Title
Bacillus circulansの生産するへパリナーゼに関する研究( 内
容の要旨 )
Author(s)
吉田, 衛市
Report No.(Doctoral
Degree)
博士(農学) 甲第281号
Issue Date
2002-09-13
Type
博士論文
Version
URL
http://hdl.handle.net/20.500.12099/2622
※この資料の著作権は、各資料の著者・学協会・出版社等に帰属します。氏 名(本掴)籍) 学 位 の 種 類 学 ■位 記 番 号 学位授与年月 日 学位授与・の要件 研究科■及び専攻 研究指導を受けた大学 学 位 論 文 題 目 審 査 委 員 会 吉一田 衛 市 (静岡県) 博士(農学) 農博甲第281号 平成14年9月13日 学位規則第4条第1項該当 連合農学研究科 生物資源科学専攻 静岡大学 励d仇拶血αね刀gの生産するへパリナーゼに関する 研究 主査 静岡大学 教 授 副査 静岡大学 助教授 副査 岐阜大学 教 授 副査 倍州大学 教 授 孝 治一光 康真 啓 高 原 山 合藤 田 徳 河 寄 論 文 の 内 容 の 要 旨 ヘパリン/へパラン硫酸は、タロン酸とグルコサミンの2糖単位に硫酸基が結合 した硫酸化2糖を基本単位とするグルコサミノグリカンである。ヘパリン/へパラ
ン硫酸糖鎖が結合したプロテオグリカン昼、動物組織の細胞膜や細胞外マトリック
スに広く存在し、細胞の接着、形態形成などに重要な役割を担っていると考えられ
ており、.この構造と楼能の研究に細菌由来のヘパリン/へパラン硫酸分解酵素が期 待されている。本研究では、β∂C〃J∬C/rcu/∂〃5の生産するヘパリンとへバラン硫酸をともに分解するへパリナーゼの精製および酵素的性質、遺伝子のクローニシ
グと解析、大腸菌での発現と組換えへパリナーゼの精製と性質を明らかにした。1・ヘパリナーゼ生産革のスクリーニングと同定
土壌サンプルをヘパリン唯一の炭素源培地で振達し、集積した菌株をヘパリン分解活性測定プレート法によってヘパリン分解菌を分離した。・そのなかでもっともヘ
パリン/ヘパラン硫酸を分解する南棟としてHpT298株を選択し、β∂Cf仙5 C/化U/aJISと同定した。 2.へパリナーゼの精製と性質 0・3%ヘパリンを含む生産培地で振達培養した菌体を音波破壊し、その上清液を 硫安塩析、DEAEセファセル、硫酸化セルロファイン、セファクリルS-200のカラ ムクロマトグラフィーによってヘパリン/へパラン硫酸をともに分解するヘパリナーー13-ゼを単一標晶にまで精製した。SDS-PAGEによって本酵素の分子量は1.11Kと推定
され、そのN一末端アミノ酸配列はATQAVA[Rであった。本酵素の至適温度は40∼
450cにありこ熟安定性は450cと500cの1時間放置で100払60%の酵素活性を雑
痔した。至適pHは7・5付近にあり、P=5・0∼10.5のP日額域で安定であった。5nlM
のBaZ+、Ca2+、Mgむイオンの添加によって、酵素活性はそれぞれ2・1、1,7、1.6僻
上昇した。本酵素はヘパリンとへパラン硫酸のみを分解し、他のグルコサミノダリ
カン(コンドロイテン硫酸A、C、D、E、デルマタン硫酸、ケラタン硫酸).には辛く
作用しなかった。ヘパリン/へ/.†ラン硫酸の2糖分解産物として、ムHexA-GJcNS、△HexA-GJ云NS(6-OS)、4=exA-(2-0-S)G[cNS、AHexA(2-0-S)-⊥
GJcNS(6-OpS)を同定した。ヘパリンとへパラン硫酸に対するKn(JLM)とVnax
(FLmOVmin/mg)の値は、それぞれ6.8と7.1およぴ5.9と6.0であった。
3・ヘパリナーゼ遺伝子のクローニングと塩基配列精製ヘパリナーゼの臭化シアン分解によってペプチド断片を作製・し、そのN一末
端アミノ酸配列からオリづヌクレオチドを合成した。・本生産菌の染色体DNAを数
種の制限酵素で分解し、上記のオリゴヌクレオチドとハイブリッドする∫∂J卜断片
(1・3Kb)をコロニーハイプリタイジェ⊥ションによって回収した。生産菌の染色体
DNAを抽e‖で部分分解し、4∼8KbのDNA断片をファージベクター入ZAPIH=挿 入して、遺伝子ライブラリ▲-を件製した。上記の5∂/l断片をブロープとするプラ・-クハイプリダイジェーションによって本酵素の全遺伝子を含む5.3KbのDNA断片をク自-ニングした。この断片を含むpB,uescriptSK(-)をpHEP8と命名した。本
酵素遺伝子のORFは塩基数が3150bp(ア主ノ酸残基は1050)であっ窄。このORF
には52アミノ酸残基のシグナルペプチドが存在し、これを除く成熟酵素の分子量は111,211と推定され、この値は精製酵素の推定分子量と一致した。ホモロジー
検索の結果、本酵素と酸性ポリサッカライドリアーゼファミリーとの間で部分的に
