器楽教育における指導と評価についての一考察 : 口ずさみのシラブルを用いてIII
著者 松下 允彦
雑誌名 静岡大学教育学部研究報告. 教科教育学篇
巻 21
ページ 49‑57
発行年 1990‑03‑27
出版者 静岡大学教育学部
URL http://doi.org/10.14945/00008306
器楽教育における指導 と評価 についての一考察
―一 日ずさみのシラブルを用いて Ⅲ一―
A Study of Teaching and Evaluation in Instrumental Education
松 下 允 彦 YoshihikO MATSUSHITA
(平 成元年 10月 H日 受理
)I は 1じ め に
器楽教育における吹奏楽器の指導, とりわけアーティキュレーションや音色の指導は ,現 状 では決して充分に行われているとは言えない。
特に, リコーダー指導でタンギングを扱う時 ,tu tu tuと 吹くノン・ レガー ト奏法を身に付 けることと同時にレガー ト奏法を並行して指導しなかった場合 ,片 手落ちの指導である ・ と
´ 言わ なくてはならない。よくある例として, リコーダー教材に歌唱曲を用いる場合, レガー トの曲 に 1音 1音 タンギングを付けノン・ レガー トで演奏してしまうことがあげられる L
そこで筆者は ,ア ーティキュレーションをレガー トの音色,ノ ン・ レガー トの音色として捉 え ,そ の音色を言葉で表す 回ずさみのシラブル ":を 考察し ,音 色の指導に取り組んできた。
音色の指導において, 日本音楽で用いられているものに口唱歌がある :)由 唱歌とは歌詞を唱 えることではなく ,楽 器の旋律もしくはリズムを回で唱えることであり 1)そ れは音色唱法とも 言われている 1)そ の楽器の音色に最も近い言葉におきかえて歌って覚え ,そ の後 ,楽 器で演奏 するための教習・記憶のためのものなのである。
この音色唱法は , ウグイスやカッコウ等の野鳥の鳴き声の擬声音表示 と似ている。また ,私
たちが回ず さむ時遮、と発せ られる ,日 ず さみの シラブルともよ く似ている。それは ,言 葉 と し ての意味は持たないがアーティキュレーションや音色 ,ま たはリズム等を模倣するものである。
すでに ,筆 者は回ず さみのシラブルと リコニダーの演奏技術との関連を考察 してきた :)本 論 では ,モ ーツァル トの ドイツ舞曲を回唱歌のようにあ らか じめ用意 したシラブルで歌わせ ,そ
の後 リコーダーで演奏させてみて ,日 ず さみの シラブルが回唱歌 として どのような機能を持つ ものかを考察 したものである。
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彦 50 下
Ⅱ 資 料 に つ い て
1,曲 目について
モーツァル ト作曲 3つ の ドイツ舞曲 K.605‑3よ リ ハ長調 <そ りすべり >を 用いた。
この曲は ,「 ドイツ舞曲」として小学校 6年 生の教科書で扱われてい %。 教科書では器楽合奏 として扱われているが , ここではその主旋律のみを抜きだ し ,次 の譜例に書き込まれているよ うな口ずさみのシラブルを回唱歌として用いた。
ティヤッタッタッタ ヤッ ティヤッタッタッタ ヤ ティ ティ ティ タァ ヤン ティヤ タ タ タ タ タ タ
ティヤッタッ タッ タ ヤッ ティヤッタッタッ タヤッ テイヤッタッ タッ タ セ タァン
2.資 料の収集方法
本校 (223名 )及 び県内私立大学 (139名 )の 教員養成学部 3年 生 ,計362名 の資料を収集 した。
ただ し ,調 査不可能な資料が 7点 あったので 355名 の資料を分析・ 考察 した。
資料収集の方法 は ,次 のような手順で行 った 6
① リコーダーの レガー ト奏法 ,ノ ン・ レガー ト奏法の説明をする。
②楽譜にシラブルを書 き込んでおき , シラブル唱とリコーダー奏の練習をさせ る。
③ l人 ずつ シラブル唱をさせた後 , リコーダーで演奏をさせ る。
リコーダーの レガー ト ,ノ ン・ レガー ト奏法 は , aス タッカー ト , bノ ン・ レガー ト , cレ ガー ト , dス タッカー トとレガー トの混合をタンギ ングのシラブルを用いて音階を使 って説明
