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希土類元素の存在度パター ンの多様性 と規則性

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岡山大学温泉研究所報告 第35号 (1964)15‑50頁

希土類元素の存在度パター ンの多様性 と規則性

松 井 義 人

岡山大学温泉研究所 化学部門

1・序 論

希土類元素

( r a r e ‑ e a r t he 一 e me nt s

, 以下

REE

と略 す る)の発見史は,無機化学が天然物か らの未知元素の 発見 とその性質 の確認 を主要な任務 とした時代 のほぼ終 末 をか ざる長い物語をな してい る. この一群の元素は, 化学的性質が相互に著 しく類似 してい るために,研究者 の異常な努力 に もかかわ らず ,今 日の原子量表 にみるよ うな

REE

の全部 (天然 には存在 しない

Pm

を除 く)が 出揃 うには, 1794年 の

GADOL I N

によるイッ トリアの 発見か ら1923年の

HE VE S Y

Cos T E R

による 72香 元素

( H

r)が

REE

に所属 しない ことの確認 にいたる 130年の年月 を要 したのである.

REE

の名称は,周期律表で第

ⅠⅠ族

a

に属す る元素 の うち

,S c ,Y

, お よび

La

か ら

Lu

にいた る元素の 総称である

( Ta b l e

l). この うち

La

か ら

Lu

にいたる 15元素は ランタニ ド

( l a nt ha ni d e s )

とよばれて きたが,

15

現在では ランタニ ドの名称 を

Ce‑Lu

の14元素 にあて,

La‑Lu

をランタン系列元素

( l a nt ha n um s e r i e s e l e me nt s

,以下

LSE

と略す る)と呼ぶべ きことが提唱

されてい る

( I UPAC

,1959).

REE

各 成分の分析は, 非常 に困難であったので,地 球 化学的研究は主 として

REE

鉱物 について行われた に過 ぎなかった.

REE

自身は決 して極 めて稀な存在 と はい えないが

,REE

鉱物は あ りふれた存在ではない・

元素や鉱物 の奇妙な名前 とあいまって

,REE

の地球化 学的研究 とい えば

,

何か骨董趣味的な,ない し博物学的 な興味 しか呼ばない もののよ うな印象が強か った.

しか し戦後 にいた り事情は一変 した.

REE

自身工業 的な重要性を獲得 した し,元素成因論か らみて も

L

a‑

Lu

の長い連鎖 は無視す ることので きない もの とな った.

REE

の性質が相互 に似てい ることは逆 に,元素の地球 化学的行動 における規則性 をみいだすための最良の対象 と考 えられ るよ うにな り, 遂 には

REE

の相対存在度

Ta b l e

1

. Ra r e‑ e a r t he l e me nt s .

AL o . Ti c Na me S y mb o l At o

Tl

i

9

C

6

㍍: l g l "

21 スカンジウム

S c a n d i um S C

44.956 39 イッ トリウム

Yt t r i um Y

88.905 57 ランタン

La nt ha num La

138.91 58 セ 1)ウム

Ce r i um Ce

140.12 59 プラセオジム

Pr a s e o d y mi um Pr

60 ネオジム

Ne o d y mi um Nd

61 プロメチウム

Pr o me t hi um Pm

62 サマ リウム

S a ma r i um

63 ユー ロピウム

Eur op l um

64 ガ ドリニウム

Ga d o l i ni um

65 テル ビウム

Te r bi um

66 ジスプロシウム

Dy s p r o s i um

67 ホル ミウム

Hol mi um

68 ェル ビウム

Er bi um

69 ツ リウム

Th ul i um

70 イッテル ビウム

Yt t e r bi um

71 ルテチウム

Lut e t i um

*CAME RONa ndWI CHE RS

(1962)

140.907 144.24

S m

150.35

Eu

151.96

Gd

157.25

Tb

158.924

Dy

162.50

Ho

164.930

Er

167.25

Tm

168.934

Yb

173.04

Lu

174.97

Empi r i c a lr a d i usort r i v a l e nti on,A GoL DS CHMI DT TE MP L E T ONa nd

(1926)

DAUB E N

(1954) つJ′LU200/hU5802111⁚011111 3210ノ753100ノl■110000000ノ1.11L111l10 14つJ50ノ4000で」00410ノCbQU∠U310ノ7′0537一〇〇ノ8′LU54000qノ0ノ∩フ0ノqノqノqノ0088881.1.LoooooooQ0000

(2)

1 6

を材料 として

球の㌍把を論ず る試みが行われるにいた った.

本稿では以下に

,REE

の行動 ・分布 に関する規則性 と,これを.rLl.発点 として組み立て られた地殻 と地球のマ ン トルの生成の模型,およびその二に.要な帰結について考 え方の発展のあとをたどりつつ解説 したい.

2, 希土類鉱物中のREE 2‑1

戦後にいたって

, REE

を含む鉱物「flの

各 REE

舎̲i=ti・. に関する知見は飛締約

豊かになった. この動機は,

REE

の地球化学についての興味よ りもむしろ,原 7・力 工業の必要性によるもの と考 えられる. U,Th の幣原 は通常

REE

に富み,か

つREE

の うちSm

,Eu

,Gd, Dyな どは, 極めて大 きい熟巾佳子断面積をもつので, 燃料 としての U,Thの精錬 にあたって

REE

の除去は 市大な閃/uaである. さらにた とえばCeとPuの肘頭的 性質の類似が, 原子炉燃料の調製に,利用 される,など,

REE

その ものの積極的利用 も展開 されるにいたった (SpEDDING andDAANE,1961).

現在までに報'S・された

REE

鉱物の分析結[にの うちで は,精度の高 さな らびに試料数の多 きか らみて,VAIN‑

2月VO4824332■l一laL

J d‑ √

̲一一:/■■

・< ・ ・ . . '

:⊥一■

Y

‑ … E 叫

÷

58 64 70 76 82 88 La+Ce+Pr

Fig.i.VariationlnrelativeabundallCeSOrlndlViduat rare‑earthelementslnmOnaZlteS(MuRAT人 eTal,,1957, Fig.1).Valuesarepresentedint7tOnlicr)erccntagcs・

義 人

SHTF,TN elal.(1956)およびMUR′lTA ef al.日953, 1957)によるものが特

重要な知見をIJJえるものであっ た.前者はX線発光法,後者は発光分光法 と化学分lTTの 組み合わせ と,分析手段は異なったが

, 相

方の傾向の一 致は著 しい ものがある.

vATNSfITEIN elal.(1956)の研ワ■LILは, 各鉱物の示す

REE

組成の変動範闇を明 らかにし,かつ鉱物中の

REE

の相対含量 と鉱物の悠成条件 との問の関係を見出すべ く 行なわれた.彼等は56個のmonaZite,27佃のorthjte, 15個のその他鉱物 についてLa,Ce,Pr,Nd,Sm,Gd を分析 し,11個のxenotimeについて Sm,Gd,Tb, Dy,Ho

,Er

,Tm,Yb

,Lu

,Yを分析して,各

REE

の 相対合岸に明確な規則性のあることを示 した ((・f:Figs.

4‑7).しか しなが ら, 彼等の注意は もっぱ ら と記の口 約にのみ向けられたので, ここに見 られるよ うな

則的 関係その ものの矧 和ま試み られていない.

一方 MuRATAetal.(1953)は, 10桐のmonazite を分析 して, い くつかの "。emlquantitativerules"杏 見出した.彼等の

た結果を Fig.1に示す.ただ しこ こには 26佃の monazite について得た 第 2論文 (MuRAT^elal.,1957)の ものをかかげてある.ここに 見 られる分化の規則性を説明す るために,彼等は分別沈 潤 (GoL。SCI川 【DTandTHOM^SSEN,1924;S^IiAltA

andVAIIATALO,1941)のYj'えを採用 して,次のよ うに考 えた.鉱床の当三成時に,各

REE

がそれぞれ 規則的に異 った "relative precIPltability"を もっ て沈澱 してゆ く.これに伴 って鉱液中の

REE

組成 は変化す る.このrelativeprecipitabilityが イオン 半径の減少 と共に増大 し,たとえば La, CC, Pr, Nd,∑ (Sm+Gd+Y)に対 してそれぞれ 1・0,日 , 1.2,1.3,1.4であった とすれば,沈澱の

REE

組成 はFlg.1に示 した線のよ うに変化 し,実際の分析 結果 とよ く一致す る.さらに彼等は侍 に Ce, Pr, Ndにみ られる計算値か らのずれは, これ らのrela‑

tiveprecipitabilityが温度に対 してLa,Smな どと 買 った変化をす るため と説明 した.

MuRATA etal.の考 えは,のちに MASU【)A (1962,1963a)によって展開 される理論 と著 しい

似 を示 している.また,彼等のデータを VA【NS11‑

TE]N etal.の方式 によってプロッ トすれば全 く一 致 した傾向が得 られ る(Fig・2をFig・4と,F]rg・

3をFig.5と比較せよ). 2‑2 仙ASUDAの第1方程式

MASUDA(1957)は,VAINSllTEIN efal・(1956) の示 した呪則性その ものを追究 した結果,各

LSE

(3)

希土狩元素 の存在度パ ターンの多様性 と規則性

1 7

伴関係が次の方程式 で表現 され ることを見 目ル た. ここに

E

Iは原 子番FJT帽 にLaか ら数 えて L一番 RのLSE

E

l = i( 意) 0

G

.

