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茨城の消費者問題史

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75

茨城の消費者問題史

家 政科 研 究 室  酒 井 はるみ 消費生活コンサルタント 森 口 昌 子

そしてそこには,深刻になってきた消費者問題へのわ 序       れわれのかかわり方を示唆してくれるものがあるかもし 消費者問題が世の注目をあびるようになってからすで  れないという期待もあったのである・

に二十年が経過した。そして近年,消費者問題はますま   茨城県の消費者問題については・行政レベルの調査が す深刻化してきている。      若干ある以外には,取り上げるべきものがない。そこで,

ところが,消費者問題についての研究は必ずしも深刻  新聞の収集によって目的を達成することを考えた。新聞 な現状を反映したものとはなっていない。若干の先駆的  記事には,新聞社の経営の論理に従って,売れるものを 業績が認められるとはいえ,研究領域としては今後の成  掲載するという属性があることは否定出来ない。またジ 果が待たれる分野であるということが出来る。現状は,  ヤーナリズムの「野次馬根性」は,気球は打ち上げるが,

消費者問題の歴史や,実際の消費者問題なり消費者運動  その行方や回収などアフター・ケアについては必ずしも なりを解説するための若千の用語や概念の規定あるいは  十全とは言いがたく,しばしば無責任な放言となる。従 説明なりが中心となっており,消費者問題をとらえるた  って新聞記事が正しく事実を伝えるものとはもとより言 めの方法論,枠組などに接近したものはきわめて少なく, えないのであるが,その時々の社会的関心を反映した 地方の消費者問題研究にいたってはほとんどないといっ  ものであることは間違いない。さらに,テーマをしぼっ た状況である。消費者問題についての研究は啓蒙的な域  て集められた新聞記事がある一定量を越えてぐると,資 を脱していないということができよう。        料としては意味をもってくるし,まして数多くの小集団

さて,われわれは,このような条件のもとで,地方の  の場合は,その動向を把握しうる唯一の資料となる場合 消費者問題に取り組んでみようとしたのである。茨城県  すらあるのである。

の市民運動は総体的にみて盛んではないが,なかでも訟  以上のような立場から,新聞記事の収集,検討澄よび くれてあらわれた消費者運動に対する関心は薄いようで  分析をすすめて,「茨城の消費者問題史」をとらえてみ ある。注1)しかし,現実には消費者問題は本県にも当  ようとしたのである。なお,新聞記事のもたらすバイヤ 然のことながら存在するし,またそれなりの歩みもみら スを考慮する必要のある場合は,適宜記事の当事者に確 れるのである。      認して,バイヤスをいくらかでも少くするように努めた。

茨城県における消費者をめぐる問題はどのような歴史   本研究は,消費生活コンサルタントとして,また消費 をたどってきたか,いかなる層の人々によってとりあげ  者運動にたずさわる者として,茨城県の消費者問題に10 られたのか一これらのことについては何もわかってい  年近くかかわってきた実践家と茨城という地域社会に齢 ない。消費者問題の研究に着手したわれわれは,何より  ける家族生活に関心をもつ研究者との二者による共同研 もそういう事実を知りたいと思った。さらに第二に・全  究の成果である。われわれは,各々の立場からの問題意 国レベルにおけるこれらの問題の展開過程に対して・茨  識を討議しあいながら,10回をこえる共同作業を行ない,

城県の場合のそれはどのように位置づけられることが出  本問題へのアプローチの方法について共通の基盤に立つ 来るかということを考察してみたいと考えたのである。  ことが出来た。本研究においては執筆分担を行っている

(2)

76      茨城大学教育学部紀要 第27号

が,研究結果の責任は両者が共通に負うものである。    昭和20年代は生活必需物資の要求運動,インフレ下の 物資高騰への抵抗,粗悪商品の追放などを運動として展

      開した時代であったといえよう。そして,運動の担い手1. 消費者問題の概観

は,敗戦直後の一時期を別にすれば,台所をあずかるこ とが生活防衛であった時代を反映したように主婦たちだ

(1)わが国における消費者問題の展開過程      ったということが出来るのである。1)

消費者をめぐる運動への関心は,公害闘争など環境保   2.昭和30年代の消費者問題

全をめざす住民運動への関心とともに近年とみに高まっ   「もはや戦後ではない」と述べたのは31年の経済白書 てきた。ともに・生活破壊のすすむなかで・人間の生存  であった。敗戦の崩壊状態から復興して迎えた昭和30年 の問題を人権と結びつけて正面に据えた運動だからであ  代は,盛んな技術革新と設備投資,積極的な産業基盤整 る。消費者問題への筆者らの深い関心もまさにこの点に  備事業が展開され,高度経済成長時代を迎えるに至った 集約される。       時期である。産業構造の変化一高度産業化社会の到来 現代の消費者問題に診げる問題の所在を明らかにし・  にともなって,生産物は大量生産一大量消費の体系の 茨城県の消費者問題の特殊性の如何を把握するために・  中を大移動することになる。生産と消費の間に,巨大な 戦後の消費者をめぐる問題を概観しておきたい。     流通機構と多様な宣伝活動が介在して,消費行動を刺激 1・昭和20年代の消費者問題      し,消費活動のあり方を変容せしめる。いわゆる大衆消 敗戦による国土や産業の破壊・海外からの復員や引揚  費時代に入ってくる時期である。

げによって・すでに悪化していた国民の生活条件は・さ   このような変化に対応して,生産の側と消費の側との らに著しく悪化した。消費物資は極度に不足しており・ 関係も,消費者問題も当然のことながら変化せざるを得な この中で展開された消費者運動は・生命維持のための運  くなる。

動であったといっても過言ではないものであった。こと   さて,アダム・スミスは,価格・産出量の問題のなか に食糧問題については,配給制度をめぐって・遅欠配米  で「生産の目的は消費にあるから,かりに生産者が恣意 の即時配給食べられるものの配給などを要求して全国  的に生産を制限しても,それは価格の騰貴,消費の減退 各地で運動が展開された。また市民管理による配給組織  によって報復されるであろうことを前提としていた。い の確立などの方針を出して,昭和2・年遡・胎糧鰍 いかえれば,何をいぐら生産するかを窮駄紳て決定 突破民主協議会が開かれるなどいちはやく組織化もなさ するのは消費者である」2)と考えていたという。つま姓産 れている。       老と消費者とは互角の力量をもった主体として相対して

