Yukinobu IUMURA, Yukari NAKAMURA, Kenji KAWANO, Naoya KUBO
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(2) Fig.1入. Fig.3構 造物 ―基礎 ―地 盤 系の解析 モデラル. 力 地 震 動 の加 速 度 応 答 スペ ク トル. た め,本 震 後に発生す る余震 を考慮 した模擬 地震動 を設 定す る必 要があ る.新 潟 県 中越 地震で はM6以. 上 の余震. が1時 間以内に3回 発 生 し,最 大余震 に関 して は,本 震 の最大加 速度 よ りも大 きな最大加 速度 を観 測 した地 点が 認 め られ た.し か しなが ら,本 震 と余震 の震源地 が離れ てい た こともあ り,多 くの地点 では余震 の最大加速 度は 本 震 の約50%以 下で あった.こ こで は,本 震 が発 生 した 後 に余震 が1波 発 生す るもの と して検討 を行 った.さ ら に,本 震 と余震 のスペ ク トル特性 は同一 と仮定 し,余 震 の最大加 速度 につ いては本震 に対す る最 大加速度 の比, つ ま り,入 力強度比(%)と して振幅調整 を行 い,余 震 の影響 を考慮 した模擬 地震動 を設定 した. この よ うな余震 の特 性を想 定 して本研 究で は,入 力強 Fig.2模 擬 地震動(入 力強 度比:50%). 度比 について は,本震 に対 して10%か 対象 とした.Fig.2に,Kobe‑NSを. ら50%ま で を検討. 用 いた際の模擬 地震 動. めに,損 傷制御型 設計 に基 づい た必 要強度 スペ ク トル の. 設定 の一例 を示す.こ れ は,余 震 の入 力強度 を本 震 に対. 算 出か ら得 られ るひず みエ ネル ギー増分 量 に着 目 し,余 震 の本震 に対す る入力 強 度比 を用 いた簡易 推定評 価式 の. す る50%と して設 定 した もので あ る.こ の よ うに,本 震. 算 出 を試 みた.加 えて,こ の評価 に基づ いた累積 的損傷. 後 にあ る入力強度 を有す る余震 が発 生 した場 合の影響 に つ いて検討 を行 った.. に関す る簡易推 定評価 法 につ いて検 討 を行 った. 3.解 析 手 法 余震 の影 響 を考慮 した模 擬 入力 地 震 動 の設 2. 定 3.1運 動方程式 及び地震 入力 エネル ギー 入力地震 動は,レ ベ ル2地 震動 のTYPEII地 震 動 を対. 本研 究 では,構 造物 の地震時挙動 が1次 振動 モー ドに. 象 と し,各 地盤種 の代表波 について検討 を行 った.第I. 支配 され る ことを考慮 し,Fig.3に示 す よ うな解 析モデル. 種 地 盤 に つ い て は神 戸 海 洋 気 象 台 記 録NS成. を用いて検討 を行 ってい る.こ れ は,上 部構 造物 を1自. 分波. 日本鷹 取駅. 由度 振動 系で表 し,基 礎 ―地盤 系 と構造物 の動的相互 作. 地盤 について は神 戸ポー. 用 を容 易 に 取 り入 れ るた め に,基 礎 ―地 盤 系 を 並進. トアイ ラ ン ド地 盤上で観測 され た地震 波(Port‑NS)を 用. (Sway)運 動 と回転(Rocking)運 動 か らな るSRモ デル で表 した3自 由度振動 系モデル であ る.こ こで,図 中の. (Kobe‑NS),第II種. 地盤 について はJR西. NS成 分波(Taka.NS),第III種. い た.Fig.1に,こ れ ら代表 波の加速度応 答 スペ ク トル を 示す.Kobe‑NSに つい ては,0.3秒 か ら0.8秒 付近 まで, Taka‑NSに つ いては,04秒 か ら1.0秒 付近 まで,Port‑NS. m0,mlは それぞれ基 礎お よび構造物 の質量,κkn,kr,はそ. につ いては,0.5秒 か ら1.5秒 付近 までの範囲 で卓 越周期. ね定数 であ る.c,ch,cr.はそれぞれ 同様 に構 造物 の減 衰係. を有 してい る ことが分 か る.. 数 と基礎 の並進お よび回転方 向減 衰係数 であ る.ま た, は基 礎の回転モー メ ン ト,Hは 基礎 の回転 中心 かJ0 らの. 本研 究で は,余 震 の累積 的 な損傷 につい て検討 を行 う. ―1008―. れ ぞれ構 造物の ばね 定数 と基礎 の並進お よび回転方 向ば.