芋 ( 意 ) 0

L。 (り (?eS 慧 慧 vt;三bun'dOaiきè慧 禦 芸 fb731.0;igon; は更 に一般 化して

7

6

5

4

i

Z J I

.I

U

3

2 1

0 0

1 2 3 4 La/ Nd

5 6 7

Fig.2.CorrelationbetweentheratiosLa/NdandCC/Nd, determi nedbyM uRATAetal.(1957)oncerium minera一s. The line lndlCateS the relation, Ce‑ 0.69Nd

+

1.22La

(M ASUDA,1957).cf.Fig.4.

06

0.5

04

Zて〉

\ 03

71 0.2

0.1

00

0 1 2 3 4 5 6 7

ce/ Nd

Fig.3.Corre一ationbetweentheratios Ce/Nd and Pr/Nd determinedbyM URATA eTal.(1957)on cerium minerals. Thelineindicates the relation, Pr

‑0, 0 5 8

Ce

+

0.125Nd

(M ASUDA,1957).cfFig.5.

(E7打/E

L )

‑ (E…/E

T ) 〔 '

(E"J E

l ) i ,

m‑I (I,JEl)‑ (En/E

l ) 0

n‑1 (EIJ E

l

)

0

(2)

と表わす ことがで きる. ここにl,m,nはそ れぞれのLSEの原子番号 を表 わす.これ らの 式 は以下 の議論に大 きな意 味 を もつ ので, こ の方程式 を導 くにいた ったM ASUDA(1957) の考 えをやや詳細 に説 njjす る.以下式(2)杏 州ASUDAの第1方程式 とよぶ .

まず, VAINSIITEIN ela/.(1956)のJJJ式 によ るプロッ トが, 3っ の成分 の随伴関係 を 解析す るために特 に好都合 であることに着 目 す る.(VAINSllTEIh.等 の場合に Ndに対す る比 を用いたのは, このよ うな解析 が 目的で あったためではな く,単 に結果 の表示 のため の規格 化の手続 に過 ぎなか ったのである.)蕊 た,用い るデ‑タ として,分 析者 による系統 的誤差 を避 けるため分析例 が多 くかつ組成の 広 い変動 を含 む VAINSFITEIN等 の もののみ を採用す る.(M URATA等 のデータのみを用 いて も, あるいは両者 を併用 して も結果 はほ ぼ同一 にな る.)分 析例の少 ないxenotimeの デ ー タ も除外す る. このよ うにしてデータの 揃 うLa,Ce,Pr,Nd,Sm,Gdの6元素 について3種 を と りだす組 み合わせ は20通 りあるけれ ど も,独立な組 み合わせ は6‑ 2

‑4

通 りしかない.そ こでまずLa‑Ce‑Nd (Fig.4);Ce‑PトNd(Fig.5);Ce‑Nd‑Sm (Flg.6);La‑Sm‑Gd(Fig.7)の組 み合わせ についてそれぞれ直線 で近似 して係数 を定 め, ついで これ らを変形 して次 の結果 を得 た.

Ce‑

1 . 8 0

Gd

+

1.56La (3) Pr

‑0. 4 3

Gd

+ 0. 1 5 4

La (4) Nd‑ 2.6Gd

+ 0. 5 0

La (5) Sm‑ 1.llGd

+ 0. 0 6 5

La (6) これ らの式 のGdに対す る係数 を 嬬 La

(4)

18 松 井 義 人

に対す る係数を

k

lo とすれば

,k 芸 / k

吉は I に対 して の形で表わせ ると仮定す る.す ると Table 2の第4列に示 したよ うに変化する.このこと

は,ELがGdに近いほどLaに対す る類似性が小 とな り, Gdに対す る親近性が強まることを意味する.

そ こで式

(3‑6

)が一般 に

E

= f L ( E i /

Gd)DGd

+

(1‑

f l ) ( E

JLa)。La (7)

6

5

4

\Z U4j

3

LJ.

I

O

U

1 lJ Ld/Nd

4 5

‑ 7

(吉

)。

(8) ここで ′tの形 を適当に定めて Table2の数値にあては めることがで きれば,式

( 7)

によって式

( 3‑6)

は統一 的に表現で きることになる.

10

08

4,06

<

204

02

00

00 0.1 02 SrT/ Ce

0.3 01

Fig.4.Corre一ationbetweentheratiosLa/NdandCeノNd, after the data reported byVAINSHTETN etal.(1956). Thelineindicatestherelation,Ce‑0.69Nd

+

1.22La.

AfterM ASUDA(1957,Fig.1).

0.5

0,4

1 。

013

Z

a0.2

i)i

0.0

0 1 2 3 4

ce/Nd

5 6 7

Fig.5.CorrelationbetweentheratiosCe/NdandPr/Nd afterthedataor VAINSflTE】N elal.(1956).The Hrle indicates the relation,Pr‑0.058Ce

+

0.125Nd.After

M ASUDA(1957,Fig.2).

Fig.6. Correlatjon between the ratiosSm/CeandNd/Ce after the dataofVATNSHTETN etal.(1956). Thelineindicatesthe relation,Nd

=

0.24Ce

+

1,95Sm.AfterM ASUDA

(1957,Fig.3).

0 0 0 2 0 4 06 0 8

Gd′ L d

Fig. 7. Correlation between tile ratiosGd/Laand Sm/La afterthe dataof‑VAl NSHTEIN etal.(1956). Thelllleindicatestherelation,Sm

=0,065La十 1.llGd. Arter

M ASUDA(1957,FI菖.4).

(5)

希土狩元素の

在度パ ケ‑ンの多様 性と規則性 ところが fl.に最 も簡叩な形

f L ‑ チ I

(9)

を与 えれば,Tabl.e2の第 5,6行に示すよ うにこの要 求 は満Jr上され てしま う. したが って厄 ちに 式 (l 1)が得 られる.読 (1)の変数 をGdとLaに限 らず,原 子看 て‑

!,m .7..のLSEに対 して拡張すれば,

E‑ ‑ 誓 言 (

老 )

。En

・署 ( 告 )

oEE ‖0) が7封こ式 (1) と矛盾 しない ことが示 され る.た とえは La一cc‑Pr,Ce‑Pr‑Gdに対 してそれぞれ

ce‑ i (普 )

pr+i (普 )。La 川 )

pr

‑÷( 蕊 )

。Gd

. ÷( 芸 )

。ce ,12)

両者か らPrを消去すれば

c

e ‑;( 品 )

。Gd

+÷( 普 )

。La (13) 式(10)を変形すれば 式(2)が得 られ る.

式(7)の臨数 と実際の係数 を比校す ることによ り [た とえば 式日3)を 式(3)と比模],"rcpresentati\,erela‑

ti1,aabundLlnCe"を求めることがで きる. この場 合につ いて得 られた佃 j:

,

貢岩混合試料 についての

M

IN^ト11

(1935),な らびに黒海底堆積物 についてのOsTROUMOV (1953)の分析結果 にほぼ一致す る. しか し, このよ う にして求 め られた"representativerelativeabundanceH の意味については,必ず しもnj]らかでは'‑まい. この点は 以下に MASUDAの第2方程式 を諭ず るときに考察す る.

以上で得た規則性[MASUDAの第 1方程式 ,求 (2)] は, LSEの地球化学的性質が原子葦号 と共 に等差級数 F和 こ変化す ることをは じめて数式 として表現 した もので ある.

2‑3 州ASUDAの第2方程式

MASUDA (1957)の見出 した規財 田 ま,いか に もあざ やかな ものではあったけれ ども,なお考慮の余地がある もの と考 えられた.その矧 ⊥=ま第1に.Figs.4‑7におい て,各点がやや上 に凸の曲繰上に分布す るとみた方が;L与 に近いよ うに見 えることであ り, 第2に,求 (2)に従

19 Tableコ. Estimationo「rtlnCtionalform o

r/ こ

Ats:てie i ,

L F

a

A r

,

a

, I‑(/='7bT三㌦

,

b

i

Ce 58 1 116 り6 7.0 Pr 5() 2

コ9

2/5 7.3 NLl C10 3 5.= 3/4 6.9 Slll ('ヱ 5 17.1 5/2 6,8

えは,あろ̀̀1・epreSentatilJe"な存在比か らのずれが原子 帯 T7Jと

L r L , p I I

二にmJTliしているけれ ども,分 化が甚 しく進み, Hreprese1tntiVe"な組成か らcT)fLlifgが大 きくな ってHti 黒 としてそのずれの方向が退 く離れた"representative"

な値によって支配 され るとす ることにはい くらか無理が あると宕 えられ るか らで ある.

MAsuDA (1962)は.以上のよ うな難点 を解決す るた めに次のよ うな改良 を試 み

,

以下 にMASUDAの第2方 程式 とよぶ基本的な関係式 を得 ることがで きた.