他方で・主として軍部による隠匿物資の摘発などの運  いるというのである。ところが,現代の経済社会にあっ 動も展開された。      ては,資本家と消費者との関係は,大企業・支配的資本 極端なもの不足は・粗悪な商品の横行を許すこととな  群を頂点とした企業に対して,人間性があらわでかつ独 る。擦っても燃えないマッチを不満として主婦たちが開  立した消費者が位置づけられる。企業に支配されている いた集会が主婦連合会の発足の契機となったほどであっ  状態としか言いようのないものになった。

たのである(23年)。      企業による消費者支配について,正田彬は次のように 戦後の混乱期を経て,国民生活が立ち直りをみせた20 まとめている。「第一,なま身の人間が取引主体である 年代中期以降の消費者門題のうち・主婦連(運動の中核  ことが,消費生活物資の取引において,生命,健康を害 であった1の活動から澄もなものをひろうと,25年マー  される可能性に常にさらされており,利潤追求のための

ガリン・牛乳の商品テスト発表・米価値上げ反対運動,  企業行動は,生産技術の進歩と関係して,このような可 軍需物資生活中止運動,食パン品質向上運動,26年電気  能性を具体化する場合が少なくない。消費者はそれに対 料金値上げ反対運動,27年玩具の再軍備色反対運動,28  して無防備である。第二,商品の危険性を含めて,商品 年豆腐値上け反対運動,散髪・入浴料金の適正価格運動, を正しく認識する能力を持ちえないのが消費者であり,

29年黄変米の配給反対運動,牛乳・牛肉値上げ反対運動  したがって消費者は,全面的に事業者の行なう表示に依 などである。      存して,商品を認識し,取引の客体を特定せざるをえな

(3)

酒井。森口:茨城の消費者問題史      77

い。第三,消費者が,商品の取引条件の決定,価格の形   賢こい消費者運動は,新しい消費者問題の展開に対処 成に参加しうる場合が少なくなり,企業・資本間の支配  する消費者運動の第一歩として重要な役割を果たした。

関係と関連して,価格,取引条件を強制される場合が少   _方,全国消費者団体連絡会注4)は,32年の第一回全 なくない。このことは,消費者が商品を認識しえないと 国消費者大会に澄いて次のような消費者宣言を採択して いうことをとおして,さらに決定的になる。第四,第一  いる。「『資本主義は両刃の剣である。労働者として搾 から第三までのいずれの点とも関係して,消費者が取引  取され消費者として搾取される』と私たちの先覚者は叫 に齢いて人間性の弱みを持つことが,大きく,あるいは  びました。労働者の搾取を排除する闘いは前進しました 決定的に影響する」 )      が,消費者を搾取するからくりはな澄功妙を極めて,私 正田は企業による消費者支配が,従来の中心的問題で  たち大衆の生活を脅しています。…中略… 私たち消 あったところの価格や生産量,商品の質などという範域  費者こそ経済繁栄の母であり,商業者繁栄の支柱であり をはるかに越えて,消費者の生命,健康あるいは生活環  ます。すべての物の価格と品質は消費者の意志を尊重し 境などという人間の存在をめぐる(おびやかす)問題と  て決定されなげればなりません。私たち消費者大衆こそ

      4)して立ちあらわれたことを明らかにした。20年代までは, 主権者であることを高らかに宣言します。… 後略・・」。

商品は生産者と消費者の間を信頼の誇ける完成品として  ここには,賢こい消費者という言葉もまたそのような二 移動することが前提とされていたといえる。しかし30年  ユアンスをもつ内容も示されていない。労働運動に比べ 代になると,商品への信頼は失われてしまった。商品は  て消費者運動の立遅れを指摘し,消費生活の主権者は消 生産者(企業)の論理を貫徹したものとして市場にあら  費者であることを強調している点が特微的である。賢こ われ,消費される。かって前提とされていた企業と消費  い消費者運動の評価されたこの時期に,マイノリティの 者との対等な関係はもはやどこにもみられず,企業と消  ものではあったが,きわめて先駆的な主張として記憶さ 費者との乖離は澄澄いがたいものとなった。こうして昭  れるべき宣言であった。

和30年代になると・20年代のものとは全く異質の消費者   このように,新しい消費者問題の出現に対して,消費 問題が出現した。そしてこれが現在一般にいわれている  者は賢こい消費者運動を吾こして対処しようとしたが,

浩壷著商商なのである。      消費者行政の方は,対応の姿勢をほとんどもたなかった 消費者問題の発生に対して,消費者運動の対応の可能  という点で,消費者行政は消費者の意識や行動に比べて

       o   ■   o   o   o   o

ォはいぐつかあったはずだが,その中から賢こい消費者  大巾な立遅れをみせていた。

になろうという運動が育ってきたのである。       地方自治体についてみると,東京都が最も早くかつ本 賢こい消費者運動は,商品や情報のなかから目的に適  格的な取組みを示して,36年に経済局消費経済課を設置 ったものを選択するという点と企業に対する消費者とい  している。次いで38年に兵庫県(企画部に生活科学担当 う立場から企業への対立意識を形成してゆく点と二つの  参事),北海道(商工部消費経済課)など10道県,39年 大きな特徴を持っていた。      大阪府(企画部総務課調整班に消費者対策会議)埼玉県 この運動を反映して,商品テストが盛んに行なわれる  (商工部振興課消費生活係)など5府県で,消費者行政 ようになる。消費者の目的にあった商品を選び出すため  を所管するようになった程度で,多くは端緒についたぱ の情報を得る(場合によっては自らの手で)ためであっ  かりという状態であった。

た。さらに苦情処理や,消費生活コンサルタントの育成,  国の消費者行政に知いては・商品に対して若干の法的 消費者リーダの育成をはじめさまざ藪レベ,レの韻 拘束性が与えられたが,注5)ぞ肖費者問題への鹸的対応 者教育活動も日本消費者協会注3)や主婦連をはじめとす  は全く行われなかったのである。