(3) 高 さであ る.基 礎 を支持す る地盤 について は,基 礎周辺. (7). 地盤 と基礎の支持 地盤 か らな る2層 構 造 として検 討す る. Vs1,Vs2は 上層 地盤 のせ ん断波速度 お よび 下層 地盤 のせ ん断波 速度 をそれ ぞれ表 してい る.本 研 究 では,構 造物. の よ うに な る.{△Re}と{△xe,}は,そ. の非線 形化 に伴 う損傷 の評価 を対象 と してお り,地 盤は. して い る.こ. 線形域 で応答す るもの としてい る.構 造物 の非線 形特 性 は トリリニ アモ デルで表 した.. こで は,1次. {△xe,}につ い て は2次. れ ぞ れ 微 小 項 を表. の 微 小 項 の み に 注 目 し,[△ の微 小 項 とな るた め無 視Ke] す る.. 式(6)の よ う に 表 され た 時 刻 毎 の 応 答 の 増 分 量 は 修 正. この3自 由度 系構 造物 に対す る全 体の運動方 程式 は以 下の よ うに表 され る.. Newton. Raphson法. を用 い て 求 め られ る.こ こ で の 上 部 構. 造 物 の 重 量 は1.0MN,高. さ10m,初. 期 減 衰 定数5%と. 設. 定 して い る.. (1). こ こ で[M]お よび 【qは,そ ス で あ り,{F}は,地. 式(1)に つ い て エ ネ ル ギ ー の 釣 合 式 を考 え る.両 辺 に {dx}={x}dtを か け て 時刻tま で 積 分 す る と,時 刻tま で の エ ネ ル ギ ー と して 次 式 が得 られ る.. れ ぞ れ 質 量,減 衰 マ ト リク. 震 力 に よ る外 力 ベ ク トル で あ る.. (8). ま た,[K(t)]は 時 間 に依 存 した 応 答 量 の 関 数 と して 表 され る 剛 性マ トリ クス で あ り,時 間 ス テ ップ毎 に 逐 次 計 算 し て い る.入 力 地 震 動 に 対 して,構. 造 物 の応 答 が 非 線 形 性. を 有 す る場 合,時 間 領 域 で の 直 接 積 分 法 が 用 い られ る. そ こで,Newmarkの. β法(β=0.25)を. 用 い て 時 刻 毎 の応. す な わ ち,. 答 を 表 し,剛 性等 の 時 間 依 存 性 を 考 慮 す る と,次 式 に 示. (9). す よ うに増 分 法 を用 い て 運 動 方 程 式 が 求 め られ る.. (2). こ こで,EK:運. 動 エネル ギー,ED:減. :ひ ずみ エネル ギー,E:地. 衰エ ネル ギー,. 震 に よる構 造物 の全エEHネ. ル ギーで あ り,地 震 入力総 エネル ギー を表す.ひ ずみ エ 式(2)に対 して増分法 を適応す る と,応 答 の増 分{血}. ネル ギー につ いては,構 造 物の振動 が継 続 してい る間で. に関 して以 下の式 が得 られ る.. は,弾 性ひず みエネル ギー と塑 性ひずみエネル ギー の和. (3). で あ る.構 造物 の振動終 了時ま でに累積 する塑 性ひず み エネル ギー は,履 歴復元 力に よって吸収 され,そ の量は 復元 力特 性の履歴 面積 で与 え られ る.よ って,地 震動 を 受 け る構造物 が弾塑 性応答 を した場 合,振 動 終 了時 には. こ こで,. 塑 性ひずみエネ ル ギー が支配的 とな る.. (4) (5). 3.2Park. and Angの 損傷指標D3). 構 造物の損傷評 価 に関 しては,Parkら3)に よって地震 に よる構造物 の損傷 を定量的 に評価 す る ことを 目的 と し た指標 が提案 されて きた.Parkら は,多 くの実験結 果 を. これ よ り,そ れ ぞれの時 間増分に対 しての応答 量は,. 統計 的 に処理 し,繰 り返 し荷重 を受 けるRC構. 造物 の崩. 式(3)によ り求 め られ る.以 上 よ り得 られ る結果 を用 いて,. 壊 に関す る照査基準 として損傷指標Dを 用 い るこ とを提. 各要素 の節 点力 に関 して の評 価 を行 う.. 案 した.損 傷指標Dは,構. 時刻t+△tに. お け る任 意 の 要素 の変 位応 答 が{△xe,}. だ け増分 す る と,節 点力{R,}が{△R,}だ. け増分す る.. 造物 の変形 性能 と履歴 エネル. ギーの線形結合 と して定義 され てお り,次 式に よって与 え られ る.. す なわ ち,. (10) (6) こ こ で,xM:最. となる.こ こで,節 点の増分 量{△Re}は. ―1009―. 大 応 答 変位,xu:終. 局 変位,Qy:降. 伏.
