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研究課題:「治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌患者に対する CapeOx間欠投与+ベバシズマブ(BV)療法多施設共同第Ⅱ相臨床試験‐VOICE試験‐」に関する計画書

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Academic year: 2021

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(1)

KRAS 野生型切除可能大腸癌肝転移に対する

術後補助化学療法 mFOLFOX6 と

周術期化学療法 mFOLFOX6+セツキシマブの

第 III 相ランダム化比較試験―EXPERT 試験

実施計画書

研究代表者

東京大学大学院医学系研究科 肝胆膵外科学・人工臓器移植外科学分野

國土典宏

副研究代表者

東京医科歯科大学大学院 腫瘍外科学分野

杉原健一

研究実施責任者

埼玉医科大学総合医療センター 消化管・一般外科

馬場裕之

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【背景】

<疫学> 我が国での大腸癌罹患率は近年増加傾向にあり,男女共に2番目に罹患率の高い癌腫である.2003年の罹 患数は99,770人,罹患率は78.2人/人口10万人対,2007年の死亡数は42,172人であった.最近の累積罹患率 の国際比較では結腸癌,直腸癌ともに日本人は欧米白人と同程度に高いと報告されている. <臨床病理> 大腸癌の病理組織学的分類として,大腸癌研究会の「大腸癌取扱い規約」が用いられている.病理組織 学的には90%以上が腺癌であり,(腺)扁平上皮癌,未分化癌などはまれにみられる組織型である.原発 巣の組織型が予後を反映し,高・中分化腺癌とそれ以外(低分化腺癌,粘液癌,印環細胞癌)の2群にお いて再発率もしくは予後に差があることが報告されている. <病期別の治療>

大腸癌は,進行度によりStage 0-Ⅳに分類される.Stage 0‐Ⅲには内視鏡治療,手術治療が施行され,Stage Ⅳには遠隔転移巣切除,原発巣切除の可否により手術療法,化学療法が施行される.大腸癌における各 Stageの5年生存率は,Stage 0:94.8,92.9%,StageⅠ:90.6,89.3%,StageⅡ:83.6,76.4%,Stage Ⅲa/b: 62.1/76.1%,47.1/64.7%,StageⅣ:14.3,11.1%である.尚,大腸癌では,肝転移が約50-75%に発生する. 肝切除例の3年生存率は52.8%,5年生存率は39.2%と報告されている.

<対象集団選択の根拠>

切除不能大腸癌では,化学療法を実施しない場合,median survival time (MST)は約8ヵ月と報告されて いるが5,化学療法の進歩によりMSTが約2年との報告もある1).しかし,現状では治癒を望むことは難 しい. また,大腸癌では肝転移が高頻度に発現し未だ予後は不良である.国内のガイドラインでは,切 除可能と判断されれば標準治療として外科的切除が適応されている.しかし,肝転移切除後に再発が多 く認められているのが現状であり,肝転移を有する大腸癌患者に対して,治癒向上を目指す治療法の確 立が必要であると考える.後述の「現在の標準治療」に記載したように,欧米ではEORTC40983試験による 術前術後(周術期)化学療法のエビデンスが広く受け入れられている.一方,本邦においては切除可能 肝転移症例には初期治療として手術が適応されているが,一般臨床では明確なエビデンスがないまま術 前術後(周術期)化学療法が行われている.このような現状において,切除可能肝転移症例に対して, 肝切除に化学療法を加えることで再発率を低下させ予後の向上を目指すことが期待できるため,本試験 の対象とした.尚,異時性肝転移のうち肝転移個数が1個の場合,5年生存率68%,5年DFS48%(東大・ 癌研データ)であり,予後良好と考えられるため本試験の対象からは除外することとした.また,肝転 移個数が増加するにつれ,予後が不良となる点や(4~7個:5年DFS12%,8個以上:5年DFS1.6%),臨 床的に切除可能と判断される個数の上限を考慮し,肝転移個数が9個以上の場合は除外することとした. 切除不能大腸癌に対し,FOLFOX(オキサリプラチン+持続静注5-FU),CapeOX(オキサリプラチン+ カペシタビン),FOLFIRI(イリノテカン+持続静注5-FU)療法が標準的な化学療法として広く使用され, そこにベバシズマブ(抗VEGF(Vascular Endothelial Growth Factor)抗体),セツキシマブ(抗EGFR(Epidermal Growth Factor Receptor)抗体),パニツムマブ(抗EGFR抗体)などの分子標的薬が導入された.近年,セ

