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モバイル環境におけるMMDセッション制御高速化に関する提案と設計

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Academic year: 2021

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モバイル環境における MMD セッション制御高速化に関する

提案と設計

小森田 賢史†,我妻 知典,千葉 恒彦,横田 英俊,井戸上 彰,羽鳥 光俊‡ †KDDI研究所 中央大学大学院理工学研究科 1. はじめに 固定、移動通信を統合し、より高度なサービス を提供するための基盤となるNGN(Next Generation Network)の中核技術として標準化が進められてい る IMS(IP Multimedia Subsystem)/MMD (MultiMe-dia Domain)では、セッション管理にSIP (Session Initiation Protocol)を用い、特にMMDでは端末の 移動管理にMobile IPを用いる。しかしながら、そ れぞれのプロトコルを独立に動作させるだけでは、 冗長な動作が発生しうる[1]。本稿では、それらを 連携させることによりセッション制御を高速化す る手法を提案し、その設計について述べる。 2. MMD 2.1. 概要 IMS/MMD は 3GPP/3GPP2 が規定している、VoIP を 含む多様なマルチメディアサービス提供基盤とな る ALL IP ネットワークのための標準仕様である。 各セッションは SIP により制御され、課金やポリ シ制御、QoS 制御等が行われる。また、特に MMD で は異なるアクセス網へ端末が移動した場合のハン ドオーバ制御に Mobile IP を利用する。 2.2. MMD ネットワーク構成 本稿で想定する MMD のネットワーク構成を図 1 に示す。本ネットワークは、通常 1 つの HN(Home Network)とアクセス種別や地域ごとに分割される 複数の VN(Visited Network)により構成される。 Mobile IP に つ い て は 、 構 成 ノ ー ド で あ る HA(Home Agent)及び認証サーバの AAA (Authenti-cation Authorization Accounting) は HN に 、 FA(Foreign Agent)は VN に配置される。

MMDでは、ローミング機能や負荷分散を考慮しP-CSCF, I-MMDでは、ローミング機能や負荷分散を考慮しP-CSCF, S-CSCF(Proxy, Interrogating, Serving Call Session Control Function)の 3 種 類のSIPサーバに分かれる。なお、I-CSCFとS-CSCF は基本的にHNに配置されるが、P-CSCFについては HNに配置する手法と、VNに配置する手法がある。 筆者らはHN-VN間の遅延やアクセス種別ごとの管理 の容易さにより、各VNにP-CSCFを設置する手法を 提案している[2]。また、認証情報などのユーザ情 報を保持するHSS(Home Subscriber Server)はHNに 配置される。 3. プロトコルの連携における問題点 MMD で Mobile IP/SIP を両方使用した場合の基本 制御シーケンスを図 2 に示す。Mobile IP の AAA へ の認証、及び HA への登録完了後、SIP の S-CSCF へ の認証、及び登録が行われる。また SIP メッセー ジは HA を経由している。この動作は、それぞれで 認証を行っている点、及び SIP メッセージが全て 冗長な経路を通っている点において非効率的であ り、セッション制御の遅延を招く。このセッショ ン制御の遅延は、VN 間のハンドオーバの際の通信 Home Network Visited Network S-CSCF HSS I-CSCF P-CSCF HA AAA P-CSCF FA (PDSN) FA (PDSN) MN

P-CSCF: Proxy Call Session Control Function I-CSCF: Interrogating Call Session Control Function S-CSCF: Serving Call Session Control Function HSS: Home Subscriber Server

PDSN: Packet Data Serving Node FA: Foreign Agent

HA: Home Agent MN: Mobile Node

Application Servers 図1 MMD ネットワーク構成 FA (PDSN) P-CSCF S-CSCF MN AAA HA HSS

MIP Resigtration Request

RADIUS Access-Request/Accept MIP Registration Request/Reply MIP Registration Replay

SIP REGISTER

The proposal and design of fast MMD session control meth-ods in the mobile environment

Satoshi KOMORITA1, Tomonori AGATSUMA2, Tsunehiko

CHIBA1, Hidetoshi YOKOTA1, Akira IDOUE1, Mitsutoshi

HATORI2

1KDDI R&D Laboratories Inc.