(4) Table1Parkの. 耐力,dE:消. 損 傷 指 標 と損 傷 程 度 との 関 係3). 費エ ネル ギー の増分,β:部 材 の断面特 性. Fig.4必. 要 強 度 スペ ク トル(Kobe‑NS). 等に依存 した正 の係数 で あ り,本 研究 において は既往 の 研 究6),7)を 参 考に して0.15と した.こ の指標 に関す る研. で あ る.本 研究 では,余 震 のひずみ エネル ギー増 分 は,. 究 として,鈴 木 ら8)は,Parkら の指標 を用 いてRC橋. 脚. 余震 の入力強度 に依存す る こと,ま た,構 造部材 のひず. にお ける地 震時被 害を予測す る指標 を提案 し,実 際の被. みエ ネル ギー は履 歴応答 曲線 の面積 で評価 で き るこ とか. 害状況 との検 証 を行 って いる.損 傷指標 の 目標値 に関 し. ら,余震 のひずみエネル ギー比 に対す る簡易推 定評価 を,. てはTable1に. 下記 に示す 二次 関数 を用 いて検討 した.. 示 した損傷指標 と損傷程度 との関係 か ら. 求 めた.現 行 の道 路橋 に関す る耐震性能9)を 参考 に,本 研 究で は 目標 とす る損傷指標 を,D=0.1,0,2,0.4,0.6,1.0 と し,0.2か ら0.4の 間が耐震性 能2に,0.4か. (13). ら1.0の 間. が耐震性能3に 対応 す るもの と して検討 を行 った.また, 許容塑性 率 を 「 橋脚 が崩壊す るよ うな致命 的 な損傷 に対 して の安 全 性が確 保 され る塑 性率」 と考 え,RC橋 一般的 な値5に つ いて検討 を行った .. 脚の. ここで,ζ は余 震の本震 に対す る入 力強度比 を,a,bお よびcは,解. 析 結果 か ら得 られ る係数 で ある.本 研究 で. は,本 震 に対す る余震 の入 力強度比 に着 目し,こ れ に依 存す る簡 易推定 評価式 ζを算 出す る こ とを 目的 とす る.. 3.3余 震 の影 響 を考 慮 した簡 易推定 損傷 評価法. 4.解 析 結 果 お よび 考 察. ここでは,余 震 に よる構 造物の損傷 を推 定す るた めの 評価法 について述 べ る.後 述す るよ うに2章 で設 定 した. この節 では,目 標 とす る損傷指標 を満足す るよ う設 計. 模 擬地 震動 にお いては,余 震 による変形 が本震 に よる最. され た3自 由度 振動 系を対象 に,余 震 の発 生が構造物 の. 大変形 を超 えないこ と,ま た,余 震 の影 響 は構造 部材 の. 損 傷評価 に及 ぼす影響 について検討 を行 う.本研 究で は,. ひず みエネ ル ギーに依 存す る.こ の こ とか ら,式(10)の. 構造 物 の非線 形特性 は トリリニ アモデル で表 してお り,. 消費エネル ギー を本 震 に よるひずみ エネル ギー と余震 に よるひず みエネル ギー の総 量 として評価 し,以 下の よ う. 本 震後 の履 歴形状 は,初 期剛性 が低 下 した状 態の トリリ ニアモデル を用い て解 析 を行 った.構 造物 の非線形 地震. に示す.. 応 答解析 に関 して はNewmarkの. β法 を用い,減衰 定数 を. 0.05,剛 性比 を0.05,時 間刻 み を1/1000秒 と して解析 を. (11). 行 った. 4.1必 要強度スペ ク トル による検 討. ここで,EH‑man:本 震 によ るひずみエ ネル ギー,EH‑after:. Fig.4は,入 力地 震動 としてKobe‑NSを. 入 力 した場 合. 余震 に よるひず みエネル ギー を表す.余 震 に よるひず み エネル ギー は本 震 によ るひずみエネ ル ギー に対す る比 と. の必要 強度 スペ ク トル を示 してい る.図 中に は,1自. 由. して表 せ る とす る と,式(11)は以 下の よ うに表 され る.. れ るD=0.1の 場 合につ いて も示 してい る.1自 由度 振動. 度振動 系 におい て構 造物の損傷 が比較 的小 さい と評価 さ 系 と動 的相互作用 系のD=0.1の 場合 につ いて比較 を行 う と,Kobe‑NSを. (12). 入力 した場 合に は,構 造物 の短周期 側 に. おい て動的相互作 用の影響 を受 け,両 者 の所要加 速度 に 相違 が認 め られ る.こ れ ら動 的相互作用 の影響 は,構 造 ここで,ξ は本震 に対す る余震 のひず みエネル ギー比. 物 の固有周期 が長 くな るにつれ,認 め られ な くな るこ と. ―1010―.
