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第 9 回 消化管先進画像診断研究会 Gastrointestinal Advanced Imaging Academy: GAIA 日 会 程平成 28 年 9 月 11 日 ( 日 )9:00~16:00 場名古屋産業振興公社ナディアパーク 3 階デザインホール 当番世話人木島茂喜 ( 自治医科

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消化管先進画像診断研究会

Gastrointestinal Advanced Imaging Academy: GAIA

日   程

 平成 28 年 9 月 11 日(日)9:00~16:00

会   場

 名古屋産業振興公社 ナディアパーク 3階 デザインホール

当番世話人

 木島茂喜(自治医科大学 放射線科)

共   催

 消化管先進画像診断研究会

 堀井薬品工業株式会社 

第9 回

第9 回

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プログラム「大腸画像診断のさらなる発展を目指して」

モーニングセミナー 9:00 − 10:00 司会: 大腸肛門病センター高野病院 消化器内科 野崎良一 山陽病院 外科 池原貴志子  1)消化管領域の IVR  9:00 − 9:30 那須赤十字病院 放射線科 水沼仁孝  2)大腸カプセル内視鏡(PillCam COLON2)−新たなモダリティへの期待− 9:30 − 10:00 京都九条病院 消化器内科 光藤章二 開会挨拶 10:00 − 10:05 自治医科大学 放射線科 木島茂喜 第 1 部 一般演題 10:05 − 11:20     司会: 福島県立医科大学会津医療センター 放射線科 歌野健一 亀田メディカルセンター幕張 診療放射線部 藤原正則  1)大腸 CT における Dual Energy 撮影の活用法 刈谷豊田総合病院 放射線技術科 本多健太  2)CTCの外科的応用とその有意性 済生会松阪総合病院 医療技術部放射線課 鈴木 廷  3)平坦型病変に対する事前トレーニングは診断精度を向上させるか ? 市立砺波総合病院 放射線科 龍 泰治  4)コロンフォートの使用経験 松田病院 放射線部 岩月建磨  5)当院における大腸 CT 検査の現状 ~腸管拡張についての検討~  西美濃厚生病院 放射線科 今井信輔  6)当院における大腸 CT 検査の実際  関ケ原病院 放射線科 谷川貴廣       [休憩 11:20 − 11:30] 第 2 部 大腸 CT 検査ワークステーションを使った読影 11:30 − 12:40  司会: 川崎医科大学 食道・胃腸内科 松本啓志 長崎県上五島病院 放射線科 安田貴明  ※各社による WS 独自機能のプレゼンと経験豊富な診療放射線技師による読影の実際      株式会社 AZE      GE ヘルスケア・ジャパン株式会社      富士フイルムメディカル株式会社 [昼食・休憩 12:40 − 13:30] ※協賛会社による CM ビデオの上映

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第 3 部 教育講演 13:30 − 14:10     司会 : 自治医科大学 放射線科 木島茂喜    がん検診における FDG-PET の消化管腫瘍に対する診断精度~ PET 検診の有用性と限界  国立がん研究センター中央病院 検診センター 兼 内視鏡科 関口正宇 [休憩 14:10 − 14:20] 第 4 部 パネルディスカッション 「大腸 CT の前処置の標準化に向けて!」 14:20 − 15:55 司会 : 国立がん研究センター 社会と健康研究センター 検診開発研究部 永田浩一  北海道消化器科病院 放射線科 高林 健 1)MGP 高張法 みたき総合病院 放射線室 村田浩毅 2)PEG-C 法 / MGP 等張法 亀田総合病院 画像診断室 秋田裕介 3)低用量 PEG-CM 法 榊原サピアタワークリニック 放射線部 伊山 篤 4)MGP 準高張法 徳島健生病院 放射線科 岩野晃明 5)PEG 高張法 広島原爆障害対策協議会 健康管理・増進センター 放射線科 品川祐樹 閉会挨拶 15:55 − 16:00 国立がん研究センター 社会と健康研究センター 検診開発研究部 永田浩一

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モーニングセミナー

 9:00 − 10:00 司会: 大腸肛門病センター高野病院 消化器内科 野崎良一 山陽病院 外科 池原貴志子 1)消化管領域の IVR 那須赤十字病院 放射線科 水沼仁孝 消化管疾患に対する Interventional Radiology:IVR は血管系、非血管系と様々あるもの、日常的に接する 機会は比較的少ない。今回、私が施行してきた IVR 症例を紹介し、今後の診療にお役立て戴ければ、幸甚 である。 1.特発性食道破裂 初期症状は嘔吐直後の胸痛、腹痛、背部痛、呼吸困難であり、Boerhaave’s syndrome と呼ばれている。 特に飲酒後の嘔吐に引き続いて発症することが多く、破裂部は下部食道の左側壁に好発する。画像所見 としては縦隔気腫、胸水貯留、気胸などがあげられるがすべての所見が揃っているわけではない。胃内 容物が脱出すると縦隔、胸腔を汚染、重篤な感染を惹起する。開胸によるドレナージ効果の低下があり、 手術による救命率は高いものではない。胸腔ドレナージおよび食道内減圧のみにて治癒下症例を紹介する。 2.経皮的消化管瘻造設(図1) 高齢者医療のなかで胃瘻増設は一般的な手技になっているが 30 年以上も前より気比的消化管瘻造設が 行われている。今回、内視鏡下胃瘻増設が困難な残胃瘻造設を紹介する。 3.門脈系 IVR (ア)胃静脈瘤に対するバルーン閉塞下逆行性経静脈的閉塞術 BRTO と経皮経肝塞栓術 PTO を紹介する。 (イ)門脈狭窄・閉塞による門脈圧亢進症に対する経頸静脈的門脈形成術、経回腸静脈的門脈形成術や 空腸静脈瘤塞栓術を紹介する。 4.上腸間膜動脈血栓症に対する血栓除去術 直接的な吸引と血栓溶解の組み合わせで行う。全ての血栓を除去出来なくとも虚血範囲縮小により切除 範囲の縮小に貢献する。 5.術後上腸間膜動静脈瘻閉鎖術(図2) 末梢血流の同定目的に行ったバルーン閉塞下造影様カテーテルが抜去出来なくなり、その後、生じた血 栓により瘻が自然閉塞した症例を紹介する。 6.汎発性腹膜炎ドレナージ 全身状態不良や悪性腫瘍に起因する腹膜炎に対する開腹術は見送られることが多い。そのとき、両側横 隔膜下腔およびダグラス窩への経皮的ドレナージは全身状態の改善が得られるため、余命の延長を図る ことなどに有用である。 7.下血に対する IVR 脾動脈瘤破裂、直腸動静脈シャントに対する血管塞栓術、血管塞栓術を施行出来なかった小腸血管腫、 大腸憩室出血に対する治療的バリウム注腸法を紹介する。 図1 残胃瘻造設:経皮的に二つの金属アンカー にて残胃を胸壁に固定、その間を穿刺、拡 張してゆき、バルーンカテーテルを留置し て胃瘻を造設した。 図2 術後上腸間膜動静脈瘻:4 年半前に S 状結腸切 除を受けており、そのときに行われた回腸動静 脈の一括結紮が原因と考えられる術後上腸間膜 動静脈瘻。

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2)大腸カプセル内視鏡(PillCam COLON2)−新たなモダリティへの期待−

