イ ギ リ ス に お け る テ レ ワ ー ク
ー 調 査 結 果 の 紹 介 と 検 討
︱
三 一昌 紀 敬
は じ め に テ
レ ワー ク o﹈︵弓 o■8 F Φ ︑︼弓 80け
︐ く いじ に つい ての 政策 的 な関 心 が︑ 内外 とも に高 ま りを み せ て いる
︒ たと えば 情 報化 社 会 に関 す る ハイ レベ ルグ ルー プ の文 書
﹃ヨ ー ロ パッ とグ ロー バ なル 情 報化 社会
︱ ーヨ ロ パッ 理事 会 への 勧 告
︱
﹄
︵九 四年 五 月
︶ は︑ テ ワレ ーク セ タン ーを 二〇 の都 市 に試 験的 に設 置す る
︵九 五年 末 ま
︶で こと を 手 はじ め に︑ 西 暦 二〇
〇
〇 年 ま でに は 一〇
〇
〇 万人 の テ レ ワー カ ーを 創出 す る計 画 を立 案 し てい こ︒ テ ワレ クー は 生︑ 産 性 の向 上 や就 業 にお け る弾 力 性 の確 保 交︑ 通渋 滞 の緩 和 や エネ ルギ ー消 費 の節 約 に効 果を 発揮 す ると とも に︑ 社 会 的 な接 触 機 会 の減 少 や労 働 法 な らび に社 会 保障 法 への 影響 も 無視 し え な い こと から
︑ そう
し た新 し い問 題 への 適 切 な対 応 を お こな わ な けれ ば な ら な い︑ と こ の文 書 提は 言 し て るい
︒ 本 稿 は 近︑ 年 各 国 で関 心 の高 ま りを みせ る テ ワレ ーク に つい て︑ イギ リ スを 対 象に そ の場 藝資 ち の調 査報 告吾 そに っ イギ リス にお ける テレ ワー ク 一五 五
法経研究四四巻三号2九九五年
︶ 一五六 て特徴づけたうえ︑いくつかの論点にそって検討することを目的にする︒ イギリスをとりあげる以上︑この国におけるテレワークの国際的な位置について簡単にでも述べておくべきであろう︒ テレワークは︑アングロサクソン系の国々でもっとも発達している︒他方︑ラテン系の国々は︑後塵を拝している︒ この評価は︑どの論者にもほぼ共通する︒アングロサクソン系の国々では︑より独立して仕事をする傾向が強い︒これ とは反対に︑一7アン系の国々では︑同僚との会話を大切にしながら仕事をこなす特徴をもつ︒これが︑テレワークの両 者におけるちがいを生んでいる︒テレワーカーの規模比較の結果も︑右の評価をうらづける︒さらに︑アングロサクソ ン系の国々のなかではアメリカでもっとも発展している︒これにイギリスが続く︒アメリカがョーロッパの国々の前方 に位置し︑ヨーロッパのなかではイギリスが先頭を走り︑フランス︑スペインそれにドイツの国々がこれに続いている︒ 以下では︑アメリカに次いで世界第二の地位にある国のテレワークについて取り上げる︒ 一 テレワークの現状01雇用省委託九二年調査︱
この調査は︑テレワーカーを以下の五つの要件を満たす者と定義している︒すなわち︑第一に︑調査に先立つ四週間 に少なくとも一〇日もしくはこれに等しい労働時間を当該の雇主のために働いたこと︑第二に︑この就業日もしくは労 働時間の少なくとも五〇%を在宅で用いたこと︑第二に︑従業員としての地位をもつかどうかにかかわりなく︑一雇主と 直接の契約を結んでいたこと︑第四に︑彼もしくは彼女の就業にあたって電気通信装置とコンピューター装置の双方を 用いたこと︑最後に︑この技術を用いることなしには遠隔操作で仕事をすることができなかったこと︑これらである︒ 調査対象の雇主一︑○〇二人中五八人︵五・八%︶が︑テレワーカーを用いている︒テレワークを用いる業種の分布
は 不︑ 均 等 あで る︒ 金 融 お よび 対 事 業所 サー ビ ス︑ 商 業 お よび ホ テ ル
・レ スト ラ なン ど 業の 種 で高 い︒ テ レ ワー クを 用 るい 雇 主 の 一九
〇・
% が
︑ これ ら 業の 種 に属 す る︒ 教 育
︵八
・六
%︶ や政 府 機関
︵六
・九
%
︶︑ マ ス コミ お よ び 出 版
︵六 o九
%
