワーク応用のプロデューサーを目指してい る。現在、何社かと実証実験に向けて議論を進めている最中で ある。 企業網の移行に関しては、いかにスムーズにIPv6を現運用 網に導入させていくかが重要である。IPv6のメリットを生か しつつも、現用IPv4ネットワークで達成されているセキュリ ティレベル、安定度などを保ったまま、IPv6移行を進めてい かないといけない。この目的のために、ネットコアではIPv6 普及・高度化推進協議会に働きかけ、移行ワーキンググループ (以下、WG)を立ち上げ、主査としてこのWGを主導してい る。移行WGにおいては、大企業、小企業、家庭、ISPの4つ のセグメントにおいて、典型的な移行のシナリオ、技術的課題、 具体的な設計・運用レベルのノウハウなどをセットにして、ガ イドラインとしてまとめていく予定である。2003年末には 2003年版ガイドラインを開発し、その後、毎年内容を更新 していく。現在、WGにはISP、ベンダ、SIerなどの各業種か ら100人ぐらい集まり、ノウハウを共有しあっている。この ガイドラインは一般的なものであるため、ネットコアではさら に特定分野や特定機種などにフォーカスし、より具体化した SIer向けのガイドラインやパッケージを提供していく予定で ある。 また、ネットコアでは.JPドメインを管理する(株)日本レ ジストリサービスや財団法人インターネット協会などとも連携 し、IPv6移行度を測定するメトリックの研究も進めている。 このような統計データはIPv6立ち上げ期から継続して測り、 蓄積しておくことに意味がある。 業界活動としては、上記のIPv6普及・高度化推進協議会を はじめ、国内外でIPv6の普及啓蒙に尽力している。世界的な 団体であるIPv6 Forumでは、アジア太平洋から唯一の理事と し て 活 動 し て お り 、 世 界 各 地 で 開 か れ る G l o b a l I P v 6 Summitという一連の会議で講演し、日本のIPv6活動やそこ で得られた知見を紹介している。これらの講演の評価は高く、 実際、アジア各国、ヨーロッパ、米国でもIPv6化の機運が少 しずつ高まってきた誘因となった。このほか、国内ではインタ ーネット協会IPv6デプロイメント委員会議長、IPv6 Summit in Japan実行委員長、インプレス社IPv6マガジン編集委員長 などの活動を行っている。 業界活動のなかで一点、特筆すべき成果はIPv6アドレスポ リシー制定であろう。アドレスポリシーとはアドレス配布のル ールであり、世界で統一して決められるものである。2002 年7月に、ネットコアが先導して、社団法人日本ネットワーク インフォーメーションセンターや日本のIPv6有識者と協力し、 IPv6アドレスポリシーのグローバルスタンダード化を果たし た。とかく日本が蚊帳の外になりがちな国際ルール制定の場で、 日本からの提案でグローバルスタンダード化を達成したこと は、日本のIPv6の優位性が世界各国から認められているから に他ならない。もともとこのポリシー提案は日本のISPが商用 サービスを実施するために必須のものであるとの理由で始めた ものであるが、ポリシー制定後はヨーロッパ、米国などでアド レス取得が相次ぎ、世界的な意味での普及促進に貢献する形と なった。 以上、限られた紙面ではあるが、IPv6のもつ可能性とその 移行についての考え方を述べた。IPv6への移行は必然である し、またIPv6のもたらす可能性も計り知れないものがある一 方で、ここには述べなかったが、今後、検討すべき課題は多い。 技術的課題はもちろんのこと、IPv6のように技術がもたらす インパクトが大きいほど、異業種間連携に伴う諸課題やプライ バシーやセキュリティ問題など、社会的な課題も大きくなるで あろう。実はこれらの課題の芽はすでに現IPv4インターネッ トの普及に伴っても現出しつつあり、さらにIPv6で質量とも に課題と影響度が拡大していく。今後、広くさまざまな専門家 の方との議論・協調を通じて、一歩ずつ理想の次世代ネットワ ークの世界を創っていきたいものである。

6. おわりに

荒野 高志

Takashi Arano ・株式会社インテック・ネットコア 専務取締役 ・IPv6 Forum 理事 ・インターネット協会IPv6デプロイメント委員会議長 ・IPv6普及高度化推進協議会 国際戦略WG co-chair ・IPv6普及高度化推進協議会 移行WG chair ・JPNIC理事(IPv6担当)

参照

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