(5) Fig.5. Fig.7時. 最 大 応 答 塑 性 率(Kobe‑NS). 刻 歴 変 位応 答(Kobe‑NS). したParkら の損傷 指標 が,構 造物 の変形 と履歴 吸収エネ ル ギー の線 形結合 と して定義 され てい るこ とであ る.つ ま り,構 造物 の変形 ・損傷 が小 さい場 合に は履歴 吸収エ ネル ギーは小 さいため,損 傷指 標へ の影 響度 は小 さい. 一方 ,構 造物 の損 傷が大 きい場 合には履歴 吸収 エネル ギ ー も大 きく ,損 傷 指標 への影響 度 は顕 著 となる.こ れ ら の こ とか ら,構 造 物の損傷 が小 さい場合 に は,構 造物 の 最大応 答塑 性率 で耐震性能評価 を行 うことが可能 で ある が,損 傷が大 きい場 合には,構 造物 の最 大応答塑 性率 と 履歴 吸収エネル ギーに着 目した総合 的な評価 が必要で あ るこ とが分か る. 4.2 Parkら の損傷 評価 に よる余震 の影 響 Fig.6 余震 の影響 を考慮 した損 傷評価(Kobe‑NS). 次 に,余 震 の影 響 を考慮 した模擬 地震動 を用 いて,余 震 が構 造物 の損傷 に及 ぼす影響 につ いて検討 を行 う.こ こでは,式(10)に 示 したParkら の損傷 指標 を用 いた非線. が分 か る.ま た,こ れ らの図 か ら動 的相互 作用系 におい て も,構 造物 の損傷 を許 容す るこ とで所要加 速度 がかな. 形応答解 析結果 につい て検討 を行 う. Fig.6に,入 力 地震動 としてKobe‑NSを. り低 減 され る ことが分 か る.耐 震性 能2で 構 造物 の設 計 を検討 す る際には0.2≦D<0.4の. 領域 内で,耐 震性 能3. で構 造物 の設 計 を検討 す る際 には0.4≦D<1.0の. 用 い,余 震 の. 入力 強度 比 を50%と 設 定 した場 合の損 傷指標 の増加 に つ いて示す.こ の値は,余 震 の影響 がな けれ ば 目標 とし. 領域 内. で所 要加 速度 を設定すれ ば よい ことになる.また,D=1.0 の場合 は,構 造物 は崩壊 とみ な され るため,動 的相 互作. た損 傷指標 に一 致 した値 とな る.こ の図 よ り,構 造物 の. 用 系にお け る所 要加速度 の下 限値 とな る ことが分 か る.. 合 の損 傷評価 が構 造物 の固有 周期 に依 らず 目標性 能 と同. また,本 研 究で は許容塑 性率 を設 定 し検討 して い るた. 目標性 能がD=0.2の 場 合では,余 震 の影響 を考慮 した場. め,目 標性能 を満足 した場 合の最 大応答塑 性率が許容 塑. 様 の値 を示 してお り,余震の影響 が小 さい ことが分 か る. 一方 ,目 標 性能 を増加 させ た場 合には,余 震 の影 響 は構 造物 の固有周期 に依 らず全 体的 に構 造物の損傷評 価 を増. 性 率内で あ るか検討 してお くことは重要 な ことで あ る. Fig.5に,Kobe‑NSに 対 して 目標 性能 を満足 した場 合の最 大応 答塑 性率 を示す.目 標 性能 としてD=1.0と した場 合. 大 させ るこ とが分か る.こ の こ とか ら,例 えば耐震性能 2で 設 計 され た構 造物 が本震 の影響 を受 けた状 態で,大. についてみ ると,上部構造物 の固有周期 全領域 において,. きな強度 を有す る余震 が作用 した場合 に は,そ の影響 で. 