VMware には、仮想マシンの迅速な作成やプロビジョニングの際にマスター
コピーとして使用できるテンプレートを作成する機能があります。テンプレー トを使用することで、管理者の介入を最小限に抑えながら、アプリケーション
vCenter で保持されるカスタマイズ仕様によって、仮想マシンの展開はさらに 簡素化されます。これらのテンプレートを導入ウィザード、自動化ツール、ス クリプトで使用すると、新しい仮想マシンを構築する前にサーバー設定(サー バー名、タイム ゾーン、ネットワーク構成など)を自動的に作成または変更で きます。
このセクションでは、新しいOracle Database 12c環境の迅速な導入を可能に する、VMware仮想マシン テンプレートの準備について説明します。
Oracle ソフトウェアのインストール要件と動作条件を満たすテンプレートを構
成するには、次の手順を実行します。
1. 次のリソースを含む仮想マシンを作成します。
− 2個のvCPU
− 8 GBのvRAM
− 100 GB仮想ディスク
2. オペレーティング システムとRPMパッケージをインストールします。
3. システム パラメーターとカーネル パラメーターを構成します。
4. OSグループとユーザーを作成します。
5. クローンの準備が完了しているOracleバイナリのインストールと切り 離しを行います。
6. 仮想マシンをVMware テンプレートに変換します。
表 15は、仮想マシンのテンプレート仕様の例を示します。
表 15. 仮想マシンのテンプレート仕様の例
コンポーネント 説明
CPU 2個のvCPU
メモリ 8 GB
仮想ディスク 100 GBの内訳:
スワップ パーティション用の8 GB 起動可能rootパーティション用の92 GB オペレーティング システム Red Hat Enterprise Linuxサーバー リリース6.4 カーネル 2.6.32
ネットワーク インターフェイス Eth0: パブリック/管理IPネットワーク Eth1: ストレージ ネットワーク
OSユーザー ユーザー名: oracle OSグループ グループ名: oinstall、dba データベース バイナリ Oracle 12.1.0.1
表 16では、仮想マシンをテンプレートに変換する前に、オペレーティング シ
ステムと Oracle の動作条件をインストールして構成するステップについて説
明します。
表 16. Oracleインストールの動作条件
タスク 説明 参照資料(Oracle Webサイト)
ゲストOSのインス トール
Red Hat Enterprise Linux 6.4 64ビット オペ レーティング システムをインストールして、
ネットワーク インターフェイスを構成する。
Red Hat Enterprise Linux 6 Installation Guide
VMwareツールの インストール
RPM(Red Hat Package Manager)を使用し
たVMwareツールのインストール
Installing VMware Tools in a Linux virtual machine using Red Hat Package Manager (RPM)(VMwareナレッジベース の記事ID 1018392)
必要なRPMパッケー ジのインストール
必要なRPMパッケージをインストールまた は更新する。
Oracle Database Installation Guide 12c Release 1 (12.1) for Linux
カーネル パラメー ターの設定
Oracle特有のセマフォ、仮想メモリと共有
メモリ、ネットワーク、非同期I/Oの設定に 合わせてカーネルを構成する。
Oracleユーザーのリ ソース制限の設定
Oracleソフトウェア インストール ユーザー
のリソース制限をチェックして調整する 必要なソフトウェア
ディレクトリの作成
Oracleソフトウェアに必要なディレクトリを
作成する
HugePagesの構成 HugePagesでメモリ ページの数と仮想メモ リの管理オーバーヘッドを減らすよう構成 する。
最新バージョンの「My Oracle Support Note ID 1392497.1:
表 17にOracle Database 12cバイナリとパッチをインストールするために必 要な手順を示します。
表 17. Oracle Databaseバイナリとパッチのインストール
タスク 説明 参照資料(Oracle Webサイト)
Oracleデータベー ス バイナリのイン ストール
データベースバイナリのみをインストール する場合は、Oracle Universal Installerを起 動して、次のインストール オプションを選 択: Install database software only
Oracle Database Installation Guide 12c Release 1 (12.1) for Linux
最新のPSUおよ びCPUのインス トール
データベースの最新PSU(Patch Set Update)をインストールする。ユーザーID、
パスワード、サポート契約が必要です。
利用可能な最新バージョンの
Oracleインストー
ルの動作条件を 満たす
Oracle Database 12cバイナリと パッチのインス トール