Oracle Database 12 c の仮想マシンの導入
Oracle 12 c OLTP データベース パフォーマンスの検証
このセクションでは、VNXe3200上のOracle 12c OLTPを検証する、パフォー マンス テストの例を示します。テストにより、このVSPEXソリューションがお客 様のビジネス要件を満たすかどうかを確認できます。ご使用のソリュー ションを検証する前に、「設計ガイド」を参考にしてテスト方法について理解を 深めてください。
ベースライン パフォーマンス検証のために、FAST Cache を無効にして、SAS
10K RPM ディスク上に 2 つのストレージ プール(Oracle データファイル用と
REDOログ ファイル用)を構築しました。
重要メトリック
Fast Cache を使用するかどうかと、ビジネス要件が満たされるかどうかを確
認したら、Oracle Database 12cの検証テストの実行時に、Oracle 12cの収集 するテスト メトリックと各メトリックの閾値を選択する必要があります。
表 22に示すOracle Database 12cの重要なパフォーマンス メトリックを確認
するには、VSPEXサイジング ツールを参考にしてください。
表 22. Oracle Database 12c導入の重要メトリックの例
メトリック 閾値
平均CPU使用率(%) 80%未満 平均ディスク レーテンシー 20ミリ秒未満
概要
ベースライン パ フォーマンスの 検証
コンピューティング インフラストラクチャとストレージ インフラストラクチャがパ フォーマンス要件を満たしていることを確認するために、表 23に示すOracle
Database 12c仮想マシン プロファイルを使用しました。
表 23. Oracle Database 12c仮想マシンプロファイル
プロファイル 値
Oracleデータベース容量合計 1 TB データベース インスタンスの数 1
仮想マシン数 1
Oracle Server仮想マシン構成 32基の仮想プロセッサ(vCPU)、98 GBのメモリ
(64 GBをOracle SGA用、32 GBをPGA用に予約)
表 24に、前述のプロファイルのOracle Database 12cストレージ プールの設 計を示します。 この設計は次のベスト プラクティスに従っています。
データファイルとREDOログ ファイルを別々のストレージ プールに分散 する。
必要に応じて、Oracleアーカイブ ログとバックアップ ファイル用に別々 のストレージ プールを使用する。
表 24. Oracle Database 12cストレージプール設計の例
プール名 RAID
タイプ ディスク タイプ ディスク 容量
ディス ク数 Oracleデータベース データ
ファイル プール
RAID 5 SASディスク 10,000 rpm
600 GB 30
Oracleデータベース ログ ファ イル プール
RAID 10 SASディスク 10,000 rpm
600 GB 8
テスト結果
テスト結果を得られたら、重要メトリックに基づいて結果を解釈する必要があ ります。表 25 に示す例では重要メトリックの条件がすべて満たされており、
現在のOracle 12c環境がビジネス要件を満たしていることを意味します。
表 25. FAST Cacheを使用しない場合のOracle Database 12cの重要なパフォーマンス メ トリック
パフォーマンスメトリック ベースライン パ
フォーマンス 閾値
Host CPU 35% 80%未満
Host IOPS 最大4,573 N/A
FAST Cacheによるパフォーマンス高速化の検証では、ベースライン パフォー マンスの検証と同じデータファイルとログ ファイル プールを使用し、FAST
Cache をデータファイル プールに対してのみ有効にします。検証用の FAST
Cache構成では、2つの200 GB FAST Cache SSDとRAID 1/0、計183 GBの 空きディスク領域を使用しました。
FAST Cacheを使用してOracle Database 12cのパフォーマンスを高速化する
場合に適したアプリケーション ワークロードは、アプリケーション データへの アクセス頻度が高い、小ブロック ランダムI/Oアプリケーションです。
プライマリ ワークロードがシーケンシャルである場合は、FAST Cacheの有効 化は避けてください。Oracle REDOログ ファイルのプライマリI/Oはシーケン シャルであるため、FAST Cacheの検証からそのログを除外しました。
注: FAST Cacheのベスト プラクティスの詳細については、関連の「設計ガイド」を参照してく ださい。
重要メトリック
既存のデータベースでFAST Cacheを有効化すると、次のようなパフォーマン ス改善を期待できます。
I/Oアクセス レーテンシーの削減
IOPSおよびTPSの向上 テスト結果
テスト結果を得られたら、重要メトリックに基づいて結果を解釈する必要があ ります。表 26 に示す例では重要メトリックの条件がすべて満たされており、
現在のOracle 12c環境がビジネス要件を満たしていることを意味します。
表 26. FAST Cacheを使用する場合のOracle Database 12cの重要メトリック
パフォーマンス FAST Cacheのパフォーマンス 閾値
Host CPU 75% 80%未満
Host IOPS 最大7,426 N/A
データR/Wレスポンス タイム 7ミリ秒 20ミリ秒未満
FAST Cacheを有効化する前と後のパフォーマンス比較
表 27と図 9では、FAST Cacheを有効化する前と後のデータベース パフォー マンスを比較して、FAST Cacheによるパフォーマンス向上を検証しました。表 25に示すベースライン パフォーマンスの結果と比較すると、VNXe3200アレ
イに2台の200 GB FAST Cacheフラッシュ ドライブを追加することで、Oracle
Database 12cのIOPSが4,573から 7,426 に増加し、レスポンス タイムが
20ミリ秒から7ミリ秒に短縮されました。
FAST Cacheによる
パフォーマンス高 速化の検証
表 27. FAST Cacheを有効化する前と後の比較
パフォーマンスメトリック ベースライン FAST Cache
IOPS 4,573 7,426
レスポンス タイム(ミリ秒) 20 7
図 9 に、ベースライン パフォーマンスと FAST Cache によって向上したパ フォーマンスの比較を示します。
図 9. FAST Cacheを有効化する前と後のパフォーマンス比較