2Graduate School of Science and Engineering, Chuo

Univer-sity

Mobile IP Flow SIP Flow SIP 401 Unauthorized Diameter MAR/MAA SIP REGISTER SIP 200 OK Diameter SAR/SAA SIP INVITE 図2 Mobile IP/SIP の基本制御シーケンス

3-27

2E-1

情報処理学会第69回全国大会

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遮断時間などに影響する。 4. セッション制御高速化手法の設計 4.1. 設計指針 上記の Mobile IP と SIP の動作における冗長性 を低減し、セッション制御を高速化するために、 以下の設計指針を立てる。第 1 に制御メッセージ の経路の最適化を図ること、第 2 に制御メッセー ジ数の最適化を図ること、第 3 に安全性を低下さ せずに認証手順の最適化を図ることを指針とする。 これらの設計指針に基づいて、セッション制御の 高速化に関する手法を提案する。

4.2. Selective Reverse Tunneling

SIP メッセージを、HA を経由する冗長な経路を 通過させず直接 P-CSCF へ送信させることで、SIP メッセージのトラフィック量と遅延の削減を図る。 このために、本手法では FA と P-CSCF の間に選択 的なトンネルを確立し、SIP メッセージのみ本トン ネルを経由して送信する。P-CSCF から MN に送信す る場合も同様に、HA を経由せず P-CSCF から FA へ トンネルを経由して送信する。 4.3. PiggyBacking MN FA (PDSN) P-CSCF AAA HA S-CSCF HSS

MIP Registration Request/SIP REGISTER

Mobile IP Flow SIP Flow Diameter MAR/MAA SIP 200 OK Diameter SAR/SAA 認証連携:認証メッセージの削減

MIP Registration Request/Reply RADIUS Access-Request/Accept

SIP REGISTER PiggyBacking:

メッセージ削減

Selective Reverse Tunneling: 冗長ルーティングを削減 +AUTH +AUTH +KEY 図 4 統合化時の登録シーケンス MN が個別に送信している Mobile IP の位置登録 パケットと SIP の登録パケットを、まとめて送信 することで、無線区間のトラフィック量の削減を 図る。このために、MN は SIP の登録パケットを Mobile IP の位置登録パケットの拡張部に挿入し、 FA に送信する。FA は受信したパケットをそれぞれ に分離し、Mobile IP の位置登録完了後、これを契 機に待機させた SIP の登録パケットを送信する。 4.4. 認証連携 Mobile IP と SIP がそれぞれに行っている認証を 連携させることで、登録処理時の SIP メッセージ 量の削減を図る。認証を連携した場合の登録処理 を図 3 に示す。認証連携のため、先に認証を行う Mobile IP の認証情報を MN が受け取り、SIP メッ セージに付加して SIP の認証サーバに渡し、既に 認証済みであることを確認させる。 なお、認証連携を行う際にはセキュリティにつ いて考慮する必要がある。認証連携では、AAA で認 証した情報を一度 MN が受信した後、再び送信する。 この際、悪意のある MN のユーザが、AAA の認証情 報を詐称して SIP の認証を行う事を防ぐ必要があ る。このために、本手法では AAA と HSS の間に信 頼関係があることに着目して電子署名を利用する。

まず、Mobile IP が AAA で認証を行う際に、AAA は自身の秘密鍵で署名を付加した認証情報を MN に 返す。MN は AAA 署名付きの認証情報を SIP のメッ セージに付加して送信する。S-CSCF では、受信し たメッセージの認証情報を HSS から受け取った AAA の公開鍵を用いて検証し、その認証情報が本物で あれば認証は終了として MN にメッセージを返す。 また、通常の SIP 認証処理では、MN と P-CSCF 間 の通信暗号化に使用する共通鍵を、本手法におい て削減される認証シーケンス中に交換するため、 本手法ではこの鍵を SIP 登録完了メッセージに付 加する。 4.5. 提案手法の統合化 4.1 で示した設計指針を同時に満足させるため、 上記 3 手法を統合したシーケンスを図 4 に示す。 Selective Reverse Tunneling による冗長経路の最 適化、PiggyBacking による無線区間のトラフィッ ク・端末負荷の軽減、さらに認証連携による重複 した認証処理の最適化が行われ、端末の移動に伴 うセッション再確立時の時間短縮が可能となる。 5. おわりに 本稿では、MMDにおいてMobile IPとSIPを併用す る場合に生じる冗長動作を削減する手法を提案し た。本提案手法に基づいた実装、及び評価実験に ついては文献[3]で詳述する。日頃御指導頂く秋葉 所長に感謝致します。 参考文献

[1] S. Faccin et al., “IP Multimedia Services: Analysis of Mobile IP and SIP Interactions in 3G Networks”, IEEE Communications Magazine, Vol. 44, Issue 1, Jan 2004.

[2] T. Chiba et al., “Trombone Routing Mitigation Techniques for IMS/MMD Networks”, to appear in IEEE WCNC 2007. [3] 我妻他, “モバイル環境における MMD セッション制 御高速化に関する実装と評価”, 情報処理学会第 69 回全国大会, 2E-2, Mar 2007. MN FA (PDSN) P-CSCF AAA HA S-CSCF HSS

MIP Registration Request

Mobile IP Flow SIP Flow

Diameter MAR/MAA SIP 200 OK Diameter SAR/SAA 認証メッセージの削減 +AUTH MIP Registration Request/Reply RADIUS Access-Request/Accept

SIP REGISTER MIP Registration Replay

+AUTH +AUTH +KEY 図 3 連携認証時の登録シーケンス

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情報処理学会第69回全国大会

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