奈良教育大学学術リポジトリNEAR
はしがき
著者 永田 陸郎
雑誌名 奈良教育大学教育研究所紀要
巻 6
発行年 1970‑02‑27
URL http://hdl.handle.net/10105/6198
はしがき
まず、本紀要第6号を世に送ることができることを喜びたい。それは例年に
なく大きい。
第一に、本研究所は昭和31年創設以来、予算の裏付けもないままの名目的 存在であり、ある意味で苦難の8ケ年と、一定の予算をもら、紀要発行を主軸
とする研究所諸活動が}応営まれるに至った最近6ケ年、計14ケ年を経てい る。いかにもひよわな、単なる内部組織といわれながら、それなりにこれ程の 歳月を経ているということの意味は、やはり大事にされてよいのではなかろう
か。
第二に、このようななかで、研究所の活動は、主として教科研究に関心をも たれる方々の、一部教官の集まりに過ぎないという実践を脱皮できないでいた。
教育研究所を全学的なものにしなければならない。そのための組織化として、
教科組織を軸にして、教育研究所運営委員会を設置されるにいたったこと。紀 要も、単なる自由研究の自由発表の域を脱して、諸教科や教育。心理学の課題 をとりあげて、自主的に公的規希1」をうけたものとして、とりくまれうる態勢だ けはほ ととのえられたといってもよいであろう。
第三に、このように研究所活動が自由研究から課題研究へ、Lかも全学的な 研究のLごととして位置づけられるという内部体制のできようとすろ矢先、時 恰も、本省より、へき地教育研究の課題と展望を与えられたことは、本学と本 研究所の発展のためにきわめて大きな意義をもつものと思う。
いうまでもなく本年度は大学紛争の嵐にまきこまれていた。大学とは、教育 とは、教師、学生とは何かが、根本的に問われてきた。教育研究所とは、教育 研究とは何か、本学の地域社会への結びつきはいかに、問題は多くその根は深 い。このとき、この号を送るに当り大方の御批正と御鞭縫をお願いする次第で
ある。