京都九条病院 消化器内科 光藤章二 2014 年 1 月保険収載された大腸カプセル内視鏡検査(Colon Capsule Endoscopy: CCE)には、羞恥や痛みへの 不安のため大腸検査を避けてきた人々から大きな関心が寄せられている。 現在、普及している RAPID8.0 ワークステーション(コヴィディエンジャパン社製)は小腸カプセルのみなら ず CCE も行うことが可能であり、これを保有していればいつでも CCE を導入することができる。しかし、検 査は少しずつ普及して来たとは言え、当初の予測ほど爆発的な広がりは見られないのが現状である。これには 厳しい保険適用の制限や煩雑な前処置・ブースター、排出率の問題、見逃しへの不安など様々な要因が関与し ている。これらはいずれも今後解決すべき重要な課題ではあるものの、逆に検査数の増加(経験数の増加)が 解決に導いてくれるという期待も持っている。 当院ではすでに CCE は日常の臨床現場で大腸スクリーニング検査法のひとつとして稼働している。CCE の最も 良い適応は全大腸検査が必要でありながら深部挿入が困難であった不完全検査症例で、大腸内視鏡で到達した 部位に達すればカプセル排出にこだわることなく検査を終了できる。そして、しばしば大腸内視鏡の未観察部 位に病変が発見され、CCE は大腸内視鏡の補完的ツールとしても重要な役割を果たしている。 当院では人間ドックでの検査も実施しており、全症例の 30%近くがドック症例であるのも当院の特徴である。 ドック受診者の多くはインターネット検索により CCE の存在を知って申し込んでおり、一般社会における関心 の高さがうかがえる。また、ドック受診者は比較的若い男性が多いため、検査時間は短く排出率も高い傾向に あることから忍容性は高い。 最近は前処置の負担などマイナス面が強調されるきらいもあるが、症例を重ねるに従い CCE が疾患の診断に大 きく寄与した症例を数多く経験するようになってきた。 ここではこれまでに行ってきた 70 症例の経験から、特に CCE が有用であった事例に焦点を当て、大腸スクリー ニングもしくは精密検査としての CCE の将来性について私見を述べたい。

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第 1 部 一般演題

 10:05 − 11:20 司会: 福島県立医科大学会津医療センター 放射線科 歌野健一 亀田メディカルセンター幕張 診療放射線部 藤原正則 1)大腸 CT における Dual Energy 撮影の活用法 医療法人豊田会 刈谷豊田総合病院 放射線技術科        本多健太 赤井亮太 中川達也 河野泰久 佐野幹夫 玉木 繁 大腸 CT では、Tagging 効果が適切でない場合 WS による Digital Cleansing(以下 DC)処理に影響を及ぼす。 しかし前処置方法や患者の腸管内状態により Tagging 効果を一定にすることは容易ではない。

Dual Energy 撮影は 40 ~ 140keV まで任意の実効エネルギーに設定した Monochromatic Imaging(以下 MI)の作成が可能である。今回 MI を使用した大腸 CT 解析について基礎的検討も含めながら報告する。 Tagging にはガストログラフインを使用し、水で希釈して CT 値を変化させた希釈溶液を数種類作成した。 まず MI の CT 値・SD を測定した。CT 値は通常撮影(120kV)の CT 値と比較して keV の設定により大 きく変動させることが可能であった。 SD は keV により特徴的な増減の傾向を示し、この傾向は撮影線量 や CT 値に依存しなかった。 続いて DC 処理の影響について検討した。MI でも通常撮影画像と同様に DC 処理が可能であり、処理が良 好な CT 値の範囲も同等であった。処理が良好な CT 値より低い場合処理は機能せず、逆に高い場合処理能 力の低下が認められた。この傾向は撮影線量に依存しなかった。 臨床画像について報告する。Tagging 効果が不十分な症例において keV の低い MI を使用することで処理 が可能となった。また Tagging 効果が十分過ぎる症例において keV の高い MI を使用することで、処理後 の腸管内腔の描出能が向上し腸管外のアーチファクトも抑制された。

Dual Energy を活用することで Tagging 効果を Retrospective に調整でき、解析処理精度を向上させるとと もに、ガストログラフインや腸管洗浄液飲用量の削減も期待できる。 2)CTCの外科的応用とその有意性 社会福祉法人恩賜財団 済生会松阪総合病院 医療技術部放射線課1) 外科2) 放射線科3)       鈴木 廷1) 近藤昭信2) 西出喜弥3) 【背  景】 2012 年の保険収載により大腸癌画像診断の一手段として、大腸CT検査(以後CTC)が多施設で運用さ れている。その運用目的は施設ごとに違いがあり、健診、診断、術前、術後等様々である。当院でも 2013 年4月より導入し、2016 年6月までに延べ 717 件の検査を行なってきた。 【目  的】 CTCの検査目的は様々であるが、当院に於ける大腸癌術前検査の一つである、造影CTC検査で作成され た血管3D構築画像が外科的手術に於いて、有用性が高いものであったので報告する。 【方  法】 造影CTC検査は、左側臥位にて炭酸ガスを注入し、第1体位である腹臥位を撮影する。腹臥位撮影後、第 2体位である仰臥位にて造影用ルートを確保し、炭酸ガスの再注入を行ない、CTC撮影と同時に動脈相撮 影(1相目)を行ない、その後、門脈相撮影(2相目)を行なう。その時の撮影範囲は、胸部から骨盤腔ま での撮影を行なう。 【結  果】 当院では、造影CTC検査は、大腸癌の外科的手術、術前検査として必須と言える検査であり、大腸と血管 像を重ね合わせした画像を作成することで、術式や切除範囲の決定、あるいは、支配血管の同定と走行等の 事前把握ができ、手術のシミュレーションに大いに役立ち、また、手術時間の短縮化に有意であった。また、 当院の撮影プロトコルでは動脈相を腹骨盤腔の撮影範囲で、門脈相を胸から骨盤腔の撮影範囲での2相撮影 する事によって、術前の転移検索も同時に実施している。 【結  語】 当院で行っている造影CTC検査は、大腸癌手術、手術前検査として有意性があり、且つ、手術に於いても 手術時間短縮が実現したことなど有意であると言える。