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ツキシマブなどの抗EGFR抗体治療薬では,EGFRの下流に存在するKRAS蛋白遺伝子変異例において効果 がないとされており,国内に於いてもKRAS検査が2010年4月より保険償還され,抗EGFR抗体治療薬使用 前にKRAS遺伝子変異がないことを確認している.このため本試験ではKRAS遺伝子に変異がない野生型 の症例を対象とする. <現在の標準治療> 大腸癌肝転移症例において長期生存と治癒が期待できる治療方法は外科的切除であり,わが国において は切除可能肝転移症例には初期治療として手術が適応されている.しかし,切除後に再発が多く認めら れているのが現状であり,国内の報告で,肝切除後の残肝再発が87%に,肝外再発が40%に認められてい る.海外の報告でも,肝切除後に80%(111/138人)で再発を認め,残肝再発29%,肝外再発9%,残肝及 び肝外再発43%と高頻度に再発することが報告されている.したがって,わが国でもStage II/III術後補助 化学療法のエビデンスを外挿し,肝切除後補助化学療法 (FOLFOX療法または5-FU単独療法)を行うこ とが多い.以上から,対象に対する標準治療は確立していないことが現状であり,実臨床ではコミュニ ティースタンダードとして,手術療法と術後補助化学療法(FOLFOX)が実施されている.このような現 状の中で,わが国の実臨床では,肝転移切除後の再発予防を期待し,肝切除に加え術後に化学療法を併 用する治療が実施されており,また,再発予防を目的としたFOLFOX療法の術後補助化学療法(FOLFOX, 12サイクル)の有用性を検討する試験が実施中である.この現状を踏まえ,本試験では肝切除+術後化 学療法(mFOLFOX6,12サイクル)をアクティブコントロールとして対照群とする. 欧州では,切除不能肝転移症例に化学療法を初期治療として導入し,十分なレスポンスを認め切除可能 となった症例に手術療法を積極的に行うことで予後改善の可能性を指摘している.その後,欧州を中心 に切除可能な肝転移を有する大腸癌を対象とした検討を行っており,術前及び術後にFOLFOX4療法をそ れぞれ6サイクル施行する群と手術単独群との比較試験(EORTC40983試験)が実施され,化学療法群, 切除単独群の治癒切除症例の3年無増悪生存はそれぞれ42.4%,33.4%(HR=0.73,p=0.025)であった.こ の報告により,手術単独に比べ術前及び術後に化学療法を実施することで予後の改善が示唆され,切除 可能な肝転移症例に対しても術前術後(周術期)化学療法のエビデンスが受け入れられている.尚,こ の報告では,術前化学療法に比べ術後化学療法では有害事象が増加している傾向があり(好中球減少: 術前18%,術後35%,末梢神経障害:術前2%,術後10%),また,術後化学療法ではdose intensityが低下 する問題点(6サイクル完遂率:術前78.6%,術後43.9%)も指摘されている. また,前述のEORTC40983を基に,術前術後のFOLFOXに分子標的薬を上乗せする試験がヨーロッパで実 施されており,セツキシマブの上乗せを検証したNew EPOC試験,ベバシズマブ及びパニツムマブの上乗 せを検証したEORTC40091試験が進行中である. さらに,米国NCCNガイドライン2012年第1版では,同時性の切除可能肝転移症例に対し,1.原発巣・転 移巣を同時切除 2.術前化学療法(2-3ヵ月)後に原発巣・転移巣を同時または段階的に切除,3.原発巣 切除後に化学療法(2-3ヵ月)を施行し肝切除が,また,異時性症例に対しては,1.切除後に術後化学療 法(2-3ヵ月) 2.術前化学療法(2-3ヵ月)後に切除が推奨されており,欧州と同様に術前術後(周術期) 化学療法が推奨されている.尚,本改訂からFOLFOX+セツキシマブのレジメンが削除されている.しか し,切除可能肝転移に対してのFOLFOX+セツキシマブの臨床試験の結果はまだ出ていない点,また,今 回の削除の理由となったNORDIC VII試験はFLOXレジメンであった点,COIN試験では5-FUをベースとし

