実装ガイド
仮想化
Oracle Database 12c OLTP 用 EMC
VSPEX
EMC VNXe および EMC Data Protection によるソリューション
VMware vSphere 5.5
Red Hat Enterprise Linux 6.4
EMC VSPEX
要約
この実装ガイドでは、EMC VNXe®
および EMC Data Protection により VMware vSphere を使用した VSPEX プライベート クラウド上に仮想化 Oracle Database 12c 用 EMC® VSPEX® 実証済みインフラストラクチャを実装するために必要な手 順の概要とベスト プラクティスについて説明します。また、使用のガイドラインや お客様の主なメリットについても説明します。 2015 年 2 月
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2015 年 2 月発行 このドキュメントに記載されている情報は、ドキュメントの出版日現時点の情報で す。この情報は予告なく変更されることがあります。 この資料に記載される情報は、現状有姿の条件で提供されています。EMC Corporation は、この資料に記載される情報に関する、どのような内容について も表明保証条項を設けず、特に、商品性や特定の目的に対する適応性に対す る黙示の保証はいたしません。この資料に記載される、いかなるEMC ソフトウェ アの使用、複製、頒布も、当該ソフトウェア ライセンスが必要です。 EMC2
、EMC 、および EMC のロゴは、EMC Corporation の登録商標または商標で す。その他のすべての名称ならびに製品についての商標は、それぞれの所有 者の商標または登録商標です。
最新のEMC 製品名については、EMC の Web サイトでEMC Corporation の商標を 参照してください。
目次
第 1 章 はじめに 7 このガイドの目的 ... 8 ビジネス バリュー ... 8 対象範囲 ... 9 対象読者 ... 9 用語 ... 10 第 2 章 始める前に 11 概要 ... 12 導入前タスク ... 12 導入ワークフロー ... 13 導入の前提条件 ... 14 Oracle Database 12c 環境のプランニングとサイズ設定 ... 15 概要 ... 15 ストレージ プール ... 15 例： 小規模な Oracle Database 12c サーバー ... 15 必ず読んでおくべき資料 ... 17 VSPEX 実証済みインフラストラクチャ ... 17VSPEX 向け EMC Data Protection ガイド ... 17
VSPEX 設計および実装ガイド ... 17 第 3 章 ソリューション概要 19 概要 ... 20 EMC VSPEX 実証済みインフラストラクチャ ... 20 ソリューションのアーキテクチャ ... 21 主要なコンポーネントのサマリー ... 23 第 4 章 ソリューションの実装 25 概要 ... 26 物理コンポーネントの準備 ... 26 ネットワークの実装 ... 26 ストレージ アレイの実装 ... 27 概要 ... 27 初期のVNXe 構成のセットアップ ... 27
Oracle 用ストレージ レイアウトの構成例 ... 27
NFS 用ストレージのプロビジョニング例 ... 29
VNXe での FAST VP の構成 ... 29
VNXe での FAST Cache の構成 ... 30
ストレージ レイアウトの例 ... 31
VMware ESXi と vCenter の実装 ... 32
Oracle Database 12c 仮想マシンのテンプレートの準備 ... 32 Oracle インストールの動作条件を 満たす ... 34 Oracle Database 12c バイナリとパッチのインストール ... 34 Oracle Database 12c の仮想マシンの導入 ... 35 概要 ... 35 ASM と dNFS 用のデータベース ファイル レイアウトの構成 ... 35 初期パラメーターの構成 ... 36 HugePages 設定の有効化 ... 37 DBCA を使用したデータベースの作成 ... 38 データベース作成後のアクティビティの実施 ... 39
EMC Data Protection の実装 ... 39
第 5 章 ソリューションの検証 41 ハードウェアの検証 ... 42 VMware ESXi 機能の確認 ... 42 ソリューション コンポーネントの冗長性の確認 ... 42 ヘルス モニタリング ツールの使用 ... 42 Oracle 12c OLTP データベース パフォーマンスの検証 ... 43 概要 ... 43 ベースライン パフォーマンスの検証 ... 43 FAST Cache によるパフォーマンス高速化の検証 ... 45 第 6 章 参照ドキュメント 47 参照ドキュメント ... 48 EMC ... 48 Oracle ... 48 VMware ... 48 リンク ... 49 付録 A 構成ワークシート 51
図 図 1. VSPEX 実証済みインフラストラクチャ ... 20 図 2. 妥当性検査済みのインフラストラクチャのアーキテクチャ ... 22 図 3. VMFS 用ストレージのプロビジョニング例 ... 28 図 4. NFS 用ストレージのプロビジョニング例 ... 29 図 5. FAST VP が有効化されたストレージ プールの例 ... 30 図 6. ストレージ プールのプロパティ： FAST Cache オプション ... 31 図 7. VNXe シリーズの仮想化 Oracle ストレージ レイアウトの例 ... 31
図 8. Oracle Database Configuration Assistant のセットアップ 画面 ... 38 図 9. FAST Cache を有効化する前と後のパフォーマンス比較 ... 46 表 表 1. 用語 ... 10 表 2. 導入前のタスク ... 12 表 3. 仮想化Oracle 用 VSPEX の導入プロセス ... 13 表 4. 導入の前提条件チェックリスト ... 14 表 5. ストレージ プール ... 15 表 6. お客様の評価の例： 大規模な Oracle Database 12c サーバー ... 15 表 7. 必要なリソースの例： 大規模なユーザー データベース ... 16 表 8. 追加ストレージ レイアウトの推奨事項の例： 大規模 Oracle Database 12c サーバー ... 16 表 9. ソリューションのコンポーネント ... 23 表 10. 物理コンポーネントの構成タスク ... 26 表 11. スイッチおよびネットワーク構成のタスク ... 26 表 12. ストレージ構成のタスク ... 27 表 13. VNXe のストレージ レイアウト例 ... 27 表 14. VMware ESXi、vCenter、インフラストラクチャ サーバーを インストールおよび構成するための手順 ... 32 表 15. 仮想マシンのテンプレート仕様の例 ... 33 表 16. Oracle インストールの動作条件... 34 表 17. Oracle Database バイナリとパッチのインストール ... 34 表 18. ASM 用の Oracle ファイルの場所 ... 35 表 19. NFS 用の Oracle ファイルの場所 ... 36 表 20. VSPEX インストールの確認タスク ... 42
表 21. ソリューションを監視するツール ... 43
表 22. Oracle Database 12c 導入の重要メトリックの例 ... 43
表 23. Oracle Database 12c 仮想マシン プロファイル ... 44
表 24. Oracle Database 12c ストレージ プール設計の例 ... 44
表 25. FAST Cache を使用しない場合の Oracle Database 12c の 重要なパフォーマンス メトリック ... 44
表 26. FAST Cache を使用する場合の Oracle Database 12c の 重要メトリック ... 45 表 27. FAST Cache を有効化する前と後の比較 ... 46 表 28. 共通サーバー情報 ... 52 表 29. VMware ESXi サーバー情報 ... 52 表 30. アレイ情報 ... 53 表 31. ネットワーク インフラストラクチャ情報 ... 53 表 32. VLAN 情報 ... 53 表 33. サービス アカウント ... 54
第
1 章
はじめに
この章は、次のトピックで構成されています。 このガイドの目的 ... 8 ビジネス バリュー ... 8 対象範囲 ... 9 対象読者 ... 9 用語 ... 10このガイドの目的