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3)平坦型病変に対する事前トレーニングは診断精度を向上させるか ? 市立砺波総合病院 放射線科1)、放射線技術科2) 龍 泰治1) 吉川 茜1) 澤木福光2) 懸高 宏2) 伊東佳奈子2) 長宗 輝2) 山下真紀子2) 金木春香2) 【背景と目的】 当院では大腸 CT 読影は二重読影にしているが、片方の読影者が見落としをした症例を検討したところ、平 坦型病変がほとんどであった。平坦型病変について読影者が慣れていないことが原因である可能性がある。 平坦型病変について事前トレーニングを行うことが読影成績を向上させるかどうかを検討することした。 【方   法】 見落とされた平坦型病変を 5 例ピックアップし、異常なし 7 例および隆起型病変 3 例を混ぜた症例セットを 作成した。事前トレーニングとして今回の検討で使用していない 2 例の平坦型病変をトレーニング症例とし て使用し、内視鏡所見でフィードバックした。読影者は事前トレーニングとは別に勉強会などで大腸 CT に ついて講習をうけたもの、もしくはすでに臨床例の読影をしている 7 名でおこなった。 【結   果】 平坦型病変の検出感度は 80% (60─100%)、特異度は 86% (64─100%)であった。平坦型病変で見落とされ た病変は 2 症例に集中していた。隆起型病変は検出感度 100% であった。 【考   察】 平坦型病変の存在を注意して読影することで比較的良好な読影成績となった。指摘の難しい症例については 読影者の間で情報を共有して院内の読影水準向上に努める必要があると考えられた。 4)コロンフォートの使用経験 特定医療法人社団 松愛会 松田病院 岩月建磨 我々は本年 6 月に販売開始された大腸 CT 用経口造影剤(コロンフォート内用懸濁液 25%)を導入した。 これまで(H28.7 末時点)にて 60 例コロンフォートにて大腸 CT を行ったので、臨床での現状を報告する。 当院は大腸 CT を開始した 2006 年から前処置は高張法を中心に行ってきた。これは、当院における大腸 CT の位置づけが、6mm 以上の治療対象となる病変検出が可能であれば良い。また高齢者などで高用量の 負荷が難しい方への大腸スクリーニング検査としており、大腸検査に対し難色を示す方々へ、大腸検査を受 け入れて頂くためでもあった。 今回のコロンフォート導入に関しては、特に医局などからの反対も無くスムースに導入できた。理由として は診療報酬対策が一番である。 今回の導入にあたり、前処置下剤の総内服量は変更せず、コロンフォートの臨床試験を参考に内服のスケ ジュールに変更を加えた。検査食などには一切の変更を加えなかった。 この前処置で検査を開始した当初は、残液は少ないが、CT 値の平均が R 629.4 HU、S 727.7 HU、D 641.3 HU、T 858.5 HU、A 928.2 HU、C 884.5 HU となり。1000HU を超えることもあり安定しなかった。そこで、 就寝前、起床後の水分摂取をしっかり指導することで、R 540.2 HU、S 520.8 HU、D 591.0 HU、T 714.7 HU、A 674.8 HU、C 684.8 HU と低下した。しかしながら、タギング性能の評価基準では7に相当する、タ ギング不良の2層タイプは 43.8%程度と目立っている。現時点では残液が少ない症例が多く、読影不能個所 は生じていないが、残液が多い場合にはタギング不良液に埋没した隆起性病変を見落とす可能性がある。今 後は 2 層タイプをいかに減らせるのかが鍵となると思われる。

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5)当院における大腸 CT 検査の現状 ~腸管拡張についての検討~ JA 岐阜厚生連 西美濃厚生病院 放射線科 今井信輔 当院は 2013 年 8 月に CT 装置の更新(80 列 MDCT)を機に大腸 CT 検査が行えるよう環境を整えた。 2016 年 7 月現在までに 99 例(CS 後病変部確認 26 例、CS 困難 6 例、術前検査 6 例、スクリーニング検査 61 例)を経験した。少ない検査数であるが当院における大腸 CT 検査の実際(前処置、腸管拡張法、読影) 及び腸管拡張についての検討を行ったので報告する。 当院の腸管拡張は炭酸ガス注入器の注入圧設定を BMI によって 20mmHg、25mmHg、30mmHg から選択し、 体位変換は左側臥位で送気開始→背臥位→右側臥位→背臥位撮影→右側臥位→腹臥位撮影で行っている。 しかし同様の手技にも関わらず、腸管の拡張度合は被検者ごとに様々であり、拡張不良となるケースも少 なくない。そこで過去の大腸 CT データから拡張良好であった症例と拡張不良となった症例について、注 入時の腸管内圧変動に関係性があるのか比較検討を行った。また体型と腸管拡張度合の関係について BMI に加え、腹囲、内臓脂肪を計測し検討を行った。 結果は BMI、腹囲ともに腸管拡張と中程度の相関が認められ、内臓脂肪とは弱い相関が認められた。 この結果により BMI と腹囲の双方またはいずれかが大きいほど腸管拡張が不良傾向となる事が示唆され た。現在は検査の直前に被検者の腹囲を計測し、腸管拡張不良が予想された場合は炭酸ガスの注入圧を高 く設定するなどの改良を試み、より良好な腸管拡張が得られる様になった。今後も、大腸 CT 検査の診断 精度向上のため良好な腸管拡張が得られる様に努めていきたい。 6)当院における大腸 CT 検査の実際 国民健康保険 関ケ原病院 放射線科 谷川貴廣 【はじめに】 当院は、関ケ原町(高齢化率 30.1%)にある公立病院である。大腸検査の負担軽減や CF による抗血小板 薬等の中止によるリスク軽減を目的で、大腸 CT 検査を 2013 年 6 月に導入した。導入より 3 年が経過し、 当院における大腸 CT 検査について報告する。 【現  状】 受診者年齢は 32 ~ 93 歳(平均 70.76 歳)で、検査数は、導入初年度より 100 人を超え、2016 年 6 月末で 述べ 400 人を超えた。大腸がんと診断されたのは、29 人であった。 前処置は、検査前日に検査食:FG-two ☆(伏見製薬株式会社)と下剤:ラキソベロンの服用、検査当日 の朝に MGP 等張法を行っている。検査は午後から最大 4 人 / 日で、大腸がんを強く疑う所見では、医師 に連絡し、当日に CF を行う体制をとっている。 透析導入者も行っており、検査当日 9:00 に来院してもらい、PEG 法(1000ml)に変更して、透析スタッ フと連携しながら前処置(検査食の献立や体調管理)を行っている。 検査はノンタギングで行っており、上行結腸での残液が多い場合は、右側臥位での追加撮影を行っている。 読影は放射線技師 2 名、内科医師 1 名で行っている。 【ま と め】 高齢者の受診者が多く、上行結腸での残液が目立つ。今後も有用な検査ができるように、簡便な前処置法 の模索が続く。大腸 CTC 検査用バリウム製剤(コロンフォート)が承認され、今後の大腸 CT 検査の一 助となる事を期待する。

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第 2 部 大腸 CT 検査ワークステーションを使った読影

 11:30 − 12:40 司会: 川崎医科大学 食道・胃腸内科 松本啓志 長崎県上五島病院 放射線科 安田貴明 1)株式会社AZE 2)GEヘルスケア・ジャパン株式会社 3)富士フィルムメディカル株式会社

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第 3 部 教育講演

 13:30 − 14:10    司会 : 自治医科大学 放射線科 木島茂喜 がん検診における FDG-PET の消化管腫瘍に対する診断精度~ PET 検診の有用性と限界 国立がん研究センター中央病院 検診センター 兼 内視鏡科 関口正宇 FDG-PET 検査は現在、がん検診に広く用いられています。非侵襲的に多臓器を同時に検査できる点で優 れたモダリティーであり、今後さらなる発展が期待されます。しかしその一方で、スクリーニングにおけ る消化管腫瘍に対する FDG-PET の診断精度についてのエビデンスは十分とは言えず、その点をしっかり と検証していく必要があるのも事実です。これまで FDG-PET の消化管腫瘍に対する診断精度の検討は、 主に、病変を有すると分かっている患者(術前患者など)を対象に行われてきました。しかし、その結果 をそのままスクリーニングにおける診断精度と解釈することはできません。消化管がん検診における FDG-PET の診断精度を適切に評価するためには、FDG-PET に加え内視鏡検査も同時に受けた検診受診者 を対象に、内視鏡検査結果をゴールドスタンダードとして FDG-PET の診断精度を解析することが求めら れます。近年、我々の施設では、大腸内視鏡検査と FDG-PET 検査を両方同時に受けた検診受診者 7505 名 のデータを解析することで、がん検診における FDG-PET の大腸腫瘍に対する診断精度の評価を行いまし た(Sekiguchi M, et al. Journal of Gastroenterology 2016)。当日はそのデータを呈示し、大腸がん検診に おける FDG-PET の有用性と限界についてお話しさせていただきたいと思います。同時に、胃癌や食道癌 のスクリーニングにおける FDG-PET の診断精度についてもデータをお示し、消化管がん検診における FDG-PET の役割について考察する予定です。

