開発途上国における自然災害からのボトム
アップ型集落再建計画に関する中期的な評価
−インドネシア・アチェ州における
2004
年インド洋大津波災害を事例として−
平野 隆一
1・松行 美帆子
2 1正会員 ランドブレイン株式会社(〒 102-0093 東京都千代田区平河町 1-2-10) E-mail: ryuichi [email protected]2正会員 横浜国立大学准教授 大学院都市イノベーション研究院(〒 240-8501 神奈川県横浜市保土ヶ谷区常盤台 79-5) E-mail: [email protected] 近年,開発途上国における自然災害後の復興計画策定において,ボトムアップ型のアプローチが注目を集め つつある.本論文では,2004年に発生したインド洋大津波災害被災地のインドネシア・アチェ州を対象に,ボ トムアップ型の集落再建計画「ヴィレッジプラン」に焦点を当て,災害から約10年経過した現時点において, その計画の実現性を評価し,その実現性に影響を与える要因を明らかにすることを目的とした.アチェ州内の5 集落におけるヒアリング,アンケート調査の結果,計画の実現性は集落ごとに異なり,その要因は,(1)役所に よるインフラ・公共施設の整備・維持管理,(2)住民の集落の整備・維持管理に対する自律性であることが明ら かとなった.また自律性を高めるためには,住民の計画への認識,集落での交流の活性化など,環境づくりが 必要である.
Key Words: bottom up, reconstruction plan, Banda Aceh, village plan, evaluation
1.
はじめに
近年,世界各地で自然災害,また災害による人的及 び経済的被害の規模が増加しており,最近の 10 年間を みると,1970 年代と比べて,発生件数,被災者数とも に約 3 倍に増加している1).そのため,近年では災害に 対し社会や地域を強靱性を高めるだけではなく,継ぎ 目のない復興(被害を受けた際にいかにスムーズに復 興をするか)に着目がされている2). 開発途上国では,その経済社会的特性から,より自 然災害に対して脆弱であると言われており,継ぎ目の ない自然災害からの復興はとくに重要であると指摘さ れている3).また開発途上国においては,自然災害から 復興する際に,その計画策定だけではなく,とくに海 外などからの支援団体が撤退した後の復興計画の実現 段階において,いかに自分たちで復興のための計画を 実現させていくかが重要である4).その際に,住民が主 体となり,支援組織と協議しながら復興計画を作成す ることにより,住民自身がエンパワーメント(コミュ ニティの再形成や住民自身の居住開発に対する意識の 変化,技術・知識の取得など)され,その計画の実現に 長期間かけて取り組むことが期待される,ボトムアッ プ型の復興計画の策定が近年着目されている3). しかしながらボトムアップ型のアプローチは,短期 的な視点で見れば,住民自身が生活にあった住宅を低 コストかつ短期間で建設でき,継ぎ目のない復興を促 進できるが,災害直後だけでなく,計画内容の実現性 を含めた,その後の維持管理及びさらなる居住の開発 が住民自身により自律的に継続して行われるのか等の 中期,長期的な問題が懸念される5).なお,Lindell に よると,短期的な復興とは,災害により被災した地域, 住宅,被災者の救援のための緊急対応であり,復興の ためのプロセスを家庭やビジネスが開始できるような 状況を作り出すことである.一方,長期的な復興とは, 被災した地域の再建と災害の精神的,社会的,経済的, 政治的な影響を管理することである6). 上記のことから本論文では,2004 年 12 月 26 日に発 生したインドネシア・スマトラ島沖大地震・津波から 10 年あまり経過し,かつボトムアップ型による集落再 建計画の先駆的事例であるインドネシアのアチェ州を 対象とした.2004 年の大地震・津波によりインドネシ アのアチェ州に対して,復興統括機関である復興再建 庁 BRR (Badan Rehabilitasi dan Rekonstruksi) や国際支 援機関,NGO など各ドナーが,集落の住民の参加とと もに集落規模での再建計画である“ヴィレッジプラン (village plan)”を作成し,集落の復興はこのヴィレッジプランに基づいて行われた.後述するように,アチェ 州においては基本的には津波災害前と同じ場所での再 建が許可された.再建を行う前にヴィレッジプランが 策定され,各集落の土地利用から住宅建設,インフラ 整備,公共施設の建設,避難経路,ランドスケープなど についてが決定された5).また再建は住民と BBR やド ナーが協働でプロセスを進めていくボトムアップ型で 実施された. アチェでは,住民が 3,000 を超えるプランナーやファ シリテーターとともに,各集落それぞれの進め方で集落 再建の計画策定及び実行を行い,集落を再建していっ た.その結果,災害から 2 年以内という短い期間で, 647 のヴィレッジプランがアチェ州内で策定され,ま たアチェ州の州都であるバンダアチェ市でも 63 の計 画が策定された7).ヴィレッジプランの作成に当たって は,各村に対して一つのドナー(国内,海外の NGO や 国際開発機関など)が主に担当しており,当初は住民 の参加の方法はまちまちだった.ヴィレッジプラン作 成の共通のガイドラインの必要性が認識され,2005 年 6 月に BRR が「Guidelines for Village Organization and Development」を作成し,2006 年 4 月に BRR がそれを
改訂し,「Guideline of Village Planning」を発行した7).