最 大応答塑 性率 は5以 下で あ り,許 容塑 性率 を満足 して い るこ とが分 か る.ま た,こ れ らの図 よ り構 造物 の損 傷. 構造物 の損傷 が拡 大す る可能 性があ るこ とを分 か る.. 度 が小 さい場 合には,最 大応答塑 性率 は構 造物の 固有周. 次 に,余 震 の影 響が構造物 の損傷評価 に及 ぼす影響 を 明確 にす るた めに,時 刻歴応答 解 析結果 に着 目した検討. 期や 入力地 震動 の振動 特 性に依 らず,一 定の値 を示 して い るこ とが分 か る.し か しなが ら,大 きな構 造物 の損 傷. の入 力強度比 を50%と し,Kobe‑NSに 対す る模擬 地 震動. 度 を許 容す る場 合には,構 造物 の固有周期 に よ り相違 が. を作用 させた場 合の時刻歴応答 変位 を,目 標 性能の比較. 認 め られ るよ うにな る.こ の要 因 として は,式(10)に 示. として示 して いる.こ の図 よ り,本 震 に よる応答 変位 が. ―1011―. を行 う.Fig.7は,上 部 構造物 の固有周期 を0.5秒,余 震.
(6) Fig.8履 歴 応答 曲線 (上部構造 物 の固有周期:0.5秒). Fig.10時. 刻 歴 エ ネ ル ギ ー 収 支(Kobe‑NS). で ある こ とか ら,常 に本震 に よる履歴 曲線の 内部 で履歴 を示 してい るこ とが分 かる.つ ま り,余 震 に よる構造 物 の変形 が,本 震 に よる変形 量 を超 えない限 り,こ のひず みエ ネル ギー の増 分量 が構 造物 の損 傷評価の増 大 に起 因 す る と考 え られ る. 次 に,時 刻歴 エ ネル ギー収 支 につ い て検 討 を行 う. Fig.10は,目 標 性能D=0.6,余 震 の入力強度 比 を50%, 上部 構造物 の固有周期 を0.5秒 とした場合 の減 衰,ひ ず み,総 入力エネル ギー収 支を示 してい る.こ の図 よ り, 45秒 付近 までは本震 に よる影響 を受 けて,各 種 エネル ギ ー が増加 してい るこ とが分か る.そ の後,各 種 エネル ギ ー は余震 の影響 を受 けて増加 してい るこ とが分か る.図. Fig.9履 歴応答 曲線 (上部構造 物の固有周期:1.0秒). には示 していないが,こ の各種 エネル ギー増加 量 は余震 の入 力強度 に依 存す る もので ある.ま た,本 震のひず み. 表れ た後 に,余 震 の影 響 が表 れ てい る こ とが分 か る.. エネル ギー は構 造物 の復 元力特性 に依存す るた め,余 震. D=0.1の 場 合には,構 造 物 の損傷程度 が小 さいため残留. に よるひず みエネル ギー増分量 は,本 震 に よるひず みエ. 変位 はほ とん ど認 め られ ない.し か しなが ら,D=0.6の 場合 には,構 造物 の損傷 は比較的大 きい こ とか ら,非 線. ネル ギー に対す る比 と して表す ことが可能 で ある と考 え られ る.. 形 性の影響 が顕 著に認 め られ,残 留 変位 が発 生 してい る こ とが分か る.ま た,余 震 の入力強度比 が50%の 場 合に. 4.3余 震 の影 響 に対す る簡易推 定評価 について. お いて も余震 に よる最大応 答変位 は本 震 によ る最大応答. これ まで述べ てきた よ うに,余 震 の影響 はひず みエネ. 変位 を超 えて いない.こ の こ とか ら,本 研究 で対象 とし た余震 規模 にお ける構造 物の最 大応 答変位 は,本 震 の入. ル ギー の増分量 として評価可能 で あ り,ま た,こ の増分. 力 強度に依存す るこ とが分か る,. て,こ こで は,余 震 の発生 に伴 うひず みエネル ギー増分. 