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第 4 部 パネルディスカッション 「大腸 CT の前処置の標準化に向けて!」

 14:20 − 15:55 司会 : 国立がん研究センター 社会と健康研究センター 検診開発研究部 永田浩一  北海道消化器科病院 放射線科 高林 健 1)MGP 高張法   大腸 CT の前処置の標準化に向けて ~バリウムを併用した MGP 高張法について~ 医療法人尚豊会 みたき総合病院 放射線室 村田浩毅 CT Colonography(以下 CTC)において、前処置は検査精度を左右する重要な因子である。本邦において は CTC に関するガイドラインが未だ作成されておらず、統一された前処置法が確立されていないのが現 状である。 当院では、2012 年から CTC の運用を開始しており、前処置に関しては 2016 年 6 月までノンタギングで高 張法を施行していた。2016 年 6 月に国内初のバリウム製剤「コロンフォート」(以下 CO-F)が販売となり、 当院においても同年 7 月から CO-F を併用した前処置に変更となった。そのメリットは、薬事承認を受け た CTC 専用の製剤、分包の手間がなく簡便、飲みやすいことなどが挙げられる。 高張法は、検査前日に低残渣食と高張の塩類下剤「マグコロール P」(以下 MGP)を服用する方法である。 MGP は高浸透圧により大腸内に大量の水分を引き込み、瀉下作用を発揮する。高張法において CO-F を併 用する場合には腸管壁への付着や、MGP 液との比重の差による二層化などに対する工夫が必要である。 当院では CO-F の導入に伴い、検査食「FG ☆2」に加えて食後に清涼飲料水「PROJECT F」の摂取を追 加した。これらには、難消化性デキストリンが豊富に含まれ排便を促す作用が期待できる。 今後、バリウムタギングを含めた前処置の標準化へ向けて、それぞれの施設の考え方で施行している前処 置法の検討を行い、検査の受容性と精度のバランスが保たれた最善の方法を探っていく必要がある。 2)PEG-C 法 / MGP 等張法   等張法による前処置 亀田総合病院 画像診断室 秋田裕介 当院では、1 次スクリーニングを目的とした健診大腸 CT 検査を 2010 年より運用している。受診者の希望 によって前日処置(高張法)を実施することがあるが、8 割近くの受診者に対して当日来院後に等張液を 用いて前処置を行っている。 使用する経口腸管洗浄剤は、大腸内視鏡検査前処置と同等量の等張液で、水分の移動なく腸管内残渣を押 し流す効果がある。また腸管内が Wet な状態になるため、固形残渣が少ない反面、残液が多くなる。大腸 CT では 2 体位の撮影が必須で、残液や残便の移動が確認でき、病変と残渣の鑑別が容易であるが、残液 が多すぎる場合は 2D 画像のみで読影しなければならない。しかしタギングの質を担保することで 6mm 以 上の病変の指摘も可能となり、前処置としては問題ないと思われる。 今回、当院での運用における PEG-C 法のメリット・デメリットを中心に、検査の質を担保するための取り 組みや他職種との連携について報告する。また当院では受診者に対するアンケート調査も行っており、そ

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3)低用量 PEG-CM 法   PEG-C 溶液 400mL を服用する低用量 PEG-CM 法 榊原サピアタワークリニック 放射線部 伊山 篤 大腸内視鏡検査時に用いられる通常用量前処置法と比べ、服用量を半分以下に減らした方法を低用量前処 置法という。当施設の任意型検診大腸 CT 検査の前処置法は、通常用量の 5 分の 1 となる全量 400mL を検 査前日に服用する低用量 PEG-CM 法で行っている。これは多施設共同臨床試験 UMIN6665 の予備試験と して当施設で検証を行い、医師が読影に際し問題ないことを確認した上で 2012 年 1 月より行っている前処 置法である。この方法は服用量を出来るだけ減らす事により受診者の負担を軽くし大腸検査を受け易くす る一方、固形残渣の割合が増えるため 2 次元画像での読影を強いられる症例がしばしば見られ、読影の難 易度が上がり検査精度に影響を与える可能性もある。前処置薬の低用量化にはそれぞれの施設の状況に合っ た方法を選択する必要がある。今回、当施設における低用量 PEG-CM 法の服用方法や大腸内残渣の状態に ついて報告する。 4)MGP 準高張法 徳島健生病院 放射線科 岩野晃明 当院の前処置は MGP 準高張法、腸管洗浄剤低用量分割飲用法で行っている。前処置の準備事項として、 便秘薬を常用している受診者には便秘薬を飲用させ、便通を整えさせる。検査前日の前処置として、毎食 後(朝、昼、夕食後)にガストログラフイン 5 mL と水 200 mL の飲用を指示し、昼食と夕食には大腸検 査食を指示した。夕食後 2 時間以上経過してからピコスルファートナトリウム 10 mL と同時に tagging 用 造影剤添加腸管洗浄剤(ガストログラフイン 40 mL、マグコロール P50 g、ガスコンドロップ 10 mL、水) を混合した準高張液 800 mL の半量 400 mL 飲用を指示した。検査当日の前処置は、起床後すぐに腸管洗 浄剤の残り半分 400 mL 飲用を指示した。検査開始は午前 11 時以降で飲用後 4 時間以降とした。 特徴は前日夜の準高張液 400mL の飲用で予備洗浄。検査当日起床後すぐに飲用することで腸の総蠕動運動 を起こさせ排泄を促す。また朝の飲用は、腸液の影響を受けず CT 値がタギングに適した CT 値 400 ~ 500HU の間で安定した。また、残液量は中央値が 164mL と PEG − C 法と比較し約 6 割に減少し解析が行 いやすくなった。タギングの質も直腸では分割法が PEG − C 法と比較し有意に(p < 0.05)良好で、その 他の部位は有意差がなかった。 この前処置の欠点は、前処置の説明が複雑なため今回、tagging 用造影剤添加腸管洗浄剤のガストログラ フインをバリウムに変更を行い、様々な工夫を行い準高張液 800 mL を作成した。結果、残液の CT 値も 500HU 前後で安定し、バリウム独特の分離、固形残渣もなかった。また、看護師、受診者の手間が大幅に 低減できた。

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5)PEG 高張法   モビプレップを使用した大腸CT前処置法の検討 広島原爆障害対策協議会 健康管理・増進センター 放射線科 品川祐樹 当センターでは、大腸がん検診で便潜血陽性と診断された者に対して、全大腸内視鏡検査(Total Colonoscopy:TCS)を行い、TCS 後、必要に応じて大腸 CT(CTColonograghy:CTC)を施行している。 TCS 後 CTC が必要な理由として TCS の見落とし病変を減らすことや、回盲部到達困難な症例に対して盲 端となった口側大腸の精査を行うことが挙げられる。 前処置は TCS に準じている。腸管洗浄剤はマグコロール P とモビプレップを使用している。毎日排便の ある方にはマグコロール P を、排便が 2、3 日に1回の方にはモビプレップを使用している。モビプレッ プは便秘の方に対して良好な腸の洗浄効果が得られやすいのが特徴である。モビプレップは高張液であり 内服量は 1000 ~ 1500mL 程度である。モビプレップ内服後は水またはお茶を 500mL 程度飲用する。モビ プレップは、残便は少ないが残液が多いのが特徴である。そのため TCS の際には可能な限り残液などを吸 引してから CTC を行うようにしている。あらかじめ残液などを吸引しておくことで撮影や読影のしやす い CTC が可能である。現在のところ鎮痙剤やタギングは行っていない。 ところで先日、大腸 CT 用バリウム(コロンフォート)が国内で初めて薬事承認を受けた。したがって今 後はコロンフォートを使用したいと考えている。コロンフォートは腸管内病変と残便残渣の区別が可能だ という。それならば TCS ほどの前処置は必要なく、受診者にとって受けやすい検査といえよう。当日はモ ビプレップを使用した CTC の現状や今後の展望について述べる。

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COLORECTAL LENGTH IN JAPANESE AND AMERICAN ASYMPTOMATIC

ADULTS BASED ON CT COLONOGRAPHY

日本人とアメリカ人の大腸の長さは違うのか?