いま2紐のREE混合物があって,その一方 を"reprc‑

ScntatLhe" としだ ときに他方が 式(2)で表わ され る組 成であるとし,かつ両者の

成は極 めて近い とす る.千 の とき 式(ヱ)は

A(E77JE【)/rpm/

E

T) m‑I

A(亡〜/ElJ/(ET‥/

EL

) 77‑I

( 1 4)

と許 する.‑ 一it‑のREE混合竹が逐次 この関係を満たす とき,読 (14)は債分 きれて次の仙ASUDAの第2方程式 を与 える:

log

( 音) ニー 慧 L l o g ( 告 ) +

bln ‖5) 第 1TJ程式 [式 (2)]では.(E",/EL)0と(E,JEl)0と を与 えれば図上の硬練 を描 くことがで きたが,第 2方程 式では精分定数 bEm,lを定めることによって曲線の位置 が定 まる.

Flg.8には例 として La‑Ce‑Ndの関係 を示 した.

ここで芭鴇の勾配は式 (15)で与 えられ る2/3に とって ある. ここにみ られ るよ うに,式(15)はiG(2)よ りも い くらかよ くtRrl定借を説明 してい る.特 にFFl心部か ら大

きく離れた領域での近似 の改;(TLJ‑は明瞭である.

ここで,Ll'‑il力程式で示 され る直線の意味について考 祭 を加 えよ う.

I T , 1 2

方程式 でまわ され る曲繰上の任意の

・TEユ(El,E7," E7L)を通 る接線が,第 1方程式 でEL,

(6)

松 井 義 人

04 06 08 1 2 3 4 1i La/ Nd

Fig,8. CorrelatlOn between La/Nd and CC/Nd on logarithmicscale.The一inewith an incljllation oF2/3hasbeen drawn according to Eq.日5). AfterM ASUDA(1962).cf: Fig.4.

Em,Eaを"representative values"とした とき得 られ る両線にはかな らないことは,前 者の微分が第 1

J J 甘さ

式 を与 えることか ら甫 ちにわか る.VAINSIITEIN等のデー タによって M ASUDA(1957)が得た "representative values"が M LNAMI(1935),OsTROULWOV(1953)な ど の与 えた堆積岩巾の平均組成にほぼ一致 した ことは,結 局 VATNSHTEZN等のデータが この平均的な値のまわ り に集中していたことの反映であったと解釈 される.

第 2方程式のす ぐれた特長の一つは,これが各鉱物「卜 などにおける

REE

の相対存在度の解析に新たな手段を 提供す ることである.

いま横軸に原子番 弓をとり,縦軸にある物 卜の,各

REE

の存在度 (含量),ないし特定の元素あるいは

全REE

の和に対す る相対存在度をプロッ トすれば,一つのFx]形 が得 られる.これをRE【パターン と称す る. このパタ

‑ンは,元素が生成 されたときの始原的存在度を反映 し て, ODDO‑HARKINSの法則 に従 う著 しい ジグザグ状 を呈す るのみな らず,対象 とす る物体の生成時の環境の 特徴によってあるいは左上 り,あるいは右上 りの幌向を みせ, さらにとりわけ鉱物のパターンにおいては特定の 元素に対する選択性など特有な鉱物化学的特性を も反映

して,複雑な様相を呈す る.

したがってた とえば鉱物中の

REE

パターンか らその 鉱物の特徴および工に成環境を論 じよ うとす る時は,で き る限 り各鉱物FIlの

REE

がその "祖先"か ら受 けついで きたパタ‑ンの効果を差 しひいて考 えなければな らない.

しか し,通常は複雑なパターンその ものについて何 とか して比較をするか, ODDO‑HARKTNSの法則の効果を 消去す るた糾 品数番号元素 と奇数番号元素 とに対 して別

々にバク‑ンを描 く(SE,MF.NOV and Ih RINST(TT.195R;

B^RTNSKTT,】958)程度の試みしかな されなか った.

いまLaか らi番 目の元素Etの存在度をLaとLu のそれを用いて 式 (15)によって表わせば,

log

( 告 ) ‑

og

( 音)

I bl ,16)

を得 る.ここに

2

種の物体があって,これ らの巾の

REE

存在度が ともに 式(16)によって表現で きる (すなわち 双方が共通のb且を もつ)場合に,一万での

在度 をE

他方でのそれを

E

L*と表わ してblを消去すれば,

l o g ( 告 ) ‑封 o g ( 豊)

‑ log

( 告 ) )

・. o g ( 詮 )

(17,

となる. この 式(17)で iを変数 と考 えればlog(El/

Et*)は iに対 してTLEi線的に変化 していることがわか る・

この関係は M ASUDA(1962)によって上のよ うな一般 的な形で導かれたが,CoRYELL,CllASE and W INClト ESTER(1963)は これ とは独立に全 く偶然的にこれ と同 様な関係を見出した.これをM AsuDA‑CoRYEL」Lの関 係 あるいは REE存在度のIog・lineQrityとよぶ ことにす る.特定の相対存在度を示すEも*を川いてEL/E

, *(

め るいはその対数)を原子番号順にプロッ トして得 られる パタ‑ンを規格化されたREEパターンと称す る.

M ASUDAの第2方程式およびその一つの系 としての 式(17)は, 多 くの分析値の平均的な幌向 として導かれ た ものであって,任意の物体についで制 こ厳密に成立す る性質の ものではない.CoRYELLetal・(1963)ち,の ちに述べ るよ うに特殊な場合にこれがよ く成 tJ二す ること を見出したのであった.対象 を特 に鉱物に限ってみると, すでに触れたよ うにかな り特異的な選択性がみ られる場 合があるために

,

偶々の例 については事情は複雑である.

しか しこのよ うな場合で も,た とえばEl*lこ地殻 におけ る(相対的)平均存在度 をmい,これに対す る比の対数を 原子番 引 こ対 してプロッ トすれば,ODDO‑H^RKrNSの 法則な ど始原的な存在度の影響をはじめ

,

始原的な

存在

度に対す る地殻 におけるパタ‑ンの相違の効果までが消 去 されて,鉱物の

REE

パタ‑ンの角利和ま著 しく簡単化 される.M ASUDA(1962)は,このよ うな手法によって BALASHOV and TuRANSKAl′A(1960), BoRODIN (1960), SEMENOV and BARINSKTl(1958),Zm ROV, BANDURKIN and LAvRENTIEV(1961)の与 えた分析値 の解析を試み,一見複雛な

REE

パターンが,式

( 1 7)

(7)

茄土狩元素の存在度パタ‑ンの多様性 と規則性 て表わ される一般的慎向 と,ある元素を乱 仁とす る

左右

対称なパターンのい くつかが̲Tiね合わ さっているもの と して説明することがで きた.

3.

岩石中の

REE

3̲1

GoLDSCTlMlr)T(1937a,1954)は,REEの化学的性 質が相互に極めて似ていることか ら,通常の地球化学的 過程 によってそのパターンが著 しく変化す ることはある まい と考 え,岩石中のREEパターンは各岩石の成閑的 区別に有用であろ うと予測 した.また,地殻の組成を代 表するよ うな試料についてREEの存在度をPJ]らかにす れば,それは始原的なパタ‑ンのT騨iiをよ く表わしてい るであろ うと考 えた.

MINAMI(1935)による有名な貞岩 (Tonschiefbr)梶 合試料小のREEの定 量は,このよ うな意図の もとに行 われた ものである. この分析は.ヨーロッパ

は ㌫早口VI J

岩 36種,日本産占封 〔貢岩 14種,日本産「ll̲L日にtTl'̲;10 種のそれぞれの混合試料 について行われた.

得 られた3紺のデータの平均値を Table3にかかげ,

8

7

6

5

4

3

2

1 0

2 1

Table3.Rare‑eartllabun(lanecsintllCCOnOSitc sha】es(M】N∧MT,1935),inppm.

3つJ/LUOO5048史U5つJエU11′hU142

LaC。p‑山帥E‑.G TbDyH。E‑mYbL 二cc9520520665㌦

そのパターンをFig.

9

に示 した. この結果はODDO HARKTNSの法則の この L・ない例証 と考 えられた うえ, 公休の感 じがいかにも真実 らしく見 えた. GoLr)SCll‑

MIDT(1937a,1954)は特にEuの存在度について注 意 を払った.すなわち彼の知見によれば,Euはしばし ば恐 らくEu(1日 と考 えられる挙動を示 し,REE鉱物 車にほ とん ど存在 しない ことがあ り,またSrの炭

礁塩

鉱物Illに見.rtrほ れた りす る. しか しM!NAMlの結三和こ よれば,Euて二王削ま正常のよ うにみえる.GoLDSCEIMIr)T

は,これを結果の正確 さと,試料がよく地殻を代表 して いることをあわせて確かめた ものであるとした.

La CePrNdPm Sm EuGdTb

Dy

Ho ErTm YbLu Fig.9. Terrestrialrare‑earth pat(erns,relativeto Gd. So一id circles:Kilauea Iki‑22 basalt(ScHMITT etal" 1961);open circles:compositeshales(MlMAMI,1935).