した。 dは eの ように演奏す ることもあ り 「 ドイツ舞曲」の前半は eの 方がふさわ しいことを付
け加えておいた。
器楽教育における指導 と評価についての一考察
ユ ニ
l.+y hav Fety lo.,t. l.Evl'Ev Fqrrl.Ev .d
ト ゥトゥ ト ゥ ト ゥ トゥ
以上の方法で 1人 ずつ シラブル 唱 とリコーダー演奏を録音 し
,それを分類 した ものを資料 とし た。
3,シ ラブル唱 と リコーダー演奏 の評価 の観点
分類 に際 して ,次 の 6項 目を重点的 にチ ェ ック した。
A, 1・ 2小 節目 B, 3・ 44ヽ 節目 C, 5〜 8小 節目 D, 9010小 節目 E,11012小 節目 F,17〜 32小 節目
Ⅲ 結 果
355名 の うち , シラブル唱・ リコーダー演奏のどちらにおいて も全 く問題のなか った者 は 96 名で ,全 体の僅か 27%で あった。 これ らの学生 は ,指 示 したシラブル通 りに歌え , シラブルで 示 されているアーティキュレーションで リコーダー演奏 されている。 しか し ,残 りの 259名 に
は ,シ ラブル唱か , リコーダー演奏のどちらか一方 ,ま たは両方に何 らかの問題が認め られた。
ここで は ,問 題のあった資料を集計 し ,分 析をす る。
A, 1・ 2小 節 目
1
① シラブルの子音の発音の強さで音の立ち上が りを 捉え , リコーダーの演奏に生かされているか。
これに関 しては ,子 音の発音の強 さと拍子か らく る強拍・弱拍がほぼ完全に理解 され ,演 奏 されてい
る。 taの 発音より tiの 発音の方を強 く感卜 じているし ,そ れが リコ =ダ ー演奏にも影響 している。
シラブルによって強拍・ 弱拍感が伝達 されていると考え られる。
②撥音で書かれている音をスタッカー トと捉え ,短 く ,は ずんで歌えた り演奏 した りで きるか。
この部分では , 348名 (98%)が 撥音で歌えてお り ,ま たスタッカー トで演奏で きている。
ティン タン′ "と 書かれているのに撥音で歌わなか った者が 2名 いるが ,そ の うち 1名 は リコ ーダーではスタ ッカー トを付けていた。逆に撥音を付けて歌 っていたにもかかわ らず , リコー ダニでスタッカー トをつけずに演奏 していた者が 1名 いた。けれどもこの 2名 も意図があ って そうしたのではな く ,つ いうっか り落 したという程度であろう。殆 どの者には ,撥 音で示 され たシラブルの音 は ,ス タッカー トであるということが容易に理解 されていると思われ る。
また , この部分が 3小 節 目のスタッカー トの付いていない (撥 音の付いていない )4分 音符 と区月りされていることは , シラブルの撥音が示すスタ ッカー トがはっきり提示 されていると言 える。
その他 ,読 譜ができないために リズムが とれなか った者 も若干名いる。また ,シ ラ ブル唱で
,2小 節 目の 4分 体符が抜けていた者 , 4分 休符が 1つ 多か った者が各 1名 み られる。
B, 3・ 4小 節 目
トゥッ トゥッ
トゥ
ー
トゥットゥッ
l,,r-y Fov
1.,?y彦 下 允
松
このシラブルでフレーズ感を捉えて歌えたり演奏 したりできるか。
ここでは , シラブルが示す撥音で , リコーダー 3
演奏のフレーズの切れ目を意識 させ ることがで き るかどうかを見てみる。
シラブル唱 , リコーダ‐演奏共に問題な くで き ていた者は 312名 で 89%に あたる。撥音が音を切
ったり止めた りす る働 きをす るのに非常 に有効であることがわかる。その他の者の うち , シラ ブル唱ではフレーズ感は認め られたが , リコーダー演奏ではテヌー トが付 き ,次 のフレーズと 切れ目がな くな って しまった者が 10名 (3%)い た。当然 , これ らの演奏にはフレーズ感 は認 め られない。また , シラブル唱‐ で も撥音を歌えず ,そ のため リコーダー演奏で もフレーズ感を 出せない者が 5名 いた。