︶ など の業 種 でも 比︑ 較 的 に高 い比 率 あで る︒ 他方
︑ テ レ ワー クを 用 いる 雇 主 は︑ 化 学 と金 属 の業 種 まに っ くた いな い︒ 地域 的 には
︑ イア ル ラ ンド を 除 くす べ ての 地域 に分 す布 る︒ ここ にも 地 域的 な 不均 等 を み る こと が きで る︒ テ レ ワー クを 用 いる 雇主 は︑ ロン ド ン
︵二 四
・ 一%
︶ ︑ ロン
ド をン 除 く サウ スイ ー スト
︵三 二 o四
%
︶ ︑ ノー スウ エス ト
︵一
〇
・ 三%
︶ ︑ イー スト ア ング リ ア
︵一
〇
・三
%
︶な ど に集 中す る傾 向 示を し てい る︒ これ は︑ さき の業 種 別 の分 布 にか か わ る す︒ な わ ち︑ たと えば ロン ド にン 金は 融 や対 事 業 所 サ ービ スな ど の事 業所 の集 中 を みる こと が でき る︒ 政府 機 関 や マ ス コミ 出︑ 版 業 の ロン ド ン ヘの 集 中 もし かり であ る︒ テ レ ワー クは 概︑ し 大て 都 市 より も 地方 の農 村地 帯 多に く見 れら ると いう 議論 を くよ 耳 すに る︒ かし し︑ す でに 紹介 し た地 域 的 な集 積 の動 向 は
︑ こ の主 張 を支 持 しな い︒ 企 業 規模 別 には
︑ 一九 人 以 下規 模 企業 と 一〇
〇〇 以上 規模 業企 と に 二極 化 し て いる
︒ テレ ワー クを 用い る雇 主 は︑ 一︱ 一九 人 規模 企業 六︵四
・六
%
︶ ︑ 一〇
〇
〇人 以 上規 模企 業
︵二 五 o九
%
︶ ︑ 二〇
〇︱ 四九 九人 規模 業企 一︵ 五
・五
%︶ な ど の順 に多 い
︵他 に五
〇
〇︱ 九 九 九人 八 o六
% 一一〇
︱ 九四 人 一︑
〇〇
︱ 九一 九 人 いず れも 一・ 七
%︶ ︒ テ レ ワー クを 職 種 別 にみ ると 業︑ 種 別 地︑ 域 別 の広 い分 布 まと たっ く同 よじ う に多 様 な分 布 を 示す 参︒ 考 ま でに 緒一 に お こな われ た家 内労 働 者 職の 種 別構 成と 対 比 し 示て す と 表︑ 1 のと お り であ る︒ みら れ るよ う に秘 書
・事 務 と コン サ タル トン を 筆 頭 に︑ ーデ タ入 力 oタ イプ
︑ コン
ピ ーュ タ ー専 門 技術 教︑ 育 訓練 販︑ 売
・マ ーケ テ ィ ング 調︑ 査 研究 な ど の職 種 が続 く 家︒ 内労 働 の職 種 と かな り重 な りあ う も︒ と より 三 つの 職 種 す︑ な わち デザ イ ン︑ 執筆
・寄 稿 それ に コン ピ ーュ タ ー専 門 技術 は︑ テ ワレ ーク の独 占 す ると ころ あで り︑ 家内 労働 を確 す認 る こと が きで な い︒ かし し︑ 他 の八 つ イギ リス にお ける テレ ワー ク 一五 七
表
1
テレワーカーと家内労働者の職種別構成雌 テレワーカー 家内労働者
データ入力,タ イプ
1〕2,iヨヨ「
, 勤
デザイ ン
1,11:ヨ≧, 罐ittli言:
販売,マーケティング
コンピューター専門技術 冨理
教育
,訓
練金融サービス
,会
計コンサルタント 調査研究
メインティナ ンス 畔
検査 簿記
留守番電話取次 ぎ 法律関係
他
9。8
16.4 3.3
4。9
8.2 9.8 6.6
9。8
6.6 16.4 8.2
1.4 9.9
9。9
4.2
4。2
2.8 1.4
2.8 1.4
8.5 1.4
5.6 4.2 1.4
40。
9計
100.0 100.0
[資料
]Ursula Huws,Teloworking in Britain,a report to
夭 the Employment Department, Employment Department,Research Series N。 18,October 1993,p.7.