厄按限石 についてREEを分析し,

す る試みは LNoDDACKによって実 行 され,その結果は同じく1935

に 発表 された.彼女は "石質限石" (当 時はchondrjteとachondrite との区 別よ りも, sHicate phase とmetal phaseとの区別の方が重視 された)の 混合試料2種 を分析した. これ らはそ れぞれchondl・ite7校 とachondrite1 梶 (Stannern)および chondr】te 13 種 とachondritel樫(Juvinas)の混 合物であった.その平均値のパターン をFig.10に 示す. ここにみ られる著 しい特徴は

,

1 に MtNAMIのパタ

‑ンに比較 して原子番 号の大 きな元素 が優勢であることであ り,第 2にCe

Ndとなっていることである. [この 節 2の特徴は

,

恐 らく分析の誤ま りに よるものであろ う (GoLDSCIiMIDT,

1937a).]

このよ うな両者のパタ‑ンの相違は 殆んど信 じ難い ものに見 え,どちらか の分析に誤 りがあるのだ とも考 えられ

(8)

22 松 井

た.SAHAMA(1945)がFinlandの火成岩 について得た 結果は,解釈困難

もので,双方 いずれに も支持 を与 え ることがで きなか った.

限石および太陽大気の組成 を総括 して,太陽系ない し

"宇宙 "における元素の存在度 を推定す る試みは, すで にGoLDSCHMIDT(1930,1937a) Nol)r)人CK夫妻 (1930)によって行なわれたが, この種のデータが宇侶 諭的元素成因論 に とって経験的基礎 となるために,戦後

にいたって新たな興味をよびお こした.SUESS(1947)は, REEについてMINAMIの得た規則的な存在度の変化が, 何 らかの形で他の各元素 について も成立 している もの と 考 え,データを再検討 した結果, "質量数が50を題 え ると,奇数の質員数 を もつ核種の

在度は質遠敷 に対 し てなめ らか に変化す る"な どの規則性 を見出 した.不完 全なデータとこの種の規則性を基礎 とす る二重 に経験的 な宇宙 における存在度の総括は,その後 UREY(1952), SUESSand UREl′(1956),CAMERON(1959)によって 行われだが, これ らの場合常 に問題 になったのはREE における2種のバク‑ンであった.REEパ タ‑ンが変 化 しがた く,"anentityけ (GoIJDSCI川 IDT, 1954, p・313)として行動す ると考 える限 り, どちらかが誤 り だ ったか らである.UREY(1952),CAMERON(1959)は NoDDACK(1935)を採用 し,SUESSandUREY(1956) はMINAMl(1935)を採用 した.

一方 ソ ビェ トの研究者たちによるREEの分析は岩石 試料 に もおよび, Kirovograd granite (GABRILOヽ′A andTURANSKAYA,1958),黒海堆積物 (OsrROLTMOV, 1953)が分析 され, これ らでは MTNAMIのパタ‑ンよ

り更 に軽 いLSEが優勢であることが見,I̲lT,された.また すでに述べたよ うに,REE鉱物のテ一夕の群折か ら, MASUDA(1957)は これ ら鉱物全体 に対 して考 えられ る

4

3

2

1

0

義 人

"rcprcsentati\reけ な存在度は, MTNAMTの借 と非帯 に 近 いパターンを もつ ことを示 した. これ らを通 じて暁 い LSEの濃縮 は‑了「した特徴であるか ら,す くな くとも 地殻 に関 しては MINAMr型 のパターンの実在は確実 と 考 えられた.(これ らすべての場合 にCe> Ndである.

Figs.2‑6参照.)

このよ うな状 況のなかで, 1り60 年 にいたって各種限 石および地 上の岩石のREE存在度が,中性子JJ./(尉化法 によって次 やに求め られ,発表 されは じめた(ScfIMITT etal.,1960;MosEN etal.,1961;ScHMITTetal., 1963;ScHM汀T andSMITH,1963;ScIIMITT,SMTTH andOLEHY,1964;I‑IASKfN and GEHL,1962;な ど).

現在 までに分析 されたchondrJtcは17個に違 してい ち.Table4には, こうして得 られたchc,ndrite中の平 均存在度 を,前後の元素 に封す る新 しい分析値 とともに かかげてある. これを各核桂の存在度 に換算 して図示 し たのがFig.11である.SUESSの規則がよ く成立 してい ることがわか る.

REEについて最 も重要な ことは,chondriterflでそ れ らが NoDDACK型のパタ‑ンを もつ ことが確認 され た ことである. (ただ しCe> Nd.は じめに発表 された olivine ‑bronzitechondrite2相のデータではCeくNd で あったが, これは後 に分 析の失敗 とされた・)相対存 在度は,Ceを例外 として,NoDr)^CK(1935)の成果 と 30%以内で一致す る(Fig.10).しか し絶対含量はNoDI DACKのそれの約1/7で あった.NoDD^CKが高い債 を得た理 由は明 らかではない.Nor,DACKはCa‑rich achondrite りLiVJ11aSとStanllern) を もまぜた試料 を 分析 したが, これ らのREE 斜 は chondrlteの約 10 倍 (ScIIMITT,SMITIlandOLEHY,1964)で ,不一致 の説明には不'rL上である.l

また,chondrite中のREEのパター ンは相互に10%以内に一致す るが,Slに

0 0

● (⊃ ()

0 LaCe PrNd PmSm EuGd TbDyHo ErTm Yb Lu Fig,10.Cosmi c rare‑earth patterns,re一ative to Gd.Solid circles:averageor17Chondlites(Scr… ITTeta/.,1964);open circles:compositeStonymeteorites(NoDDACK,1935).

刈す る相対存在FiEがenstatlteChondrlte についてはcal・bonaceouschondrlteに っいてのそれの約1/2で あることが見 出 された. この間題はchondritcの成因論 上興味があるが, ここでは立入 らず,以 下 もっぱ らTablC 4にかかげた平均存 在度 を用いて議論 を進め る.

さらに, ScTIM lTT etal・(1961)は Hawaiiの Kilauea Ikibasaltを分析 してそのバク‑ンが MIT<AMl型である ことを明 らかにした. この basaltは確 実 にマン トルか らもた らされた ものであ るが,地殻がマン トルか らの basaltな

(9)

香土軍門JdLI累の存在度バクナンの多様性 と規則性 23

135 140 145 150 155 160 165 rntlH rlUmber 【A】

170 175 180

Flg・11・ CosmicabundanceoFnuclldes,expressedasthelogarithm orthenumberofatomsper06

Si,plottedagainstmassnumber・Datatakenfrom Table40nrecentchondrlteana一yses,exceptthose orXe・So一idcirc一es:nuclldeswith even atomlC numbers; Open circles: nuclides with odd atomic numbers.

Table4.ChondritlCabundanceortheelenlentS,CstoW.

Ct。。竺‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑606‑6‑6‑6‑6‑6‑6‑6‑6‑70717‑7‑7 ∩emC胤 cs勤しaCeprNdpmsmEuGdTbDyH。E‑TmYbLuHrTaW

ChondritIC̲abundallCe

ppm by・Wt・ At1omspcI0GSi ・ Rcrerence

0.12 0.15 GノIST(1960) 3.4 4.1 REE

D e tal .

(1960) 0.30 0,36 ScIIMIT

Te fal .(1 9 6 4)

0.84 0.99

d o .

0.123 0.146

( わ.

0.56 0.65

rJCCつエー2307∩フ407‑37つJOノつ」42020っJO2010101▲0000000000000 0ノ03001271507‑上3/b37つノ]つJっ40「r)030「︼0101010000000000000

do .

ScHMTTT

e tal .

(1964)

d o .

d o . ( わ.

d o . do . do . do . d t ) . ( わ.

SETSERandEHMANN(1964) ATKTNSandSMALES(1960) AMIRUDDINandEHMANN(1q62)

(10)

24

どの供給によっT'ト長 してい ることを‑,i;LFJ封 ′71げ,Tl描 き ンr:の バク‑ンがbasaltのバク‑ン とほほ一哉 してい るこ とは な外ではない. したが って この Haaliの btlSalt についての結果 は, 地殻が全休 として MrNL、!Ⅰの l了え たREE存在度 を もっ と考 えてよい ことを示 した もの と 考 えられ る. もしこのよ うに考 えれば,地球の平

l , ' j

組成 をchondriteに等 しい と仮定 した とき,Laは地ノri引こ60 椙 の濃縮 を示 し,かつ Yb,Luに対 してLaは附川 畑 こ

6倍濃縮 した ことにな る(Flg.9).

このよ うにしてREEバ ク←ンの;.rrl過 は,かっで T,‑;性T. されたよ うにそれが変 らないためによ りもむ しろ,それ が変 るために興 味 ある問題 と考 /3Lられ るにtlT二った.

