E芝草研究
5 5:1 9 9 12 0 3( 1 9 7 6 )
作 物 の 大 気 汚 染 被 害 の 発 生 機 構 に 関 す る 生 理 的 研 究
第
3
報 亜 硫 酸 ガ ス 処 理 に よ る大 麦 , 小 麦 薬 か らの エ チ レ ン発 生 に つ い て馬 場 赴 ・ 酒 井 慎 吾
大気汚染物質 の被雫 としてはiui硫酸 ガス, オキシダン ト(オ ゾン,パ ン等 ), フッ化水素 の被害 のほか 最近 では ‑チ レ./の被譜が問題 とされ てい る (山添
1 9 7 3a.b
,太 田1 9 7
4). エチ レン は 本来植物 ホル モソの 一種であ り,植物 の 内生 エチ レンは,仙物 の生長,発育 (開花,成熟等)の調節に正賓 な役割を果 してお り,果 実の成熟に伴 って しば しば 多最に 発生す る. また一方低混,水分欠乏,病 望,物即的,陵楓的刺戟 お よび化学的刺戟,す な わちオーキ シン( I AA)
,2,41Dな どオーキシ t/型除草剤や有害化学物JBに よって多畳 の内 生 エチ レンが発生す る( Ab l e1 9 7 4 ) .
最近 トマ ト, タバ コな どの作物 のオ ゾ./被曝に作 って多額のエチ レンが発 ′Fす ることが 発見 され
( Cr ac ke r1 9
71,'i:野 ・三宅1 9 7 2 )
, また ケヤ車.イ チ ョウ な ど の樹木 のオ ノン被曝に よって もエチ レンの発 生が認め られ, オキシダン ト発′卜地域 の樹木 の早期j落葉が エチ レンに帰f)]す る可能性の大 きい ことが 指摘 され てい る (井上
1 9 7 4 ) .
接着 らも大麦,小麦 な どのSO2ガス処即 の 実験においてSO2曝露に伴 って 糞 か ら多丑 の‑チ L,ソが発生す るとい う注 目すべ き車LRを認め たので,その結果 を報 告す る.
研究に当り発駐な示唆と大夏品唖亦神ノ]の渦性 (低唱)の系統およびその
i s o g e n i c
な並性 (け通型) の系統の種+を分譲された .瑚 穏隆 平教掛 こ離准なlJ謝,.t3‑.を衣するとともに,夕空弓削こ協力した 田辺佳代 子氏に感謝する実 験 方 法
実験は昭和
4 8
年秋〜4 9
年 早春にわた りカラス室内で我成 した材料につ いて2
回行 った.第‑乗除では大麦 (品種 キ カイ‑ ダカ) と小麦 (品種 シラサギ)を供試 した.実験 材料 紘,水田 卜雄 をつ めた 宙 径
1 3cm
の プラス チ ックポ ッ トに 11月2 9
日播種 し,2
本立に し て育 てた.1
月2 3
日に大麦 は草丈1 6cm
,基数3. 5
本,小麦は草丈1 5c m
,茎 数4. 0
本に 通 した ものを用い.SO2ガス処理を行 った.第二実験は
,
渦性 (怪型) の大変JP,種赤神力 とそれか ら9
位卜戻 し交雑 を行 って作 られ た 並性 (沖通塾)の系統を供試 した (高橋,未発表). この種子を用 い,実放材料 を 第一実 験 と同 じ方法で盛成 し, 1
月2 9
日渦性は草丈1 6c m
,茎数4. 0
本,並性は草丈2 0cm
,塞 数4. 0
本 にな った ものを用 い,SO2カス処理 を行 った.1 9 9
so2
ガ ス処和装冊は 既報 と火 な り,I):玖 室 に新設 した ガス送 入 ・排 出装 iTE〔 SO2
ガス発
・J:ぶ ,空 ′(
・ t r )
L新
札 カ ス稀釈I J t n
L.i::‑, ガ ス排 /x湖 h y . ' I ,SO2
ガス濃
tkJ
l'‑I 動
測定''T,tI と ガ ス也],蟻 『
こ
しガス 処雌 箱( 2 2×4 3×5 3
cm)2
個 を Jl路 す る ク ロスキ ャ ビネ ットか らな る〕 と 適 排 した t,ので あ る.実較 粂 佃 まいずれ の粟 験 て Lt,温度
2 5 o C
,湿 度6 5 ‑7 5 %,
照 度4
万 ル ックス, ガス通気; . 上4 ‑ 6
8/1分,SO2
ガス 処和時 間1, 5 ‑2 , 0
時 F=L'']で あ る.