EMC® VSPEX® 実証済みインフラストラクチャは、ビジネス クリティカルなアプリ ケーションの仮想化に対応するよう最適化されています。VSPEX は、導入の 迅速化、シンプルさ、選択肢の幅広さ、効率性の向上、リスクの低減を実現 するテクノロジーを利用して構築された、モジュラー型のソリューションを提供 します。 VSPEX を使用するパートナー様は、VSPEX プライベート クラウド インフラスト ラクチャ上のOracle リレーショナル データベース管理システム向けの完全な 統合ソリューションをサポートするために必要な仮想アセットを設計および実 装できます。仮想化 Oracle Database 12c 用 VSPEX インフラストラクチャは、一貫したパ フォーマンス レベルで拡張性の高い仮想化されたデータベース ソリュー ションをホストする機能を備えたシステムをお客様に提供します。このソ リューションでは、VMware vSphere 5.5 を使用して、EMC VNXe®
ストレージ ア レイによりサポートされる仮想化を提供します。コンピューティング コンポー ネントおよびネットワーク コンポーネントは、ベンダーによる定義が可能であ り、仮想マシン環境のプロセスとデータのニーズを処理するための冗長性と 十分な処理能力を提供するように設計されています。
この実装ガイドでは、VMware vSphere を使用した VSPEX プライベート クラウ ド上に仮想化Oracle Database 12c 用 VSPEX 実証済みインフラストラクチャを 実装する最適な方法について説明します。
ビジネス
バリュー
このVSPEX 実証済みインフラストラクチャは、VNXe シリーズと EMC バックアッ プ/リカバリ システムが Oracle Database 12c を実装するお客様にもたらす価 値を EMC のパートナー様に理解していただくうえで役立つことに重点を置い ています。お客様は、拡張を続ける分離された IT 環境でサーバー中心のア プリケーションを実行しており、Oracle のバックアップ/リカバリに関する問題 が増加しています。 この VSPEX ソリューションは、パートナー様の Oracle データベースに関する 課題を解決しながら、お客様のパフォーマンス、スケーラビリティ、信頼性を 向上させ、自動化を実現するように設計されています。データベース アプリ ケーションをVNXe に統合することにより、単一の集中型のストレージ プラット フォームへの統合が可能になり、今日のビジネスが直面しているデータの爆 発的増加に関する課題を効率的に管理できるようになります。このソリュー ションは、以下のことを実現するようにサイズ設定され、実証されています。
ご使用のシステムをより速く導入し、EMC Proven Solution を使用して時 間と労力を削減する
対象範囲
この実装ガイドでは、EMC VNXe3200™ストレージ アレイを使用した VSPEX Private Cloud for VMware vSphere への Oracle Database 12c用VSPEX ソ
リューションの導入に必要なステップの概要を説明します。この実装ガイドは、
お客様の環境に、すでに VSPEX 実証済みインフラストラクチャが存在してい ることを前提としています。
対象読者
このガイドは、EMC の社員および認定 EMC VSPEX パートナーを対象としてい ます。このガイドでは、このソリューションを導入しようとしているVSPEX パート ナー様が次の条件を満たしていると想定しています。 EMC により EMC VNX ファミリーの販売、インストール、構成の認定を受 けていること VSPEX の実証済みのインフラストラクチャに必要なネットワークおよび サーバー製品の販売、インストール、構成の認定を受けている VSPEX の実証済みのインフラストラクチャの販売の認定を受けている また、このソリューションを実装するパートナー様は、次の製品のインストー ルと構成に必要なテクニカル トレーニングとバックグラウンドを備えている必 要があります。 VMware vSphere 仮想化プラットフォーム 5.5 Red Hat Enterprise Linux 6.4
Oracle Database 12c
このドキュメントでは適宜、外部の関連資料を参照します。このソリュー ションを実装するパートナー様はこれらのドキュメントの内容に精通してい
ることを推奨します。詳細については、「必ず読んでおくべき資料」および
用語
表 1 に、本ガイドで使用される用語の一覧を示します。
表 1. 用語
用語 定義
AWR Automatic Workload Repository は、Oracle Database 10g 以降のリリー スにバンドルされる監視ユーティリティです
dNFS Direct Network File System は、NFS（ネットワーク ファイル システム）の ストレージ デバイスへのアクセスを提供するために使用するクライアン トです OLTP オンライン トランザクション処理は、データ入力/検索トランザクション処 理用のアプリケーションを管理する一連のシステムです SGA システム グローバル領域は、1 つの Oracle データベース インスタンス からのデータや管理情報を格納する共有メモリ構造のグループです PGA プログラム グローバル領域は、システム上の他のプロセスまたはス レッドで共有されないオペレーティング プロセスまたはスレッドに固有の メモリです VMDK VMware 仮想マシン ディスクは、仮想マシンの仮想ハード ディスク ドラ イブのコンテナーであるオープン ファイル フォーマットです
VMFS VMware 仮想マシン ファイル システムは、VMware ESX Server の複数の インストールにストレージ仮想化を使用するクラスター ファイル システ ムです
第
2 章
始める前に
この章は、次のトピックで構成されています。 概要 ... 12 導入前タスク ... 12 導入ワークフロー ... 13 導入の前提条件 ... 14 Oracle Database 12c 環境のプランニングとサイズ設定 ... 15 必ず読んでおくべき資料 ... 17概要
この章では、仮想化Oracle Database 12c 用 VSPEX ソリューションの導入を 開始する前に知っておく必要がある重要な情報、目を通す必要があるドキュ メント、実行する必要があるタスクの概要を説明します。
このソリューションに関する設計ガイド「仮想化Oracle Database 12c OLTP 用 EMC VSPEX」では、ソリューションのサイズを設定する方法や設計方法、 Oracle Server の階層化に適した VSPEX 実証済みインフラストラクチャを選択 する方法について説明します。この実装ガイドの導入例は、設計ガイドの推 奨事項と例に基づいています。
EMC では、Oracle Server を VSPEX 実証済みインフラストラクチャに導入する 前に、次のセクションで説明する導入前のタスクを完了することをお勧めして います。
導入前タスク
導入前のタスクには、環境のインストールや構成に直接関係しないタスクが 含まれますが、これらはインストールに必要な前提条件です。導入前のタス クの例としては、ホスト名、IP アドレス、ライセンス キー、インストール メディア などの収集があります。表 2 のタスクを実行すると、お客様のサイトで必要な 手間を減らせます。 表 2. 導入前のタスク タスク 説明 リファレンス ドキュメントの 収集 必ず読んでおくべき資料に列挙されている 関連ドキュメントを収集する。これらのド キュメントには、ソリューションのさまざまな コンポーネントの設定手順や導入に際して のベスト プラクティスが詳細に記載されて おり、このドキュメント全体で使用します。 必ず読んでおくべき 資料 ツールの収集 導入に必要なツールおよびオプション ツー ルを収集する。表 4 を参照して、すべての 機器、ソフトウェア、適切なライセンスが導 入プロセス前に使用可能であることを確認 します。 導入の前提条件 データの収集 ネットワーク、名前の指定、必須アカウント について、お客様固有の構成データを収集 する。お客様のOracle Database 12c 構成 ワークシートに情報を入力し、導入プロセス 中に参照します。 付録 A 構成ワーク シート導入ワークフロー
EMC では、表 3 のプロセス フローに従って、仮想化 Oracle Database 12c OLTP ソリューション用 VSPEX 実証済みインフラストラクチャを設計、実装する ことをお勧めしています。
表 3. 仮想化Oracle 用 VSPEX の導入プロセス
ステップ アクション
1 VSPEX 情報収集用ワークシートを使用して、ユーザー要件を収集します。情報収集 用ワークシートは、関連する「仮想化Oracle Database12c OLTP 用 EMC VSPEX 設計 ガイド」の「付録A」にあります。
2 VSPEX サイジング ツールを使用して、推奨される仮想化 Oracle Database 12c OLTP ソリューション用VSPEX 実証済みインフラストラクチャを決定します。
詳細については、EMC Business Value Portalの「VSPEX サイジング ツール」を参照し てください。