各ドナーはそれぞれガイドラインや基準を持っていた ので,この BRR のガイドラインは最低限の基準として 使用された5). ヴィレッジプラン作成の事例として,第 3 章以降に 研究対象としているランプロ村の事例を概説する.ラ ンプロ村のヴィレッジプランの作成は,国際 NGO のケ ア・インターナショナル (CARE International) が支援を 行った.ランプロ村は津波後の人口が 5,000 人程度の比 較的大きな村であるため,住民参加を促進するために, 計画の策定への参加は,村の下の単位である 4 つの区 (dusun) ごとに行われた.区に分かれての会議は 2006 年 4 月から開始された.区ごとの会議においては,1) インフラ (道路,排水,水道,電気など),2) コミュニ ティ施設(宗教,文化,教育施設など),3) ビジネス・ 商業施設 (商店,露店,市場,オフィスなど),4) 災害リ スク軽減 (洪水/干ばつ,早期警報システム,避難路,避 難ビル,避難計画・訓練など) の 4 つのテーマが設定さ れた.参加した住民は,4 つのグループに分かれ,各グ ループ 1 テーマに関して,津波前にあった施設や状況, 村の再建に当たって,再建もしくは新たに追加すべき 施設とその場所について意見を出し,それらを重要度 によりランク付けをした.最終的に全体の会合で,4 つ のテーマに関してそれぞれのグループの協議の結果が 発表され,それらがまとめられ,ランク付けを再度行 図–1 ランプロ村のヴィレッジプラン(出典:参考文献8)を著者修正)
い,それらを区の地図に落とす作業を行った.これら の区ごとの会議に先立って,地方自治体,BRR,他の NGO などとの会合が開かれ,計画や再建に関する情報 や近隣地域の再建プログラムなどについての情報収集 を行った.4 つの区ごとの会議が行われた後に,村全体 の会議が開催され,ランプロ村のヴィレッジプランの ドラフトが示され,合意に至った8).図–1 にランプロ村 の中心的な区のヴィレッジプランを示す. このようにアチェ州におけるヴィレッジプランはボ トムアップによる復興計画の策定の先駆的な事例であ るが,ボトムアップ型の復興計画の策定によって,果 たして計画の実現がなされているのか,どのような課 題が浮き彫りになってきているかなど,計画実施期間 中および期間後においての定期的な評価が,今後の災 害復興の計画策定において重要な情報となってくる. ヴィレッジプランに関する研究としては,Pardede5) によるバンダアチェを対象とした,ボトムアップ型の復 興プロセスに関する研究や,Lalithによる災害からの復 興に関するボトムアップ型の有効性に関する報告書な どがあるが,どれも被災後数年以内の研究である.ヴィ レッジプランは 10–20 年の計画期間の計画であり,数 年後だけではなく,計画の中間地点,計画の完了時点 における評価・研究が必要であり,地震・津波から約 10 年経過した時点での評価は,今後のボトムアップ型 の災害復興計画の作成に有用であると考えられる.第 3 章で後述するように,ヴィレッジプランの達成状況は 村により異なり,全ての計画が達成されていない村も あり,先述の Lindell6)の定義と照らし合わせると,本調 査実施時点は,中期的な時点と言えよう. 以上のような背景から,本研究はインド洋大津波災 害から約 10 年余りが経過した時点において,インドネ シア・バンダアチェ市におけるヴィレッジプランとそ の集落を対象に,以下のことを目的とする. (1) 中期的な視点からボトムアップ型復興計画である ヴィレッジプランの実現性に関する評価を行う (2) 自然災害からのボトムアップ型復興計画アプロー チの課題を明らかにする (3) ヴィレッジプランの実現性に影響を与える要因を 明らかにする 研究の手法としては,まずバンダアチェの復興概要 について把握するために,当時復興に関わった現地政府 関係者や関連機関関係者へのヒアリングを行い(2014 年 9 月),ヴィレッジプランの実現性,とくに再建集落 の現況調査のために各集落の村長へのヒアリング調査 (2015 年 6, 7 月),住民の集落開発へのアンケート調査 (2015 年 11, 12 月)を行い,その要因を明らかにするた めの分析を行う.
2.
