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酢酸エステル類を著量含有する清酒の製造に関する研究

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Academic year: 2021

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Title

酢酸エステル類を著量含有する清酒の製造に関する研究( 内

容の要旨 )

Author(s)

岩瀬, 利徳

Report No.(Doctoral

Degree)

博士(農学) 甲第041号

Issue Date

1995-03-14

Type

博士論文

Version

URL

http://hdl.handle.net/20.500.12099/2382

※この資料の著作権は、各資料の著者・学協会・出版社等に帰属します。

(2)

氏 名(本籍) 学 位 の 種 類 学 位 記 番 号 学位授与年月 日 学位授与の要件 研究科及 び専攻 研究指導を受けた大学 学 位 論 文 題 目 審 査 委 貞 岩 瀬 利 徳 (静岡県) 博士(農学) 農博甲第41号 平成7年3月14日 学位規則第4条第1項該当 連合農学研究科 生物資源科学専攻 静岡大学 酢酸エステル類を著量含有する清酒の製造に関 する研究 主査 副査 副査 副査 副査 授 授 授 授 授 教 教 教 教 教 学学 学 学 学 大 大 大 大 大 岡 岡 阜 岡 州 静 静 岐 静 信 雄 康 啓 満 高 田 原 合 部 藤 山 田 河 岡 寄 論 文 の 内 容 の 要 旨 バナナ様の香りを呈する酢酸イソアミルは、とくに、清酒において、「吟醸香」と称さ れ、その品質に大きな影響を与えている。本研究は、酢酸イソアミルを著皇生成する微生 物をスクリーニングし、酢酸イソアミルを増加させた清酒製造を検討したものである。 1)アミノ酸アナログを用いた酢酸エステル慰を著量生成する清酒辞母の育種 清酒酵母のアミノ酸アナログ耐性株を育種した。F-215株は酢酸イソアミルおよびイソ アミルアルコールを親株の約3倍量生成、ロイシンによるα一イソプロピールリンゴ酸シ ンターゼ活性のフィードバック阻害が、0-115株は酢酸イソプチルおよぴイソプチルアル コールを親株の約3倍量生成、バリンによるアセトヒドロキシ酸シンターゼ活性のフィー ドバック阻害が、0-107株は酢酸活性アミルおよび活性アミルアルコールとを親株の約3 倍量生成、およぴ、イソロイシンによるフィードバック阻害が、それぞれ、解除されてい た。 2)プロトプラスト髄合法を用いた酢酸エステル類を著量生成する清酒酵母の育種 イソアミルアルコール、および、イソプチルアルコールを多く生成するワイン辞母Ⅲ一 39、および、酢酸エステルを多く生成する清酒酵母協会701号株を親株とし、プロトプラ スト触合を行った。酢酸エステル難が親株の約2倍量生成するKYM-5株およびKm卜45株を え、これらの融合株は、DNA含量が親株の2倍であることより、4倍体と考えられた。

(3)

-95-3)著真の酢酸エステル粗を生成する酵母の検索および各種培地での酢酸エステル漑の生 成 著真の酢酸エステル頼を生成する菌株のスクリーニングで、Williopsis beijerinckii IFO O941が、YDP培地を用いることにより、100ppm以上の酢酸イソアミルを生成するこ とを見出した。また、ロイシンやイソロイシンを培地申に添加することによって、約150 ppmの酢酸イソアミルを生成した。一方、Cladosporium ppm以上の酢酸イソアミル生成した。

4) Williopsis beijerinckiiおよび Cladospori世m テル類の生成と分解

寧illiopsisbeijerinckii_IFOO941および

clados orioides No.9は100

clados orioidesにおける酢酸エス

C.clados orioides No.9の菌体より、酢 酸イソアミル生成に関与する酵素を精製した。両菌株の精製酵素は酢酸イソアミルを生成 した。両酵素、ともに、アセチルコエンザイムAを唯一の基質にし、アシルコエンザイム Aとは反応しなかったことより、アルコールアセチルトランスフエラーゼ(EC2・3・1・84) であった。本酵素はイソアミルアルコールに高い反応性を示した。一方、生成した酢酸イ ソアミルは酢酸とイソアミルアルコールヘ加水分解された。両菌株の精製酵素は、ともに、 ジイソプロピルリンゴ酸、および、フエニルメタンスルフォニルフルオリドによる強い阻 害、活性残基にセリン、および、エゼリンやネオスチダミンによる阻害のないことより、 カルポキシエステラーゼ(EC3.1.1.1)であった。本酵素は酢酸イソアミル、および、酢酸 イソプチルに高い反応性を示した。 5)酢酸エステル粁を著量含有する清酒の醸造 アミノ酸アナログ耐性株、およぴ、融合株を用いる清酒が醸造された。アミノ酸アナロ グ耐性株による清酒は、酢酸イソアミル、酢酸イソプチル、およぴ、酢酸活性アミルを、 それぞれ、約2倍量含有し、製品の官能検査では、香りの点で優れていた。プロトプラス ト融合株による清酒は、酢酸イソアミルを約2倍量含有し、香りの点で華やか、味ですっ