注： 初めてツールにアクセスする場合は登録が必要です。VSPEX サイジング ツー ルを使用できない場合は、関連する設計ガイドの「付録 B」のサイズ設定に関するガ イドラインを使用して、手動でアプリケーションをサイズ設定できます。
3 仮想化Oracle Database 12c OLTP 用 VSPEX 実証済みインフラストラクチャの最終設 計を決定するには、関連する「設計ガイド」を参考にしてください。 注： Oracle アプリケーションの要件だけでなく、すべてのアプリケーションの要件を考 慮してください。 4 適切なVSPEX 実証済みインフラストラクチャを選択して発注するには、必ず読んでお くべき資料の該当するVSPEX 実証済みインフラストラクチャのドキュメントを参考にし てください。 5 VSPEX ソリューションの導入とテストについては、この「実装ガイド」を参照してくだ さい。
導入の前提条件
表 4 は、ソリューションを構成するためのハードウェアおよびソフトウェア要件 の内訳を示したものです。補足情報については、「仮想化 Oracle Database 12c OLTP 用 EMC VSPEX 設計ガイド」のハードウェアおよびソフトウェアの表を 参照してください。 表 4. 導入の前提条件チェックリスト コンポー ネント 説明 バージョン 参考メモ ハードウェア 物理サーバー： 関連する「設計ガイド」と VSPEX サイジング ツールによって推奨される、必要な数 の仮想マシンをホストするために十分な物理 サーバー容量。
N/A EMC VSPEX Private Cloud: VMware vSphere 5.5 での 仮想マシン最大200 台 対応 仮想サーバー： 仮想インフラストラクチャ サー バーをホストするVMware vSphere サーバー。こ の要件は、既存のインフラストラクチャによって満 たされていることがあります。 vSphere 5.5 ネットワーク： 仮想サーバ インフラストラクチャに 必要なスイッチ ポート容量と機能。 N/A EMC VNXe アレイ： 必要なディスク レイアウトを備 えたマルチプロトコル ストレージ アレイ。 注： アレイには、アプリケーション用の十分な追 加のストレージが必要です。 VNXe3200
ソフトウェア EMC VNXe OE（オペレーティング環境） 3.0.1 EMC オンライン サポート
EMC Unisphere for VNXe 3.0.1 EMC vStorage APIs for Array Integration プラグ
イン
vSphere 5.5 のリリース
VMware ESXi 5.5 www.vmware.com/jp
VMware vCenter Server 5.5
Oracle Database Server 12.1.0 www.oracle.com
Red Hat Enterprise Linux 6.4 www.redhat.com
ライセンス VMware vSphere ライセンス キー。 5.5 www.vmware.com/jp
Oracle データベース サーバー ライセンス キー 12c リリース 1 Standard Edition また はEnterprise Edition www.oracle.com
Oracle Database 12
c
環境のプランニングとサイズ設定
設計ガイドに記載された推奨事項と VSPEX サイジング ツールの提案に従っ て、VSPEX 実証済みインフラストラクチャ上の Oracle Database 12c 環境のプ ランニングとサイズ設定を行います。
この仮想化Oracle Database 12c ソリューション向け VSPEX では、表 5 に詳 細に示すストレージ プール構成を使用しました。 表 5. ストレージ プール プール名 目的 VSPEX プライベート クラウド プール 仮想マシンOS ファイルおよびデータベース バイナリ ファ イルを格納する Oracle Database データ プール データベース データファイルを格納する
Oracle Database REDO プール データベース REDO ログ ファイルを格納する Oracle Database FRA プール
（オプション） データベース バックアップ ファイルを格納する 注： FRA（高速リカバリ領域）は Oracle が推奨する機能で、すべてのバックアップ ファイルを 1 か所に保存できます。FRA 機能を有効にすると、Oracle のアーカイブ ログとバックアップ ファイルが、Oracle のデータファイルおよび REDO ログ ファイルとは異なる方法でサイズ設 定されます。サポートの詳細については、EMC 担当者までお問い合わせください。 表 6 に示す評価を実施します。類似の例は関連する設計ガイドに記載されて います。 表 6. お客様の評価の例： 大規模な Oracle Database 12c サーバー 質問 回答の例 ご使用の環境に、サイズを設定したい既存のOracle Database 12c サーバーがありますか。 はい 導入を計画しているデータベースの数はいくつですか。 1 ユーザー データベースの容量はいくつですか（GB）。 1,000 年間増加率はどれぐらいですか。 10% FAST Cache を使用する予定ですか。 いいえ FAST VP を使用する予定ですか。 いいえ IOPS（読み取り/書き込み）の最大数はいくつですか。 2,900/1,900 （オプション）ピーク ロード時に予想されるコンカレント ユーザー数は何人ですか。 4,500 概要 ストレージ プール 例： 小規模な Oracle Database 12cサーバー
完成した情報収集用ワークシートをお客様から受け取り、それらの回答を VSPEX サイジング ツールに入力すると、次の表に示すような結果が表示され ます。 表 7 は、仮想マシンの数とその特性を示しています。 表 8 は、OLTP ワークロードの実行に必要な追加のストレージ ハード ウェアを示しています。これは、VSPEX プライベート クラウド プールへの 追加となります。 表 7 と表 8 は、表 6 に示すお客様情報に基づく例です。VSPEX プライベート クラウド プールに加えて、推奨されるストレージ レイアウトがあります。 表 7. 必要なリソースの例： 大規模なユーザー データベース vCPU メモリ OS ボリューム容量 OS ボリューム IOPS 仮想マシン数 32 98 GB 100 GB 100 1 表 8. 追加ストレージ レイアウトの推奨事項の例： 大規模 Oracle Database 12c サーバー プール名 RAID タイプ ディスク タイプ ディスク容量 ディスク数 VSPEX プライベート クラ ウド プール RAID 5 SAS ディスク 10,000 rpm 600 GB 5 Oracle データベース データ ファイル プール RAID 5 SAS ディスク 10,000 rpm 600 GB 30 Oracle データベース ロ グ ファイル プール RAID 1/0 SAS ディスク 10,000 rpm 600 GB 4
注： VSPEX インフラストラクチャ上の Oracle Database 12c の導入のプランニングとサイズ 設定を行うには、関連する設計ガイドの推奨事項に従う必要があります。
必ず読んでおくべき資料
本書に記載されているソリューションを実装する前に、EMC コミュニティ ネット ワークのVSPEX スペース、または EMC の Web サイト内の VSPEX 実証済み インフラストラクチャに関するページに用意された次のドキュメントをお読みい ただくことをお勧めします。ドキュメントにアクセスできない場合は、EMC の担 当者にお問い合わせください。
次のEMC VSPEX 実証済みインフラストラクチャ ガイドを参考にしてください。 EMC VSPEX プライベート クラウド：最大 200 台の仮想マシンに対応した VMware vSphere 5.5：Microsoft Windows Server 2012 R2、EMC
VNXe3200、EMC Powered バックアップで実現
次のVSPEX 向け EMC Data Protection に関する設計および実装ガイドを参考 にしてください。
EMC Backup and Recovery Options for VSPEX for Virtualized Oracle 11gR2 Design and Implementation Guide
次のVSPEX ドキュメントを参照してください。
仮想化 Oracle Database 12c OLTP 用 EMC VSPEX 設計ガイド VMware vCloud Suite による Infrastructure as a Service 向け VSPEX
設計および実装ガイド VSPEX実証済み インフラストラク チャ VSPEX向けEMC Data Protectionガ イド VSPEX設計および 実装ガイド
第
3 章
ソリューション概要
この章は、次のトピックで構成されています。 概要 ... 20 EMC VSPEX 実証済みインフラストラクチャ ... 20 ソリューションのアーキテクチャ ... 21 主要なコンポーネントのサマリー ... 23概要