研究対象地域の概要
(1) アチェ州の概要及びアチェにおける復興の概要 津波災害後,インドネシア政府は,2005 年 1 月には 国家開発企画庁(BAPPENAS)内にアチェ復興再建庁 BRR を設置し,「ブルー・プリント (Blue Print)」と呼ば れる復興の基本計画をまとめた.またその後,バンダ アチェ市を対象にした「復興マスタープラン」が 2005 年 3 月∼9 月にかけて JICA により策定された. これらの復興計画においては,海岸線より 2 km 圏内 を海岸・エコゾーンとして指定し,その内部での居住を 禁止する内容であった.しかしながら,最終的に,住民 の元の場所に戻りたいという意思が尊重され,沿岸部 での集落の再建が許可された9).集落単位の復興計画に ついては,各集落に再建を支援するために国内外のド ナーが入り,住民参加によるボトムアップのアプロー チで復興計画「ヴィレッジプラン」を作成した. またバンダアチェの地域特性として,かつては豊富 な天然資源の確保を目的とした独立武装組織 GAM (自 由アチェ運動) とインドネシア国軍との間で緊張が続い ていた独立紛争地域でもあり,閉ざされた地域であっ た.しかし,津波後に休戦協定が結ばれ,地域として 開いた状態となった.さらに復興需要による仕事の増 大により,外からの人口の流入が多く発生した.その 結果,現在の人口は津波前と比べて増加している10). (2) 調査対象集落の概要 現地調査およびヒアリング,アンケート調査は,集落 の立地(市内中心,市郊外,市外)および被災状況(集 落人口の地震・津波による死亡率が 10–70%),集落の 特性(住居地区,漁村,農村など)が異なるように選定 した 5 つの集落において実施した(図–2 ).表–1 に各 集落の特徴,現在の集落の人口,2004 年津波災害時の 人口における津波被害率,現在の津波前からの居住者 の割合,集落の立地エリア,職業を持つ住民の主な職 業を示す. 図–2 調査対象集落表–1 調査対象集落の概要 集落 人口 死亡率 津波前居住者 エリア 主な職業 ランプロ 4,000 人 60% 70% 市内中心 沿岸部 漁業 ムリア 5,500 人 40% 50% 市内中心 準公務員 ランジャ バット 1,000 人 70% 10% 郊外 沿岸部 漁業商人 エン プロム 1,300 人 60% 30% 郊外 会社員 ブラン クルン 1,100 人 10% 30% 市外 農業
3.
ヴィレッジプランの実現性の評価
本章では,津波災害から約 10 年が経過したアチェ州 においてヒアリング調査及び現地踏査を行い,ボトム アップ型復興計画ヴィレッジプランの実現性の評価を 行う. 実現性については,ヴィレッジプランに記載された 集落のインフラ・公共施設を対象に,1) 整備率,2) 利用 の有無,3) 維持管理の状態の 3 つの観点より評価する. ここで,ヴィレッジプランの中でもとくにインフラ・公 共施設に着目した理由としては災害から 5 年後の報告 書である「BRR Donor Achievement 2005-200911)」に達 成できなかったインフラや公共施設があったこと,ま た集落全体としてのヴィレッジプラン実現性の評価を 行うためである. (1) ヒアリング調査概要 2015 年 6 月 23 日から 2015 年 7 月 3 日にわたり,ア チェ州において,前述の 5 つの調査対象集落に,ヴィ レッジプランの実現性についての現地調査(ヴィレッ ジプランにあるインフラ,公共施設の整備・利用,維持 管理の状況),村長へのヒアリング調査を行った. (2) ヴィレジプランの実現性の検証 各村におけるインフラ,公共施設の整備,利用,維持 管理の状況を表–2 にまとめた.本節では,村ごとにそ の状況を概説する. a) ランプロ村 ランプロ村においては,インフラも公共施設もヴィ レッジプランで計画されたものはすべて整備済みであっ た.それはこの村がアチェ中心部にあり,インフラや公 共施設の整備はアチェ市役所が担っているからである (村長へのヒアリング(2015/6/26)により).しかしな がら,ヴィレッジプランでの計画通りに,アチェ市役所 からの公共水供給システム PDAM (Perusahaan Daerah Air Minum) が接続されているものの,利用料金が高い ため,集落の住民は利用せずに他から生活用水を購入 している.維持管理に関しても,アチェ市役所による 維持管理が持続的に行われている. b) ムリア村 ムリア村は村長が昔,アチェ市役所の役人だったこ とからアチェ市役所とのつながりは強いため,ヴィレッ ジプランで計画されたインフラ,公共施設は,すべて アチェ市役所により整備済みである.ランプロ村と異 なり,給水についてもヴィレッジプランで計画された PDAM があり,住民もそれを使用している.理由とし てムリア村の住民が公務員や会社員などオフィスワー カーの人が多いため,ランプロ村より平均収入が高い ことが挙げられる(村長へのヒアリング(2015/7/2)に より).維持管理に関しては,ランプロ村同様,アチェ 市役所による維持管理が継続的に行われている. c) エンプロム村 エンプロム村は,ヴィレッジプランと異なり,PDAM があるエリアとないエリアがある.PDAM がないエリ アは住民が建設した井戸より水を得ている.公共施設 に関しては,モスクおよび集会所,市場と整備されて いないものが多い.その理由は,バンダアチェ市内に 位置するも,郊外であるため,バンダアチェ市役所に よるインフラや公共施設の整備が行き届いていないこ とが挙げられる.しかし,復興時およびその後に建設 された,現存するインフラ,公共施設については住民 から利用されている.維持管理は,昨年から住民エン パワーメント国家プログラム PNPM (Program Nasional Pemberdayaan Masyarakat, 付録参照) を申請し,住民と アチェ市役所が協働でインフラの維持管理および整備 を計画的に行っている(村長へのヒアリング(2015/7/1) より). d) ランジャバット村 ランジャバット村では,ヴィレッジプランで建設さ れた PDAM は破損しており,井戸を掘っても水がでな いため,代わりにアチェ市役所から水タンクを安価で購 入している.