これ らのことか らシラブル唱で撥音を歌えず フレーズ感を出せなかった者は , リコーダー演奏 で もフレーズ感を出す ことがで きないと言 うことがで きる。
その他 ,4小 節 目の 1・ 2拍 目の音 に ティ ーヤン
"の シラブルを付けたが , この シラブルか らスラー を付けて演奏 した者が 5名 いた。 yaの シラブルの 発音 が弱 か ったのだ ろ う。 その部 分 を ティー
タン "と 歌わせた方が良かったのか もしれない。
また ,A(1024ヽ 節目 )の 各音にスタッカー トが付いているのに , B(3・ 4小 節 目 )の
各音には付 いていないことに気付 くことによって , Bを ノン・ レガー トで演奏 させたい。
・一方 ,譜 読みがで きてない者 もかな りいる。次のフレーズに入 る前で 4分 休符を入れて歌 っ た者が 17名 (5%)い た。また , リコーダーで も同 じように 4分 体符を入れた者が 12名 いた。
C, 5〜 8小 節 目
ティ ヤッ タッタッタ ヤッ テイヤッタッタッ タ ヤ タァン
この部分が今回の調査のメインとなるものである。シラブル唱 , リコーダー演奏共に正確に 表現できた者は 164名 で 46%に あたる。かなり難 しい課題であったにもかかわらず ,約 半数が 合格できたということは, シラブル唱を評価することができると言えるのではないだろうか。
残 り 191名 の者は次に述べる①〜③のいずれかが IE確 にできていない。
①スラーとスタ 'カ
ー トの区別を理解 し ,表 現できているか。
シラブル唱においては ,ス ラーとスタッカー トの区別はほぼ全員ができている。 5小 節目の アフタクトのスラーをタヤと歌わずにタタと歌 った者が 2名 。 7小 節目の 3拍 目のタヤのスラ ーをタタと歌ったものが 1名 のみである。 しか し , リコーダー演奏では ,タ ンギ ングが理解で きずにスラーとスタッカー トのどちらもが付けられず , ノン・ レガー トのみ ,あ るいは ,タ ン ギングす ら付けられなかった者が 22名 と全体の 6%に のぼる。アーティキュレーションとタン ギングの関係は ,前 述の簡単な説明 しか していなかったため, これだけでは理解 し難かったの かもしれない。
ティー タ タ タ タ テイー ヤン
ティー タン
器楽教育における指導 と評価についての一考察
② スラーに付 いた促音を ,音 を短 く切 る意味で理解 し ,演 奏で きているか。
スタッカー トの音には全て促音を付けておいた。促音を用いるときは ,よ り短 く 。より軽 く
。より堅い音色を必要 とする時であり ,撥 音のスタッカー トは重 く・柔 らか く :余 韻を残す音 色に用いられる。 したが つて ,A(1・ 2小 節 目 )の スタッカー トにだけは撥音が付いている。
i スラーとスタッカー トの区別が付いている音符において , 2つ の 8分 音符にスラーが付い ている場合 , 2つ めの音を切 るようにシラブルに 夕 ⌒
ヤッティ ⌒
ヤッ "と 促音を付けておいた。
しか し ,こ の促音を歌えなかった者が多 く ,94名 (26%)の 者に見 られた。その うち , 夕 ⌒ ヤ ティ ⌒
ヤ "と 両方の促音が抜けた者は 78名 (22%)で あ った。 この者たちは単 に注意力が足 りな
いと思われる。
残 りの者 は ,片 方だけに しか促音が付け られなかった者である。 夕 ⌒
ヤッ ティ ⌒ ヤ "が 5名 , 夕 ⌒
ヤ ティ ⌒
ヤッ "が 11名 である。 これ らも単 に不注意によるものであろう。
五 シラブル唱で促音が抜けた 94名 の者の うち , リコーダー演奏で正 しくスタッカー トが付い ていた者は 28名 である。 これは ,イ メージとしてはスタッカー トが理解で きていたわけであ り
,シラブル唱よリリコーダー演奏が先行 している数少ない例である。 しか し , シラブルが示 して いるように ,ス ラーは付いていたが , 2つ めの音にスタッカー トを付けて演奏できなか った者 が 19名 いる。やはり , シラブルを正確に読み取れなか った者は , リコーダー演奏にも正確 さを 欠 くと言えそ うである。