る消費者団体の手で澄こなわれた。39年からは,地域の   この時期の主な消費者問題は・30年森永ヒ素ミルク事 一般の主婦を対象として,新生活運動協会が生活学校:運  件,32年不正表示ジュース問題・35年ニセ牛缶事件・37 動をはじめた。商品やサービスについての知識を得ると  年中性洗剤論争・サリドマイド事件などであった・

いうような単なる学習ではなぐ,問題解決学習をすすめ,  3。昭和40年代の消費者問題

消費者教育を広げていったのである。      高度経済成長の過程は,工業化と同時に都市化の過程

(4)

78       茨城大学教育学部紀要 第27号

であり,その総体の過程で資本による消費者支配はます   日本消費者連盟創立委員会や日本自動車ユーザーユニ ますその度を深めた。15年近く続いた高度経済成長は,  オンに代表される新しい消費者運動はコンシューマリズ 48年のオイルシヨックによって突如終止符を打ったが,  ムと呼ばれた。

これを契機にわが国も欧米先進国並みの構造的不況の時   コンシューマリズムは,「消費者の権利を確立し,消 代に入った。40年代の消費者問題は,オイルショックを  費者が完全に満足できる消費生活を送るに足る条件を自 境に,その前後で問題の種類を大きく変えた.後期蹄 らの旅よって獲得しようという積極的雄動」叫あ いては生活必需品のもの不足や狂乱物価など日本人が20  ると定義づけられている。これは32年の「消費者こそ主 年余り経験することのなかった問題が中心となった。し 権者」であるという消費者宣言の具体化であり,また30 かし高度産業社会の構造が変ったわけではなく,問題の  年代の賢こい消費者運動において得られた知識が実践に 所在に変化が認められたということではなかったのであ  移されたともいえるものであろう。アダム・スミスいう る。       ところの生産者一消費者関係のあり方の実現であるとい

オイルショック以前の主要な消費者問題としては,40 うことも出来,消費者主権の確立の運動なのである。

年アンプル入り風邪薬によるショック死事件,引火性の   コンシューマリズムは現行の制度にもメスを入れた。

 ,

チよいヘアスプレー問題,41年ユリア樹脂製食器からホ  たとえば地婦連の百円化粧品運動は「消費者自らが製造,

ルマリン検出,43年全国地域婦人団体連絡会(略称地婦  販売を実践することによって,価格・中味,流通経費,

連)百円化粧品「ちふれ」発売,カネミライスオィル事  広告宣伝費などについて確認」6)して商品を自己のため 件・44年欠陥車問題発生・チクロ問題・45年カラーテレ に保留するとともに,さらにこの実践に基づいて再販売

ビ不買運動・ブリタニカ商法摘発・46年コカ・コーラび 価格制度の撤廃などの運動を進めようとするもので消費 んの破裂頻発・47年グルタミン酸ソーダの毒性問題・48 者の権利を強く主張したものとなっている。

年石油タンパク問題などが主な消費者問題としてあけら  また8消費者団体の手で45年にはじめられたカラーテ れる。       レビの買控え・不買運動によって,値下げさせることに

この時期は・消費者問題の領域が広がってくるという  成功し,企業に対抗しうる消費者の力を示すにいたった 特徴を示していたが・同時にそれは無限に広がる可能性  のである。

を示していた・こうなると・消費者問題はもはや個々の   この他にも40年代には,労働団体,生産者団体,市民 台所の問題とははるかにへだたり・社会的解決を要する  団体などが盛んに消費者問題について発言するようにな 問題になってしまったのである。       り,これらの間での連帯も多く行われるようになった。

消費者運動をみると・消費者団体は特に42年以降急増  最後に海外とくにアメリカの消費者問題の影響をこの しているが・さらに地域における消費者グループ(いわ 時代は強く受けたことも重要である。消費者行政につい ゆる草の根グループ)が大量に出現しこの傾向に拍車を ては画期的といわれたケネディ大統領の消費者の四つの かける形となった。      権利宣言(1962年)が重要である。身の安全が守られる この中から44年日本消費者連盟創立委員会(のち日本  権利,知らされる権利,選ぶ権利,意見が反映される権 消費者連盟)・45年日本自動車ユーザーユニオンが結成  利は,そのままわが国の消費者保護行政の中にとりこま され・新型の消費者団体の出現であるとして・消費者運 れたからである。ネーダーグループによる企業責任の告 動史上画期的な出来事とみなされた。これらは・組織の 発の運動は特に消費者団体に大きな影響を与えたのであ 中に専門的な知識をもった男性を多く擁していることと った。

告発型の運動を展開したこととに診いて画期的であると  わが国の消費者問題状況は,このような中でさえさら いわれたのである・つまり・複雑化し一般の消費者には にきびしくなって論り,コンシューマリズムの運動はさ みえなくなってしまった消費者問題の問題の所在を対抗  らに拡大している。

可能な専門的な知識を駆使してさぐり出すことや,告発   さて,消費者行政をみると,地方自治体に齢いては40 摘発型運動の展開の方向が・従来陳1青や要望によって 年にはほぼ半数の都道府県がなんらかの方法で手がげて なされてきた保護を求める動きとは別の・権利を主張す 吾り,またこの年兵庫県では県内ニケ所に生活科学セン る消費者の姿勢を打ち出してきたというのである。

(5)

酒井。森口:茨城の消費者問題史       79

ターを設置し,消費者問題にテスト・実験などの科学的 第一表年別項目別消費者問題件数 方法を導入するとともに,消費者教育や相談の窓口を大

ォく開くこととなった。これらの地方消費者行政にっき

   年度

?レ 4445 46 47 48 49

50 51

比率 あげられた形で,国も43年消費者保護基本法を制定する   注6)

ィ価関係

3

2

1 1

4

4 0 0

(件)

P5

 %27.7

とともに,44年地方自治法に消費者保護行政を加えて制 x化し,同年消費生活センター設置のための補助金を出 キこととしたのである。こうして5年後には都道府県設

  注7)不完全

、品関係

3

2

3 2 9 3 1 2

25

46.4

注8)