エンプロム村同様,バンダアチェ市郊外 に位置するため,バンダアチェ市役所はインフラ,公共 施設の整備を行っていない.そのため給水設備以外に も,排水設備の 30%が建設途中であり,集落の問題と なっていた.しかし,排水に関しては住民による建設 工事により建設が完了している(村長へのヒアリング (2015/6/29),住民へのヒアリング(2015/11/30)より). 維持管理は主に住民が資金を出し合って行っているが, 海外のドナーが継続的に援助する場合もある.公共施 設に関しては,市場が開店の準備中であったが,その 他は整備されており,施設の利用,維持管理はあった.表–2 対象集落におけるヴィレッジプランの実現性評価まとめ 集落名 ランプロ ムリア エンプロム ランジャバット ブランクルン 立地 市内中心 市内郊外 市外 集落の管轄 アチェ市役所 アチェ市役所 アチェブサール 県役所 実現性 インフラ 整備率 給 水 100% 排水下水 100% 道路整備 100% 給 水 100% 排水下水 100% 道路整備 100% 給 水 80% 排水下水 100% 道路整備 100% 給 水 0% 排水下水70% 道路整備 100% 給 水 0% 排水下水 100% 道路整備70% 整備の 主体 アチェ市役所 アチェ市役所 アチェ市役所 住民 住民 住民 利用の 有無 給 水 × 排水下水 ○ 道路整備 ○ 給 水 ○ 排水下水 ○ 道路整備 ○ 給 水 ○ 排水下水 ○ 道路整備 ○ 給 水 × 排水下水 ○ 道路整備 ○ 給 水 × 排水下水 ○ 道路整備 ○ 維持管理 の有無 給 水 × 排水下水 ○ 道路整備 ○ 給 水 ○ 排水下水 ○ 道路整備 ○ 給 水 ○ 排水下水 ○ 道路整備 ○ 給 水 × 排水下水 ○ 道路整備 ○ 給 水 × 排水下水 ○ 道路整備 ○ 維持管理 の主体 アチェ市役所 アチェ市役所 アチェ市役所 住民 住民 住民 公共施設 整備率 宗教施設 3/3 学 校 3/3 漁業市場 1/1 集 会 所 1/1 病 院 1/1 宗教施設 8/8 学 校 8/8 市 場 0/0 集 会 所 1/1 病 院 1/1 宗教施設 1/2 学 校 2/2 市 場 0/1 集 会 所 0/1 病 院 1/1 宗教施設 2/2 学 校 4/4 市 場 0/1 集 会 所 1/1 病 院 1/1 宗教施設 2/2 学 校 0/1 市 場 0/1 集 会 所 2/2 病 院 1/1 整備の 主体 アチェ市役所 アチェ市役所 アチェ市役所 住民 住民 利用の 有無 全て利用ある 全て利用ある 全て利用ある 全て利用ある 全て利用ある 維持管理 全て維持管理 されている 全て維持管理 されている 全て維持管理 されている 全て維持管理 されている 全て維持管理 されている 維持管理 の主体 アチェ市役所 アチェ市役所 住民 住民 ドナー 住民 凡例 ○;利用/維持管理がある ×;利用/維持管理がない ○/○;現在の集落にある数/ヴィレッジプランで計画された数 e) ブランクルン村 ブランクルン村は,ヴィレッジプランで計画された インフラ,公共施設について,給水の整備がなされてい ない,学校が建設されていないなど,インフラ,公共施 設の整備率が十分でない集落である.理由として,バ ンダアチェ市外に位置するため,集落の管轄はアチェ ブサール県役所であり,その結果,インフラ,公共施 設の整備を住民自身で行っているからである(アチェ ブサール県役所は管轄がバンダアチェ市役所よりも広 域であるため)(シャクアラ大学津波防災調査センター 副センター長 Dr. Syamsidik へのヒアリング(2015/7/2) より).現在のインフラ,公共施設の利用はあり,維持 管理については津波災害以降,住民自身が資金を出し 合いながら行われている. (3) ヴィレッジプランの実現性の評価結果まとめ及び 影響を与える要因の考察 以上より,被災後おおよそ 10 年が経った中期的な時点 におけるヴィレッジプランの実現性の評価をまとめる. まず,インフラや公共施設の整備に関しては,村に よって差が大きく,一律に評価を行うことは難しい.す べてのインフラ・公共施設が建設され,さらにヴィレッ ジプランにないものも建設されている集落もあれば,ま だ一部しか建設されていない集落もある. 利用に関しては,多くの集落で給水施設がその金額 設定が村人の収入に合わないため,整備されても実際 には使用されていなかった.その背景としては,ヴィ レッジプラン作成時において,市役所の職員の参加が ほとんどなかったことがあると考えられる(住民への ヒアリング(2015/12/02)より).このことより,ボト ムアップ型の復興計画策定の際には,行政へのコミュ ニケーションが必須と言えよう.他のインフラや公共 施設に関しては,すべて使用されており,住民のニー ズに合ったものが計画されたと言えよう. 維持管理に関しては,給水施設が使われていない場 合は維持管理もされていないことがあるが,使用されて いるインフラや公共施設に関しては概ね良好にアチェ 市役所もしくは住民自身により維持管理がされていた. 前述したように,集落によりインフラや公共施設の整 備率に大きな差があった.その理由としては,アチェ 市内にあり,市役所と良好な関係を築いている集落に 関しては,市役所が整備や維持管理を行っているが,ア
チェ市内でも郊外部にあり市役所による整備が進んで いないところや,アチェ市外にある村に関してはアチェ ブサール県役所が管轄しているが,県役所による整備 がほとんどなされていないという,政府による整備の 有無がまずあげられる.しかしながら,政府による整 備が手薄であっても,ランジャバット村のように住民 が整備を行っている集落もある. すなわち,ヴィレッジプランは住民が主体となって 作成した計画であるが,その実現性に関しては政府が 主導権を握っており,政府による実現がなされなかっ た場合は住民が自ら行うかどうか,すなわち住民の自 律性で実現されるかが決まると言える.つまり,ヴィ レッジプランの実現性に関しても住民が主導権を握る ためには,役所の支援がない場合,住民が自ら自律的 に計画を実現させること,すなわち住民の自律性が必 要不可欠になるということである. そこで,次章においては住民の自律性がどのような 要因によって形成されるのかについての調査,分析を 行う.