また , 夕 ⌒
ヤッ ティ ⌒
ヤ "と 歌 った 5名 は リコーダー演奏では全員正 しく演奏で きてい たが , 夕 ⌒
ヤ ティ ⌒
ヤッ "と 歌 った 11名 の うち 6名 は , リコーダー演奏で も , この シラ ブルが示す通 り ,前 のスラーはそのままで ,後 のスラーのみスタッカー トを付けて演奏 してい る。 このデニタか ら見れば , シラブルを間違えて歌 った者が , リコーダー演奏で も間違えたシ ラブルの示すアーティキュレーションで演奏 していると言える。 これはシラブル唱が口唱歌 と
して機能 している ことを示 している。
残 りの 5名 は促音の付いている位置を意識 していなか ったようである。全体的に , このよう な微妙なアーティキュレーションを理解することは非常に難 しく ,そ うできなか った者が多数 いたと考え られる。
澁 指定 されたシラブルで正 しく歌えた者は 233名 (66%)で あった。 しか し ,そ の中で も48 名 (21%)の 者は リコーダーで何 らかの ミス (ア ーティキュレーション )を 犯 している。同 じ ようなアーティキュレーションの ミス ,特 にシラブル唱で促音をつけ違えて歌 った者では 94名 中 44名 (47%)で ある。その殆 どはスラーの位置やスタッカー トの位置がずれている者である。
この ことは ,シ ラブルを正確に読み取れなか った者は , リコーダー演奏で も正確に演奏で きて いないと言 うことを如実に示 している。
市 7小 節 目の 3拍 目のスラーを正 しく歌えなかった 者が 15名 いる。スラーが付かなか った り ,ス ラーが 長 くなって しまった為である。右はアーティキュレー ションを勝手に変えて しまっ・た例 (8名 )だ が , これ らはこの部分のアーティキュレーションが ,か な り難 しいことを物語 っている。
③読譜力の問題 o 4分 休符を正 しく数え られるか。
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8小 節目に 4分 体符が 2つ あるが ,こ れを 1つ抜かす者がかなりいる。シラブル唱で 1つ抜
下 彦
54 松
か した者は 26名 いた。その うち リコマダー演奏で も同 じ 4分 体符を抜いた者が 24名 いる。反対 にシラブル唱では正確だつたが リコーダー演奏で 4分 体符を落 とした者 は 3名 にす ぎない。 こ の結果 もシラブル唱と リコーダー演奏の強い関連を示 している。
シラブル唱‐ が正確に歌えていた者 は 233名 (66%)で ,そ の うち リコーダー演奏が正確にで きた者が 169名 (46%)で ,正 確にシラブル唱で きた者の 73%に あたる。 これは ,27%の 者が シラブル唱は正確にできたが リコーダー演奏では正確にできなか ったということであ り , この ような ,ス タッカー トとレガ ,卜 の混合 したパター ンは , リコーダー演奏ではかな り難 しいと いうことがわかる。
D. 9,10小 節 目
この小節では シラブル唱 , リコーダー演奏共に問題のない者が 331名 (93%)と ,高 い数値を 示 している。
① テイ "に 撥音が無 く , 3音 とも tで 強い立 ち上が りを要求 していることを理解できているか。
撥音を付けた者が 5名 。その うち リコーダ‐でスタ ツカー トが鋭す ぎると感 じた者は 3名 であった。
スタッカー トとノン レガー トの区月 1は , シラブル唱 0リ コーダー演奏ともによく理解され ていた。
② タア ヤン "で フレーズが切れていることに関 しては理解できているか。
シラブル唱で 10小 節目の 102拍 目にスラマが付いた者が 9名 いたが , 2名 はリコーダー演 奏では楽譜通 りに直っていた。シラブル唱で 2拍 目にテヌー トが付いて しまいフレーズの切れ 目がわからない者が 2名 いた。この 2名 はリコーダー演奏でも同じようにテメー トが付いて し まった。
E.11.124ヽ 節目
シラブル唱 , リコーダー演奏共に問題 のなかった者は 250名 (70%)で ある。