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たレジメン及び肝限局転移症例に対してセツキシマブの上乗せが見られている点などから,NCCNガイド ラインの改訂が本研究に与える影響はないと考える. また,国内と海外の肝転移切除率を比較すると,欧米では20~25%であるのに対して,日本では40~50% と切除率が高いことが報告されている.これは,日本と欧米の術式の違いや「切除可能」の定義の違い, また大腸癌術後のサーベイランスの違いなどが影響していると考えられる.従って,わが国の診断・治 療に基づいて,切除可能肝転移に対しどのような治療が最も適しているかを確認する必要があると考え る. <試験治療の根拠> 前述したように肝転移を有する大腸癌は肝切除により予後の改善が見られるものの再発症例が多く見ら れている.肝切除後の再発予防のためには手術に全身化学療法を追加することでより高い効果が期待で きるため,本試験では,再発率の改善による生存期間の延長を期待して術前術後化学療法を採用した. また,術前に化学療法を施行することにより,切除部位の縮小,微小転移巣に対する治療効果なども期 待できると考える. 肝転移症例を対象とした化学療法は,オキサリプラチンやイリノテカンベースのレジメンがこれまでに 検証されており,高い奏効率と切除率が報告されている.現在のところFOLFOX,FOLFIRIのどちらのレ ジメンが肝転移症例に対してより有効であるかは明確になっていないが,FOLFIRI(1次治療)→FOLFOX6 (2次治療)とFOLFOX6→FOLFIRIを比較した試験(V308試験)で,初回にFOLFOX,FOLFIRIを投与し た各群のR0切除率は,FOLFOX:13%,FOLFIRI:7%であり,初回にFOLFOXを投与した群で良好であっ たことが報告されている.一方,化学療法による肝障害には注意が必要であり,重度の肝障害による術 後合併症が懸念されている.オキサリプラチンによる類洞拡張(ブルーリバー)やイリノテカンによる 脂肪性肝炎(イエローリバー)が報告されており,脂肪性肝炎例では非合併例に比べ,術後短期死亡率 が高くなるという報告がある(脂肪性肝炎例:14.7%,非合併例:1.6%).オキサリプラチンによる類洞 拡張は長期間投与することで増加するが,本試験のように投与期間が3ヵ月程度であれば,肝臓への影響 は少ないと考える. 分子標的薬セツキシマブはEGFRを標的としたIgG1マウス-ヒトキメラ化モノクローナル抗体であり, EGFR陽性,KRAS野生型の切除不能大腸癌症例に対し,セツキシマブをFOLFOXやFOLFIRIなどの従来の 化学療法と併用することにより,奏効率の向上,PFSの延長,OSの延長が報告されている2).また,切 除困難と判断された肝転移症例に対して,まずセツキシマブを含む全身化学療法を実施することで,切 除率の向上が認められたとの報告がある(conversion therapy)1), 3).これは,セツキシマブを上乗せする ことによる,奏効率の有意な増大に起因する1),2) .海外では,切除可能肝転移症例に対しベバシズマブ を使用することもあるが,化学療法にベバシズマブを併用した際の奏効率は有意な上乗せ効果が得られ たとのサブ解析もあるものの,上乗せ効果が得られないとの報告もあるため,KRAS野生型症例の場合に はセツキシマブの使用を推奨する意見もある. また,イリノテカンベースの化学療法にセツキシマブを併用した群とオキサリプラチンベースの化学療 法にセツキシマブを併用した群を直接比較した試験の結果より,オキサリプラチンベースにセツキシマ ブを併用した方が,奏効率が高い傾向がある. 以上のことからレジメンとしては,肝転移例への奏効率が高く術死のリスクの少ないオキサリプラチン