この章では、Oracle Database 12c 用 VSPEX 実証済みインフラストラクチャと このソリューションで使用されている主なテクノロジーについて説明します。こ の実装ガイドで説明するソリューションには、サーバー、ストレージ、ネット ワーク コンポーネント、Oracle Database 12c コンポーネントが含まれます。 このソリューションによって、仮想化されたOracle Database 12c を VSPEX 実 証済みインフラストラクチャに迅速かつ確実に導入できるようになります。
EMC VSPEX実証済みインフラストラクチャ
図 1 に示す VSPEX 実証済みインフラストラクチャは、EMC による妥当性検 査を受け、EMC VSPEX パートナーにより提供される、モジュール形式の仮想 化されたインフラストラクチャです。VSPEX には、EMC が設計した仮想化レイ ヤー、サーバー レイヤー、ネットワーク レイヤー、EMC のストレージとバック アップが含まれ、信頼性の高い予測可能なパフォーマンスを発揮します。VSPEX では、お客様の環境に適したネットワーク、サーバー、仮想化テクノロ ジーを柔軟に選択して、完全な仮想化ソリューションを作成できます。VSPEX により、EMC パートナー様のお客様は迅速な導入が可能になるほか、より シンプルで優れた効率性、幅広い選択肢を得られ、ビジネス リスクを減らせ ます。
Oracle Server などのアプリケーション ベースのソリューションを VSPEX 実証済 みインフラストラクチャ上に導入できます。仮想化 Oracle Server ソリュー ション用 VSPEX 実証済みインフラストラクチャは、VNXe と VMware 仮想化 Linux Server プラットフォームを使用して妥当性検査が行われ、ストレージお よびサーバー ハードウェアを統合します。仮想化されたインフラストラクチャ は一元管理することができ、拡張可能な数の仮想マシンおよび関連づけられ た共有ストレージの効率的な導入と管理が可能です。
ソリューションのアーキテクチャ
図 2 は、VSPEX インフラストラクチャ上の Oracle Database 12c オーバーレイ に対して妥当性検査済みのインフラストラクチャの特徴を表すアーキテク チャを示しています。
EMC では、Oracle Database 12c 用 VSPEX サイジング ツールを使用し て、各 Oracle データベースのコンピューティング リソースの数を指定し ました。図 2 は、Oracle 12c Server 用の VSPEX 実証済みインフラストラ クチャに対して妥当性検査済みのアーキテクチャを示しています。 VSPEX サイジング ツールを使用して、Oracle Database 12c と、
VNXe3200 ストレージ アレイの仮想インフラストラクチャ プールに推奨 されるストレージ レイアウトを決定した。サイジング ツールは、EMC Business Value Portalにあります。
注： このソリューションの最小 Oracle バージョンは 12.1.0.1 です。このドキュメントを通して これを12c と呼びます。
主要なコンポーネントのサマリー
表 9 に、このソリューションで使用される主なコンポーネントを示します。個々 のコンポーネントの詳細は、関連する設計ガイドに記載されています。 表 9. ソリューションのコンポーネント レイヤー コンポーネント アプリケーション Oracle Database 12c 仮想化 VMware vSphere 5.5 コンピュー ティング VSPEX が定義する最小限のコンピューティング レイヤー リソースが必要 注： これらの要件を満たす、どのサーバー ハードウェアも実装できます。 ネットワーク VSPEX が定義する最小数のネットワーク ポートが必要 注： VSPEX は、必要最低限のネットワーク ポートの数を定義し、ネット ワーク アーキテクチャに対する一般的なガイダンスを提供する一方で、 これらの要件を満たすあらゆるネットワーク ハードウェアを実装できるよ うにお客様をサポートします。 ストレージ EMC VNXe3200OS Red Hat Enterprise Linux 6.4 バックアップ EMC Data Protection ソリューション
第
4 章
ソリューションの実装
この章は、次のトピックで構成されています。 概要 ... 26 物理コンポーネントの準備 ... 26 ネットワークの実装 ... 26 ストレージ アレイの実装 ... 27 VMware ESXi と vCenter の実装 ... 32 Oracle Database 12c 仮想マシンのテンプレートの準備 ... 32 Oracle Database 12c の仮想マシンの導入 ... 35概要
この章では、VMware vSphere 5.5 および VNXe を使用した VSPEX 実証済み インフラストラクチャ環境にOracle Database 12c をインストール、構成、実装 するための手順について説明します。 注： すでに VSPEX 実証済みインフラストラクチャ環境を使用している場合、すでに完了して いる実装ステップについては無視できます。
物理コンポーネントの準備
このセクションには、ソリューションの物理コンポーネントを準備するために必 要なタスクが記載されています。表 10 に示すタスクを完了すると、新しい ハードウェア コンポーネントがラックに設置され、ケーブル配線、電源供給が 行われ、ネットワーク接続できる状態になります。 表 10. 物理コンポーネントの構成タスク タスク 説明 リファレンス ネットワーク ス イッチの準備 スイッチをラックに取り付け、 電源に接続します。 ベンダーのドキュメント サーバーの準備 サーバーをラックに取り付 け、電源に接続します。 ベンダーのドキュメント VNXe の準備 VNXe をラックに取り付け、 電源に接続します。 EMC VNXe3200 インストール ガイドネットワークの実装
このセクションでは、ソリューション アーキテクチャをサポートするために必要 なネットワーク インフラストラクチャの要件について説明します。表 11 に、ス イッチとネットワークの構成に必要なタスクの概要と、詳細情報の参照先を示 します。 表 11. スイッチおよびネットワーク構成のタスク タスク 説明 リファレンス ネットワークの 構成 ソリューション リファレンス アーキテ クチャに従って、ストレージ ネット ワークおよびホスト インフラストラク チャ ネットワークを構成する。 に列挙された「VSPEX 実証 済みインフラストラクチャ ガイド」 必ず読んでおくべ き資料 ネットワーク ケーブル接続 の完了 以下を接続します。 スイッチ相互接続ポート N/Aタスク 説明 リファレンス VLAN の構成 必要に応じてプライベートVLAN およ びパブリックVLAN を構成する。 ベンダーのドキュメント VMware vSphere ネット ワークの構成 アプリケーション、管理、ストレージ ネットワークを分離するための仮想 スイッチを作成する。 VMware vSphere Networking Guide ネットワーク実装の詳細については、関連する「設計ガイド」を参考にしてくだ さい。
ストレージ
アレイの実装
このセクションではVNXe ストレージ アレイを構成する方法について説明しま す。表 12 に、ストレージの構成に必要なタスクの概要と、詳細情報の参照 先を示します。 表 12. ストレージ構成のタスク タスク 説明 リファレンス VNXe の初期構成 のセットアップ VNXe アレイの IP アドレス情報 とその他の主要なパラメー ターを構成する。 EMC VNXe3200 インス トール ガイド VNXe シリーズ構成ワー クシート ストレージのプロ ビジョニング Oracle Server データを格納す るVMFS データストア用のスト レージをプロビジョニングする か、VMware のホストにマウン トされるNFS（ネットワーク ファ イル システム）を作成する ネットワーク インターフェイス、IP アドレス情報のほか、DNS、NTP などの主要 パラメーターは、必ず、ストレージのプロビジョニングの前に VNX に構成しま す。VNXe の構成方法の詳細については、必ず読んでおくべき資料の関連す る「VSPEX 実証済みインフラストラクチャ ガイド」を参考にしてください。 ストレージをプロビジョニングする前に、設計ガイドに記載された推奨事項と VSPEX サイジング ツールの提案に従います。 表 13 に VNXe 上の Oracle 用のストレージ レイアウトの例を示します。 表 13. VNXe のストレージ レイアウト例 ストレージ プール名 RAID タイプ ディスク タイプ ディスク数 Oracle Database デー タ プール（FAST Cache が有効） RAID 5（4+1） 10,000 rpm SAS ディスク 30 RAID 1（1+1） FAST Cache SSD 2Oracle Database
