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論文審査の結果の要旨 氏名:中

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Academic year: 2021

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論文審査の結果の要旨

氏名:中 村 秀

専攻分野の名称:博士(医学)

論文題名:高齢者脳梗塞例の転帰予測に関する研究:脳萎縮を加味した新たな評価法

Study on outcome prediction of elderly patients with cerebral infarction

-new predictive method in consideration of influence of brain atrophy 審査委員:(主 査) 教授 木 下 浩 作

(副 査) 教授 阿 部 修 教授 長 尾 建 教授 山 本 隆 充

高齢者における広範囲脳梗塞は、若年者とは異なり特有の臨床経過をたどり、生命および機能予後には 脳萎縮の頭蓋内圧緩衝が影響するという報告が散見される。そこで広範囲な梗塞となりうる中大脳動脈

(MCA)領域の脳梗塞において、従来の ASPECTS DWI Score (ADS)

や研究者が提唱する梗塞面積の測定

方法およびその補正値が、生命・機能予後の予測因子になるかを検討したものである。

【対象と方法】60歳以上の

MCA

領域の脳梗塞患者(86例)で、発症から約

24

時間経過した

CT

上の低 吸収域となった部位を

ADS

および梗塞面積の測定を行い、生命・機能予後に寄与するかを検討した。研究 者が提唱する梗塞面積の測定方法とは、Picture Archiving and Communication Systems(面積測定ツー ル)を用いた計測(Area法; cm2)であり、発症から

2

週間後、6ヵ月後、1年後の生命予後、および

6

月後、

1

年後の

modified Rankin Scale (mRS)との関係を検討した。

また、脳萎縮の指標として

Evans index (EI)を用い、梗塞面積を EI

で除した補正値 (area/EI) ならびに

ADS

EI

を乗じた補正値 (ADS×EI) 用いて予後予測因子となりうるかを検討した。

【結果】

Receiver Operating Characteristic (ROC)

曲線より求めた

Area under the curve (AUC)

値によ る評価では、梗塞面積で評価する

Area

法が急性期死亡の予測として優れていた

(Area: AUC=0.916, ADS:AUC=0.857)。研究者が提唱した EI

および

inter-caudate distance (ICD)

による除算で補正するこ とにより

AUC

は更に高値となり、急性期予後予測には

EI

もしくは

ICD

による除算を用いた評価が優れ ている結果となった (AUC: Area / EI= 0.921, Area / ICD= 0.927

Area/EI

Area/ICD

に比べて検者間 誤差が少なく、急性期転帰予測として最も適していた。急性期における神経症状悪化の予測においても、

Area / EI

Areaに比べて優れていた (Areaの AUC

値, 95 %CI: 0.966-0.967, Area/EI

AUC

95 %CI:

0.970 -0.971, t

検定 p< 0.01)。一方、Areaおよび

Area/EI

のいずれが発症

6

ヵ月の慢性期の時点での機 能予後の予測に優れているかを

ROC

曲線および

AUC

値にて検討した結果、急性期の結果とは異なり

Area

法の方が優れている結果となった (Area

AUC

95 % CI: 0.910-0.921, Area/EI

AUC

値 95 %CI:

0.857-0.860, t

検定

p< 0.01)。

【結論】急性期生命予後は、梗塞面積を直接測定する

Area

法でより高い精度で予見ができ、脳萎縮に起 因する頭蓋内圧緩衝作用を反映する

EI, ICD

を用いることにより更に精度が向上した。

EI

は検者間での誤 差が少なく、研究者の提唱する

EI

での除算による補正

(Area/EI)

が優れている。これらの補正による計 算は、臨床で簡便に用いることができ、臨床経過の予測が難しい高齢者脳梗塞患者に対して有用な予後予 測法となることを明らかにした。

よって本論文は,博士(医学)の学位を授与されるに値するものと認められる。

以 上 平成26年2月19日

参照

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