置の消費生活センターは約80ケ所に達したのである。茨 情報関係

2 0 1 0 4 0 6 1 14 25.9

城県でも44年,補助金が澄りると同時に消費生活センタ

一を設置した。地方消費者行政以上に大きく遅れをとっ 年度合計

8 4 5 3 17 7 7 3

54 100 てきた国の消費者行政も,ようやく本格的な体制づくり

への道を歩みはじめたということができるのである。   不完全商品に関するものが約半数を占めていることが

わかる。

(2)茨城県における消費者問題の展開過程        問題の内容別分類でみると,不完全商品関係において 全国レベルにおける消費者問題の特徴を歴史的に跡づ  は勿論,物価や情報関係の問題にも食生活に関連するも けてみたが,これに対して,茨城県の実情を概観し,そ  のが多く,第1図にみるように64.8%を占めている。こ の共通性と特殊性をとらえることを試みた。       の中には,食品の安全性・品質・価格・量目は当然であ

本県の社会状況から推察して,消費者問題への関心は  るが,コカコーラのびんの破裂や,ポットの底抜けで・

あまり高くないことが考えられる。そこで地方自治体に  怪我や火傷をするなど・食生活のなかでも食品そのもの 澄いて消費者保護基本法の体制がとられることとなった  の安全性以外のものから被害を蒙るケースもある。

昭和44年以降を,当面の研究対象としたのである。新聞 記事からみる限り,この設定は妥当だったようである。

@通常,消費者問題の概念は広い。ここではそれを消費 メ問題(狭義の),消費者行政,消費者運動にわけて,

サの実態をみることとする。

@1.消費者問題

    住居   食品

@ その他1 ・1% 関係

@ 11・1%    64・8%

通費

@ 7・4%   54件         100%光熱5.5%

消費生活に関連した物価問題,不完全商品(欠陥商品,

安全でない商品など),契約をめぐる問題,流通,物不 品質

       33.3%足,サービス,情報など県内で発生したものをピックア       価格

ップしてみた。従って全国的に共通して発生した問題は ヘずしてある。

安全       19.4 S44 食品関係の

@%  内容35件

量目2.8%

消費者問題のほとんどが物価問題(特に値⊥げ),有害或

は不良食品や欠陥商品によって直接あるいは間接に消費       第一図 分野別消費者問題分類 者に被害を与えた不完全商品関係,そして情報に終始し

たのでこの3点に焦点をあて\分析してみた。

(6)

80       茨城大学教育学部紀要 第27号

第2表 分野別消費者問題の内容 2.消費者行政 県消費者行政 分  野 比率 内      容

茨:城県に診ける消費者行政への取組みは,41年企画室 食品関係

 (%64.8

安全性,品質,価格,量目 に澄いて検討されたことが出発点となっているが,44年 の地方自治法改正と消費生活センターの設置によって本 住居関係

11.1

家賃,食器棚 格化した。行政の取組みの体制については,全国的にみ

て,早くも遅くもなかったというところである。

交通費等

7.4

バス運賃,タクシー料金 県消費者行政のなかで最もはっきり指摘されることは,

47年以降行政活動が活発になりはじめたことと,48年の 光熱水道

5.5

欠陥電池,石油摘発プロパンガ

X関係 オイルショックに積極的に対処したこととである。特に オイルショックは,本県の消費者行政体制を築く上で重

その他 11.1

ふろ代,ノーポイ運動,活動P。R 要な契機となっている。生活安定対策協議会の設置や条 例化,専管組織を越えた協力体制づくり,専管組織を強 食品関係の内容別分類からみると・年表にあるように・ 化するための専管課(消費生活課)の発足など,行政体 その年の社会的問題としてクローズアップされたグルタ  制は強化されるとともに本格的なものになってきたし,

ミン酸ソーダー・チクロ・サリチル酸・リジン・残留農  活動も活発になったということができる。

薬など安全性問題などが44・4%も占めている・給食に病   行政内容をみると,総数88件のうち,特に目立つもの 豚の肉が出されたり・カビやウジ・大腸菌群が附着した  は消費者教育,試買アスト,条例.基準等の設定の3項 納豆を買わされるなど食品そのもの\品質が問われる問  目である。条例は物価条例と消費者保護条例関係,基準 題をこれに含めると777%にも及んでいることが読み取  については,澄もちゃの安全基準や県産品のミニJAS れる・       制度が中心である。消費者保護のためのその他の活動に

48年秋のオイルショックを期に・物不足と石油値上り  っいては啓蒙的であり,「賢こい消費者」養成を目標に で輸入に依存していた諸物資の直接的あるいは間接的な  しているという特徴がみられる。

値上りの影響が消費者問題として顕著に現われた。輸入

大豆,飼料の値上によって肉類や豆腐が高騰したり,燃 第3表 年別項目別消費者行政件数 料費の値上りは,バス運賃,タクシー料金,家庭用暖房

の灯油など庶民の消費生活にもろにはね返ってきている。      年度

?レ 44

45

4647 48

49 50 51 計 比率

消費者問題にあまり関心を示さなかった階層も,この (件) (%)

オイルショックを契機に社会問題となった事件に付随し

条例・基準等の設定 1 0 1 0 0 1 2 5 10 10.2

て関心を高めるにいたった。消費者運動や活動のグルー

プに参加しない場合でも,具体的に個々の問題を自ら解 量  目 調 べ

1 1 0 0 0 1 3 0 6

6.1 決する方向に動いているようである。

消費者教育

0 1 0 2 0 5 6 6

20

20.4

50年春には,宅地分譲事前確認申請制度を楯に,消費 者が土地を買い控えたため15業者が価格引下げをした。

試買テス ト

0 0 1 1

0

6 2 7

17

17.3

これは国土利用計画に基づく宅地分譲の事前確認申請制

度に,県土地対策課の分譲予定価格が適正かどうか調査

コンサルタント養成 0 0 0 1 0 2 0 0 3 3.1

し高い場合には引下げを指導するという事前確認済がな

かったために,消費者が買わなかったからだといわれ 懇談会・話し合い

0 0 0 1 2 3 1 1 8 8.2

ている。その他にも家庭用水洗トイレの手抜きや管理に

苦情が続出し,県環境局に指導を求めるなど,消費者パ 展  示  会

0 0 0 1 0 0 2 0 3

3.1 ワーが行政を後押しするという傾向が現われているとい

ヲようQ

情報活動(情報交

キや窓口拡大など)