REDO プール RAID 10（2+2） 10,000 rpm SAS ディスク 4
概要 初期のVNXe構成 のセットアップ Oracle用ストレー ジ レイアウトの構 成例
適切な数のディスクを使用してプールを作成する
プールを作成するには：
1. Unisphere で、［Storage］＞［Storage Configuration］＞［Storage Pools］を選択します。
2. ［Create］をクリックして Storage Pool ウィザードを起動します。SAS ディスクを使用して、次のように手動で新しいプールを作成します。 − データベース データファイル プールのための 30 個のドライブが あるストレージ プールに RAID5（4+1）を使用します。これは大規 模Oracle データベースの場合の例です。 − この例では、データベースREDOログ ファイルに対して、4 つのドラ イバーがあるストレージ プールに RAID10（2+2）を使用します。 注： ここで、ホット スペア ディスクを作成します。詳細については、「EMC VNXe3200 Installation Guide」を参照してください。 VMFS データストア用のストレージをプロビジョニングするには、設計ガイドに 記載された推奨事項とVSPEX サイジング ツールの提案に従います。 図 3. VMFS 用ストレージのプロビジョニング例 図 3 は、Oracle データベースが異なる VMDK を使用して OS、Oracle バイナリ、 Oracle データファイル、REDO ログ ファイルを格納することを示します。また、
注： 図 3 は一例であり、お客様の導入環境の実際の構成とは異なる可能性があります。
VMFS の推奨事項と設計の詳細については、「設計ガイド」を参考にしてくだ さい。
Oracle Database 12c には、Oracle dNFS（Direct NFS）を使用して Oracle の データファイルをNAS デバイスに格納する機能が備わっています。dNFS を IP 経由で使用すると、NFS マウント経由ですべてのデータベース オブジェクトに アクセスできます。データファイル、オンラインREDO ログ ファイル、その他の データベース ファイルは、図 4 に示すように dNFS を使用してアクセスします。 ストレージ レイアウトの推奨事項と設計の詳細については、「設計ガイド」を 参考にしてください。 図 4. NFS 用ストレージのプロビジョニング例 FAST VP はディスク リソースの効率性を向上させ、低いコストで優れたパ フォーマンスを実現します。FAST VP を使用すると、新規に FAST VP SSD を Oracle Database のデータファイル プールに追加することで、変化するビジネ ス ニーズに自動的に適応します。
VNXe では、FAST VP により、FAST VP SSD と SAS 層の間で Oracle Server デー タを256 MB のスライス単位で自動的に移動することができます。これにより、 レスポンス タイムを大幅に短縮し、Oracle Database OLTP のパフォーマン スを向上させることができます。 NFS用ストレージ のプロビジョニン グ例 VNXeでのFAST VPの構成
VNXe で FAST VP を有効にする操作は、Oracle Database Server に対して透過 的に行われます。再構成の必要はなく、ダウンタイムも発生しません。EMC で は、プール内のすべての LUN の階層化ポリシーを同一にし、Oracle データ ベースのデータファイル プールについて、関与するプール LUN の FAST ポリ シーを［Start High] と [Auto-Tier］に設定することをお勧めしています。 FAST VP を LUN レベルで構成する方法の詳細な手順については、必ず読ん でおくべき資料の関連する「VSPEX 実証済みインフラストラクチャ ガイド」を参 考にしてください。 図 5 に、このソリューションの VNXe システム用に作成するストレージ プール の例を示します。ストレージ プールでは、Oracle のデータファイルの格納に、 30 の SAS ディスクと FAST VP が使用されます。 図 5. FAST VP が有効化されたストレージ プールの例 アレイ内で SSD を読み取り/書き込みの拡張キャッシュとして使用すると、 FAST Cache の IOPS が増え、高コストな全 SAS 構成に比べてデータベースの レスポンス タイムが大幅に短縮されます。
FAST Cache の有効化は、Oracle データベース サーバーに対して透過的な操 作であり、再構成やダウンタイムは発生しません。詳細については、「設計ガ イド」を参考にしてください。
FAST Cache を作成して構成するには、次の手順を実行します。 1. VNXe ストレージ アレイに FAST Cache を作成します。
詳細な手順については、必ず読んでおくべき資料に列挙された関連
する「VSPEX 実証済みインフラストラクチャ ガイド」を参考にしてください。 2. Unisphere で［Storage］をクリックし、［Storage Configuration］を選択
VNXeでのFAST Cacheの構成
4. ［Settings］をクリックします。
5. 図 6 に示すように、［Allow this pool to use the FAST Cache］をクリック し、FAST Cache を有効化します。 図 6. ストレージ プールのプロパティ： FAST Cache オプション 図 7 に VNXe のストレージ レイアウトの詳細を示します。これは例です。 VSPEX プライベート クラウド プール、Oracle データベースのデータファイル、 REDO ログ ファイル プールで使用するディスクの数は、お客様の要件によっ て異なる場合があります。 ストレージ レイアウトの推奨事項と設計の詳細については、「設計ガイド」と 必ず読んでおくべき資料に列挙された関連する「VSPEX 実証済みインフラスト ラクチャ ガイド」を参考にしてください。 図 7. VNXe シリーズの仮想化 Oracle ストレージ レイアウトの例 ストレージ レイア ウトの例
VMware ESXi と vCenter の実装
このセクションでは、VMware ESXi のホスト、vCenter、インフラストラクチャ サーバーなど、アーキテクチャをサポートするインストールと構成の要件につ いて説明します。表 14 に、実行する必要のあるタスクを示します。 表 14. VMware ESXi、vCenter、インフラストラクチャ サーバーをインストールおよび構成 するための手順 タスク 説明 リファレンス VMware ESXi のイン ストール ソリューション用に導入される物理サー バー上にVMware ESXi 5.5 ハイパーバイ ザーをインストールします。
vSphere Installation and Setup
vCenter Server の 構成と導入
VMware vCenter Server 5.5 をインストー ルする。
vCenter Server およびホスト 管理
Installing vCenter Server 5.5 best practices
VMware ESXi ネット ワークの構成
VMware ESXi ネットワークの構成： NIC ト ランキング、VMkernel ポート、仮想マシン ポート グループ、ジャンボ フレームが含 まれます。 vSphere Networking 仮想データセンター の作成 仮想データセンターを作成する。 vCenter Server およびホスト管理 vSphere ライセンス キーの適用 vCenter のライセンス メニューで、 vSphere のライセンス キーを入力します。
vSphere Installation and Setup
VMware ESXi ホスト の追加
VMware ESXi ホストに vCenter を接続 する。 vCenter Server およびホスト管理 vSphere クラスタリン グの構成（オプ ション） vSphere クラスターを作成する。 vSphere リソース管理 アレイVMware ESXi ホスト検出の実行
Unisphere コンソールで、VMware ESXi ホ スト検出を実行する。
vSphere リソース管理
VMware ESXi と vCenter の詳細については、必ず読んでおくべき資料 の関連 する「VSPEX 実証済みインフラストラクチャ ガイド」を参考にしてください。
Oracle Database 12
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仮想マシンのテンプレートの準備
VMware には、仮想マシンの迅速な作成やプロビジョニングの際にマスター コピーとして使用できるテンプレートを作成する機能があります。テンプレー トを使用することで、管理者の介入を最小限に抑えながら、アプリケーション