次に,履 歴 応答 曲線 に着 目した検 討 を行 う.Fig.8は, 目標 性能D=0.6を 対象 に,余 震 の入力 強度比 を50%,上 部 構造 物 の固有周期 を0.5秒 とした場合 の履歴応答 曲線 を示 して い る.Fig.9はFig.8と 同様 に,上 部構造物 の固 有周期 が1.0秒 の場合 にお け る履歴 応答 曲線 を示 してい. 量 は余震 の入力強度 に依存 してい る と考え られ る.よ っ 量 を,余 震 の強度 を本震 に対す る入力 強度比 を用 いた推 定式 と して算 出す るこ とを 目的 とす る. Fig.11は,入 力 地震動 としてKobe‑NS,上. 部構造物 の. 固有 周期 を0.5秒,目 標 性能 をD=0.6と した場 合にお け る本 震 に対す る余震 のひず みエネル ギー増分 比(図 中:. を示 し,そ の後 に発生す る余震 による応 答 塑性率 は,上. )を,余 震 の入力強度比 に着 目して示 した EH‑after/EH‑main も ので ある.ま た,図 中の破 線は,後 述す る余震 によるひ. 部構造物 の固有周 期が0.5秒 の場 合に約1.8程 度,1.0秒 の場 合には履歴応 答 曲線 の負 側で約2.0程 度 であ り,い. ず みエネル ギー増分量 に対す る簡易推 定評価 式 を示 して い る.この図 よ り,余震 の入力強度 比が増加す るにつれ,. ずれ の場 合も本震 の最大応 答塑性率 に対 して約6割 程度. 余震 のひず みエネル ギーが増加 してい るこ とが分 か り,. る.こ れ らの図 よ り,本 震 に よって履歴 応答 は最 大変位. ―1012―.
(7) Fig.12簡 易推 定評 価 法に よる損傷 評価 Fig.11余 震の入力 強度 に よるひずみ エネル ギー増分量. Table2ひ. ずみエネ ル ギー増 分の簡易推 定評価式. その形状 は2次 関数 的な増加 傾向で ある ことが分 か る. これ は,本 研 究 では本 震 によ る損 傷 を反 映 した状 況で余 震 を与 えてい るため,初 期剛性 が低 下 した状態 の履歴 応. Fig.13簡. 易 推 定 評 価 法 の 有 効 性(Taka‑NS). 答 曲線 に依 存す る ことが要 因 と して考 え られ る.つま り, 変形 に関 して は余震 の入力強 度に依存 し線 形的 に増加 し,. 損傷 につ いて予測す る ことが可能 となる.こ れ らの情 報. 履 歴ルー プに関 しては2次 関数 的 に増加 す るためであ る. これ らの ことか ら,こ こでは式(13)に示 した よ うに2次. を提 供す る ことは,本 震後の復 旧作業 に対 して有益 にな. 関数 を用 いて,余 震 に よるひずみエネル ギー増分 量の簡. 構 造物 の固有周期や 目標 損傷指標 に依存す るた め,こ れ. 易推定評価 式 を算 出 した.こ の図 よ り,本 研究 で示 した. らの影響 について検討 してお くこ とが重 要 となる.. る と考 え られ る.しか しなが ら,この簡易推 定評価式 は,. 簡易推 定評価 式 は,余 震 に よるひずみ エネル ギー増分 を 精度 良 く評 価 してい るこ とが分か る.Table2は,入 震動 としてKobe‑NS,卜. 力地. 4.4簡 易推 定評価法 の有効 性につい て. 部 構造物 の固有周期 を0.5秒 と. これ までは,第I種 地盤 用の代表 波で あるKobe‑NSを. した場合 のひずみ エネル ギー増分 の簡 易推定評 価 式 を,. 用 い て,余 震が構造物 の損傷評 価 に及 ぼす影響,さ らに. 本研究 で対象 とした 目標性 能毎 に示 した ものであ る.こ の表 か ら,余 震 の本 震 に対す る入力 強度 比 が分 かれ ば,. 余 震 によ る損傷状況 の簡易推 定評価法 について検討 を行 って きた.こ のKobe‑NSに よ る検討 か ら得 られ た簡 易推. ここに示 す簡易推 定式 を用 い るこ とで,目 標 とす る損傷. 定評価法 の有効 性について検討 を行 うため に,異 な る振. 指標 に対す る余震 のひず みエネル ギー増分量 が推 定可能. 