―大腸

3D - CT(仮想内視鏡)による 1,300 名の検討-

永田 浩一、田尻久雄、光島徹, 他. (日本消化器内視鏡学会雑誌 2013; 55: 435-44.) 《解説》 大腸は立体的で伸縮する臓器であるた め,生理的に近い形状で大腸の長さを正確に計測 することは困難であった.従来,新鮮剖検例,注腸 X 線検査あるいは外科手術の開腹時の計測を用 いて,大腸の長さの検討について報告されてき た (1-7).しかし,これらの計測方法は生体内での計 測ではなかったり,計測手技が複雑であったり,あ るいは簡便化した直線的な計測あるいは 2 次 元 計測に基づくなど,客観性あるいは精度の点で課 題があった.近年,大腸3D - CT(仮想内視鏡,CT colonography)の登場により,大腸の長さ を 3 次 元の曲線で正確に計測することができるようになっ た(8-13).一般的に、日本人は肉食中心のアメリカ 人と比較して、大腸が長いと考えられてきたが,現 在までのところ欧米人との差異について大規模に 検討された報告はほとんどない.本研究では日本 人とアメリカ人の大腸の長さを大腸 3D - CT で客 観的に計測し,解析することを目的としている.大 腸の長さは全大腸の長さ,およびS 状結腸と直腸 を合計した長さに分けて計測した.これは,近年臨 床応用の進んでいる大腸カプセルや大腸内視鏡検 査時においてS 状結腸の長さが問題となりえるた めである.本検討では日本人群650 名とアメリカ人 群650 名の合計 1,300 名という大多数を対象とし ている.また、対照群は大腸がんに対する平均的リ スク患者となっている。アメリカ人群の人種が均一 でないことやアメリカ人群では身長や BMI などの情 報が欠落していたことから,体格にまで踏み込んだ 検討をすることはできなかったなどの限界はあるも のの、対象が1,300 名と大規模であること,拡張し た大腸の長さを正確に計測できる大腸 3D - CT に よる解析であることから,日本人とアメリカ人の大腸 の長さの一般論を述べるには十分な根拠となる報 告であると考えられる。このように新しい技術を用 い、これまで常識と考えられていたことを検証してい くことは、今後の技術革新のためにも大変に意義深 いことと考えられる。 参考文献 1. Am J Med 1924;167:499 -519. 2. SurgRadiol Anat 1992;14:251 - 7. 3. 日本大腸肛門病会誌 1994;47:31 - 9. 4. Clin Radiol 1995;50:318 - 21. 5. Int J Colorectal Dis 1995;10:216 - 21. 6. Br J Surg 1995;82:1491 - 3.

7. Surg Radiol Anat 2008;30:409 - 15. 8. AJR Am J Roentgenol 2007;189:774 - 9. 9. Br J Radiol 2009;82:475 - 81.

10. AJR Am J Roentgenol 2009;193:1291 - 5. 11. AJR Am J Roentgenol 2009;193:1296 - 304. 12. Endoscopy 2009;41:674 - 8.

13. Dig Liver Dis 2010;42:291 - 6.

福島県立医科大学会津医療センター 歌野健一

  

【目的】大腸3D - CT を用いて日本人とアメリカ人の大腸の長さを比較した. 【対象】大腸がんに対する平均的リスク患者で 50 歳以上の日本人とアメリカ人 650 名ずつ,合計 1,300 名を対象とした.大腸の長さは全大腸の長さ,およびS 状結腸と直腸を合計した長さに分けて計測した. 【結果】全対象における全大腸の長さの平均は日本人とアメリカ人でそれぞれ 154.7cm,158.2cm,( p 値:0.003,効果量:0.17),S 状結腸と直腸を合計した長さの平均はそれぞれ 63.3cm,62.5cm,( p 値: 0.23,効果量:0.07)であった.世代別では,50 歳代で全大腸の長さの平均は日本人とアメリカ人でそれぞ れ153.2cm,155.6cm,60 歳代で 155.2cm,159.3cm,70 歳代で 161.8cm,165.2cm で,日米ともに世 代が上がるにつれて有意に長くなった. 【結論】日本人とアメリカ人の大腸の長さの差に実質的効果はみられずほぼ同等である.一方,日米ともに 世代が上がるにつれて全大腸の長さは長くなる.