vCenter で保持されるカスタマイズ仕様によって、仮想マシンの展開はさらに 簡素化されます。これらのテンプレートを導入ウィザード、自動化ツール、ス クリプトで使用すると、新しい仮想マシンを構築する前にサーバー設定（サー バー名、タイム ゾーン、ネットワーク構成など）を自動的に作成または変更で きます。 このセクションでは、新しいOracle Database 12c 環境の迅速な導入を可能に する、VMware 仮想マシン テンプレートの準備について説明します。 Oracle ソフトウェアのインストール要件と動作条件を満たすテンプレートを構 成するには、次の手順を実行します。 1. 次のリソースを含む仮想マシンを作成します。 − 2 個の vCPU − 8 GB の vRAM − 100 GB 仮想ディスク 2. オペレーティング システムと RPM パッケージをインストールします。 3. システム パラメーターとカーネル パラメーターを構成します。 4. OS グループとユーザーを作成します。 5. クローンの準備が完了している Oracle バイナリのインストールと切り 離しを行います。 6. 仮想マシンを VMware テンプレートに変換します。 表 15 は、仮想マシンのテンプレート仕様の例を示します。 表 15. 仮想マシンのテンプレート仕様の例 コンポーネント 説明 CPU 2 個の vCPU メモリ 8 GB 仮想ディスク 100 GB の内訳： スワップ パーティション用の 8 GB 起動可能root パーティション用の 92 GB オペレーティング システム Red Hat Enterprise Linux サーバー リリース 6.4 カーネル 2.6.32 ネットワーク インターフェイス Eth0： パブリック/管理 IP ネットワーク Eth1： ストレージ ネットワーク OS ユーザー ユーザー名： oracle OS グループ グループ名： oinstall、dba データベース バイナリ Oracle 12.1.0.1
表 16 では、仮想マシンをテンプレートに変換する前に、オペレーティング シ ステムと Oracle の動作条件をインストールして構成するステップについて説 明します。 表 16. Oracle インストールの動作条件 タスク 説明 参照資料（Oracle Web サイト） ゲストOS のインス トール
Red Hat Enterprise Linux 6.4 64 ビット オペ レーティング システムをインストールして、 ネットワーク インターフェイスを構成する。
Red Hat Enterprise Linux 6 Installation Guide
VMware ツールの インストール
RPM（Red Hat Package Manager）を使用し たVMware ツールのインストール
Installing VMware Tools in a Linux virtual machine using Red Hat Package Manager (RPM)（VMware ナレッジベース の記事ID 1018392） 必要なRPMパッケー ジのインストール 必要なRPM パッケージをインストールまた は更新する。
Oracle Database Installation Guide 12c Release 1 (12.1) for Linux カーネル パラメー ターの設定 Oracle 特有のセマフォ、仮想メモリと共有 メモリ、ネットワーク、非同期I/O の設定に 合わせてカーネルを構成する。 Oracle ユーザーのリ ソース制限の設定 Oracle ソフトウェア インストール ユーザー のリソース制限をチェックして調整する 必要なソフトウェア ディレクトリの作成 Oracle ソフトウェアに必要なディレクトリを 作成する HugePages の構成 HugePages でメモリ ページの数と仮想メモ リの管理オーバーヘッドを減らすよう構成 する。 最新バージョンの「My Oracle Support Note ID 1392497.1: USE_LARGE_PAGES To Enable HugePages 表 17 に Oracle Database 12c バイナリとパッチをインストールするために必 要な手順を示します。 表 17. Oracle Database バイナリとパッチのインストール タスク 説明 参照資料（Oracle Web サイト） Oracle データベー ス バイナリのイン ストール データベース バイナリのみをインストール する場合は、Oracle Universal Installer を起 動して、次のインストール オプションを選 択： Install database software only
Oracle Database Installation Guide 12c Release 1 (12.1) for Linux 最新のPSU およ びCPU のインス トール データベースの最新PSU（Patch Set Update）をインストールする。ユーザーID、 パスワード、サポート契約が必要です。 利用可能な最新バージョンの 「Critical Patch Updates, Security Alerts, and Third Party Bulletin」 Oracleインストー ルの動作条件を 満たす Oracle Database 12cバイナリと パッチのインス トール
Oracle Database 12
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の仮想マシンの導入
カスタム仕様で仮想マシンをテンプレートから導入する方法はいくつかあります。 vCenter で［Deploy Virtual Machine from this Template］を選択する vCenter で［Customize using an existing customization
specification］を選択する 設計ガイドの仮想化 Oracle 用 VSPEX 情報収集用ワークシートを使用して、 Oracle データベースを格納する仮想化インフラストラクチャと NFS ファイル シ ステム全体のサイズを設定します。「設計ガイド」には、データベースで必要 なOracle 初期化パラメーターに関するガイドも用意されています。 個々のデータファイルは、スキーマ設計やテーブル スペースのテーブルと インデックスの配置に基づいてサイズを指定します。詳細については、ASM とdNFS 用のデータベース ファイル レイアウトの構成を参照してください。 初期パラメーターを構成する方法のガイダンスについては、「設計ガイド」と 初期パラメーターの構成を参考にしてください。 このソリューションでは、ユニファイド ストレージ プラットフォーム ソリュー ションを異なるプロトコルでテストするために、Oracle 12c Database が 2 つの 構成で構築されました。データベースの構築には、RAID 保護された ASM ディ スク グループによる ASM 実装と、RAID 保護された NFS ファイル システムに よる dNFS 実装が使用されました。バックエンド ストレージのレイアウトは、 ファイル システムの種類を除いて両方の構成でほぼ同じです。 ASM用のデータベース ファイルのレイアウト 表 18 には、Oracle ASM によって管理されるストレージ上に存在するデータ ファイル、オンラインREDO ログ ファイル、CRS ファイル、その他のデータベー ス ファイルが列挙されています。データベースは、 +DATA、+REDO、+CRS な ど、いくつかの異なるASM ディスク グループで構築されています。 表 18. ASM 用の Oracle ファイルの場所 コンテンツ 場所 データベース バイナリ ファイル データベース サーバーのローカル ディスク、ま たは仮想サーバー専用のファイル システム データファイル、制御ファイル +DATA オンラインREDO ログ ファイル +REDO OCR と投票ディスク ファイル +CRS このソリューションでは Oracle ASM がデフォルトのファイル システムですが、 Red Hat 6.4 では VFAT、ext2、ext3、ext4、ReiserFS などの複数のファイル シス テムをサポートします。Oracle は一般にファイル システムを認定しませんが、 Linux は例外です。現在は ext3、ext4、OCFS2 がサポート対象に含まれます。 概要 ASMとdNFS用の データベース ファ イル レイアウトの 構成
NFS用のデータベース ファイルのレイアウト
