第40回土木学会関東支部技術研究発表会 第Ⅵ部門
中央線三鷹・立川間連続立体交差化工事における、武蔵小金井駅構内2面4線化
JR東日本 東京工事事務所 正会員 ○山形 光 1.はじめに
中央線三鷹・立川間連続立体交差化は、東京都心と多摩地区を結ぶ中央線三鷹・立川間(約 13km)のうち、国分 寺・西国分寺間の立体交差済区間(掘割区間:約 4km)を除く、三鷹・国分寺間(東区間:約 6km)と国分寺・立川 間(西区間:約 3km)の合計約 9km 区間を東京都と当社の協定により連続立体交差化するものである。
平成24年5月19日~20日にかけて行った武蔵小金井駅の第10回線路切換工事は、武蔵小金井駅を使用開始済 みの2面3線から2面4線化するための工事である(図-1)。切換口 B では、直結分岐器の上部交換による基準線変更 を行った。直結分岐器の基準線変更の施工実績はなく、施工に関して不明な点が多かったため、試験施工を実施し た。今回はその試験施工について報告する。
図-1 切換概略図 2.試験施工内容
今回の切換工事では用地制約上、高架上の上り本線は仮上り線上空となっていたため、2面3線としての使用時に は切換口 B の分岐器の基準線側を通過していたが、2面4線化により、上中線が副本線となる。このため、切換口 B の シーサスクロッシング内の直結分岐器についての基準線を変更することが必要であった(図-2)。
図-2 切換順序図
今回、試験施工として材料品質試験(合成マクラギの穴埋め試験・交換マクラギ下樹脂注入試験)および分岐器組立 て試験を実施した。合成マクラギの穴埋めは、直結分岐器の上部交換により発生するタイプレート固定用ネジクギ穴に ポリエステル樹脂を充填させる作業である(写真-1)。また、交換マクラギ下樹脂注入は、分岐器組立ての際の合成マ クラギ交換時に、路盤コンクリートとの間にウレタン樹脂を充填させる作業である(写真-2,3)。
この試験施工の目的は、基準線変更の 注意点等を把握し必要な対策を立てるこ とにより、切換当夜作業を問題なく円滑に 行えるようにすることである。
写真-1 合成マクラギの穴埋め 写真-2,3 交換マクラギ下の樹脂注入 キーワード 線路切換,分岐器組立て,試験施工
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3.材料品質試験結果
充填させる樹脂の硬化が作業の進捗に大きな影響を与えるので、今回の施工においてはポリエステル樹脂の基準 強度 30kN 及びウレタン樹脂の基準硬度 50 の発現の確認と、硬化までの時間を測定した。条件として悪天候(豪雨)と 小雨と晴れ・曇りを想定した。
ポリエステル樹脂は大雨の状況でも強度発現に問題ないことを確認し、いずれの条件でも強度発現までの所要時 間が 20 分以内であった。よって悪天候でも施工可能なことを確認することができた。
ウレタン樹脂では、雨天状況では基準硬度を確保することができなかった。これはウレタン樹脂が大量の水分を含む ことによりに発泡して必要な硬度を保てなかったためと考えられる。雨天状況以外では基準硬度を確保でき、硬度発現 までの所要時間が 60 分以内であることを確認することができた(表-1)。よって雨天対策としてテントを準備することとし た。
表-1 ウレタン樹脂の注入一時間後の硬度の試験結果
4.分岐器組立試験結果 表-2 施工フロー 試験の実施目的は施工時間、施工フロー(表-2)、作
業人員数は適切か、注意点を確認することである。一回 目の試験では施工時間が計画から60分の短縮となった が、手余りになる作業員がでた(表-3)。また軌間測定を テープで行ったため施工精度が悪かった。二回目の試 験では、作業人員の見直し、施工精度の向上を図った。
結果、作業人員を 25 人としたため、15 分多い 255 分と なった。作業効率が悪かったため 30 人~35 人が最も効 率的であると考えられた。さらに軌間線寸法ゲージを使 用することで、仕上がり基準において施工精度が向上し た。また、今回の試験で改善点も挙げられた(表-4)。
表-4 分岐器組立の対策
表-3 分岐器組立試験
5.まとめ
今回の切換工事における直結分岐器の上部交換による基準線変更は施工事例のないものであったが、大きな遅れ が発生することもなく無事施工を終了することができた。これは材料品質試験を行うことで、使用する樹脂の注意点の 把握、対策を立てることができ、分岐器組立試験においては、施工フローや作業人員の確認、当日の作業への工夫 や事前準備等、綿密な計画を立て、かつ施工精度も向上させることができたからである。今後、他の線路切換工事や 難易度の高い工事においても必要に応じて試験施工を行い、より安全で、効率の良い施工を目指していく。
キーワード 線路切換,分岐器組立て,試験施工
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