寄稿連載「最新文献紹介」

委員会報告:精密検査の手法として大腸 CT 検査の位置づけおよび必要条件と課題

日本消化器がん検診学会 大腸がん検診鮮度管理委員会 日本消化器がん検診学会雑誌 2016 May;54(3):425-441 【要旨】 大腸 CT 検査の診断精度は、 国内外の大規模前向き研究で 10mm 以上のポリープやがん に対する感度は 90% 以上を示している。 重大な偶発症は少ないが、 希に穿孔が発生する。 メタアナ ライシスでは穿孔率 0.02% であった。 被爆低減に関しては、 逐次近似再構成法の利用により、 十分 な画質を保ちながら、 被曝量を注腸 X 千検査に比べ半減できる。 以上より大腸 CT 検査は大腸が ん検診の精密検査法として十分な方法と判断される。  この結果、 現在の大腸がん検診指針では 「精密検査を全大腸内視鏡検査で行うことが困難な場 合においては、 S 状結腸内視鏡検査と注腸 X 線検査 ( 二重造影法 ) の併用による精密検査を実施 するものとする。」 とあるが、 これを 「精密検査を全大腸内視鏡検査で行うことが困難な場合は、 大 腸 CT 検査あるいは、 S 状結腸内視鏡検査と注腸 X 線検査の併用のいずれかを実施する。」 という 趣旨に変更することが妥当であると考える。 ただ、 全大腸内視鏡検査と同等に扱うことには更なる 議論が必要である。 また、 我が国における大腸 Ct 検査の実態把握も必要である。  また、 良好な精度と高い安全性を得るためには、 前処置、 腸管拡張、 撮影条件、 読影法といっ た付帯条件を科学的根拠に基づいて標準化することが必要である。 ≪解説≫  本委員会報告では、 大腸 CT 検査の歴史や海 外、 本邦における現在の位置づけ、 欧米並びに 本邦における大腸 CT 検査の精度に関するエビ デンス、 大腸 CT 検査の標準化に求められる内 容、 大腸 CT 検査の限界と課題、 更には提言と して検査の必要条件と学会が取り組むことが期待 される課題について、 網羅的に概説されている。 大腸 CT 検査に携わるものとして熟読し、 すぐに 見直せるようにするべき内容となっている。  大腸 CT 検査の現在の位置づけとしては大腸 CT 検査の精度評価は 2000 年以降に急速にすす められたこと。 英国 National Health Service が策 定した大腸がん検診ガイドラインでは、 大腸内視 鏡検査の実施が適さない場合や盲腸まで挿入で きなかった場合には大腸 CT 検査を用いることが すすめられていること。 欧州消化器内視鏡学会 (ESGE, European Society of Gastrointestinal Endoscopy) と 欧 州 腹 部 消 化 管 放 射 線 学 会 (ESGAR, European Society of Gastrointestinal and Abdominal Radiology) が合同で策定した大腸 CT 検査適応ガイドライン1)では、 大腸腫瘍の診断、 大腸内視鏡検査が不完全であった場合、 大腸内 視鏡検査の実施が適さない場合などには大腸 CT 検査を用いることが強く勧められていること。 米国がん学会、 米国多学会共同作業部、 米国 放射線学会が合同で策定した腸がん検診ガイド ライン2)では、 大腸腫瘍の診断が可能な検診検 査法として大腸 CT 検査を収載しているが、 前述 の 2 つのガイドラインでは一次検診法としては推 奨されておらず見解は一致していないこと記載さ れている。  大腸 CT 検査の精度に関するエビデンスでは  欧米では精検方法 ( 診断法 ) としての精度評価と して ACRIN6664 を代表とする Phase II 〜 III が完 了していること、 本邦でも精検方法 ( 診断法 ) と しての精度評価として JANCT3)、 UMIN66654)を代 表として Phase II が完了していること。 高い精度 を示した試験ではいずれも、 経口造影剤による 前処置 ( タギング ) が行われていること。 3 次元 像として内視鏡類似像を読影で採用していること。 オランダの intension to treat(ITT) 解析において、 受診勧奨対象者 100 人あたりの腫瘍性病変の検 出 率 (ADR, Adenoma Detection Rate) は、 受 診 率が低い大腸内視鏡検査に比べて受診率が低い 大腸 CT 検査の方が高い傾向にあることなどが記 載されている。  大腸 CT 検査の標準化に求められる内容につ いては腸管前処置では水溶性造影剤を服用して タギングを行うことが推奨されること (Level III)、 前投薬ではグルカゴンの使用は勧めないが、 ブ チルスコポラミン臭化物もその使用を推奨する根 拠は乏しいこと、 精検方法 ( 診断法 ) としての大 腸 CT 検査を行う場合、 被曝線量は可能な限り 低くすべきであること、 標準読影法で使用される 3 次元画像として内視鏡類似像は前向き評価に よるエビデンス (Phase II 〜 III) があるが、 大腸展 開像は科学的根拠に乏しく、 Phase II 以上の前 向き評価が今後必要であること等が記載されて いる。

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 大腸 CT 検査の限界と課題については表面形 病変の検出精度は、 隆起型病変の検出精度に 比べて有意に低い (Phase II)。 医療被爆は避けら れないが、 低線量撮影が推奨されること、 腸管 外病変を読影するのに大腸 CT は適していないこ と、 偶発症としての穿孔頻度は 0.064-0.13%であ ることなどが記載されている。 最後に提言として 「精密検査を全大腸内視鏡検 査で行うことが困難な場合は、 大腸 CT 検査ある いは、 S 状結腸内視鏡検査と注腸 X 線検査の併 用のいずれかを実施する。」 ことは妥当であるこ とが提言されている。  本報告は、 本邦における精密検査の手法として 大腸 CT 検査を考える場合の指標となる報告と 考える。 この報告を基本として本邦における大 腸 CT 検査の新しいガイドラインの策定が期待さ れる。 参考文献

1) Spada C, et al. Clinical indications for computed tomographic colonography : European Society of Gastrointestinal Endoscopy (ESGE) and European Society of Gastrointestinal and Abdominal Radiology (ESGAR) Guideline. Eur Radiol 2015 ; 25 : 331-345. 2) Levin B, et al. American Cancer Society Colorectal

Cancer Advisory Group ; US Multi-Society Task Force ; American College of Radiology Colon Cancer Committee Screening and surveillance for the early detection of colorectal cancer and adenomatous polyps, 2008 : a joint guideline from the American Cancer Society, the US Multi-Society Task Force on Colorectal Cancer, and the American College of Radiology. CA Cancer J Clin 2008 ; 58 : 130-160.

3) Nagata K, et al. Accuracy of CT colonography for detection of polypoid and nonpolypoid neoplasia by gastroenterologists and radiologists: A nation-wide multi-center study in Japan. Am J Gastroenterol (in press).

4) Utano K, et al. Diagnostic performance and patient acceptance of reduced-laxative CT colonography for the detection of polypoid and non-polypoid neoplasms: a multicenter prospective trial. Radiology (in press).

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COLORECTAL LENGTH IN JAPANESE AND AMERICAN ASYMPTOMATIC

ADULTS BASED ON CT COLONOGRAPHY

日本人とアメリカ人の大腸の長さは違うのか?

―大腸

3D - CT(仮想内視鏡)による 1,300 名の検討-

永田 浩一、田尻久雄、光島徹, 他. (日本消化器内視鏡学会雑誌 2013; 55: 435-44.) 《解説》 大腸は立体的で伸縮する臓器であるた め,生理的に近い形状で大腸の長さを正確に計測 することは困難であった.従来,新鮮剖検例,注腸 X 線検査あるいは外科手術の開腹時の計測を用 いて,大腸の長さの検討について報告されてき た (1-7).しかし,これらの計測方法は生体内での計 測ではなかったり,計測手技が複雑であったり,あ るいは簡便化した直線的な計測あるいは 2 次 元 計測に基づくなど,客観性あるいは精度の点で課 題があった.近年,大腸3D - CT(仮想内視鏡,CT colonography)の登場により,大腸の長さ を 3 次 元の曲線で正確に計測することができるようになっ た(8-13).一般的に、日本人は肉食中心のアメリカ 人と比較して、大腸が長いと考えられてきたが,現 在までのところ欧米人との差異について大規模に 検討された報告はほとんどない.本研究では日本 人とアメリカ人の大腸の長さを大腸 3D - CT で客 観的に計測し,解析することを目的としている.大 腸の長さは全大腸の長さ,およびS 状結腸と直腸 を合計した長さに分けて計測した.これは,近年臨 床応用の進んでいる大腸カプセルや大腸内視鏡検 査時においてS 状結腸の長さが問題となりえるた めである.本検討では日本人群650 名とアメリカ人 群650 名の合計 1,300 名という大多数を対象とし ている.また、対照群は大腸がんに対する平均的リ スク患者となっている。アメリカ人群の人種が均一 でないことやアメリカ人群では身長や BMI などの情 報が欠落していたことから,体格にまで踏み込んだ 検討をすることはできなかったなどの限界はあるも のの、対象が1,300 名と大規模であること,拡張し た大腸の長さを正確に計測できる大腸 3D - CT に よる解析であることから,日本人とアメリカ人の大腸 の長さの一般論を述べるには十分な根拠となる報 告であると考えられる。このように新しい技術を用 い、これまで常識と考えられていたことを検証してい くことは、今後の技術革新のためにも大変に意義深 いことと考えられる。 参考文献 1. Am J Med 1924;167:499 -519. 2. SurgRadiol Anat 1992;14:251 - 7. 3. 日本大腸肛門病会誌 1994;47:31 - 9. 4. Clin Radiol 1995;50:318 - 21. 5. Int J Colorectal Dis 1995;10:216 - 21. 6. Br J Surg 1995;82:1491 - 3.