4.
住民の集落開発に対する自律性の把握及
びその要因の検証
本章では,前章でヒアリングを行った 5 つの集落に 住む住民へのアンケート調査を実施し,その結果から 得られた,前節で調査対象とした 5 つの集落における 住民の集落開発に関する自律性に関して分析を行う. 本研究における集落開発に対する自律性は,集落の インフラや公共施設の整備を自分たちで行うために欠 かせない, 1) 集落開発に関する計画づくりへの参加意思, 2) 集落開発計画を実行するための労働への参加意思, 3) 集落開発に関する資金の支払意思 の 3 つと定義した. (1) アンケート調査概要 2015 年 11 月 24 日から 2015 年 12 月 11 日にわたり, アチェ州において,5 つの集落を対象に,ヴィレッジプ ランにおける住民の自律性についての現地調査,アン ケート調査を行った.対象者は世帯主またはその配偶 者で,対面調査により各集落 60 名ずつ,計 300 名に対 してアンケート調査を実施した.質問項目は,住民の 集落開発に対する自律性(本研究では,集落開発に関 する計画づくり,労働への参加意思,集落開発に対す る資金支払い意思と定義する.),属性(職業,収入な ど),生活インフラの満足度,公共施設の満足度,集落 での交流,集落開発への関心,ヴィレッジプラン作成 への参加経験などについてである. (2) 住民の集落開発に対する自律性 アンケートの結果,5 つの集落において,図–3 ∼図– 5 に示すような住民の集落開発に対する自律性が明らか になった. a) 集落開発に関する計画づくりへの参加意思 Q: 週に何回であれば集落開発に関する計画づくりの 話し合いに参加してもよいか? 図–3 より,全体として住民の集落開発に関する計画 づくりへの参加意思は 6 割を超え,週の参加頻度は 1 回の最も多いことが分かる.各集落を比較すると,ラ ンジャバット村が参加意思 78%ときわめて高い結果と なった. b) 集落開発計画を実行するための労働への参加意思 Q: 月に何回であれば集落開発に関する労働に参加し てもよいか? 図–4 より,住民の集落開発計画を実行するための労 働作業への参加意思は,どの集落においても 50%以上 の住民が,集落開発に関する労働作業への参加意思を 持っている結果となった.集落同士の比較では,計画づ くりへの参加意思同様に,ランジャバット村は 72%と 高く,住民の参加意思の高い集落であると言える.月 の参加頻度は 2 回が最も多い結果となった. c) 集落開発に関する資金の支払意思 Q: 月に何 Rp. であれば集落開発に関する資金の支払 いをしてもよいか? (1Rp. = 0.0078 円,2016 年 7 月時点) 図–5 より,住民の集落開発計画を実行するための資 金を支払う意思がある住民は,各集落において大きく 異なり,ムリア村,エンプロム村はホワイトカラーの職 業が多く,集落の平均収入が高いにもかかわらず,支払 図–3 計画づくりへの参加意思 図–4 労働への参加意思図–5 集落開発に関する資金の支払意思 表–3 自律性のカイ2乗検定 計画づくりへの 参加意思 労働への 参加意思 資金の 支払意思 χ2= 29.318, 自由度:20, P= 10% で有意 χ2= 50.262 自由度:32, P= 5% で有意 χ2= 172.133, 自由度:128, P= 1% で有意 意思が低い結果となった.理由として,アチェでは収 入が高い住民は,自身の資産で飲料水を購入したり,遠 くの市場に買い物に行くなど居住環境を維持,向上さ せることが可能なので,集落全体での居住環境向上の 取組への支払意思は低いと考えられる(シャクアラ大 学津波防災調査センター副センター長 Dr. Syamsidik へ のヒアリング(2015/12/5)より).一方でランジャバッ ト村は 65%と高く,住民の参加意思ともに最も高い集 落である. またカイ 2 乗検定の結果より,住民の集落開発に対 する 3 つの自律性は,集落ごとによって有意な違いが あることが明らかになった. (3) 共分散構造分析による自律性の影響度の検討 ヴィレッジプランの実現性に住民が主導を握るため に必要な住民の自律性の違いは,どのような要因によっ て決定されるのかを明らかにするために,3 つの自律性, 1) 集落開発に関する計画づくりへの参加意思,2) 集落 開発計画を実行するための労働への参加意思,3) 集落 開発に関する資金の支払意思,に対して,共分散構造 分析によりモデルの作成を行った.使用したサンプル は,5 つの集落の 300 サンプルである.3 つの自律性に 対して影響する要因は複数あり,間接的に影響を及ぼす 要因があるなど複雑な構造をしていることが予測され るため,目的変数を説明するために用いられた複数の 説明変数間の関係を明らかにすることができる12)共分 散構造分析を用いることとした.計算の結果,図–6 ∼ 図–8 に示すようなモデルが得られた. a) 分析に用いた変数 表–4 に共分散構造分析を実施した際に使用した変数 をまとめた. 表–4 独立変数一覧 カテゴリー 変数名(単位) 集落内での 交流 ・村長との交流(回/月) ・集落開発での交流(人) ・役場の利用頻度(回/週) ・集会所の利用頻度(回/週) 集落開発の 満足度 ・インフラの満足度(%) ・公共施設の満足度(%) ボトムアップ型 復興プロセスへ の参加 ・ヴィレッジプラン策定プロセスへの参加(回) ・ヴィレッジプラン実行プロセスへの参加(年) 集落開発に 対する関心 ・開発計画に対する認識(5 段階評価) ・開発効果の認識(5 段階評価) 住民の属性 ・世帯主の職業(ダミー) (オフィスワーカー/ 非オフィスワーカー) ・世帯収入(Rp./月) ・時間的余裕(時間/月) 図–6 計画づくりへの参加意思に関するモデル b) 集落開発に関する計画づくりへの参加意思 まず計画づくりへの参加意思に関するモデルについ て,すべてのパス係数で 5%水準で有意であるという推 定値が得られた.