0 0 0 1 1 0 2 0 4

4.1

(7)

酒井・森口:

茨城の消費者問題史       81

     年度

?レ

4

454647 48

4 5

51

比率

口を開いているという特性から,内部からばかりでなく,

O部の力に期待されてもよいのである。

会 議(県諮問)

0

0

0 0 0 2 1 0

(件)3  (%)3.1

市町村消費者行政

県下市町村の消費者行政は,まだ制度の上で整備され 行政組織の移動

0

0

0 0 0 2 2 1 5 5.1

ておらず,担当者の配置についても兼務が多く,専任職 員が配置されているところは少ないというのが実態のよ 対市町村行政指導

0

0

0 0 0 1 2 0 3

3.1 うである。県との関係でみると,県は消費生活展などの

催しものに若干の補助金を出したり,消費者問題研修の そ   の  他

0 2 0 1 2 6 5 0

16

16.3

機会を提供するなどといったところであり,市町村の担 当者との会合も情報交換程度で,いずれも行政指導とい 合  計 2

4 2 8 5

292820 98

100.1

えるほどのものではない。市町村消費者行政に対応しう

る県の行政姿勢の確立いかんという問題が感じられると

※その他は2件以下の摘発,流通改革,消費者リーダ       ころである。

一養成,産直,価格調査,物価調査,立入調査,値上げ       本稿では,資料の制約のもとでも若干の特徴をとらえ 認可,補助金,報告書など       うる日立,水戸,土浦各市と,これら県下の大都市の対

行政姿勢をみると,調査をしても監視はしない,国の       極にある町村(全般)について考察してみることとした。

レベルを越えた規制はしない,問題商品の禁止または停       日立市は,消費生活センターをいち早く設置し,「ご 止処分等強い姿勢は示さない一地方自治体の権限を主体      みし尿処理および清掃に関する条例」や「日立市民の消 的に行使しようという姿勢はとっていないという点が特      費生活を守る条例」を制定するなど行政体制を固めてい 徴である。これは市町村への行政指導においても認めら      る。さらに市民の消費生活を守る条例に齢いては,被害 れるもので,若・干の補助金行政以外,市町村行政への指      者救済を制度化して澄り,県の消費者保護条例に比して 導体勢はないといっても過言ではない。       も,全国の同様の条例の中でもきわめて先進的な特徴を

最後に,行政における重要な問題としてセクショナリ       示したものとなっているのである。またセンターを5年 ズムの問題がある。オイルショックを機に各部課を越え      後には民間主導型に移行することを決めるなど行政の姿 て協力体制をとった例があったが,危機的社会情勢を脱      勢は消費者参加による消費者福祉をめざしていることが

した後に澄いては,形式的にはともかく,実際には協力      うかがえ,全国的レベルでみてもきわめて進歩的という 体制をつくる状態にはないようである。たとえば,調査      評価を受げるに値いするものになっている。その他にも,

で問題点が指摘されても,問題解決のたゐに関連部課が      市民生活に不利益をもたらすものについては,使用停止 対応することはなく,結局責任の所在が不明確になって      や販売禁止など,強力な行政指導姿勢を貫いている。

責任体制がとれないという状況がある。この意味でセク

@      このような行政姿勢のもとで,その活動も,いわゆる

ショナリズムは本県行政においても指摘すべき重要な問      消費者問題においても,また不用品の再利用法について

題である。       も多様で,市民参加を意識的に進めていることがうかが

49年専管組織として消費生活課が発足したが,従来消       えるのである。

費者問題を問題別に担当していた部署がこれによって担       水戸市では,市民への窓口体制づくりは,消費生活相当分を消費生活課へ移したという事実はなく,消費生活      談コーナー,消費生活室,消費生活センターと緩慢に進

課の担当範疇の消費者問題が増えているということにす

      行した。消費者行政は,みやげ品試買テスト3件,消費ぎないのである。消費者保護を中心に考えた場合,専管

       生活展2件で全体の3分の1を占めるところにいく分の フ制の単純化,さらに一本化は責任体制を明確にする上

特徴があるといえるかもしれない。しかしみやげ品は市 でむしろ望ましいものである。ここにもセクショナリズ

民が購入するものとは異質のものであるし,消費生活展 ムの影を認めないわけにはゆかない。

       は県と共催で行ったもの以外に独自に開いたことはないQ消費者からのつきあげの例は本県においても指摘され

      その他の行政内容も単発的で相互の関連をもたずに澄こているが,消費者行政の変革は,県民に向けて大きく窓

なわれているように見受けられ,また定見もみられない。

(8)

82       茨城大学教育学部紀要 第27号

市民の中に入りこんで消費者問題に取組もうという姿勢 第4表 年別項目別消費者運動数 は認められないといってもよいであろう。現段階では市

ッの方でも行政に期待しているようなところがみられな

     年度

?レ 44 45

4 4 4

49

5 51 計

比率

い。不用品交換,朝市,サービスデーの実施中心の水戸 (件)

市消費者行政そのものが揺藍期にあるといっても過言で 学 習会注9)

0 0 1 0 1 3 7 8

30

11.4

はあるまい。

調   査注10)

0 1 0 2 3 6 9 17 38

144 土浦市の消費者窓口制度は49年の発足で,市民福祉の

ためというより,オイルショックへの緊急対策として開

対話・交流会注11) 0 0 0 2 6 5 10 15 38

144 設されたとみてよいものである。産地直送市を特徴とし,

産直・バザー注12) 0 0 1 1 2 4 5 16 49

186 産直・不用品交換を中心に消費者へのサービスを専らと

して,消費者参加を進めようとしているように見受けら

不用品交換会注13) 0 0 3 0 4 2 6 3 18 6.8

れる。活動のもち方(特に青空市)や市との共催形式を

要望・申入れ注14) 0 0 0 3 2 4

2

2 13

49 よくとるという点から,行政姿勢としては市民参加を促

す活動を展開しているといえるが,他面,市民参加の仕 署 名 運 動

0 0 0 0 0 0 0 0 0 0

方や市民生活の保護については一定の見解をもっている

とはいえないのが現状で,消費者行政としては積極的な 運動・情宣注15)