7. Surg Radiol Anat 2008;30:409 - 15. 8. AJR Am J Roentgenol 2007;189:774 - 9. 9. Br J Radiol 2009;82:475 - 81.

10. AJR Am J Roentgenol 2009;193:1291 - 5. 11. AJR Am J Roentgenol 2009;193:1296 - 304. 12. Endoscopy 2009;41:674 - 8.

13. Dig Liver Dis 2010;42:291 - 6.

福島県立医科大学会津医療センター 歌野健一

  

【目的】大腸3D - CT を用いて日本人とアメリカ人の大腸の長さを比較した. 【対象】大腸がんに対する平均的リスク患者で 50 歳以上の日本人とアメリカ人 650 名ずつ,合計 1,300 名を対象とした.大腸の長さは全大腸の長さ,およびS 状結腸と直腸を合計した長さに分けて計測した. 【結果】全対象における全大腸の長さの平均は日本人とアメリカ人でそれぞれ 154.7cm,158.2cm,( p 値:0.003,効果量:0.17),S 状結腸と直腸を合計した長さの平均はそれぞれ 63.3cm,62.5cm,( p 値: 0.23,効果量:0.07)であった.世代別では,50 歳代で全大腸の長さの平均は日本人とアメリカ人でそれぞ れ153.2cm,155.6cm,60 歳代で 155.2cm,159.3cm,70 歳代で 161.8cm,165.2cm で,日米ともに世 代が上がるにつれて有意に長くなった. 【結論】日本人とアメリカ人の大腸の長さの差に実質的効果はみられずほぼ同等である.一方,日米ともに 世代が上がるにつれて全大腸の長さは長くなる.

寄稿連載「最新文献紹介」

Usefulness of preoperative CT colonography for colon cancer

大腸癌に対する術前大腸 CT 検査の有用性

Sato K, Tanaka T, Sato J, et al.

Asian J Surg 2016 May 20 【背景と目的】 大腸 CT 検査は大腸ポリープのスクリーニングでは確立されているが、 術前検査とし ての有用性は、 いまだにあきらかではない。 本研究では、 大腸癌術前検査としての大腸 CT 検査 の方法論や潜在能力を検討した。 【対象と方法】 2014 年 2 月から 2015 年 11 月に大腸癌に対する腹腔鏡手術が行われた 86 例を対 象とした。 大腸 CT 検査は大腸内視鏡検査に引き続いて行われ、 小さな大腸癌に対しては、 近傍 にクリップをおき、 局在診断に関して、 大腸 CT 検査の結果と手術所見を比較した。 深達度診断に 関しては、 壁変形と病理学的深達度を比較した。 【成績】 局在診断に関しては、 大腸 CT 検査はすべての病変を正しく診断しており、 検査に伴う合併 症は認めなかった。 壁変形は病理学的深達度と有意な相関を示した。 また、 大腸 CT 検査で得ら れた再構成された血管画像は正確なリンパ節廓清に有用であった。 ≪解説≫ 大腸癌の手術では、 術前情報として T ・ M ・ N の ステージングと局在診断が重要であり、 近年普 及が著しい鏡視下手術では、 ポートの位置の決 定などから特にこれらの情報が重要である。 従 来、 大腸癌の術前検査として、 深達度診断や病 理診断を目的とした大腸内視鏡検査、 転移検索 のための腹部 CT 検査、 および病変部位の確認 および大腸の走行の把握のために注腸造影検査 が行われてきた。 大腸 CT 検査では、 腹部 CT 検査と注腸造影検査の情報を一度に得ることが でき、 術前検査の省力化と患者負担の減少が可 能である。 大腸 CT を術前検査に用いた報告は、 深達度診断に関しては、 Nagata らが 2004 年に 報告し1)、 血管像の有用性に関しては Matsuki ら が 2005 年に報告している2)。 最近では、 術前検 査における局在診断と深達度診断の上乗せ効果 を Kanazawa らが報告している3) 今回の東京大学からの報告はこれらを網羅したも のであり、 大腸 CT 検査の術前評価全体に対す る有用性を述べている。 局在診断は全例で正診 され (1例はマーキングクリップを使用)、 Nagata らの提唱した壁変形は、 病理学的深達度と有意 に相関を示したとされる。 また、 鏡視下手術にお いて最も重要視される3D 血管画像により正確な リンパ節廓清が可能であったとされ、 合併症は認 めないなど大腸癌の術前検査としての有用性が 報告されている。 大腸 CT 検査を術前検査として大腸内視鏡検査 と同日に行った場合には、 腸管前処置が一度で すむメリットもあり、 大腸 CT 撮影前に大腸内視 鏡検査を行うことで、 病変検出の障害となる腸液 の吸引を行うこともできる。 また、 大腸内は内視 鏡検査時の送気により適度に拡張され、 比較的 理想的な状態で大腸 CT の撮影が可能となる。 このように大腸内視鏡検査を行った直後に大腸 CT を撮影することは、非常に効率的である。今後、 大腸癌の術前検査としての大腸 CT 検査は、 鏡 視下手術の普及とともに、 ますます広まってゆく ものと思われる。 参考文献

1) Nagata K, et al. CT air-contrast enema as a preoperative examination for colorectal cancer. Dig Surg 2004; 21(5-6): 352-358.

2) Matsuki M, et al. Virtual CT colectomy by three-dimensional imaging using multidetector-row CT for laparoscopic colorectal surgery. Abdom Imaging. 2005;30(6):698-708.

3) Kanazawa H, et al. Combined assessment of optical colonoscopy and computed tomographic colonography improves the detectability of tumor location and invasion depth. Asian j Endos Surg (in press)

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COLORECTAL LENGTH IN JAPANESE AND AMERICAN ASYMPTOMATIC

ADULTS BASED ON CT COLONOGRAPHY

日本人とアメリカ人の大腸の長さは違うのか?

―大腸

3D - CT(仮想内視鏡)による 1,300 名の検討-

永田 浩一、田尻久雄、光島徹, 他. (日本消化器内視鏡学会雑誌 2013; 55: 435-44.) 《解説》 大腸は立体的で伸縮する臓器であるた め,生理的に近い形状で大腸の長さを正確に計測 することは困難であった.従来,新鮮剖検例,注腸 X 線検査あるいは外科手術の開腹時の計測を用 いて,大腸の長さの検討について報告されてき た (1-7).しかし,これらの計測方法は生体内での計 測ではなかったり,計測手技が複雑であったり,あ るいは簡便化した直線的な計測あるいは 2 次 元 計測に基づくなど,客観性あるいは精度の点で課 題があった.近年,大腸3D - CT(仮想内視鏡,CT colonography)の登場により,大腸の長さ を 3 次 元の曲線で正確に計測することができるようになっ た(8-13).一般的に、日本人は肉食中心のアメリカ 人と比較して、大腸が長いと考えられてきたが,現 在までのところ欧米人との差異について大規模に 検討された報告はほとんどない.本研究では日本 人とアメリカ人の大腸の長さを大腸 3D - CT で客 観的に計測し,解析することを目的としている.大 腸の長さは全大腸の長さ,およびS 状結腸と直腸 を合計した長さに分けて計測した.これは,近年臨 床応用の進んでいる大腸カプセルや大腸内視鏡検 査時においてS 状結腸の長さが問題となりえるた めである.本検討では日本人群650 名とアメリカ人 群650 名の合計 1,300 名という大多数を対象とし ている.また、対照群は大腸がんに対する平均的リ スク患者となっている。アメリカ人群の人種が均一 でないことやアメリカ人群では身長や BMI などの情 報が欠落していたことから,体格にまで踏み込んだ 検討をすることはできなかったなどの限界はあるも のの、対象が1,300 名と大規模であること,拡張し た大腸の長さを正確に計測できる大腸 3D - CT に よる解析であることから,日本人とアメリカ人の大腸 の長さの一般論を述べるには十分な根拠となる報 告であると考えられる。このように新しい技術を用 い、これまで常識と考えられていたことを検証してい くことは、今後の技術革新のためにも大変に意義深 いことと考えられる。 参考文献 1. Am J Med 1924;167:499 -519. 2. SurgRadiol Anat 1992;14:251 - 7. 3. 日本大腸肛門病会誌 1994;47:31 - 9. 4. Clin Radiol 1995;50:318 - 21. 5. Int J Colorectal Dis 1995;10:216 - 21. 6. Br J Surg 1995;82:1491 - 3.