動 特 性を有す る余震 が発生 した場 合の構 造物 の損 傷評価 に簡易推 定評価法 を用い,式(10)か ら得 られ るParkら の. となる.さ らに,こ れ らの値 を用 いて,余 震 に よる構造 物 の損 傷拡大 を推 定す る ことが可能 であ る と考 え られ る. この簡 易推 定式 を用 いて,余 震 が構 造物 の損 傷評価 に. 損 傷指標 と比較 を行 った. Fig.13およびFig.14は,入 力 地震 動 としてTaka‑NSお. 及 ぼす影 響 につ いて検討 を行 った.Fig.12は,式(10)で 示 したParkら の損傷 指標 を用 いた結果 と,こ こで示 した簡. よびPort‑NSを 用 い,余 震 の影響 を考慮 した場 合のPark. 易推 定評 価法 に よる損傷評価 の比較 を示 した もので ある. この よ うに,余 震 によって構造 物 の変形が本震 に よる最. をそれ ぞれ示 した もので ある.こ れ らの図 よ り,い ずれ. 大変形 を超 えない場 合には,累 積的 なひずみ エネル ギー. が小 さい場 合には,損傷評価 法 に よる相違 は認 め られず,. 増分 量 を推 定 してお くことで,余 震発 生 による構 造物 の. 簡 易推 定評価 法 の有 効 性が確 認で きる.目 標 とす る損傷. らの損傷 指標 と,本 研 究で示 した簡易推 定評価法 の比較 の地震動 を用い た場 合 にお いて も,目 標 とす る損 傷指標. ―1013―.
(8) らの値 は,本 震 に対す る設 計段 階で得 るこ とが可 能で あ るた め,比 較 的容易 に推 定可能 であ る. 4)簡. 易推 定評価 法 において は,入 力地震動 の振 動特 性 に よる影響 は あま り認 め られず,定 量的 な範 囲 で構 造物 の損 傷評価 が可能 で あ る.こ れ に よ り, 非常 に簡便 な方法 で余震 の影 響 を検討 す るこ とが 可能 で あ り,地 震後 の復 旧作業 に対 して有用 な情 報 を提 供で きる と考え られ る.. 今後 の課 題 ここで示 した簡易推 定評価法 を よ り有効 な もの とす るた Fig.14簡. め には,構 造 物 の固有周期 に対 す る影響 や損傷指標 の簡. 易 推 定 評 価 法 の 有 効 性(Port‑NS). 易推 定値 と実 構造 物の損傷拡 大状況 との定量化 について, 指標 が大 きい場 合には,こ れ らの損傷評価法 による相違 が認 め られ る よ うにな る.Taka‑NSを 用 いた際の簡易推. また,本 震 による損 傷 を受 けた後の構造物 の履歴 特 性に つい ての検 討が必要 で ある.加 えて,余 震 は発生規模 や. 定評価 法 にお いて は,Parkら の損 傷指標 よ りも大 きな損. 発生 回数 な どの不確 定要因 を多 く含む ため,こ れ らの影. 傷 を推 定 してお り,安 全側 の評価 を行 ってい るこ とが分 か る.この場 合の推定誤 差 は約2%で あ る.一方,Port‑NS. 響 を考慮 した簡易 的推 定評 価法 を確立す る必要 があ り, 今後 の課題 で ある.. を用 いた 場合 にお いて は,簡 易 推 定評価 法 に よる値 は Parkら の損傷指標 よ りも下回 ってお り,余 震 の影響 につ. 参考文献. いて危険側 に評価 してい るこ とが分か る.しか しなが ら,. 1) 気 象 庁 HP:. その誤差 は約0.6%程 度で あ り,非常 に小 さい と判断 でき. 2) 村 田 晶, 北 浦 勝,. (http://www.. jma. go.jp/jma/index.html). 宮 島 昌 克:. 新 潟 県 中越 地 震 に お け る. る.こ の よ うに,両 者 の損傷評価 の相違 は非 常 にわず か. 余 震 が 木 造 構 造 物 の 被 害 拡 大 に 及 ぼ し た 影 響, 土 木 学. であ り,本 研 究で示 した簡易推 定評価 法 は,振 動特 性の. 会,. 