3・2

ScrIMITT等 によ る最初の搾;r日S(.!iMITCfa/..i960) に対 して,TAYLOR(1962)は SAlfAMA(1945)による /

分析結果 の うち gabbro,doicnte の ′てタ‑ ンが cllOn‑

F L

6

2

o

e 0 C

Slu

むLulp as

I.

as羊 UtZfg ′/I

S

atlu一ご 9

E a Ce

Sa

lこPuO LjU IIt?st? a Salt?Lj S

匿 5 i

E‡

= ;

/

i

二二

]

‑ I . 2 ‑

0.8 ‑0.4 0.0

log̲L La

‑ 0. 4 Pr

‑0.8

‑0

.4

‑0.8

Sm

Eu

‑1.0

1 . 4

o

g 笠

Fig.12.Variation in relative abundanccsoH lghtcr lanthanidesin selected rocks. The linesll"ri\e beef‑1 drawn after Eq.(15).After MATSUiallLITl,h sL,【)′\ (1963).

Lhhcの・そ,71にliソてい ろことに

憲 し, この

l

mrJl,地球 とcholld川eの組 成が'lr'Jl:しい ことの甘辛'.ALと,r5えた. さら に彼 は,地 殻の大部分の rlL.市が軽い LSEを什聞 的に択 齢 してい るのは,イオン二I/‑/!累の;黒こよ る もの と漠然 と想 像 した.

しか しS(.llMrlr^llJlが,KILotueこtlk1‑22basa一tTilの REETJ7在度がMINAMI(1935)の

T t !

帯 こよ く似 てい る ことを明 らか に した ことは,S/117AMA(1945)の深成岩 に関す るデ‑クに もかか わ らず,REEの濃縮 のみな ら ず分 化まで もが地殻内で

の現

象 ではな く, マン トル と地 殻の成関 に闇通 した現象 と考 えるべ きことを示 した もの で あった.そ こで,た とえば次のよ うな点 について、REE の存 在度 の知 見は,有力な情報 を F=]'・え得 る もの と予想7.さ れた. もし 殻が bLISaltの LICCretionによって次第に と;ー長 した と考 える場合 , その basaltが もとは全 休が‑

様 な マン トルの上部の部分沼税目こi:って/ど:.じ,その日休 とな った マン トル物質

静止 した まま残 ってい るとすれ 揺,お しなべて L邦 マン トルではREEに種皮 に乏 しく, かつそのパ ターンはややノこ下 りに変化 してい るで あろ う.

もしマン トル に対流が あれば,REEの分布 は再 び一様 化 して上部 マン トルのREE‑lJ在 度は地球 の平均存在度 と地殻 での存在度か ら推 測 される情 を とろで あろ う.

MA「ISUIandMAS.L.r)A(1963)は,以 1二のよ うにREE

在度 が地 球の進化ない し岩 石の

成i

J'」についてr託要 な知 見 を lJえる可能性が あることにノ甜ル , 岩 石 に お け る REEパ タ‑ ンの規則性 を見出そ うと試 みた.役 ′tIJ‑'は, 1)ScEm TTTefa/・(1961)によるchondrite;2)SclfM‑

flTetGl.日C)61)によ るKlhueaIkibLISalt;3)MINAMT (1935)によ ろshalc;4)OsIR()Uヽ10V(1953)によ る黒 U,,il踊 Ii物 ;5)GAT3RiLOVAandTLIRANSlくAYA(1958)に よ るKiro,ogrll.dgrLtmteについてLaか らGdにいた る REEの存在バタ・‑ン封 鋸 」した

果 , これ らが桐Tll

に MASUf)Aの第 2万 位jIC(式15)を満 !plす る規則的な け碇 を示す ことを見,lit.した (Fig.12).この ことか ら, 彼′引 ま,軽 い LSEの分/r, 用掴ミ,chondrlteの組成の 物質か ら出発す る分 別J%.I.品作用 によって導か れ るで あろ うと推論 し,またKIIaueaTklお よびchondriteにつ い

しく不 l1してい ることを も指摘 した. この結論 は一方 で は上記のTAIIl̲OR(196二)にj註沌JL,他方 では以下 に触 れ る CoRYLLLera/.(1963)に一致 す るが,パ ター ン の変 化を定貴的 に述べた M^su。Aの方程式 (15)に基 いた推論 で あった ことは,f/I,後 の議論 を進め るために明 らか な利点 であった.Fig.12に示 した 規則性は,その 基礎 とした 式日5)が log‑ilnCarityの 式(17) とrFiJ等 で あるため に,各 試料 「いの R E E存 在度 を chondrite

(11)

希土類 元素の存在度 パ ター ンの多様性 と規則性

「r

l

のそれで判 って耶

7 番r ,

唱 にプロッ トす れ jI,そ;71・ぞ れlog‑1]nearityが現 われ るはず である.Figs.13‑14に は,M N AM【日935)のshale.ScftMnTefaI.(T96t)の KHaueaTki‑22basaltについて この有様 を示 した.

4. 仙ASUDA一仙ATSUIの模型

4.I

このtog‑1inearltyの もつ意義 に関す る:JS察 は,M^

sL'l)A(1963̀7)によ って開始 された.被 は 式(14)か ら LrT.発 して,次 の ことを指摘 した.

液佃か ら成る系 に,元 素A,B,C,・・・が最 初Aつ,BL', Cつ.・・・

の̲ :

‑l

i

l.だけ存i'T:した とす る.(以下 La以下 のLSE を原了香 Tjの脚こA,B、C.・・・で あ らわす .た とえば A‑ La;

a

‑ Ce;C ‑ Pr;な ど.) ここか らある時lUl にA,B,C,・・・がそれぞれ

AA

,

AB

,AC,=・ずっ微ま】1. に間相 として晶,Lf̲ル ,系外 に去 るとす る.

この過程 が くりか えされてゆ くとき,徳 相 で log‑1inearilyが 甜 こ成 、J,してい る ためには,A,B,C,‑・とAA,AB,AC,

‑ との問に式(14)を満iTlす る関係が成 I.I,̲してい るはず で ある. いま式(14)で EI=A',E↑,と‑ B;I,〜‑ Cとして これ を変形すれば,

AB

AA

lj :7

AC

AA フ 日8)

( 、

.・J

を拍 る.r7日〕‡な関 係がB.C,D;C,D, E;‑・に成、rノす るか ら

AA AB AB AC

A B B C

‑ ・‑ ‑ ‑ () (19)

のよ うな′!J'差数列が成立すれば,

相で 比 log‑1inearJtyが保たれ る.(すなわ ち log(A/A〇);log(B/Bo);log(C/Co);・

が等差数列 をなす.)

また,綾l恒こ喋 った A の貴 のAo 対す る比(A/Ao )(liquidrctajnedrrとIC‑

tion)と."remo\′Lllratio"な る昂すな わ ち

/ = (Aβ/β)‑ rA」ノバ)

(△」/刀) (

△」/ 」)

とによ って,log‑1inearity図 での勾縦が決定 され る. し たが って, もし勾配 とHremovalratio"(d)が 与えられ れば,名丁亡素 のIiquid retained fractionが求 め られ る.

また,一iquid retained FractionEJEPがlog‑linear /ilらば,50fldとして失 われた rractionは1‑ (

EJEL D )

で あるか ら, これはL にE「惜 闘 狛こな るはず である.

MAsuDA は, この曲線 の形 だけか ら removal ratio (d)を求鋸L,去ることを

見. r

lTlし, ScHM汀r efal.(1962) の得た Norton County achondrite (§6‑

)の chondr】te norm;lljzed ド;ltlern tFJg,23)が上に凸で あるので, このパ タ‑ ンJJlj岬析 し, d二子0.3 を得 た.

(NortonCountyの研 抑 ま,§611で別な方 法 を用 いて 説 明す る

.

)

La Ce Pr Nd Pm Sm Eu Gd TbDy Ho Er Tm Yb Lu Fig.13. Chondt・ite‑normalized rare‑earth pattern incomr)osite shalesanこ巾′scd by MIMAMI日935).

S

‑1,167.

LaCe Pr Nd Pm Sm EuGdTb Dy Ho ErTm Yb Lu Fig.14. Chondrite‑normalized ral.e‑earth pattern in Kilauea lki‑22basaltana一ysed by SclM ITTeta/.(1961).S‑1.154.

(12)

26 松 井

以 ヒのよ うなMASUr)^の:'T3えに従 えば,一og‑1incarity は分別沈澱における校机の特徴であるとい うことになる.

逆 に,捌 口か ら成る系が あって, これが完介引射「偶 の 平衡 を保 ちつつ部分沼榊 をお こし,!!三じ

T : 7 7

,liTr†が逐次除 去 きれ る棋聖世を考 えれば,今度は問桐において log‑1in‑

ear恒 が成立 し,法相では とにEnlなパ々‑ンが得 られ る ことになる.しか し, これはあ りそ うにない.なぜな ら ば第 1に,捌 口内諾での完全な

tmま望めない し,第 2 に,Hawaliのbas乙11tのよ うに明 らかに枝折であった も のがlogJincar恒'を示す一万 ,Nortc)nCountyachon‑

drlteのよ うに′Ⅰ:̲成時 に同相であった と考 えられ る もの がそれ と対,qjl勺なバク‑ンをみせ るか らである.ただ し, log‑1inearjtyを基礎づけた式

( 2)

ない し式 (15)が もと をただせばREE鉱物 についての宅r,,y:;か ら導かれた もの であるのに,REE鉱物がはたしてた とえばbasaltのよ うな"FrozenHquid"であるか どうかはっきりしないの は不都合であるよ うに見 える. 現に MuRATA etal. (1953,1957)は,分別沈澱で分 化した固相 としてREE 鉱物 をとりあつか っている. この間過についてはの ちに 昭釈を与 えよ う(§4‑3).