データファイルやオンライン REDO ログ ファイルなどの Oracle Database の コンポーネントは、dNFS（Oracle Direct NFS）を使用して格納されます。これら のファイル システムは、ファイルの種類に応じて適切な RAID レベルと適切な 数のディスクを使用します。表 19 には、データファイル、オンライン REDO ロ グ ファイル、その他のデータベース ファイルと、それらが存在する場所が列 挙されています。 表 19. NFS 用の Oracle ファイルの場所 コンテンツ 場所 データベース バイナリ ファイル データベース サーバーのローカル ディスク または仮想サーバー専用のファイル シス テム データファイル、制御ファイル Oracle データファイル専用のファイル シス テム全体に拡散 オンラインREDO ログ ファイル REDO ログ ファイル専用の 2 つの異なる ファイル システム全体に多重化 EMC では、NFS クライアント用に供給されたオペレーティング システムを上回 るパフォーマンスを提供する、Oracle dNFS クライアントの使用をお勧めして います。Oracle dNFS クライアントは、Gb Ethernet ファブリックに自動フェイル オーバーを提供し、OS のキャッシュや書き込み順序のロックをバイパスする コンカレントI/O を実行することで、高度な復元性とパフォーマンスを実現しま す。また、dNFS は非同期 I/O を実行し、I/O 要求が送信されて処理される間 も、処理が続行されます。 注： Oracle では、システム構成ファイル/etc/fstab で NFS バッファー サイズのパラメー ターを32,768 に設定することを推奨していますが、 ファイル oranfstab を使用して Oracle Database 専用の Direct NFS の追加のオプションを指定できます。詳細については、Oracle Web サイトの「Database Installation Guide 12c Release 1 (12.1) for Linux」を参照してくだ さい。 次のいずれかの方法を使用して、初期パラメーターを構成します。 自動共有メモリ管理 ASMM（自動共有メモリ管理）を実装して共有メモリ構造の管理を自動化しま す。次に示す共有メモリ構造が自動的に管理されます。 DB_CACHE_SIZE SHARED_POOL_SIZE LARGE_POOL_SIZE 初期パラメーター の構成
ASMM により、これらのコンポーネント間のワークロードの要求に応じて、 Oracle データベースでメモリが分配されます。これらのコンポーネントは自動 調整パラメーターとみなされます。MMAN（Memory Manager）はバックグラ ウンドでこれらのコンポーネントのサイズを調整し、メモリを最も必要とする コンポーネントに振り分けます。 この機能を実装するには、次の初期パラメーターを設定します。 SGA_TARGET はゼロ以外の値に設定
STATISTICS_LEVEL は TYPICAL（または ALL）に設定
Automatic Memory Management
Oracle AMM（Automatic Memory Management）は使用しないでください。 AMM は HugePages と互換性がありません。HugePages を使用する場合は、 初期化パラメータMEMORY_TARGET と MEMORY_MAX_TARGET のいずれも 設定されないようにしてください。
詳 細 に つ い て は 、Oracle Web サ イ ト の 「My Oracle Support Note ID 749851.1」を参照してください。 ファイル システム ファイルのI/O操作 ファイル システムのファイルの直接 I/O と非同期 I/O を有効にするには、 FILESYSTEMIO_OPTIONS=SETALL を設定します。 非同期I/O の場合、I/O 要求が送信されて処理される間、処理は続行します。 これにより、非同期 I/O の I/O 動作に伴うパフォーマンスのボトルネックをバ イパスできます。直接I/O はファイル システムで利用できる機能で、データを ファイル システムのバッファー キャッシュにキャッシュすることなく、アプリ ケーションに直接送信します。
Direct NFS は FILESYSTEMIO_OPTIONS の値に依存しません。Direct NFS は OS サポートに依存しないため、常に非同期 I/O と直接 I/O を発行します。OS NFS クライアントの構成に誤りがあった場合に備えて OS でバックアップをサ ポートするには、FILESYSTEMIO_OPTIONS = SETALL を設定します。
表 16 に記 載 されてい るとおり、 テンプレート作 成処 理 の一部 として、 HugePages が Linux カーネルで使用できるようになりました。HugePages は、 RAM や SGA のサイズが十分である場合、Linux 上で Oracle データベースの パフォーマンスを高速化するのに必要不可欠です。結合されたデータベース SGA が 8 GB を超える場合、HugePages を構成する必要があります。
詳 細 に つ い て は 、Oracle Web サ イ ト の 「 My Oracle Support Note ID 361468.1: HugePages on Oracle Linux 64-bit」を参考にしてください。
HugePages設定
データベースは、DBCA（Database Configuration Assistant）を使用して作成 することを推奨します。これは、DBCA でのデータベース作成アプローチはよ り自動化されており、作成したデータベースはすぐに使用できるからです。 図 8 に示すように、DBCA をスタンドアロンのツールとして開始し、Oracle Database を作成してください。
UNIX か Linux のシェル、または Windows のコマンド プロンプトに次のコマン ドを入力し、Enter キーを押して DBCA を実行します。
dbca
注： dbca ユーティリティは通常、ORACLE_HOME/bin ディレクトリにあります。
図 8. Oracle Database Configuration Assistant のセットアップ画面
Oracle DBCA はインタラクティブ モードで動作します。事前構成済みのデータ ベース タイプのいずれか一方を変更するか、Oracle DBCA の画面を使用して データベースをカスタマイズします。
［General Purpose］と［Transaction Processing］は事前構成済みのデータ ベース テンプレートで、インストール時に作成およびカスタマイズできます。こ れは、次の要素の変更が含まれます。 初期化パラメーター DBCAを使用した データベースの 作成
DBCA を使用したデータベースの作成で説明したデータベースの作成が完了 すると、インスタンスが開き、データベースで通常の処理を実施できます。た だし、仮想マシンの場合、Oracle データベースの起動とシャットダウンは自動 的には行われません。
Oracle Web サイトの「My Oracle Support Note ID 222813.1: How to Automate Startup/Shutdown of Oracle Database on Linux」を参考にして、 Oracle Database 12c の起動処理とシャットダウン処理を自動化します。
すべてのVSPEX ソリューションは、EMC Avamar や EMC Data Domain を含む、 EMC Data Protection 製品でサイズ設定とテストが実施されています。ソ リューションにEMC Data Protection コンポーネントが含まれている場合に、こ れらのオプションをVSPEX ソリューションに実装する方法の詳細については、 「EMC Backup and Recovery Options for VSPEX for Virtualized Oracle Database 11gR2 Design and Implementation Guide」を参考にしてください。
データベース作成 後のアクティビ ティの実施
EMC Data Protectionの実装
第
5 章
ソリューションの検証
この章は、次のトピックで構成されています。
ハードウェアの検証 ... 42 Oracle 12c OLTP データベース パフォーマンスの検証 ... 43
ハードウェアの検証
このセクションでは、この VSPEX ソリューションを構成した後に確認が必要な アイテムの一覧を示します。この章では、ソリューションの特定の側面につい て構成と機能を確認し、この構成によって中核となる可用性要件がサポート されるようにします。表 20 では必要な確認タスクについて説明します。 表 20. VSPEX インストールの確認タスク タスク リファレンス インストール後チェックリストで、ソリュー ションの基本的なVMware ESXi 機能を確 認します。
「VMware vSphere での EMC VNX ス トレージの使用」TechBook 次のソリューション コンポーネントの冗長 性を確認します。 ストレージ VMware ESXi ホスト ネットワーク スイッチ ベンダーのドキュメント 監視ツールを使用して、VSPEX 実証済み インフラストラクチャの稼働状態を監視し ます。 VSPEX ドキュメント