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ベースの化学療法に,奏効率の上乗せが大きいセツキシマブを併用するレジメンが最も効果の期待でき る治療と判断した. 尚,本デザインは,消化器外科医,肝臓外科医,腫瘍内科医で何度も議論を重ねたうえで決定をしてい る.理想的には,手術単独群(本邦の標準治療),術後化学療法群(一般臨床),周術期化学療法群(新 治療)の3群の比較試験であるが,このデザインでは1,000例規模の試験となることが予想される.しかし, 本試験の対象となる切除可能肝限局転移の患者数は非常に限られていることから,2群比較が現実的であ ると考えられる.また,過去の経験から手術単独群がある試験では登録が進まないことから,最終的に 術後化学療法と周術期化学療法の比較というデザインとした.また,周術期化学療法の比較(術前・術 後mFOLFOX6 vs 術前・術後mFOLFOX6+セツキシマブ)というデザインも議論されたが,国内では,術 前・術後mFOLFOX6がほとんど実施されていないことから,本邦における試験でのコントロールとして は相応しくないとの判断をし,一般臨床で実施されている術後化学療法をコミュニティースタンダード として,アクティブコントロールとした. 以上のことから,本試験では,肝切除+術後化学療法(mFOLFOX6,12サイクル)をアクティブコント ロールとして対象群とし,肝切除+周術期化学療法群(術前・術後mFOLFOX6+セツキシマブ,各6サイ クル)を試験群としている. 【試験の目的】 切除可能肝転移を有する大腸癌患者を対象として,手術(肝切除)及び周術期化学療法(mFOLFOX6+ セツキシマブ)の有効性と安全性を,手術(肝切除)及び術後化学療法(mFOLFOX6)との第III相ラン ダム化比較試験にて検証する. 【試験デザイン】 (1)対象 埼玉医科大学総合医療センター消化管・一般外科で,組織学的に大腸癌(腺癌)であることが確認され (但し,虫垂癌及び肛門管癌は除く)で,尚且つ同時性又は異時性の切除可能肝転移を有する症例. 原発巣と肝転移巣を有する場合は,原発巣および肝転移巣が一期的に切除可能と判断される症例 (原発巣と肝転移巣の切除が二期的になる場合は,原発巣を切除した後に症例登録を行うこと) 肝転移巣のみを有する場合は,肝転移巣が一期的に切除可能と判断される症例 (計画的な二期的 肝切除は許容しない)  EGFR陽性症例  KRAS遺伝子野生型症例  同意取得時の年齢が20歳以上の症例

 ECOG Performance Status(PS):0-1の症例

 肝臓に少なくとも1つ以上の局所療法(RFA,凍結療法)を受けていない測定可能病変を有する症 例(RECIST Ver.1.1)

 大腸癌に対する前治療として化学療法を行っていない症例. 但し,下記の条件を全て満たす症 例は化学療法未治療症例として適格とする.