4̲2

地球全休の平均組 成をchondrlteの平均組成に等しtl か,ない しは非常 に皿 、と考 えた とき,地殻の

rJ朋 ;描 異 な ものであることはよ く知 られている.そ うして これ が地球全休に及んだ分化

f J F

Jの結 ㌍であることも従来

然 となが らも考 えられて きた.しか し地殻 における特定 の元素の濃縮 について明確 な模型をたてて定 FT柑'jに扱 う 試みはな きれなか った.

MASUDA andMATSUI(1963.1964〟)は,地甜 勿質 にみ られ るREEの log‑1inearltyを,地殻の起tl/hriに結 びついた全地球的過程 の結果 と考 え,MASUDA(1963a) の示 した分別沈澱の過程 を全地球的規模 に拡 人して適用 す ることによって,地殻 におけるREE濃度 を定立ヒ的に 説 明す ることに成功 した. さらにこれに伴 って全地球的 な分別結晶作用 における平均的なみかけの分配係数 を導 入す ることによって,解析を一段 と容易 にす るとともに, REEに限 らず他の元素に対 して も上の考 えを拡張す る 基礎 を与 えた.以下 その概要 を,講と明す る.

は じめ液相 W か ら成 る系があって,その Filiを W と す る. ここに元

素A

が含まれ,その昂 を A とす る

.W

の一部が聞化して液相か ら失われ, これに伴 ってAの 一部 も失われるとき

,A

の分配係数 を kA とす ると

(dA/dW )/(A//W )‑ k

L

(21)

書宅 人

この過程 を通 して

k

Aが‑TL?に保たれた として式

( 2 0)

を積分すれば

log(A/Ar')≡ lt‑Alog(W/Wo) (22) ここでA

o ,W

つ はそれぞれ最初のAおよびWの Eifを, あ らわす.A/Ao(Aのliquidl・etajncdfraction)杏 /A とあらわ し,W/W o(liquEdrraetionoFbulkmedium) を

W とあ らわせば

一og

i , i

‑ kAlogrw (22′) い うまで もな く,閏化 した fractionは 1‑rw, 田仲 こ 入 った元素 A のrractionは 1‑fA である.

液相「flの元素Aの濃度 CL、は

. . I

c A

‑‑

W

且 ∠W 〇f

L

W c

o

A

したがって式

( 2 2

′)を参照 して

(23)

一og

( 告)

‑ logR

l

ニ ー(ト kA)‑ogrw (24) RAは元素 A の最初の濃厚に封す る濃縮度 である.

以 上の取扱いは,RAYLEIGH dlStlHatlOn(RAyLLlGII, 1896)と悶形式であ り,かつ共ローⅢ ;(I,,ll;,riにおけるlogarith‑

mlCdlStrlbut!on(DoERTI.ER and fJoslくTNS,1925)の 研析に用い られて きた もので もある. しか し, これを log‑1inearit.TのIlryt2‑析に応用す ると,下 のよ うに別の様相 那:呪われる.

式(24)を 検,Ll'Allすれば,枝相にlog‑llnearltyを もた ら す にはkLが

連の元素 A,B,C,・・・に対 して等差数列 をなせばよい ことがわか る [式(21)を式日9)と比

較] .

すなわ ちこの ktの公差 を D とすれば logRA‑ (kA‑ 1)logrTl logRJl‑ (lt

A

+

D‑1)logfir logRc‑ (kA

+

2D‑ 1)logfw

ー.ー)abC555111‑1lI"日日は.dEu・d∩.d

log‑1inearity岡 における硬練のかたむ きを り勾配係数り

Sで あらわせば, これは D, kA,FA と次のよ うな関係 にある.

logs‑ ‑og

‑ log

‑ニ

ー dlog,1 (26,

(13)

希ー

ト.灯元素の存在度バ ク‑ンの多様性 と規則性

ここにll‑ (D

/

k、)である.

これ らの関係を地球二村イ1‑の分化に1出¶す るにあた「て, 次の ことを仮r/正した:lJ地球の岩石圏はある時,Lrj]に完jこ な溶融状態 にあった.2)この潜融体が次第に巨利 ヒしてマ ン トル と地殻 が形成 された.3)この固化の際に〜酎 Rと同 相 との間のREEの分配係数は

i

LiIに保たれた・4)地球 のREEのJrl対7)‑:音圧はchondriteのそれに等 しか っT=.

[仮定3)は,上述のよ う

に計

狩の惰里化のためにたて ら れT=ものである.log‑1lnearltyのためには,LSEの分 配係数が原子番 号の噸

に等

差 をなす性質が この分 化を適 して成立 していた とすればよい.仮定 3)によって求め られ る分配係数は,その場合あるover‑a一lmean'alue に相当す る.]また,今口の地殻の原形は,2)の過程の 最後の段階 における液相 に対 応す る もの と考 える.

REEの分配係数 を求 めるためには,式(25),求 (26) のパ ラメータの ,・3.̲らび万 によってい くつかの方法がある.

いま仮定4)を更 に進めて,4′)地球のREEの存在度その ものが chondriteのそれに等 しい,とすれば,地最での 存在度 に適当なテ‑タを採 耶して

R

Aが定 ま り,また, 地殻 の 範を適 当な地球のモデルに従って採用 して

f

、、,杏 定めれば 式(24)か ら直 ちにk̲i(Laに対す る分配係数 ) が得 られる.さらに fA は以 卜のデータか ら計算 きれ, かつ ∫を既知 として 式(26)か ら 〟が求め られ, これを

いてCe以下の分配定数 は逐次求め得 ることにな る.

しかし M へSUDA and MATSULは,Norton County achondriteについてMASUDA(1963a)が得たd‑0.30 杏,地球 に もあてはめ得 る もの と考 え,逆 に地球利 きの REE合T;を推定す る方法をとった.,tは地球化学的反応, に際 してのREEm7TIのガ肌i二沌 表わす :請であるか ら, achondriteでの値を地球 に適mす ることは,‑ Flす るほ

ど乱暴ではない もの と考 えられた.

さて,Fig.13あるいはFig・14でみ られ るよ うに,

∫=

1.16‑1.17の勾配が地殻 の特徴であると考 え,か っdをほぼ0,3程度 としてしこtの liquid ret'llned Fra‑

ction(す なわ ち地矧 1‑1のLaの掛 Tlと,全地球でのLa の総員 との比 )を 式(26)か ら求 める.Sおよびdにい くらかはばを もたせて計算 した結 架は Table 5のよ う である.

いま

f . J a

‑0.59を採IRL,地殻 におけるLaの存 度に MINAM1日935)の与 えたsllaleの憤 18・3ppmを 用い, さらに

fw

としてBuLl・上目(1953)の与 えた地球 のモデルにおける岩石圏に対す る地殻 の割合 1ノ′8二を採 用すれば,最初 の溶融体qlのLa存 在度 として

18.3/0.59/82

0・38(ppm)

27

TLlble 5.Estimationof

rL。intheEarth'sCrust. I/= 0.20 0.25 0.30 0.35

11111lr

ド一 oCXUくり454440000

0,57 0.63 0.67 0.55 0.61 0.65 054 0.59 0.64 0,52 0.58 0.67̲

を得 る. もし地球の核にREEが合まれていない とすれ ば,地球全休のLa存在度は この0.68倍すなわ ち0.25 ppmとな る.chondrite中のLa存在度は0.15‑0.46 ppmの範岡を もち,乎拍 o.30ppmであるrScf川 rTret EI/..1964).J・.の

算「い了との‑殻は著 しい ものがある.

式(2二)にfLn‑0.59

,

rt\‑ i/82を入れてLaの分 配係数kLaが求め られ,012を得 る.kceは0.12× (1

+

0.3),Aprは0.12×

日+

2×0.3)

,L

・ と各 LSE の/分配挟数が計算 され る.その結果はTable 6にま と めてある.

Table 6. Calculated partition coeFICients for lanthanum serieselements,

La Ce Pr Nd Pm Sm Eu Gd o.12 0 16 0.19 0.23 0,26 0.30 0.34 0.37

Tb Dy Ho Er Tm Yb Lu o.41 0.44 0.48 0.5三 0.55 0.59 0.62

このよ うにして,仮定4′)はNol‑tonCountyachon‑

driteの dを用いることによ って仮定 4)か ら導 きLliさ 礼, したが ってa)MINAMH 1935)のREE存在度,b) 地球のchondrite模型 [4′)],C)BuLLEN(1953)によ

る地殻 の 7;, a)Norton Count)か ら得 た d が相互に ほほ無矛田であることがnj]らかになった ことになる.そ こで逆 に,仮定 4′)をたてて,C)および d)を採用すれ ば,地殻 におけるREE存在度 としてa)に近 い値を再 現す ることがで きるし,a)およびb)を採用すれば地殻 の姓僕 としてC)に凪 佃 を得 ることがで きるわけであ る .