2個 の ガス 地坪 箱 の うち1
個 はSO
.2
ガス 処理 区用で InI‑定 濃 度に用.・釈 したSO2
ガスを送 る もの, はか の1
個 は無処 理 区 用でSO2
ガス と同E!t:の蟹 気 を送 る もので あ る.so2
ガス 処理 後に薬 か ら 発 ′じす るェ チ レ./の1itを測 定 す るに は.,SO2
ガス終 了後 血 ちに 地卜
部 のノ仁体8g
を と り, これ を 水2 0
mlを入 れ た2 2 0
mlの 三角 フラス コに挿 して密栓 し, グ ロス キ ャ ビネ ノ ト内に附 き一 定 時H,l後にj‑a
/[̲した エ チ レンの鼓 を ガス ク ロマ トグラ フ ィ‑て
測定 した.実 験 結 果
第 一 実 験
大泉 小安 の
SO2
ガス処刑 '(‑J'後 の ̲'卜体1
g当 りの ‑手 レン発 生茄 を し らべ た・ その 結果 は第
1図 の よ うにS
O2ガス処理 で エ チ レンの発J
‑t
が上馴 口し,大麦 で は無 地矧 亘の4 ‑ 5
倍,小 左では 無JJALTT̲の約2
倍 で あ った.僻/
JLL郡区 の エチ レン発ノEr'luは ′ト.左か 大友 よ り多か‑
,た .′‑エチレン発生ハ小
二 叩 /
tr) 00004321≡
二 . 丁 ・ ̲ ̀
;
'ru T
I
I r,l
I L Llhr .
1 2 4 6 0・・hr.1 2 4 6yJ ' 日l lSO2
ガノ、池T T
Pに .T
/J‑テ レ/0̲)発生の推移( t l t て ) SO2
カ ー/恭
皮 k JL)・Ii l l f 川:SO21
.7
ppm・2
時問 (1月2 3
El)大麦 は 小麦 よ り
S02
か ス感受性 が 大 きい と いわ れ てい るが (谷 山1 9 7 2)
,木 rJさ験 で も so2ガスに よる舵 ′.1子(白化)葉面 耶 (% )は,大 友が7 9. 5 %
,小 変は6 8. 3 %
で,大 麦が小 友 よ りや や大 きか った .第 二 実 験
赤神 力 の渦 性 と並性 の 両系統 の
SO2
ガ ス処理 終 √後 の′川i '1
ど, 1
時悶 当 りの ‑ チ L,1/ の発I I E
ikを しらべ た.その結果 は第21那 )よ うに
SO
之ガス 処理担て エチ t,ソの発 生 濃が 著 し く増 加 し, ガス処2 0 0
段 学 研 屯・ノ■エチレン発生㍊(叩/g/i)
0 1 2 4 6
hr ,
9 0 1 2hr .
4 6 9・.:(112L』 大女 (,^榊 ノ))の
此t
'L系統およJ朋 性系統にふけ るSO21Tス地
PlJ.稗の エチ レ./允生U)推 移(注) SO2ガス処理濃皮 h‑よひ時FIBJ:SO21・5pp
m・1
柑IJl(1月2 9
日)理1矧削後に最 も多 く,そ の後 は6日即 日後 まで漸減 した.洞性 と
並
性 の両系統 を比較 す る と,無 処叩区 では エ チ レンの発 4̲i i
は渦性か並 性 よ J)人 きか ったが,SO2ガ ス処理 区 では IJJj系統 の間に基が なか った,so2カースに よる祈害 (r']化 )
糞 血 h H %)
は ,軸 性 系統が3 5%
,並性系統が3 2
% てT11・)‑系 統 間に差が少 なか った.考 察
宇野 ・三宅
( 1 9 7 2 )
は ク/くつのオ ノン処即 で盛 Q)変色肘.