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 抗EGFR抗体薬の投与歴のない症例  主要臓器機能が保持されている症例  好中球1,500/mm3以上  血小板100,000/mm3以上  総ビリルビン1.5mg/dL以下  血清クレアチニン1.2mg/dL以下  AST 100IU/L以下  ALT 100IU/L以下  3ヵ月以上の生存が見込まれる症例  本試験内容について十分な説明を受け本人の文書による同意が得られている症例 詳細な適格基準および除外基準は実施計画書(以下,計画書)(添付資料③)参照. (2)登録 症例登録はデータセンターにおける中央登録制とする.データセンターは臨床研究情報センター内にお く. 1) 症例登録は以下の手順で行う.施設・ユーザー登録完了後,試験責任医師又は試験分担医師は,被 験者本人から文書による同意を取得後,適格性を判断するために必要な検査を実施する. 2) 試験責任医師又は試験分担医師は指定された URL にアクセスし,WEB サイト上で症例登録に必要 な情報を入力する.適格性判定及び割付の結果を画面上で確認し,適格と判定された場合,割付結果に 従ってプロトコル治療を開始する.入力方法に関して質問がある場合は,データセンターに問い合わせ る. 3) 試験責任医師又は試験分担医師は WEB サイト上に表示された「症例登録票」と「症例登録確認書」 を印刷して,必ずカルテ等に保管する. 4) 各実施医療機関で「Appendix 4 匿名化番号対照表」を作成し,患者の取り違えがないようにすると ともに,各実施医療機関の試験責任医師もしくはそれに代わる者が,適切に匿名化番号対照表の保管・ 管理を行う. 当院での管理は,匿名化番号対照表(添付資料④)を用い,匿名化を行う.匿名化は本研究に直接関与 しない芳賀准教授が行い,データマネージャーの資格を有する医局秘書(小山覚巳)が管理を行う.適格性, 症例番号が試験担当医宛 FAX で返信される.これらの番号は各種記録用紙に記入し,関係書類は保管し ておく.匿名化された個人情報の管理は,病理部田丸淳一教授のもとで厳重に管理保管される. (3)方法 各被験者に対して,A 群あるいは B 群のいずれかの治療法をランダムに割り付ける.ランダム化の方法 は最小化法を用い,割付調整因子は,以下の因子とする. ① 同時性原発あり/同時性原発なし/異時性 ② 転移個数:1-4 個/5-8 個 ③ 前治療でのオキサリプラチン治療あり/なし

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④ 施設 A 群:手術(肝切除)及び術後化学療法 手術施行後に術後化学療法(mFOLFOX6)を 12 コース実施する. B 群:手術(肝切除)及び周術期化学療法 術前化学療法(mFOLFOX6+セツキシマブ)を 6 コース実施後,手術を施行する. その後,術後化学療法(mFOLFOX6+セツキシマブ)を 6 コース実施する. プロトコルの定義 A 群(術後化学療法群) 手術及び術後化学療法 B 群(周術期化学療法群) 術前化学療法,手術及び術後化学療法 症例登録後,A 群:4 週以内,B 群:2 週以内にプロトコル治療を開始する. プロトコル治療は,手術と薬物療法からなるため,以下のように定義する. 尚,各群のプロトコル治療は,「プロトコル治療(手術)」と「プロトコル治療(薬物療法)」を合わせた 治療とする. プロトコル治療(手術) プロトコル治療(薬物療法) A 群 手術(肝切除) mFOLFOX6 B 群 手術(肝切除) mFOLFOX6+セツキシマブ プロトコル治療の期間の定義 A群,B群共にプロトコル治療終了後30日後または後治療開始日のどちらか早い方をプロトコル完遂とす る. (4)症例数・試験期間 目標症例数(予定登録数):500 例(試験治療群 250 例,対照治療群 250 例) 症例登録期間:2 年間(倫理委員会承認後~2014 年 5 月 6 日) 追跡終了日:最終症例登録の 3 年後 埼玉医科大学総合医療センター消化管・一般外科では倫理委員会の承認後,10 例の集積・参加を予定し ている. (5)評価項目,データ収集・解析 主要評価項目:無増悪生存期間 副次評価項目:全生存期間,無病生存期間,安全性,術後合併症,R0 切除率,肝切除率,奏効率 中間評価 中間評価の目的及び実施時期と方法 B 群で 30 例目に登録された症例の手術予定日(最長の予定日)の時点で,術前術後化学療法及 び手術の安全性について中間評価を実施する.