適合度指標は,AGFI が 0.904,GFI が 0.952,CFI が 0.946,RMSEA が 0.087 と良好な適合を 示した. モデルの内容を見ていくと集落交流と開発への関心 では,そのパス係数より集落開発への関心(0.63)の方 が集落内での交流(0.55)よりも計画づくりへの参加意 思に影響を与えていることが分かる.開発に対する関 心の中でも,とくに現在の集落開発への労働に参加し ていること(0.44)が大きく影響を与えている.集落内 での交流では,とくに村長との交流(0.81),次に集落 開発に関する交流(0.49)が影響を与えている. 以上より,集落の開発計画への関心があり,また時 間の余裕を集落開発に関する労働へと費やしているこ と,集落で村長および集落開発に関する人との交流す る頻度が高く,役場,集会所の利用頻度も高い住民が 計画づくりへの高い参加意思があることがモデルより 解釈できる. c) 集落開発計画を実行するための労働への参加意思 労働への参加意思に関するモデルも,計画づくりへ の参加意思に関するモデル同様に,すべてのパス係数
図–7 労働への参加意思に関するモデル
で 5%水準で有意であるという推定値が得られた.適合 度指標は,AGFI が 0.920,GFI が 0.960,CFI が 0.954, RMSEA が 0.076 と良好な適合を示した. モデルの内容を見ていくと集落内での交流と開発へ の関心では,そのパス係数より集落内での交流(0.32) の方が開発への関心(0.24)よりも労働への参加意思 に影響を与えていることが分かる.全体的に,計画づ くりのモデルよりもパス係数が低い値となった.集落 内での交流の中でも,とくに村長との交流(0.72)が大 きく影響を与えている.次いで集落開発に関する交流 (0.54)が影響を与えている.開発への関心では,まず 現在の計画づくりに参加していること(0.58),次に開 発計画に対する認識があること(0.42)が影響を与えて いる. 以上より,住民の集落開発に関する労働への参加意 思には,計画づくりへの参加意思と同様に,まず集落 で村長および集落開発に関する人との交流する頻度が 高く,役場,集会所の利用頻度も高いこと,次に集落の 開発計画への関心があり,また時間の余裕を集落開発 の計画づくりへと費やしていることが影響を与える要 因であることがモデルより示している. d) 集落開発に関する資金の支払意思 支払意思に関するモデルについて,すべてのパス係数 で 5%水準で有意であるという推定値が得られた,適合 度指標は,AGFI が 0.890,GFI が 0.936,CFI が 0.909, RMSEA が 0.088 の適合を示した. モデルの内容を見ていくと集落交流と開発への関心 では,そのパス係数より集落内での交流(0.47)が開発 への関心(0.33)よりも支払意思に影響を与えている ことが分かる.また一方で,集落開発に対する満足度 (−0.35)は負の影響を与えており,住民がインフラや公 共施設に不満を感じていれば,支払意思が高くなるこ とが分かる.集落内での交流の中では,村長との交流 および集落開発に関する交流(0.57)が大きく影響を与 えている.開発への関心では,開発計画に対する認識 があることが影響を与えている. 以上より,住民の集落開発に関する資金の支払い意 思には,集落で村長および集落開発に関する人との交 図–8 資金の支払意思に関するモデル 流する頻度が高く,役場・集会所の利用頻度も高いこ と,集落の開発計画への関心があることが正の影響を 与えており,集落の開発に満足していないことが負の 影響を与えている要因であることがモデルより確認で きる. e) 自律性に影響を与える要因の考察 ヴィレッジプラン策定時における参加が 3 つの自律 性に影響を与えていると予想されたが,3 つのモデルと もボトムアップ型復興プロセスへの参加を表す変数で ある「ヴィレッジプラン策定プロセスへの参加(回)」 と「ヴィレッジプラン実行プロセスへの参加(年)」が 変数として現れず,その影響はこれらのモデルでは見 いだせなかった.計画策定への参加よりは,その後の その計画があることが継続して認識されることが自律 性にとって重要であるという結果となった. 3 つの自律性に関するモデルに共通していることは, 集落内での交流と集落開発への関心が自律性に影響を 与えていることである.集落内での交流とは,村長と の交流,集落開発に関わる際の他の村人との交流,集会 所や役場の利用頻度である.アチェ州では,集会所は 集落に関する会議などの集落活動や主婦,高齢者たち の集いの場として利用されており,また役場には,集 落における申請や下水路が詰まっている等,集落にお ける不満を伝える目的で世帯や近隣の代表者が来訪し ている. 実際にアチェ州においては,人との交流・関係が日 常生活をするうえで様々な事柄に影響する重要な要素 であり,具体的には小さな商店やホテルであれば,親 しい人は安価でサービスを受けることができ,就職に 関しても親しい間柄ということで入社する場合が多い. そのため人との交流が,復興プロセスへの直接的では ないが,間接的には参加の要因であると推測できる. 集落開発に対する関心とは,開発計画に関する認識 などであり,村長が開発計画を意識的に村人に伝えて いる集落(ランジャバット村)とそうでない集落があ り,村長の開発計画に対する姿勢が住民の意識に大き く影響を及ぼしていると言えよう.