4‑3

地球がかつて一旦溶融状態 を経過 し,その結果 として 地殻 (の頃型 )が生 じた とす る考 えは,珍 しい ものでは ないけれ ど も,地下 の どこか に明瞭な化学的不連続が あ る (MoHOROVLCIC不連続面が しば しば これに比定 され る)とみなす考 え方 との調和は容易でない.上の模型で

(14)

28 松 井

は,きしあたってある時期の残根の組成が殻 (の判 )

のそれにIrけ るとしたけれ ども,その液が突然闘 ヒし た と考 えるのは不 日然なよ うであ り,固化がその先まで 連続的に進んで行 き, どこに も不連続がなか った とす る 推論の万が妥当であるよ うに見 える.

MoIIOROVICIC両がそれで あるか不かにかかわ らず, どこか に化学的不連続面の存在 を考 えよ うとす るとき最 も簡単な模型はマン トルにおける basaltの′卜.戒の類推 によって与 えられ る.マン トルはpeI‑idotlteのよ うな

ti;,;基性岩石か ら成 ると信 じられ, かつ basaltが マン ト ル内で生成 されることは確実であるか ら, この ときに固 相 一液相問の組成の差が壬巨ず る.現在地殻はマン トルか らbasaltの形で物質の供給 を受 けつつあるか ら,これを 過去 に延長すれば, マン トルか らbasaltな どによって 物質が供給 され, これが蓄積 された ものが地殻であると す る考 えが成立す る.

しか し,MASUDA andMATSUl(1963,1964a)は, このよ うな機構だけによって地殻物質 におけるREEの 濃縮 と分化を同時に説 明す ることは,ehondrite模 ・Trf望を とる限 り不可能ではないにして も甚だ困難であると結論 した.以下 これを検討 してみよ う.

マン トル物質か らのbasaltの生 成は,普通に partial melting (BowEN,1928,pp.3】5F.)あるいは zone

melting (HARRIS,1957;VINO(1RADOV,1961)による もの と考 えられてい る.まずpartialmeltingをとりあ げれば, この過程が微量元素 に対 してみかけの分配係数

義 人

を考 えてよい状況下でお きるとき,液

1 1

mこおける濃

縮度

をRとすれば,Rはみか けの分門J係数 /t・ととけT:rrこIC‑

tionノ■によって次のよ うに与 えられ る.

Rlf+ k(I‑ r)]‑ 1 (27) いま‑ 様なchondriteの組成のマン トルか らのp三Irtiill meltingを考 える.所要の濃縮 を招 くよ うに定めた Lrは fに強 く依存 し,逆に kを‑たびセ ッ トすれば,REE のパタ‑ンは

f

によって大幅 に変化す る.その うえ,k の値は

問 に小 さく,か

伯̲TLの差が非常 に大 きい. こ の事情 をFig.15に示す.Fig.15は

f

‑0.01の とき Cholldriteか ら地殻物質が導かれ るよ うに kを定 めて作

られた ものである.そのkはTable7にかかげてある.

Table7.ApparentpartitioncoefRcientsin the partialmeltingofunlrOrm Chondriticmant le.

La 0.0068 Ce 0.0093 Pr 0.0123 Nd0.0202 smo.0249 Eu 0.0303 Gd 0.0369 Tb 0.0442 Dy 0.0530 Ho0.0631 Er 0.0747 Tm O・0890 Yb 0.103 Lu 0.121

Table7の[跡ま次のよ うな矧̲l]であ りそ うにない.す なわ ち, 1)珪酸fl志溶融体 と珪酸塩結晶 との間 には,金 属 イオンの環境に本質的な相違はな く, したが ってあま りに小 さい分配係数 はこれ レギ‑的にみて考 えに くい;

LaCePrNdPm Sm EuGdTbDyHo ErTmYb Lu Fig.15. PartialmeltingoftheunifTornlChondritic mantle.

Partition coe用cientsfわr indil′idualrare‑earth elements aI・e setto givethelog‑1inearitywhen

. /

‑0.01(Table7). Note thestrongdependenceofpatternon

I .

2)REEの相互の類似性か ら考 えて, La とLuとの問に 20倍近い差があると考 え るのは困難 である. さらにそれのみでな く, このよ うな過程で log‑1inearityを常 に成

̲千̲させ よ うとすれば,極めてその場限 り的 な k をそれぞれの場合 に仮定す る必要が

′f:̲ず るであろ う.また

,f

の値を大 きくと れない ことも重要で,その結果地殻すべて をまかな うためにはマン トル全休 にわた る partialmeltingを考 えざるを得な くな る.

えられ る(Harris,1957):

R ‑ I‑( ÷ ‑1 )

exp(‑kl)(28) ここにlはりerfectivep一atenumber"すな わ ち,溶融帯が通過す る全長 A と溶融椙 の長 さAとの比

( A

/Jl)である. ここでは ある漸近値 (1

/ k)

が存在す るので,partial meltingにおけるよ うな不安定 さはある程

(15)

希L類 元素の存在度パ タンの多様件 と税別

度打rj去で きるけれ ども,irを非抑 こ小 さく (すなわち 1/

R以下 に)とらな くてはな らない 、r、は そのまま残 る.

結局,kをで きるだけ大 きく,かつ各REEの kの

をで きるだけ小 さくしよ うとすれば,上のよ うな分別沈 澱模型を必然的に採TT]せ ざるを得ない (§7‑1参照 ).

さて,以 上このよ うに log‑1incarityを披机の示す特性 と考 えると,REEの濃縮 と分 化が

判 こ説明 されるこ とが明 らか になったけれ ども,その基礎 になった ‑1い 2) ないし 式(15)がREE鉱物 について得 られた ものであ

るとい う一見 した論理的矛盾はすでに注意 した. これに 対 しては,恐 らく次のよ うな説nJ]が もっ ともらしく思わ れ る.

いま例 としてLa,Ce,Ndが 式 (15)に従 ってehon‑

driteの組成か ら分化 した とす る. この とき液佃 こおけ るCe,Pr,Ndの附対7」度 はFig.16に実線で示 した よ うに変化す る. この上の点 L7,b, C,d,eについて, Table6にかかげた分配係数 に したが って共存す る間附 における相対

在度 を計算す ると,間でそれぞれ a′,h', (・',d',e'として示 したよ うにな る.(液相の点 と田柄の 点 を結ぶ線は,分別結晶作用の通例 として

,

実線で示 し た曲線の接線 にな ってい る.)ここで明 らかなよ うに,固 相か液相かの区別は, このよ うな図においては実際上不 可能なのである.

これに対 してMASUf)AICoRYELL式の図

では,た とえばNortonCoulltyaChondrite 了 のrXl(Fjg.23)にみ られ るよ うな,固相であ

ることに起因す るとみな されるlog‑1inearit), 6 か らのはずれが明示 され る.それは,Fig.16

のよ うな場合 と異な り,広い範囲にわたる元 素 について展望が きくために, Fig.16での わずかな差が集積 して現われて くるためであ る.

5. 仙ASUDAの規則 5‑1 REEの分配係数の解釈

以上のよ うな考察の結果,Laか らLuに いたるLSEの分配係数が原子番 FlとtE1線関 係 にあることが導かカ1だけれ ども, これを他 のREEすなわちY,Scに通用で きない こ とは明白である.原子番号 よ りも化学的性質 に直接影響す るパ ラメーターが存在 し, これ がLa‑Luに対 して原子番 号と簡 単な関係 を な している もの と考 えるのは自然な ことであ る(MASUDA,1957).

MASUDA(1963b)は,このパ ラメーターが

pN

f

a23 4

29

Iオ

ン、 f ′

径の逆数でL'y')ることを推定 した.現在の ところ REEの イオン、F'・13ltiにはTablAelにかかげIr:2組の借が 基本的な もの として得 られてい る.その一つは等軸晶系

R

203について

02‑

1,32

A

として求めたGoLDSCH‑

MIDTelal.日926)によるものであ り,他の一つは等

晶系R・203および正方晶系 ROClについて 02ー‑1.3

8

Aとし

求めたTEMPLErfON and DAUBEN (1954)の ものである. これ らの(11Llを原 子番 号の順 にプロッ トして Flg.17に′j‑Lす.MASト,pD^は,両者の うちGoLDCHMIDT の半径がなめ らかでない変 化をしているために これを却 け,TEMPLLTON and DAUBENの情をとりあげた. さ らに彼は この値の逆数 を原子番 号に対 して プロッ トす る と,直線 に近い関係が得 られ ることを見出し(Flg.18), この結果か ら分配定数 と直接 に直線関係 を もつ ものは イ オン半径の逆数であることを推定 したのである.