0 2 1 1 3 0 5 12

34 129 姿勢を保ってはいるが,それを方向づける路線はまだは

大会発足  注16) 0 0 0 4 4 8 4 4

24

9ユ

っきりしていないということがいえよう。

町村の消費者行政は,すぐれて現代的な問題としての 展 覧会 注17)

1 0 0 0 1 2 9 6 19

72 消費者問題というより,身近かな生活をめぐる生活改善

1 3 6

13

6 4 7 3

263

100

運動の一貫として展開されていると,その特徴をとらえ

てよいであろう。すなわち・生活のあり方への啓蒙活動   運動を予定しているというだけのニュースをのぞいて として住民教育を進めているということである・商品に  263件あったが,県内の消費者運動が新聞に載りはじめ っいての基礎的な学習と生活簡素化運動が二つの柱にな  た44年から49年までは倍々と鼠算式に増加している傾向

っている。この中では・鹿島町が異色で・恒常的活動を  がみられる。しかし,署名運動に関する記事はみられな 展開しているし・その内容から・いく分意識して消費者  い。

問題を扱っていることがうかがえ・専管組織の存在意義   オイルシ・ックの48年秋以降急激に増加している現象 を示しているようである。      は,マスコミも消費者運動に関心を示さざるを得なかっ

3・消費者運動       たのではないかと思われる。

年表に見られるように昭和44年は県内唯一の消費行政   しかし項目別にみると,産直・バザーなどが】&6%で第 の先進地日立市の市民参加の消費生活展が新聞記事にな  1位,行政,業者との対話,消費者運動をす\めている

っただけである。8年間の消費者運動を次のように10項  会同志の交流会と,調査(物価調査,意識調査,試買試 目に分類してみた。      食テストなど)が144%と第2位でつ冥き,第3位は,消費 者運動の実践活動が12.9%,賢こい消費者になるための 学習会などが11・4%で第4位にランクされている。

昭和40年代は賢こい消費者から行動する消費者へ移行 する全国的な草の根運動と軌を一にして県内でも各地で 消費者グループが誕生してきている。グループの性格づ けや地域性などの分析は後日に譲るが,これらのグルー プは主婦が中心の集りだけに生活に密着した食生活から 取り組んでいる傾向がみられる。しかし消費者運動が何 故必要かという問題の原点まで堀り下げて考えるより,

(9)

酒井・森口:茨城の消費者問題史       83

産直やバザー,不用品交換,料理実習などから得る直接   第5表にみられるように,食品の安全性,価格,表示 的なメリットを追っているように見受けられる。産直が  から料理実習も含めて食品関係が4L2%を占め,ノー包 流通経路を一部カットすることによってメリットを生む 装運動や空きびん回収から冠婚葬祭の簡素化及び,ゴミ

ことや,食品を手作りすることで少しでも安全な食生活  問題などを含む資源関係が125%,第3位に石けん使用 が推進できるなどというそれぞれの実践の意味するとこ 運動から鉛ドンブリ追放活動,ポリ容器,クレンザーの ろをふまえて取り組むケースはまだ少ないようにみうけ  安全性などの日用雑貨関係が10.6%でこれにつづいてい

られる。       る。

主婦たちが中心になって参加する消費生活展が市町村   消費者運動の傾向として第4表と第5表から,台所を の行政とタイアップして各地で開かれるが,それらは申  あつかる主婦の肌で感じた身近かな問題を学習と調査に し合わせたように,産直とか不用品交換会を同時的に開  基づいて,業者や関係行政に対して話し合いや要望を繰 催している。消費者運動の目玉商品的存在になっている  り返すことで,歩みは遅々としてはいるが,消費者優先

といっても過言ではないほどである。         の生活を送るべく努力していることがうかがわれる。特 次に各運動項目の内容を検討してみることとする。   にパニック以後盛り上がりをみせる傾向がうか讐われる。

しかし今後展開されるであろう減速経済下では消費者 第5表 消費者運動項目と内容別分類 運動のあり方は今までと違った方向転換を迫まられてく

るのではないだろうか。その際,住民1人1人の消費者

  項目

熬J

学習会

対話

運動

譿

比率 としての権利意識の確立が第一条件となってくるであろ う。そのよい機会であった石油パニックのショックも喉 食品関係 13

31 12 5

15

(件)

V6

㈹41.2

元過ぎれば…の讐えど澄りでは嘆かわしいことだとい わねばならない。石油パニックに海ける消費者としての

日用雑貨 5 4 1 2 5 17 1α6

経験をふまえて,新しい経済社会にきりこんでゆきうる

衣料品

3 1 1 1 0 6

消費者運動の方法を模索することは,本県に澄いても今 後の消費者運動の最大の課題となろう。

住居光熱

0 0 6 1 1 8  注18)

@律関係

1 0 0 0 0 1

(3)むすびにかえて一今後の課題

{研究の課題は,新聞記事によって茨城県に澄ける消

 注19)

纓テ関係

1 1 4 1 1 8

費者問題を歴史的に辿り,それがどのような層の人々に

 注20)

糟ケ問題

3 2 6 2 7

20

12.5

よってとりあげられたのかということ,そして全国的レ xルで茨城県の場合を位置づけてみることであった。

 注21)

ツ境問題

0 0 1 1 0 2

実際には消費者問題の歴史を辿ることに精一杯であり,

 注22)

チ費者運動

5 0 6 0 2 13 8.1

この歴史を支えた大きな力は何よりも消費者自身一それ 烽ルとんどが主婦であったという大ざっぱな把握が出来

 注23)

サの他

0 0 1 2 6 9

たにとどまった。しかし,すでに述べたように本県の消 費者問題の研究状況からみると,一定の成果を認めるこ

31

39 38 15 37 160

とは出来るであろう。

ところで,新聞記事を資料として使ったところから,

(学習会,調査などの内容が食料品とノー包装な

主に二つの点で留意すべきことが生じた。

ど資源問題とダブっている場合があるので第3表の      一つは,消費者問題へのマス・コミの関心が石油パニ 件数よりも多くなっている)      ックを契機に急激に高まったらしいことに由来するもの

である。全国レベルにおける消費者問題の歴史にあらわ れた以上に,オイルショックの影響が大きくなっている。

(10)