開発への支払い意思に関しては,これらに加えて集 落開発への満足が影響しており,インフラや公共施設 へ満足していなければ,その分支払い意思が高くなる 結果となった.
5.
結論
本研究では 2004 年インド洋大津波災害の被災地であ るアチェ州を対象として,津波災害後,中期的な復興 が確認できる再建集落において,(1) ヴィレッジプラン 実現性の中期的な評価,(2) ボトムアップ型復興計画の アプローチにおける課題,(3) ヴィレッジプランの評価 結果に影響を与える要因を明らかにすることを目的と した. (1) ヴィレッジプラン実現性の中期的な評価 ボトムアップ型の復興計画全体に関して評価すると, インフラ,公共施設の整備に関しては集落ごとによりそ の整備率が異なり,100%の整備率の集落もあれば,未 整備のものが多い集落もある.利用,維持管理のの有 無は給水以外は利用,維持管理がされている.整備率 に差がある背景としては,役所による整備の有無.役 所により整備がなされない村に関しては,住民自身に よる整備の有無がある. (2) ボトムアップ型復興計画のアプローチにおける課題 給水設備に関して,整備されたが利用されていない 背景としては,利用料金が住民の支払い能力を超えて いるからであり,このような問題の背景には,ヴィレッ ジプラン作成時に役所の職員の関与が十分でなかった ことがあると考えられる.そのため現地住民の生活に 即さないインフラの整備があり,計画策定時は,ドナー だけでなく市役所の職員と住民との利用の確認などの 意思疎通も必要であると考えられる. (3) ヴィレッジプランの実現性に影響を与える要因 まず,最初にヴィレッジプランの実現性に影響を与 える要因としては,その村の所属する行政区分にある. アチェ市内の村に関しては,その手厚さに濃淡はある が,今回調査を行った 4 つの村の内 3 つに関しては,ア チェ市役所が整備に関与していた.それに対して,ア チェ市外にあり,アチェブサール県役所の管轄である 村に関しては,役所の関与はなかった.これは市役所, 県役所それぞれの管轄する村の数の違い,管轄する地 域の広さの違い,管轄する村との空間的距離の違いに よるものだと推測される. アチェ市内に関しては,市役所の関与の深さは村に よって大きく異なり,それは市役所との空間的距離(市 中心部か郊外か)及び村長と市役所及び関係性に影響 されていると村長からのヒアリングから考えられる. 以上より,ヴィレッジプランの実現性を高めるため には,まず計画策定時に,誰が整備に責任を持つかを 管轄の役所に確認をしながら進めることが必要である. 役所による整備が難しそうな場合は,住民による整備 や維持管理ができるように,計画策定と同時に,資金を 計画的に住民から集めるための仕組み,自分たちでで きる工事や維持管理は自分たちで行うような体制を整 える必要がある.さらに,共分散構造分析の結果より, 計画策定後においても,村長による計画の村人への継 続的な伝達,集落での交流の活性化など,住民による整 備が進むような環境づくりが必要となる.アチェ市内 など,役所による整備が期待できる場合も,村長と役 所の関係などから役所の関与に濃淡が出てくることか ら,役所による関与の度合いは不安定であると言えよ う.村長の交代などで役所との関係が変化することも あるので,役所の関与が期待できる村においても,村長 による計画の村人への継続的な伝達,集落での交流の 活性化など,住民の自律性を高めることが必要である. また,バンダ・アチェの住民の特徴として,定住す るのではなく,出稼ぎなどの移動性に特徴があること が指摘されている (山本 201113)).このことより,バン ダ・アチェにおいては,計画策定に参加した人が減少 し,新住民の方が多くなることも考えられる.しかし ながら,計画への参加が,住民の自律性へ影響は見ら れなかったことより,新住民が多くなっても,計画に ついて新住民に伝達することなどにより,計画への自 律性を高めることが期待できる. 謝辞: 本研究を行うにあたり,インドネシア国家開発企 画庁の Togu 氏にからビレッジ・プランに関するデータ を頂きました.また,元 BRR 幹部の Beck 氏,世界銀行 の Probo 氏へヒアリングをさせて頂きました.さらに, バンダアチェで現地調査を行うにあたって,シャクア ラ大学 TDMRC (Tsunami Disaster Mitigation Research-Center) の Dr. Syamsidik および Dr. Ella に多大なるアド バイスを頂きました.記して感謝の意を表します.付録
PNPM (Program National Pemberdayaan Mandir)
住民が集落のインフラ整備,維持管理などの集落開 発をする際,本プログラムにより,インドネシア政府か らの集落開発に関する新しいスキル,情報へのアクセ ス,サービスへのアクセスなどのサポートがコミュニ ティへとされる.コミュニティがサポートを受けなが らプロセスが進むため,プログラムを通して,コミュ
ニティエンパワーにより,より集落開発に関する自立 と,生活のより高い品質で,集落の状況を改善するた めにコミュニティ組織の能力を強化することができる. また住民自身が集落コミュニティの生活に参加する新 たな機会をも作成し支援する. 参考文献 1) 内 閣 府 政 策 統 括 官( 防 災 担 当 ),世 界 の 自 然 災 害 の 状況,http://www.bousai.go.jp/kokusai/kyoryoku/ world.html 2) 野田順康:アジアにおける参加型居住開発プロセスに関 する一考察―国連ハビタットの活動を事例研究として―, 国連ハビタット福岡本部,2009.