この様子を図示 したのが Flg.19である. ここでは TEMPI̲tTONandDAUBEI〜,の イオン半径 と,GoLDSCE

〜川)Tの イオン半径 とに対 して,Table6にかかげた分 (りJ係数の値を卜字によ り,また後 にのべ る方法 によって 計算 した MINAMIのshaleについて得た値を黒丸 によ りプロッ トしてある.上述のよ うに,計算 された分配係 数 に対す るプロッ トは,T上MPl̲ETON and DAUBENの

0

1 2 3 4

La/Nd

5 6 7

Fig.16. Illustration ofrare‑earth compositioninlE.quid andsolidmaterials, calculated after Eq.(15)and the partition coe田clentSpresented in Table6.Solidcircles:

I/'qllidmaterials;Crosses:soll'dmaterials.cf.Figs.2and4.

(16)

30 松 井 イオン;半径をmいた ときほぼ

緯 Lにilr'̲ぶ.しか し残念 な ことに,TEMPLETON andDAURr.Nの佃まLこlか ら LuまでのLSEにしか与 えられていないので,luiの

元素

について も考察で きるよ うにす るために, ここに得 られ た波線に平行に,GoLDSCtiMIr)Tの半径を用いたプロッ トに対 して も線をひいてみる.GoLDSCrIMIDTの半径 はGdを折点 として2つの弧 をなしているので,この場 合 1本の直線では近似で きない.そのため大r本の範囲を 示す2本の直線をひく.

このとき,MASUDA(1963b)は次の

要な特徴があら われることに気がついた.それは,GoLDSCf川 IDT半 径 を用いたときの直線が,k‑ 1の線を切る点が l/r‑ 1.20‑1.24,すなわち0.83‑0.81Å となって,Mg2⊥ のGoLDSCHMIDT半径0.78Aに近いことであ り,さら に

k‑

0の線 を切る点が

1 /

r

0

.

73‑

0 .

77,すなわち 1.38‑1.30Å となって,02 の半径1.32Å にほぼ一 致す ることである.地球の岩石圏を形成す る t:̲要なイオ ンがMg2+と02(ないしこれ とSj41とか ら成 る錯 イ

義 人

オン)であることを考 えて,これは

然の ことではない と考 えられた.したがって,この関係はREEに限 らず, 他の胤7=l'元素について も剛 ,:l';に了根 雪され ることが J',lELlさ れた.

5‑2 他の元素への拡張

分配係数 とイオン半径の逆数 との間の関係をREE以 外の元素について検討す る場合に,分配係数を簡単に求 める必要がある.REEの場合 と同様に,地球が‑̲Fi.浴 融状態 にあって,これが次第に園化 して きた とき,関村 と液相 との問の分配係数を一定 とみなす ことがで きるな らば,その値は 式(24)か ら的 ちに

k‑ 1

+

(logR/logfw) (29) となるrM^sUDA and MArSU‑,1963.1964a).ここ で最初 1であった液の塁がfwに減少 した とき,問題 と す る成分の濃度は最初のRl..rI‑となった とした.§4で述 べたよ うに,地殻の平均的REE紐 戊は最初chondriteに近い組成であ

tt ∴ 二‑̲‑

LaCe PrNd PmSm Eu GdTbDyHo ErTmYb Lu Fig.17. Ionicradiioflanthanum serieselements.

k‑ 110.52logR (30) となる.地球には

全質

不一の32先を占 める核が存在 し,一般 にこれは遊離 の金属か ら成 ると考 えられている.

もし問題 とす る元素がこの

回乙は合 まれないとすれば,

k‑ 1.09‑0.52logR (3日 となる.ただ し,地球の核の

蔓は 上述のよ うにはなはだ大 きく,した が って地球がchondriteと同様な組 成を もつ と仮定 した とき,そ こに含 まれるFeおよびNiがすべて還元 されて核に集中した として も,これ ほどの大 きさの核は賀成 し得ない.

すなわち,地球に chondrite模型を とる限 り,核に Fe,Nl,Coな ど親 鉄元素以外の成分 も含まれていると 考 えざるを得ず,したがって式(31) は決 して厳密な ものではない [松井

(17)

希土狩元素の存在パ タ‑ンの多 防牡 と規則

(1962)参照 ].一方 M ^suT)A(1963(I, 1964e)は,Feの イオン判 辛に M AsUl)A の規則 を適用 し,地球 を形 或す るchon‑

drite質物質の うち 835T(I/が酸化物 と して存在す ると推定 し,kを求 め る式 を次のよ うに与 えた.

A ‑

1+

一og(0・83R)/IogrlT (29′)

以下の議論 では,得失が的 紺 畑 こⅥ らかな 式(31)を用いてkを求 め る.

求 (29′)は これよ りわずか に小 さな 眉 を与 えるが,k の個が極 めて小 さい場 合 を除 き宅大な不‑敦 をひ きお こす こ

とはない.

さて,求 (29)か ら明 らかなよ うに, もし特定の時期の液相 を代表す る試料 についてすべての元素の含 宗が知 られ ていれば,各元素 について ノ'、、は共通 で あるか ら,logR が直接 1,/rとf̲LT線 関係にあるはず である.

M ASUDA(1963b,1963d,1964 e) は, これ らの関係をた しか め るべ く, Na‑KIRb‑Cs;Mg‑Ca‑Sr‑Ba;Zr Hr‑Th‑Uについて ひろ く検討 を加 え た. しか し,実際 にデータを文献か ら 集 め るときに,次 のよ うな困難が ある.

す なわ ち,第 1に呑元素の定 量が同一 試料 について行われてい ることはほ と ん どな く, したが って

f w

を共通 とみ な し得ない こと;第 2に,chondrite 相互 に含 蔓の著 しい変動が ある場合 が

あって R の値 を定 め る ことが困難で あること;第 3によい分析 lL的 ミない元 素 が ある ことな どで ある.第 1の点 に ついてみれば,標 準岩石試料 G ‑i;

W ‑1は貴市な例夕日何存在 で あるが, Figs.28‑29に示すよ うにREEペタ

‑ンは単純なIog‑1ineariyを もたない

2の点 に関 して例 を示せ ば,REE自 身 carbonaceouschondriteとensta‑

titecllOndrite とではほぼ2倍の差 が あ り,Csにいた っては0.0037‑0.19 ppm にわた る変 動が報 告 されてい る (SMALESe

f

al,,1964).第3の点 につ

31

LaCePrNdPm Sm EuGdTbDyHo ErTmYb Lu Fig.18.ReciprocaHonicradiioHanthanum serieselements.

sc/ / I /

汐 やダ

拶 b'5'

bO ざ

Y

Yb ●●

● La

0.7 1.0 1.3

rec.procalionicradius,i

‑ 1

Flg.19. Partition COef罰cients or rare‑earth elements plotted againstreCIPrOealionicradii. Solidcircles:partitioncoe用Cients calculatedflrom the data on composite shales after Eq.(31); crosses:thoseglVeninTable6.

(18)

3 2

いては,地殻 の岩石 について Csに関す るデー タは不充分で あ り,Baのデータ はよい ものがな く, Hrにいた ってはほ とん どデ‑タがない.

これ らの困難 に もかかわ らず M ASU‑

r)A(1963b,1963d,1964e)は,現在 ま でのデータを用いて上述の法則性がほぼ 確実 に成立 してい ることを示す ことがで きた.彼 は

,c ho nd

rl

t

e巾の

在度 につ いては主に M ASON(1962)の絞打 を用 い,かつ地殻物質 については

,REE

に 関す る考察 の際に規則性がよ く成二′二して い ると判断 された塩基性火成岩 に封す る TuREKTAN

a n d

W EDEPOHL(1961)浴 よび VINOGRADOV(1956)の総措 を二仁 として採用 した.

Fi g s .

20‑22は アルカ

人義

<r

0.4 0.7 10

, ec, p, 。cali oni c,adi us.A‑ 1

Fi g

・20

・Pa r t l t i o nc o e f f ic i e nt sora l k a l ime t a 一 sP l ot t e da g a l n S t t l l er e c i p r o c a li o ni cr a di i .

リ金属元素, アル カ リ土類金属元素およ びZr,Hr,Th,U に対す る図で あ る.

これ らはM ASUDA(1964e)の採用 したデ‑タをmいて 果 および M TNAMTの分 析 した もの と同一 の試料 に対す

REE

に対す る

Fi g .

19と同 じ形式 に書 きか えた もので る W EDEPOHL(1960)のScの分析結果 を もあわせ てか ある・また

Fj g .

21には

f

l

w

‑ 1/82に対す る

k

を濃縮係 か げた.M INAMI(1935)の結果の うち原 子番 号が奇数 敬 (R)と対比 させ,併記 した. さらに

REE

に対す の重希土すなわ ちHo,Tm,Luは存在 度が きわめて低 る

Fi g .

19には

Y

を含 めたM IN∧Mlの

s h a l

eの分析結 いので,分 析精度 を考慮 して除外 し,かつ異常 を示 して

()

l

Ua!3'

l1

3

0

UUO!lJt2d 0.5

0.4 0.7 1.0

357000123570「‑r 00

0

23

5

(α)LOIUtuaLJ3ua

, eci p, 。cali oni cradi us,Å 1

Fi g .2L Pa r t i t i o nc o e f f ic i e nt sora l k a 一 i n ee a r t hme t a l sp l o t t e d' l g a l nS tt h er e c I P r O C a li oni c

r a dl l .

参照

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