I.'・と1'‑・行 して多iitの エナ L'ソの 発 生を認め たか,本研 究ではSO2カス処即 で も 炎 の 被一書に伴 って 多盤 の エチ L'ソの発/i‑I か認め られ た.す なわ ち第‑ r)湖 では炎のSO2線 斉盛面 fii(%)の大 きい 大 必 よそ の小 さ い小 麦に くらべ て ガス処理に よるエチ レンの発 生i
d・の増 加が大 きか った .第 二頂娘 では湘 性大安系統 と並性系統 の脚 こ薬 のSOq.被恕血f
llH % )に差 が 少 なか ったが・SO2処j帥
二に ぉけ る両系統間 の エチ レン発 生地 に も差が少 なか った. また第‑実験 は節二 乗験 に くらべ てSO2処理膿皮が やや ;・i・,く,SO2カス処理相川も長 くて,兼 の 妓悪
果両も 一 三 ( %)
が大 きか ったが , ‑チ L,ソの 発 生 も長州
L'iJ
i二わ た 1)多iLと,=・あ った. したが って 聾 のSO2ガスに よ る柴 の被苫̲REl由も I i( %)
ナ なが フ可視 ?'irEとエチ レンの党'l I̲I.との17'・Jに 平行周 係が ,J{,るよ う に思われ る.一般 に林木 ,矧 封な どのSO2ガス
枇' .
I.J
一症 状 と され て い る 火筒 描兵 ・集
晶 の碑少 な どの柿肘
よ‑テ レソに よって起 る枇怒症肘 =.もあ るか F・(松島 1 9 6 9 ・Abl e1 9 7 4 )
, これ まで い ),れ てい たSO2ガス 純甥には,SO2秒 駄に よ り誘叩 きれ た fJl':I‑‑.エチ レン の ′巨戊借 位に よ55進 (1976) 20L
る被藷 も含 まれ てい るのでは ないか と推測 され る.
また カソキ ツ樹 では しば しばS02に よる煙斑 の発 生 (可視被 告 ) が な くて も落 葉が 起 る ことが 知 られ て い る (松 島 ・原Et日 964,65a,br66)か ら果 樹 や林 木 では可 視閂・のな い程 度 のSO2ガス破門 で もェ チ レンの先 年が促進 され ,甲期 落 葉が誘 iEP3され る0: 3で は ない か と 推 測 され る. しか しそ の実 相は今 後 の研究 は また なければ な らない .
Aharoniら (1973)紘 ,小 麦 で は,播 性 早Ji超 が 長梓晩 生柵 に くらべ て エ チ レンの発 生量 が 多 い ことを認 め たが ,本研 究 で も第 二 実験 の無 処理 区 にお い て倭性 の 劣性迫 伝 子 を もつ赤 神 力 の渦 性系統 が そ のisogenicの並 性系 統 に くらべ て エチ レンの発 生盛 が 多 か っ た.一 般 に エ チ レンは刷物 の生長 を抑制す るホル モ ンで あ るか ら, この ことは,渦 性 系統 が域性 の劣性 遺 伝子uzを もち,並 性系 統 よ り矧 生で 子薬 用 や胤 長,樺 長 な どが短 い こ と
と関連 が あ る よ うに思 われ る.
すで に骨 (1972)は,渦 性系統 は並 性 系統 よ り内 生 ノベ レ 1)ンの姑が 少 な い こ とを.倉 石 (1974)は 湘 性系統 が並性 系統 よ りオー キ シ ンの /i‑̲成 が 少 ない ことを報 告 してい る.
これ らの嚇実 か ら, この大麦 湘性 ,並 性 両系統 は植 物 の怪 性化 とオ ーキ シ ン, ジベ レ リ ン, エ チ レソ等 の生長 ホル モ ソ との関 係を研究 す るのに好適 の材料 と思 われ , 今後 の そ の 研究 の進 展 が期 待 され る.
摘 要
(1) 大安 , 小安 につ い て,SO2ガス処 理 に伴 って薬 か ら多血 の エ チ レンの発 生 す る こ とが認 め られ た . この際 ,基 のSO2ガス 披̀占面積 (% )と 菓 か らの エ チ レンの発 生度 が平 行 して いた .
(2) 大麦 pu.,種赤神 力 の渦性 (倭 型 )系 統 とそ の isogenicの並 性 (hL通型 ) 系統 間 で, SO2ガス処理 区 の集の被 害 面
枇( %)
お よび ェ チ レン発生 袋 は と もに 差が 少 なか った . し か し無 処野」x:に おいてほ,渦性 系 統か並 性 系統 よ りエ チ レンの発 生量 が 多か った.文 献
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202 拙 ギ:研 究
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