きり、爽やかの評価がくだされた。一方、 W.bei IFO O941を用いる4段添加酬 遵法による清酒は、酢酸イソアミル、および、酢酸 β-フエネテルエチルを、それぞれ、 約2倍量含有し、官能評価では、香りは高く、華やかであったが、その中に「セメダイン 臭」の存在が僅かに指摘され、評価が分かれた。 審 査 結 果 の 要 バナナ様の香りを呈する酢酸イソアミルは、とくに、清酒において、「吟醸香」と称さ れ、その品質に大きな影響を与えている。本研究は、酢酸イソアミルを著皇生成する微生 物をスクリーニングし、酢酸イソアミルを増加させた清酒製造を検討したものである。 1)アミノ酸アナログを用いた酢酸エステル顆を著量生成する清酒酵母の育種 清酒酵母のアミノ酸アナログ耐性株を育種した。F-215株は酢酸イソアミルおよぴイソ アミルアルコールを親株の約3倍量生成、ロイシンによる α一イソプロピールリンゴ酸シ ンターゼ活性のフィードバック阻害が、0-115株は酢酸イソプチルおよびイソプチルアル コールを親株の約3倍量生成、バリンによるアセトヒドロキシ酸シンターゼ活性のフィー ドバック阻害が、0-107株は酢酸活性アミルおよび活性アミルアルコールとを親株の約3

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-96-倍量生成、およぴ、イソロイシンによるフィードバック阻害が、それぞれ、解除されてい た。 2)プロトプラスト融合法を用いた酢酸エステル類を著量生成する清酒酵母の育種 イソアミルアルコール、および、イソプチルアルコールを多く生成するワイン酵母Ⅲ-39、および、酢酸エステルを多く生成する清酒酵母協会701号株を親株とし、プロトプラ スト融合を行った。酢酸エステル難が親株の約2倍量生成するm冊-5株およびKYM-45株を え、これらの融合株は、DNA含量が親株の2倍であることより、4倍体と考えられた。 3)著真の酢酸エステル概を生成する酵母の検索および各種培地での酢酸エステル轍の生 成 著真の酢酸エステル概を生成する菌株のスクリーニングで、Williopsis beijerinckii IFO O941が、YDP培地を用いることにより、100ppm以上の酢酸イソアミルを生成するこ とを見出した。また、ロイシンやイソロイシンを培地申に添加することによって、約150 ppmの酢酸イソアミルを生成した。一方、Cladosporium ppm以上の酢酸イソアミル生成した。

4)williopsis beijerinckiiおよび Cladosporium

テル概の生成と分解

Villiopsis beijerinckiiIFO O941および

clados orioides No.9は100

cladosporioidesにおける酢酸エス C.clados orioides No.9の菌体より、 酸イソアミル生成に関与する酵素を精製した。両菌株の精製酵素は酢酸イソアミルを生成 した。両酵素、ともに、アセチルコエンザイムAを唯一の基質にし、アシルコエンザイム Aとは反応しなかったことより、アルコールアセチルトランスフエラーゼ(EC2.3.1.84) であった。本酵素はイソアミルアルコールに高い反応性を示した。一方、生成した酢酸イ ソアミルは酢酸とイソアミルアルコールヘ加水分解された。両菌株の精製酵素は、ともに、 ジイソプロピルリンゴ酸、および、フェニルメタンスルフォニルフルオリドによる強い阻 害、活性残基にセリン、およぴ、エゼリンやネオスチダミンによる阻害のないことより、 カルポキシエステラーゼ(EC3.1.1.1)であった。本酵素は酢酸イソアミル、およぴ、酢酸 イソプチルに高い反応性を示した。 5)酢酸エステル棋を著量含有する清酒の醸造 アミノ酸アナログ耐性株、およぴ、融合株を用いる清酒が甜道された。アミノ酸アナロ グ耐性株による清酒は、酢酸イソアミル、酢酸イソプチル、および、酢酸活性アミルを、 それぞれ、約2倍量含有し、製品の官能検査では、香りの点で優れていた。プロトプラス ト融合株による清酒は、酢酸イソアミルを約2倍量含有し、香りの点で華やか、味ですっ

きり、爽やかの評価がくだされた。一方、W.bei nckiiIFO O941を用いる4段添加儲 遵法による清酒は、酢酸イソアミル、および、酢酸 β-フエネチルエチルを、それぞれ、 約2倍量含有し、官能評価では、香りは高く、華やかであったが、その中に「セメダイン 臭」の存在が僅かに指摘され、評価が分かれた。 本学位論文は、以上のように、全5部より構成され、生産現場の研究として高い価値 をもっている。博士論文として、充分評価されるものであり、本論文にたいして、合格 の判定がくだされた。

参照

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