異 な る地震動 に対 して も,全 体 的に余震 に よる構造物 の 損傷 につい て推 定 可能 で あるこ とが分か る.. 第60回. pp.1347‑1348,. 2005.9. 3) Park. Y.‑J., and Ang. model for. 5.ま. 年 次 学 術 講 演 会 講 演 概 要 集, I‑675,. とめ. A.H.‑S.:. reinforced concrete,. Engineering,. Vol.111,. 4) 木 村 至 伸, 河 野 健 二:. 本研 究で は,動 的相 互作用 系を対象 に,余 震 によ るひ. seismic damage. Journal. No.4,. of. pp.722‑739,. Structural April 1985. 前 ・余 震 の 影 響 を 考 慮 し た 構 造. 物 の 損 傷 評 価 に 関 す る 基 礎 的 研 究,. ず みエネル ギー増分 量につ いて余震の入力 強度比 をパ ラ メー タ とした簡 易推 定評価式 を算出 した.本 研究 か ら得 られ た結果 を要約す る と以 下の よ うになる.. Mechanistic. 土 木 学 会,. 回 年 次 学 術 講 演 会 講 演 概 要 集, I‑434,. 第61. pp.865‑866,. 2006. 9 5) 木 村 至 伸,. 竹 之 内 徹,. 河 野 健 二,. 久 保 直 哉:. 余 震 によ. る 累 積 的 損 傷 を 考 慮 した 耐 震 性 能 評 価 に 関 す る 基 礎. 1)第I種. 地 盤用の代表 波で あ るKobe‑NSに よる簡 易. 的 研 究,. 推 定評 価 式 を用い た余震 に よる累積 的損 傷 に関す る簡 易推 定評価 法 は,余 震 による損傷評 価 に有 効. 土 木 学 会,. pp.1063‑1070,. the use of damage. G. & Ramasco, K.:. An. evaluation of. functional in earthquake‑resistant design,. Proc. 9th Eur. conf. ea rthquake eng., Moscow,. 2)余. 震 に よる影 響で,構 造物 の最 大変形 が本震 に よ る最大 変形 を超過 しない場 合には,ひ ずみエ ネル. Low‑Cycle. 拡大 を推定 で きる.こ れ よ り,余 震 に伴 う損 傷評. ynamics, 8) 鈴 木 基 行,. て評価 可能で ある. 震 に よ る損傷拡 大 の評 価 は,本 震 が作用 した際. Ductility Factors, Taking. Fatigue, Earthquake Vol.21,. No.10,. 井 林 康,. 藤 原 稔,. Engineering. pp.837‑848, 尾 坂 芳 夫:. into Account and Structural. 1992 D RC橋. 脚 の. 地 震 時 被 害 と 地 震 動 及 び 構 造 特 性 と の 関 連 性, 構 造 工 学 論 文 集,. 3)余. 9, pp.303‑312,. 1990 7) Fajfar,P.: Equivalent. ギー の増分 量 を推 定す る こ とで,余 震 に よる損 傷 価の推 定は余震 の入 力強度 比の2次 多項 式に よっ. Vol.10,. 2007. 8. 6) Cosenza, E.Manfredi,. であ るこ とを示 した.. 応 用 力 学 論 文 集,. 9). のひず み エネル ギー と,検 討対 象 とす る余震 の本. pp.651‑658,. 日本 道 路 協 会: 道 路 橋 示 方 書 ・同 解 説, 編,. 震 に対す る入力 強度 比 か ら推 定可能 で ある.こ れ. 土 木 学 会, Vol.44A,. 震 設計. 丸 善, 2002. 3 (2008年4月14日. ―1014―. V耐. 1998. 3. 受 付).
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