84       茨:城大学教育学部紀要 第27号

すべてはオィルショックから始ったかの観を呈している  注4) 日本生活協同組合連合会,主婦連,労働者福祉 ほどである。実情に対して何程かのバイヤスがかかった     中央協議会,日本労働組合総評議会,中立労連組

ことを考慮する必要がある。      合連絡会議,全国産業別労働組合連合会,公団自 第二の点は,新聞資料のメリットは,すべての分野に     治体協議会の7団体参加による連絡組織として,

満遍なく存在するものではないということが判明したこ    昭和31年創立。

とに由来するQ新聞は,消費者問題や消費者運動,特に  注5) 割賦販売法(36年)不当景品類及び不当表示防 消費者運動においてメリットを発揮するが,消費者行政     止法(37年)家庭用品品質表示法(37年)など。

のように,それ自体が膨大な文書を残しうるところに澄  注6)食品,家賃,ふろ代,パスタクシー料金値上げ いては,資料としてベターにはなりえないということ  注7) 食品の安全性,品質,びんポットによる危害,

である。特に本県に器いては,消費者運動はほとんど資  注8) ノーポイ運動,省資源,消費者運動の情報,

料を残さ伽注劉現状にあるので噺聞記事雌一の 注9)講演会,工場見学,料理やリフォーム実習会 依拠できるものとさえいえるが,消費者行政の記事をみ  注10) 物価調査,意識調査,試買,試食テスト

るとバラツキが目立つ,消費者行政については,公刊さ  注11) 行政関係,関係業者,消費者相互の交流会 れた報告書を中心に見直しをする必要があるようである。 注12) 産地直送,即売会,バザー

本研究に澄いて知り得た消費者問題の概要をさらに正  注13) 衣料品,日用雑貨,学用品など

確にしてゆくことは今後の課題として残されることとな  注14) 関係行政,関係企業に要望書提出,申入れ

   一

チた。また全国の傾向との比較研究は完全に今後の問題となった。 注15) 不買運動,運動P。R.悪質業者公表など実践

われわれは,さらに,なすべき二つの問題を考えてい     活動

る。      注16) 消費者大会,結成し発足した消費者団体など 一つは消費者行政の問題である。三市にあらわれた消  注17) 消費生活展,工夫展など殆どは地方自治体と共 費者行政には深い関心をもたせられる。特に日立市のケー    催で開催している

スは,全国的なレベルで知られている消費者行政に対し, 注18) 消費者保護条例の学習会

新しい発見となるかもしれない。県行政との関連に澄い  注19) 救急医療,休日診療,無医地区問題など ても考察を深めてゆきたいと考えている。       注20)冠婚葬祭の簡素化,ノー包装,空びん回収ゴミ

二つには消費者運動の担い手の問題である。大方が主    処理問題

婦であることは判明したが,それはどういうタイプの主  注21) 競輪公害,下水場の悪臭

婦なのか,本県における社会意識,市民意識との関係で  注22) 消費者運動のす\め方,交流会,実践運動 とらえてみたい。また現在の運動が将来を展望して動い  注23) 小売店の閉開店時間,サービス,家電修理 ているかどうか,その底流をとらえてみたいと思うし,  注24) 水戸暮らしの会5周年記念「あゆみ」(昭和52 新しい運動がどういう形ででてくるかをさぐることも今    年)発行,稀れなケースである

後の課題としたいと考えている。

1)井上清『現代日本女性史』三一書房 昭和37年 注1) たとえば相沢・塙編『茨城県五十年史』(常陽   70,75,90頁など

新聞社,昭和52年)にはこれに関する項目はみ    大門一樹『物価抵抗史』三省堂 昭和43年 られない。      174−5頁

注2) 以下文中は昭和年である。      主婦連合会『歩み一主婦連25周年記念』 1972年 注3) 昭和36年設立,雑誌『月刊消費者』発行。商品   など参考

テス㌧消費生活コンサルタント養成講座,消費者  2)新野幸次郎「現代資本主義と消費者問題」『消費者 リーダー養成講座の開催などでわが国に齢げる本   問題の理論と実践』勤草書房 昭和51年 7頁 格的な・近代的消費者運動の基盤づくりに功績が  3)正田彬『消費者の権利』岩波書店 昭和47年26頁

あった。補助金(通産省)と賛助金(業界)とを  4)宇野政雄編『消費者主義と企業行動』日本実業出版 活動資金とするため・協会の性格が問題視されて  社昭和46年 206−7頁

いるQ

(11)

酒井・森口:茨城の消費者問題史       85

5)経済企画庁消費者行政課編『消費者団体』 大蔵省 H 現代茨城県消費者問題年表 印刷局 昭和48年 7頁

6)経済企画庁消費者行政課編 前掲書7頁

A 消費者問題

凡       例

44.1.18

鹿島町で高家賃(3間で2万円)

①本年表は,昭和44年から51年までの8年間にわたる

2.19

鉾田町南中学校で学校給食に病豚使用さ 茨城県の消費者問題を内容とするものである。

②年月日の年は昭和号による。日付は記事掲載日であ

2.24

鉾田町で学校給食用野菜の不正,量目不

るQ

足など問題化

③本年表は.昭和44年から51年までの朝日新聞および

3.20

タクシー料金一斉値上げ申請 読売新聞の茨城県関係の記事と昭和49年から51年までの

8.17

駅売り牛乳17円から20円に いはらき新聞の記事のなかから消費者問題をぬき出し,

10.26

日立市で削り節中毒 重複部分を除外したもののほとんどを網羅した。

10.26

グルタミン酸ソーダーの安全性で問題

④関連行政機構(51年県機構図に依拠)

11.8 チクロ,サリチル酸避け自然食品に人気 環境局一環境指導課一(環境保全茨城県民会議) 45.4.5 ふろ代値上げ諮問(大人40円)

企画部一広報課一(県政モニター全体会議) 8.8 土浦市でコカ・コーラびん突然破裂子供ケ 生活福祉部一県民福祉課一消費生活センター(〜49年)

消費生活対策室

8.29

水戸納豆9月1日から値上げ(わらつと 消費生活課一消費生活センター 入り5本150円)