①アフタク トの ティ ヤ "に はスラ ーが付いていないことに気付き ,歌 えた
り演奏 したりで きるか。 ティヤ タ タ タ タ タ タ ティ‐ ヤン
シラブル唱では正 しく歌えていたにも
かかわ らず , リコーダ‐演奏ではスラーが付いて しまった者が 11名 いる。 しか し , シラブル唱 において既にスラーを付けて歌 った者が 84名 (24%)い た。その申で ,シ ラブル唱ではスラー を付けて歌 らたが , リコーダーではスラーを付けずに正 しく演奏で きた者が 23名 (27%)い た。
シラブル唱よりもスラーの記号が優先 して しまったためである。 しかし ,両 方共にスラーを付 けて しまった者は 60名 (71%)に ものぼった。これは ,い かにシラブル唱による音の表情が演 奏に影響するかを証明 している o
ティ ティ ティ タァ ヤ ン
器楽教育における指導 と評価についての一考察
この音にスラーを付けた者が多か ったのは ,当 初の シラブルの設定に問題があったためだと考え られる。
このよ うな問題 は ,そ の部分を ティヤ "か ら ティ
カ "と 変更す ることによって改善 されよう。
② 12小 節の 2拍 目でフレーズが変わ っていることを理 解で きているか。
2拍 目の音にテ ヌー トを付け ,フ レーズの切れ目を 曖昧に している者は 3名 しかいない。 しか し , シラブ ル唱・ リコーダー演奏共に , 102拍 日にスラーを付
けた者が 8名 見 られた。これは ,① 同様シラブルの設定が良 くなかったためで , ティーヤン
"を ティータン 'と 変更することで改善できよう。
F. 17‑32/Jヽ
1鋼ここでの シラブル唱は ,全 員に問題な く歌われている。
はかな りいる。 また ,18小 節 目のような 4分 音符 3つ
勿論音程や リズムが とれなか った者
のスラーの箇所で , 1音 1音 アクセ ン トを付けて歌 っ た者が 28名 み られ , レガー トの意味が理解で きていな いことが伺える。 これ らの者の殆 どは リコーダー演奏 で も hu― hu― hu― と吹き ,タ ンギ ングの技術 も身に 付いていない。
①スラーの位置を正 しく演奏できているか。
リコー ダー演奏で スラーを正確 に演奏で きた者 は 173名 (49%)で ある。約半数がスラーの付け方で問 題を残 している訳であるが ,全 くスラーを付けること
ができなか った者が 59名 (17%)と 多か ったのは ,事 前の リコーダ演奏におけるレガー ト奏法 の指導が充分でなか ったことを示 している。
シラブル唱の音程歌唱能力とアーティキュレーションの理解度 とは関係があると予想 し ,調
べてみた。 シラブル唱で音程が極端に悪かった者は 75名 (全 体の 21%)で ある。その うち , シ ラブル唱では音程が取れなかったが , リコマダ 演 奏でほぼ完璧にスラーを付けることがで き た者 は 15名 (20%)で あ ったる これ らの者は ,歌 を歌 うことは不得意だが ,楽 器を演奏す るこ とには自信を持つ者達であろう。
なかで も Fの 部分では , シラブル唱で音程が悪か った 75名 の うち , リコーダー演奏でスラー を 1つ も付けることが出来なか った者は 39名 (52%)に のぼる。 しか し , シラブル唱で音程が 取れなか った者の中の半数以上は , リコーダー演奏におけるレガー ト奏法がで きていないので ある。
それ以外の者 は ,ス ラーの位置が指示 されたとお りに演奏で きていなかった。全 くスラーを付 けることができなか った者を加えると , シラブル唱で音程が悪か った者の 75%は ,ア ーテキキュ
レーションが正 しく理解 されていないという相関関係をみることができる。 この結果か らも
,シラブル唱は ,充 分 に練習す る必要があると言える。反対に ,シ ラブル唱で音程が正 しく取れ ているが , リコーダー演奏ではスラーが 1つ も付けられなか った者が 20名 (6%)い た。 これ らの者 は楽器演奏は不得意だが ,歌 唱能力は充分にあることを示 している。
タ ン