3) Lalith Lankatilleke, Odicea Angelo Barrios : People’s Pro-cess in Post-disaster and Post-conflict Recovery and Recon-struction, United Nation Human Settlements Programme, 2008.
4) World Confederation for Physical Therapy : Disaster man-agement, 2014.
5) Togu Santoso PARDEDE : Aceh Reconstruction Planning, Top Down or Bottom Up Approach?: An Overview of Planning Theory and learning from Community Planning
EVALUATING MID-TERM IMPLEMENTATION OF BOTTOM-UP VILLAGE
RECONSTRUCTION PLAN FROM NATURAL DISASTER IN DEVELOPING
COUNTRY—CASE STUDY OF 2004 INDIAN OCEAN EARTHQUAKE
AND TSUNAMI DISASTER IN ACEH PROVINCE, INDONESIA—
Ryuichi HIRANO and Mihoko MATSUYUKI
In recent years, a bottom-up reconstruction planning process from a natural disaster is paid attention. In Aceh Province in Indonesia, where was devastated by the Great Indian Ocean Earthquake and Tsunami in 2004, rehabilitation plan at the village level, called ‘village plan’, was developed by villagers with a support of donors.
This paper examines the implementation of the village plan after almost ten years and tries to clarify factors affecting implementation. Five villages are selected for case study and interview to village heads, and questionnaire to villagers was conducted.
As results, it is clarified that the implementation of the plan differs in each village. It is expected that linkage with local administration and the villagers’ autonomy affects the realization and villagers’ percep-tion of their development plan and communicapercep-tion within a village improve their autonomy in community development.
in Aceh after TSUNAMI, pp.160-171, The Conference of Asian City Planning 2008, 2008.
6) Lindell, M. K.: Encyclopedia of Natural Hazards, pp. 812-824, Springer, 2016.
7) BRR : The Executing Agency of Rehabilitation and Recon-struction for Aceh and Nias Book, series 7, 2009.
8) CARE International: Village Planning Report: Lampulo, Kuta Alam, Banda Ache, 2006.
9) 杉安和也:2004年インド洋大津波被災地における復興過 程の比較分析−インドネシア・アチェ州を主な事例とし て−,筑波大学 大学院博士課程 システム情報工学研究 院修士論文,2009. 10) 松丸亮,落合知帆:インド洋大津波災害被災者の居住形 態の変遷とコミュニティ再生プロセス関する考察,都市 計画報告集,No. 7, pp. 41-44, 2008.
11) BRR Donor Achievement 2005-2009 : Badan Rehabilitasi dan Rekonstruksi, 2009. 12) 豊田秀樹:SASによる共分散構造分析,東京大学出版会, 1992. 13) 山本博之:災害対応のスマトラモデル,地域研究,Vol.11, No.2, pp.49-61, 2011. (2016. 2. 26受付)