衛 生 部一医務課一保健所

10.10

国道端売り水戸納豆にカビなどの苦情続出 環境衛生課

46.1.12

わらつと納豆から大腸菌検出

医薬務課(現在改組で廃止)

8.2 企業の消費者相談窓口開設ふえる 商工労働部一商工企画課一計量検定所

9.7 日立市で売られる食器棚からホルムアル

中小企業課一食品試験所 デヒド検出

農林水産部一農政企画課一流通対策室

9.19

バス運賃値上げ10月1日から最低区間20 食品流通課

教育委員会一保健厚生課

12.7 八ツ頭,里芋に不許可の漂白剤使用で

⑤名称等の省略 320Kg焼却処分

阿見町消費者リーダー養成講座修了生連絡会(注;県主

47.4.20

常陸太田産じゃが芋と石下産きゅうりに

催の講座のこと)−ASL 残留農薬問題

茨城県消費者団体連絡会一県消連

5.16

日立市で和菓子に三色のカビ 茨城県消費者団体連絡協議会一県消団連

7.30

学校給食費なしくずし値上げ1年で200 茨城県消費者リーダー養成講座修了生連絡会一ISL

余円

茨城県消費生活センター 一センター

48.2.10

友部の豚飼育工場長ら病豚100頭売る 産地直送一産直

2.27

勝田市と北茨城市で消毒済の学校給食食

土浦市消費者団体連絡協議会一土消連 器から大腸菌群

日立市消費者団体連絡会一日消連

3.9

七会村農民無策のカ.ドミ米に怒りと不安

3.28

バス運賃4月1日から20円区間廃止 4.4 欠陥電池問題製造年月日の先付けなど

4.14

日立市瓜連町の15校で有害油入り学校給

食マヨネーズ

(12)

86       茨城大学教育学部紀要 第27号

4.15

学生下宿代値上り(四畳半2食付2万円)

7.17

主婦らが企画し運営も,各地で消費生活

4.27

牛の奇形流死産県内一円に発生昨夏から 展の役所離れ

3,300余頭

5.8 毒物検出されず五霞工場製キューピーマ

B 消費者行政

ヨネーズ

1.県消費者行政

6.8 生鮮野菜の漂白つや出し検出(亜硫酸ナ

トリウムは不検出)

6.25

水戸公設卸売市場で有害着色料検出 44.2.3

S4.2.14

水戸保健所,理美容衛生管理の基準設定 v量検定所,魚貝類の量目調べ

6.29

P.C. B.汚染魚の安全宣言でたが消え

44.11.1

茨城県消費生活センター発足 ぬ不安

8.1 ジンマート納豆からウジ

45.5.25

計量検定所,計量モニターによる量目調 48.9.5 プロパンガスを安全に,保安センター続 べ(食肉,菓子,茶)

々誕生 45.5.31

環境衛生課,チクロ入リジュース摘発

9.25

卵値上り,1コ30円か

45.6.21

県南農林事務所と土浦市,乱立する青果 11.8 ふろ代値一ヒげ来月から.大入65円中人30 市場の統合化を検討,Uターン流通是正

円 で

12.8 石油買占め初の摘発,ガソリンスタンド 45.9.3 センター,冷凍食品講習会

3業者ら,ドラム缶288本野積み

46.9.15

栃木,群馬,茨城三県,おもちゃに安全

49.1.15

豆腐値上げ,1丁70円 基準表示(10月1日から)

1.18

学校給食費値上げ,1食100円時代へ

46.12.7

センター,サンタの菓子試買テスト

1.18

養豚飼料値上げ,肉より高くなるエサ代 47.3.5 センター,コンサルタント養成開始

3.12

県土地対策課,チラシ広告に 公開検査〃 47.5.7 センター,試買テスト(家庭用ふきん螢

と水戸の宅建業者に悪用される

光染料)

7.11

異常分べんや奇形子牛など続出

47.6.18

センター,消費者リーダー養成講座開始

8.23

ポット底落ち大ヤケド 47.8.1 センター,家庭科教師に消費者教育

12.18

タクシー料金今年2度目の値上げ25日か

47.8.20

県民福祉課,初の主婦と業者の懇談会

ら (過大包装)

50.3.9 宅地分譲の事前確認の有無で消費者買控

47.10.3

センター,定例生活教室(商品研修)

え15業者価格下げる

47.11.21

食品試験所と県食品工業会,初の食品資

3.25

省資源,生活に密着した実践活動県内各 材展

地に拡がる

47.11.26

県民福祉課,消費情報三県で交換,試買

4.12

家庭用水洗トイレの手抜き,管理で県環 テストなど統一で初会合(12月1日)

境局に苦情殺到

48.5.10

県民福祉課主催,消費者団体代表から知 7.6 学校給食パンのリジン添加中止せずの水 事初の意見聴取

戸市の答弁に父兄反発 48.6.4 県民福祉課と流通対策室,生鮮食品産直 7.8 給食振興会総会でリジン添加続行と成瀬 振るわず

教育長答弁

48.6.16

県民福祉課,リーダー養成講座の通信講

9.10

学校給食パンのリジン添加U月から中止 座制度スタート

10.9 県,あき缶ノーポイ運動推進へ

48.7.14

県民福祉課,消費者と製造・小売業者初

51.2.13

有害魚バラムツ,みそ漬けで出廻る の懇談会(電化製品)

6.29

県南,県西地区の上水道60%以上が不合

48.12.9

県民福祉課,水戸郵便局私書箱100号県

格(大腸菌群が基準超す) 庁を開設,苦情相談受付

参照

関連したドキュメント

また、支払っている金額は、婚姻費用が全体平均で 13.6 万円、養育費が 7.1 万円でし た。回答者の平均年収は 633 万円で、回答者の ( 元 )

消費者ホットライン 188 

他方、今後も政策要因が物価の上昇を抑制する。2022 年 10 月期の輸入小麦の政府売渡価格 は、物価高対策の一環として、2022 年 4 月期から価格が据え置かれることとなった。また岸田

関係会社の投融資の評価の際には、会社は業績が悪化

●協力 :国民の祝日「海の日」海事関係団体連絡会、各地方小型船安全協会、日本

①正式の執行権限を消費者に付与することの適切性

② 

その問いとは逆に、価格が 30%値下がりした場合、消費量を増やすと回答した人(図