(8)

中間評価時点で利用可能なデータを用いて以下の項目について,解析を行う. 術前化学療法実施中の有害事象 術前化学療法完遂率 術中合併症 術後合併症 術後化学療法実施中の有害事象 術後化学療法完遂率 中間評価の実施と結果報告 試験調整委員会は,統計担当者が作成した資料に基づき中間評価を行う. 研究代表者は,その結果を独立モニタリング委員会に報告し,審議を依頼する. (6)同意取得について 登録に先立って,対象者に対し説明者(研究実施責任者およびその他の消化管·一般外科の共同研究者) が書類を用い,外来あるいは病棟のプライバシーの保たれた場所で説明する.本研究の目的及び方法, 予想される利益と不利益,研究的側面の説明,個人情報の保護,本研究に同意しなくても不利益を受け ないこと,同意した場合でも随時撤回できることなどについて説明し,承諾を得た場合,本人より署名 を得る. (7)試験に参加しない場合の他の治療法について 現在,日本で大腸がん肝転移に対して広く一般的に行われている治療法は肝切除術ですが,肝臓の手術 の後に他の抗がん剤を使用したりする治療もある. しかしながら,大腸がん肝転移が根治的に切除された後の再発予防のための有効な治療法は,未だ確立 されていない.担当医師が被験者の要望を伺いながら,最善と考えられる治療を行う. (8)本研究によって生ずる個人への不利益及び危険性 計画書に記載された有害事象の発現が想定される.しかしながら,これは実地医療と同様の程度で起 こりうることであり,試験に参加したという理由で変わるものではない.逆に,計画書に記載されたと おり,減量,中止規準を設け,試験グループ内での徹底を行い,実地医療よりも頻回なモニターを行う ことにより,有害事象の発現リスクを下げること,有害事象の重篤化を防ぐことが可能であると考えら れる.

(9)

(9)研究実施体制 研究組織は,以下とする. <研究実施責任者> 埼玉医科大学総合医療センター 消化管・一般外科 講師 馬場裕之 <研究実施者> 埼玉医科大学総合医療センター 消化管・一般外科 教授 石田 秀行 埼玉医科大学総合医療センター 消化管・一般外科 講師 石橋敬一郎 埼玉医科大学総合医療センター 消化管・一般外科 講師 馬場 裕之 埼玉医科大学総合医療センター 消化管・一般外科 講師 熊谷 洋一 埼玉医科大学総合医療センター 消化管・一般外科 講師 隈元 謙介 埼玉医科大学総合医療センター 消化管・一般外科 助教 傍島 潤 埼玉医科大学総合医療センター 消化管・一般外科 助教 桑原 公亀 埼玉医科大学総合医療センター 消化管・一般外科 助教 石畝 亨 埼玉医科大学総合医療センター 消化管・一般外科 助教 松澤 岳晃 埼玉医科大学総合医療センター 消化管・一般外科 助教 天野 邦彦 埼玉医科大学総合医療センター 消化管・一般外科 助教 幡野 哲 埼玉医科大学総合医療センター 消化管・一般外科 助教 鈴木 興秀 <質問等の連絡先> 外科外来:049-228-3618 担当者:馬場裕之 (10)知的財産権に帰属 知的財産権は(財)先端医療復興財団 臨床研究情報センターに属す. (11)利益相反 本研究は(財)先端医療復興財団 臨床研究情報センターの研究資金を用いて実施するもので,金銭的な利 益やそれ以外の個人的利益のために専門的な判断を曲げるようなことはない.また企業との雇用関係な らび親族,師弟関係等の個人的な関係もなく,利益相反はない. 参考文献

1. Van Cutsem E. et al. Cetuximab Plus Irinotecan, Fluorouracil, and Leucovorin As First-Line Treatment for Metastatic Colorectal Cancer: Updated Analysis of Overall Survival According to Tumor KRAS and BRAF Mutation Status. J Clin Oncol 2011; 29: 2011-19.

2. Bokemeyer C. et al. Efficacy according to biomarker status of cetuximab plus FOLFOX-4 as first-line treatment for metastatic colorectal cancer: the OPUS study. Ann Oncol. 2011; 22: 1535-46.

3. Folprecht G, et al. Tumour response and secondary resectability of colorectal liver metastases following neoadjuvant chemotherapy with cetuximab: the CELIM randomised phase 2 trial. Lancet Oncol 2010; 11: 38-47.

参照

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