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ガンマ帯域フリッカー刺激が記憶成績に与える影響の検討

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Academic year: 2021

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平成28年度 学士学位論文梗概 高知工科大学 情報学群

ガンマ帯域フリッカー刺激が記憶成績に与える影響の検討

1170286

今西裕貴 【 認知神経科学研究室 】

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はじめに

ガンマ帯域(40–70Hz)の脳活動は記憶機能に重要な 役割を果たすと考えられる[1].記憶障害を引き起こす アルツハイマー病の患者では,ガンマ帯域の脳活動が低 下することが知られている.Iaccarinoらが行ったアル ツハイマー病のモデルマウスに対する実験で,脳にガン マ帯域の刺激を与えるとアルツハイマー病の原因物質 と考えられるアミロイドβタンパク質が減少すること が確認された.この研究ではマウスにガンマ帯域の光の 点滅を見せるだけで脳にガンマ波を誘発することがで きると指摘されている[2].

本研究では上記の研究から,ヒト被験者がフリッカー 刺激を見ることでガンマ波が誘発されると記憶の記銘 成績が向上するという仮説を立て,記憶課題中にガンマ 帯域フリッカー刺激を与えたとき記憶能力に与える影響 を検討した.

2

実験方法

2.1 実験装置

刺激画像の提示及び課題の制御にはPresentation 使用した.実験は防音シールドルームで行い,17イン CRTモニターを使用した.被験者には57cm離れた 位置からモニターを見てもらい,視野角は8.7度として いる.

2.2 被験者

心身ともに健康な大学生11(男性8名,女性3名) に対して実験を行った.

2.3 手続き

2.3.1 記憶課題

1のようにモニターに表示し,被験者に顔画像と ひらがなのペアを72個記憶してもらう.72個のペアの うち36個は中心のグレーの四角形が50Hzフリッカー,

残りの36個は静止画になっている.50Hzフリッカーの 場合はRGB(64,64,64)(192,192,192)で切り替えるこ とで,フリッカーは融合し静止状態に知覚される.静止 画の場合はRGB(128,128,128)とすることでフリッカー 刺激と主観的に同一に知覚される.72個のペアはラン ダムに提示され,各ペア4秒間提示する.ひらがなの単 語は日常使われる3–5文字の名詞を提示した.

1 記憶課題中のモニター表示例

2.3.2 記憶テスト

記憶課題を行った20分後に記憶テストを行う.記憶 テストではモニターに顔画像1つとひらがなの単語2 を提示し,どちらの単語が提示されている顔画像とペア であるか判断してもらう.提示する刺激は,記憶課題で 被験者に提示した72ペアをランダムに提示する.

2.4 実験結果

初めに,図2のように被験者ごとのフリッカー刺激 の有無に対する正答率をグラフ化したところ,50Hz リッカーの場合の正答率の向上が見られた.次に,対応 のあるt検定を行い両側確率P=0.05として検定した

ところ,t値が2.5437となり有意差が見られた.また,

ウィルコクソンの符号付き順位検定を行い検定したと ころ,p-value0.04102となり有意差が見られた.実 験終了後,被験者にアンケートに回答してもらったとこ ろ,11人全ての被験者が記憶課題中中心の四角形の点 滅または色の違いに気が付かなかったと回答している.

2 フリッカー刺激の有無に対する被験者ご との正答率の違い

3

まとめ

今回の実験により,50Hzのフリッカー刺激が記憶成 績を向上させることが示唆された.今後,脳波やMEG 計測を行い,フリッカー刺激を見ることによって実際に ガンマ波が誘発されることの検証,異なる周波数で刺激 を行い,ガンマ波刺激の効果の特異性の検証の2点を 行いたい.

参考文献

[1] John, E. Lisman. & Ole, Jensen. The theta- gamma neural code. Neuron 77, 1002–1016 (2013).

[2] Hannah, F. Iaccarino. et al. Gamma frequency entrainment attenuates amyloid load and modifies microglia. Nature 540, 230–251 (2016).

参照

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