類似性の高い領域を見い出したが、既報の円∂相加cfer′umわ甲∂r〃Mm由来のヘ パリン/へパラン硫酸分解酵素との間の類似性はほとんど見られなかった。 4・組換えへパリナーゼの大腸菌での生産および精製と性質成熟ペパリナーゼの全遺伝子を含む4・lKbのDNA断片を大腸革発現ベクターの
PETll-Cに挿入し、組換えプラスミドpETHEPを件製した。これを大腸菌BL21(DE3)に形質転換して、組換え型成熟へパリナーゼのIPTG誘導可能な大腸菌
(E・CO/iBL21/pETHEP)を作製した。0.05mMのJPTG添加によって組換え型酵素
を生産させ、本酸素をSDS-PAGEセ均一標晶にまで精製し、本組換え型酵素の分
子量が野生型酵素のそれと一致していることを確かめた。組換え型辞素の酵素的性・質は串生壷酵素のそれとほとんど同じであった。軸換え大腸菌は0.05mMの
JPTG添加によって、菌体破壊液の無細胞抽出液にへパリナーゼを55mU/mgタンバク質を生産した。この生産量はβ.c/化U/∂〃ざHpT298の酵素生産量(18
mU/mgタンパク質)に比べて約3倍、組換え大腸菌(EIco/iSOLA/pHEP8)の酵素
生産量(22mU/mgタンパク質)に比べて約2.5倍であった。
審 査 結 果 の 要 旨 本研究は、β∂C〃Ju5C/rcuJ∂∩5の生産するヘパリンとヘパラン硫酸をとも に分解するへパリナーゼの精製および酵素的性質、遺伝子のクローニングと解 析、大腸菌での発現と組換え酵素の精製と性質を明らかにしたものである。地望遠悪霊許警表芸羞詑孟㌫ニ㌫宍㌫㍑誓認諾望
もに分解するへパリナーゼをSDS二PAGEで単一標品にまで精製した。本酵素の分子量は111Kと推定され、N一末端アミノ酸配列はATQAVAJRであった。
本酵素はヘパリンとヘパラン硫酸のみを分解し、他のグルコサミノグリカンに
は全く作用しなかった。ヘパリン/ヘパラン硫酸の2糖分解物として、AHexA-G[cNS、△HexA-GIcNS(6-OS)、AHexA一(2-0-S)GIcNS、△HexA
(2-0-S)一GJcNS(6-0-S)を同定した。ヘパリンとへパラン硫酸に対するKL
(FLM)とVnax(FL叩OJ/min/mg)はそれぞれ6.8と7.1およぴ5.9と6.0であった。
(2)精製へパリナーゼの臭化シアン分解によってペプチド断片を件製し、そ
のN一末端アミノ酸配列からオリゴヌクレオチドを合成した。本生産菌の染色体DNAを制限琴素で分解し、このオリゴヌクレオチドとハイブリッドする5∂/
I断片(l.3Kb)を回収した。生産菌の染色体DNAをHae)lIで部分分解し、4∼8
KbのDNA断片を入ZAPIIに挿入して、遺伝子ライブラリーを作製した。上記 のS∂JI断片をプローブとするプラークハイプリダイジェーションによって本 酵素の全遺伝子を含む5.3KbのDNA断片をクローニングした。本酵素遺伝子のORFは塩基数が3150bp(アミノ酸数は1050)であった。このORFにはシグナ
ルペプチドが存在し、これを除く成熟酵素の分子量は111,211と推定された。(3)成熟へパリナーゼの全遺伝子を含む4.1KbのDNA断片を大腸菌発現ベク
ターのPETll-Cに挿入し、組換えプラスミドpETHEPを作製した。これを大腸菌BL21(DE3)に形質転換して、組換え撃成熟へパリナーゼのIPTG誘導可能
な大腸菌(E・CbIiBL21′pETHEP)を作製した。0・05mト1のIPTG添加によって
組換え型酵素を生産させ、本辞素をSD?-PAGEで均一標品にまで精製した。
本組換え型酵素の酵素的性質は野生型酵素のそれとほとんど同じであった。 このように本論文の内容は、ヘパリン/へパラン硫酸を分解するへパリナー ゼの研究に新しい知見を与えるものであり、本酵素の利用によってヘパリン/ ヘパラン硫酸の構造と棲能の研究が進展するものと評価された。本審査委員会 は論文の構成、内容ならびに下記に示す学位論文の基礎となる学術論文等につ いて慎重に審議し、審査委員会の全員一致をもって本論文が博士の学位を授与 されるに催すると判定した。 Yoshida,E・,K・Sakai,S・Tokuyama,H・Miyazono,H・Maruyama,K・ Morikawa,K.Yoshida,andY.Tahara:Purificatjon andcharacteriza-tionofheparinase■thatdegradesbothheparinandheparansuffatefromBaciI/uscircu/ans・Biosci・Biotechnol.Biochem.,66,l18l-1184(2002).
Yoshida・E・・S・Arakawa;T・Matsunaga,S・Toriumi,S・Tokuyama, K・Morikawa,andY・Tahara:CIoning,SequenCJng,andexpressionof thegenefromBacil/uscircu/ansthatcodesforaheparinasethat degradesbothheparinandheparansuJfate.Bjosci.Biotechnol.