論文審査の結果の要旨
氏名:岡 田 俊 次
専攻分野の名称:博士(医学)
論文題名:Impact of nutritional status in the era of FOLFOX/FIRI-based chemotherapy (栄養状態がFOLFOX/FOLFIRI療法の成果に与える影響)
審査委員:(主 査) 教授 石 井 敬 基
(副 査) 教授 相 澤 信 教授 武 井 正 美
教授 權 寧 博
根治切除不可能な進行結腸癌75例,直腸癌33例,計108例を対象にFOLFOX(フルオロウラシル,レボホ リナート,オキサリプラチン)/FORFIRI(フルオロウラシル,レボホリナート,イリノテカン)±分子標的治 療薬(ベバシズマブ,セツキシマブ)を用いた治療において,対象症例の栄養状態と有害事象発生および治療 効果との関連性を後ろ向きの検討した.
治療施行前の栄養状態の評価は血清アルブミン値を用いた.化学療法と栄養に関連するこれまでの報告か ら,栄養状態良好群を血清アルブミン値3.8g/dl以上,不良群を3.8g/dl未満として分類した.化学療法に関連 する有害事象の評価はCommon Terminology Criteria for Adverse Events (CTCAE) version 4.0を用いた. 治療開始2ヶ月及び6ヶ月後に有害事象の有無を評価し,それぞれの無増悪生存期間・全生存期間を検討し た.
治療開始2ヶ月後(多剤併用療法4サイクル終了)では良好群は不良群に比べ血液毒性が少ない傾向を 認め,非血液毒性は有意差をもって少なかった.治療開始6ヶ月では良好群は不良群に比べ血液毒性・非血液 毒性ともに有意に少なかった. 2ヶ月後の栄養良好群は6ヶ月後も血液毒性・非血液毒性ともに有害事象の 発生は少なかった.対象症例の経過観察期間(中央値 36 ケ月)における無増悪生存期間および全生存期間 は良好群が不良群に比べ有意に良好であった.
以上の結果より多剤併用療法における栄養評価の重要性を確認するとともに,治療開始2ヶ月後の栄養評 価の重要性を導き出し,多剤併用療法おける栄養状態維持・向上の必要性を示した.
よって本論文は、博士(医学)の学位を授与されるのに値するものと認める。
以 上 令和 1年 11月 27日