EMC では、各 VMware ESXi サーバに本番システムを導入する前に、VMware ESXi 構成を確認することをお勧めします。詳細については、必ず読んでおく べき資料の関連する「VSPEX 実証済みインフラストラクチャ ガイド」を参考に してください。
メンテナンスやハードウェア障害に関連する特定のシナリオをテストして、ソ リューションの各種コンポーネントで可用性要件が維持されていることを確認 します。EMC では、ストレージ、VMware ESXi のホスト、ネットワーク スイッチ などのソリューションのコンポーネントの冗長性を確認することをお勧めして います。
詳細については、必ず読んでおくべき資料の関連する「VSPEX 実証済みイン フラストラクチャ ガイド」を参考にしてください。
ヘルス モニタリングは、仮想化 Oracle Database 用 VSPEX 実証済みインフラ ストラクチャの信頼性、安定性、パフォーマンスを表す簡素化された測定手 段です。表 21 に、VSPEX ソリューションの監視およびトラブルシューティング のためのツールをいくつか示します。 VMware ESXi 機能の確認 ソリューション コンポーネントの 冗長性の確認 ヘルス モニタリン グ ツールの使用
表 21. ソリューションを監視するツール
ツール 説明
esxtop esxtop ツールでは、CPU などの VMware ESXi ハイパーバイザーの パフォーマンス メトリックをリアルタイム（デフォルトでは 5 秒ごとに 更新）で確認できます。これらのパフォーマンス メトリックでは、 Oracle データベースのパフォーマンスに関する問題を計測してトラ ブルシューティングできます。 AWR（Automatic Workload Repository）
AWR（Automatic Workload Repository）は、パフォーマンスの統計 情報を収集、処理、維持して、問題の検出と自動調整に役立てる ことができます。このデータは、メモリ内とデータベース内の両方 に格納されます。収集されたデータは、レポートとビューの両方で 確認できます。
EMC では、Oracle Database 環境全体のパフォーマンスを監視するために、こ れらのツールを使用することを推奨しています。パフォーマンスの検証とテス ト方法の詳細については、関連する「設計ガイド」を参考にしてください。
Oracle 12
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OLTP データベース パフォーマンスの検証
このセクションでは、VNXe3200 上の Oracle 12c OLTP を検証する、パフォー マンス テストの例を示します。テストにより、この VSPEX ソリューションがお客 様のビジネス要件を満たすかどうかを確認できます。ご使用のソリュー ションを検証する前に、「設計ガイド」を参考にしてテスト方法について理解を 深めてください。
ベースライン パフォーマンス検証のために、FAST Cache を無効にして、SAS 10K RPM ディスク上に 2 つのストレージ プール（Oracle データファイル用と REDO ログ ファイル用）を構築しました。
重要メトリック
Fast Cache を使用するかどうかと、ビジネス要件が満たされるかどうかを確 認したら、Oracle Database 12c の検証テストの実行時に、Oracle 12c の収集 するテスト メトリックと各メトリックの閾値を選択する必要があります。 表 22 に示す Oracle Database 12c の重要なパフォーマンス メトリックを確認 するには、VSPEX サイジング ツールを参考にしてください。 表 22. Oracle Database 12c 導入の重要メトリックの例 メトリック 閾値 平均CPU 使用率（%） 80%未満 平均ディスク レーテンシー 20 ミリ秒未満 概要 ベースライン パ フォーマンスの 検証
コンピューティング インフラストラクチャとストレージ インフラストラクチャがパ フォーマンス要件を満たしていることを確認するために、表 23 に示す Oracle Database 12c 仮想マシン プロファイルを使用しました。 表 23. Oracle Database 12c 仮想マシン プロファイル プロファイル 値 Oracle データベース容量合計 1 TB データベース インスタンスの数 1 仮想マシン数 1
Oracle Server 仮想マシン構成 32 基の仮想プロセッサ（vCPU）、98 GB のメモリ （64 GB を Oracle SGA 用、32 GB を PGA 用に予約）
表 24 に、前述のプロファイルの Oracle Database 12c ストレージ プールの設 計を示します。 この設計は次のベスト プラクティスに従っています。 データファイルと REDO ログ ファイルを別々のストレージ プールに分散 する。 必要に応じて、Oracle アーカイブ ログとバックアップ ファイル用に別々 のストレージ プールを使用する。 表 24. Oracle Database 12c ストレージ プール設計の例 プール名 RAID タイプ ディスク タイプ ディスク容量 ディスク数 Oracle データベース データ ファイル プール RAID 5 SAS ディスク 10,000 rpm 600 GB 30 Oracle データベース ログ ファ イル プール RAID 10 SAS ディスク 10,000 rpm 600 GB 8 テスト結果 テスト結果を得られたら、重要メトリックに基づいて結果を解釈する必要があ ります。表 25 に示す例では重要メトリックの条件がすべて満たされており、 現在のOracle 12c 環境がビジネス要件を満たしていることを意味します。
表 25. FAST Cache を使用しない場合の Oracle Database 12c の重要なパフォーマンス メ
トリック
パフォーマンス メトリック ベースラインフォーマンス パ 閾値
Host CPU 35% 80%未満 Host IOPS 最大4,573 N/A
FAST Cache によるパフォーマンス高速化の検証では、ベースライン パフォー マンスの検証と同じデータファイルとログ ファイル プールを使用し、FAST Cache をデータファイル プールに対してのみ有効にします。検証用の FAST Cache 構成では、2 つの 200 GB FAST Cache SSD と RAID 1/0、計 183 GB の 空きディスク領域を使用しました。
FAST Cache を使用して Oracle Database 12c のパフォーマンスを高速化する 場合に適したアプリケーション ワークロードは、アプリケーション データへの アクセス頻度が高い、小ブロック ランダム I/O アプリケーションです。
プライマリ ワークロードがシーケンシャルである場合は、FAST Cache の有効 化は避けてください。Oracle REDO ログ ファイルのプライマリ I/O はシーケン シャルであるため、FAST Cache の検証からそのログを除外しました。 注： FAST Cache のベスト プラクティスの詳細については、関連の「設計ガイド」を参照してく ださい。 重要メトリック 既存のデータベースでFAST Cache を有効化すると、次のようなパフォーマン ス改善を期待できます。 I/O アクセス レーテンシーの削減 IOPS および TPS の向上 テスト結果 テスト結果を得られたら、重要メトリックに基づいて結果を解釈する必要があ ります。表 26 に示す例では重要メトリックの条件がすべて満たされており、 現在のOracle 12c 環境がビジネス要件を満たしていることを意味します。
表 26. FAST Cache を使用する場合の Oracle Database 12c の重要メトリック
パフォーマンス FAST Cache のパフォーマンス 閾値
Host CPU 75% 80%未満
Host IOPS 最大7,426 N/A
データR/W レスポンス タイム 7 ミリ秒 20 ミリ秒未満
FAST Cacheを有効化する前と後のパフォーマンス比較
表 27 と図 9 では、FAST Cache を有効化する前と後のデータベース パフォー マンスを比較して、FAST Cache によるパフォーマンス向上を検証しました。表 25 に示すベースライン パフォーマンスの結果と比較すると、VNXe3200 アレ イに2 台の 200 GB FAST Cache フラッシュ ドライブを追加することで、Oracle Database 12c の IOPS が 4,573 から 7,426 に増加し、レスポンス タイムが 20 ミリ秒から 7 ミリ秒に短縮されました。
FAST Cacheによる
パフォーマンス高 速化の検証
表 27. FAST Cache を有効化する前と後の比較 パフォーマンス メトリック ベースライン FAST Cache IOPS 4,573 7,426 レスポンス タイム（ミリ秒） 20 7 図 9 に、ベースライン パフォーマンスと FAST Cache によって向上したパ フォーマンスの比較を示します。 図 9. FAST Cache を有効化する前と後のパフォーマンス比較