法経研究四四巻三号︵一九九五年︶
の職 種 は︑ 家 内 労 働 と の共 存 であ る︒ こ 事の 実 は︑ 伝統 的な 家 内 労働 と テレ ワー クと にあ 種る の つな が り のあ る こと を 連想 さ せ る︒ す な わ ち
︑ テ ワレ ー クは
︑ 当初 家 内労 働と し てお こな われ てい たも のが 高︑ 度 な情 報 通信 技術 の発 展 に支 え れら て転 化 し てき た ので なは いか と︑ 考 えら れ る︒ これ は︑ す でに 生 じ て いる 事態 あで ると とも に︑ 今後 も 新︑ し い 技 術 の導 入 に支 え られ てさ ら に発 展す るよ う に考 えら れ る︒ テ ワレ ーカ ー の性 別 構成 は︑ 二対 一 ︒の 比 率 女で 性 に多 い︒ し か し︑ これ を 職種 別 にみ ると かな り 変の 化 を 示す 表︒ 2 に示 さ れ ると お り であ る︒ デ ター 入力
・タ イプ 秘︑ 書 事・ 務
︑ 調査 研究 のよ うな テ レ ワー カ ー の多 職い 種 は︑ とほ んど 女 性 独の 占 す る と ころ であ る︒ 他方 管︑ 理︑ 翻訳
︑ デザ イ ン︑ 教 育 訓練 など 職の 種 は︑ 両性 に等 くし 担 われ る︒ メイ
ン テ ナィ スン は︑ 男 性 独の 占 す ると ころ であ り
︑ 工学 検︑ 査 金︑ 融 サー ビ スな ど の職 種 に は︑ 女 性 よ り男 性 が多 い︒ テ レ ーワ カ ー の職 業 上 の地 位構 成 は 表︑ 3 との おり であ る︒ 六
〇 少% し の テ ワレ ーカ ーは
︑ 正規 の従 業員 や臨 時 的 な 従 員業 から な 内る 部 の労 働 力 であ る︒ 他 のお よ そ四
〇% のテ レ ワー カ ーは 下︑ 請 け従 業 員 や自 営 業者 など の外 部 化 さ れ 労た 働 力 であ る︒
イ ギ リ ス に お け る テ レ ワ ー ク
九
実
数 (人) 牌
(品 %)
男 性
(A)
女 性 (B)
データ入力,タイプ
鴎 ,難
デザイ ン
執筆
,寄
稿販売,マーケティング
コンピューター専門技術 叡
メイ ンティナンス エ学
検査
教育
,訓
練金融サービス
,会
計コンサルタント 調査研究
カウンセリング,ソーシャルヮーク
翻訳 法律関係 保健等幹部職員
7 22 6 120 4 33 37 77 4 27 39 91 43 20 0 301 0 4
181 340 6 58 18 52 46 0
1
9 35 17 74 397 4 301 2 0
96.3
93。
9 50.0 48.3 81.8 61.2 55.40.0
20.0 25.0 47.315.7
63.395。
2100.0
50.0100.0 0,0
計 835
1,541
64.9表
2
テレワーカーの職種別性別構成法経研究四四巻三号︵一九九五年︶
六
[資料
]前
表に同 じ。p.23.
就業上の地位 比率
(%)
期間の定めのない契約の従業員臨時的な従業員 下請け従業員 自営業者
独†不業の管理者 独立茶業の社員
派遣契約の社員 (retainer)
3 5 9 9 3 7 1 9 5 2
lm型
1.9
4。
7 0.9
39。311)
計 100.0
表
3
テレワーカーの就業上の地位構成イ ギ リ ス に お け る テ レ ワ ー ク
[資料
]前
表に同 じ。p.23.
[注 ](1)この小計は、引用者による。
平週 均 労働 時 間 は 職︑ 種 別 にじ つに 多様 であ る︒ 週 平均 労 働時 間 は︑ ーデ 入タ 力 秘︑ 書 や事 務
︑ デザ イ やン 翻 訳 など の職 種 をと ると 三︑
〇 時間 に満 たな い︒ 調査 研究
︑ ソー シ ルャ ワー クは
︑ ち うょ 週ど 三
〇時 間 であ る︒ 検 査 や法 律関 係 の職 種 は︑ 週平 均 三 五時 間 あで る︒ メイ テン ナイ スン や金 融 サー ビ スは
︑ 同 くじ 四〇 時間 前 後 であ る︒ これ ら 職の 種と ちは が っ ては るか に長 い時 間 の職 種も あ る︒ 管 理五 三時 間
︑ 販売 oマ ーケ テ ィ ング 執︑ 筆
・寄 稿 それ に コン サ ル タ トン では いず れ 六も
〇時 間を 超す
︒ これ ら の職 種 のテ ワレ ーカ ーは 全︑ 体 のな か では 比較 的 数 少も な いも の の︑ 時 間 極の 端 まな での 長 さか 全ら 種職 平の 均 週労 働 時 間 四四 時 間を 上方 にお 上し げ る働 きを し て いる
︒ テ ワレ ー クは
︑ 週 三〇 時 間 満に た な い パ ート タ イ ム就 業を 典 型 すに とる しば しば 言わ れ てき た︒ 右 の 調査 結果 は︑ そう し た常 識 に疑 間を 呈 し てい る︒ い く つか の職 種 す︑ なわ ち概 し て熟 練 の水 準 が く低 女 一六一