7. Surg Radiol Anat 2008;30:409 - 15. 8. AJR Am J Roentgenol 2007;189:774 - 9. 9. Br J Radiol 2009;82:475 - 81.

10. AJR Am J Roentgenol 2009;193:1291 - 5. 11. AJR Am J Roentgenol 2009;193:1296 - 304. 12. Endoscopy 2009;41:674 - 8.

13. Dig Liver Dis 2010;42:291 - 6.

福島県立医科大学会津医療センター 歌野健一

  

【目的】大腸3D - CT を用いて日本人とアメリカ人の大腸の長さを比較した. 【対象】大腸がんに対する平均的リスク患者で 50 歳以上の日本人とアメリカ人 650 名ずつ,合計 1,300 名を対象とした.大腸の長さは全大腸の長さ,およびS 状結腸と直腸を合計した長さに分けて計測した. 【結果】全対象における全大腸の長さの平均は日本人とアメリカ人でそれぞれ 154.7cm,158.2cm,( p 値:0.003,効果量:0.17),S 状結腸と直腸を合計した長さの平均はそれぞれ 63.3cm,62.5cm,( p 値: 0.23,効果量:0.07)であった.世代別では,50 歳代で全大腸の長さの平均は日本人とアメリカ人でそれぞ れ153.2cm,155.6cm,60 歳代で 155.2cm,159.3cm,70 歳代で 161.8cm,165.2cm で,日米ともに世 代が上がるにつれて有意に長くなった. 【結論】日本人とアメリカ人の大腸の長さの差に実質的効果はみられずほぼ同等である.一方,日米ともに 世代が上がるにつれて全大腸の長さは長くなる.

寄稿連載「最新文献紹介」

Screening for Colorectal Cancer: US Preventive Services Task Force

Recommendation Statement.

大腸がん検診の推奨勧告 US Preventive Services Task Force

US Preventive Services Task Force, Bibbins-Domingo K, Grossman DC, Curry SJ, et al. JAMA 2016;315(23):2564-75 【要旨】 US Preventive Services Task Force (米国予防医学作業部会) は大腸がん検診の推奨勧 告 2008 年度版を改訂した。

全大腸内視鏡検査、 S 状結腸鏡検査、 大腸 CT 検査、 化学的便潜血検査、 免疫学的便潜血検査、 便 DNA 検査、 血清 DNA 検査 (メチル化マーカー SEPT9) について、 大腸がん罹患率 ・ 死亡率の 減少効果、 検査による不利益、 大腸腫瘍性病変に対する検出精度の観点から、 科学的根拠に基 づいて大腸がん検診として有効性評価を行った。 大腸がんの平均的リスクを有する自覚症状のない 50-75 歳の対象者では、 大腸がん検診を強く推 奨する (推奨 A)。 76-85 歳の対象者では、 個別の健康状態や検診受診歴に基づき個別に対応す るよう勧告している (推奨 C)。 2008 年度版の推奨リストにはあげられていなかった 「大腸 CT 検査」 と 「便 DNA 検査」 が新たに検診法として明記された。 大腸 CT 検査についてはその精度検証は十 分であるものの、 腸管外病変の診断についてはその不利益 (過剰診断、 過剰治療) に課題がある ことを言及しており、 この取り扱いに注意が必要である。 便 DNA 検査については、 検査間隔を 1 - 3 年毎としたものの、 そのエビデンスは十分ではないことを言及している。 なお、 病変血清 DNA 検 査については、 エビデンスがまだ不十分なため推奨リストには加えていない。 ≪解説≫ 米国で最も権威のある検診推奨機関のひとつで あ る US Preventive Services Task Force ( 米 国 予防医学作業部会) の大腸がん検診推奨勧告 に初めて大腸 CT 検査がその推奨リストに掲載さ れ た。 米 国 で は す で に 2008 年 に 米 国 癌 協 会 (ACS, American Cancer Society)、 大腸がんにお け る 米 国 多 学 会 共 同 作 業 部 会 (US Multi-Society Task Force on Colorectal Cancer)、 およ び米国放射線医学会 (ACR, American College of Radiology) が合同で策定した大腸がん検診ガイ ドラインで大腸 CT 検査は推奨されていた 1)。 し かし、 同年の US Preventive Services Task Force では推奨が見送られており食い違いが生じてい た。 大腸 CT 検査の精度検証に関するエビデン スが十分なものとなり、 今回の改訂で米国では 一貫して大腸 CT 検査を大腸がん検診法として推 奨することにない、注目を集めている (AuntMinnie. com)。 検診の対象者の多くが症状のない健康な集団で あるために、 検査法には感度が高いだけではな く、 むしろ特異度の高さや、 不利益を最小限であ ることが必須である。 大腸 CT 検査が推奨リスト に掲載されたことは素晴らしいことではあるが、 検査の不利益の観点では腸管外病変診断の問 題点が残っており、 今後の課題と言えよう。 さらに新しい変更点として、 大腸がん検診の対象 年齢が明確にされたこと、 とくに年齢の上限が提 示されたことは重要である。 検診対象者の上限 年齢について、 日本では議論がまだはじまった ばかりであり、 今回の推奨勧告は日本にも大い に参考となる。 参考文献

1) Levin B, et al. American Cancer Society Colorectal Cancer Advisory Group; US Multi-Society Task Force; American College of Radiology Colon Cancer Committee Screening and surveillance for the early detection of colorectal cancer and adenomatous polyps, 2008: a joint guideline from the American Cancer Society, the US Multi-Society Task Force on Colorectal Cancer, and the American College of Radiology. CA Cancer J Clin 2008; 58: 130-60.

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COLORECTAL LENGTH IN JAPANESE AND AMERICAN ASYMPTOMATIC

ADULTS BASED ON CT COLONOGRAPHY

日本人とアメリカ人の大腸の長さは違うのか?

―大腸

3D - CT(仮想内視鏡)による 1,300 名の検討-

永田 浩一、田尻久雄、光島徹, 他. (日本消化器内視鏡学会雑誌 2013; 55: 435-44.) 《解説》 大腸は立体的で伸縮する臓器であるた め,生理的に近い形状で大腸の長さを正確に計測 することは困難であった.従来,新鮮剖検例,注腸 X 線検査あるいは外科手術の開腹時の計測を用 いて,大腸の長さの検討について報告されてき た (1-7).しかし,これらの計測方法は生体内での計 測ではなかったり,計測手技が複雑であったり,あ るいは簡便化した直線的な計測あるいは 2 次 元 計測に基づくなど,客観性あるいは精度の点で課 題があった.近年,大腸3D - CT(仮想内視鏡,CT colonography)の登場により,大腸の長さ を 3 次 元の曲線で正確に計測することができるようになっ た(8-13).一般的に、日本人は肉食中心のアメリカ 人と比較して、大腸が長いと考えられてきたが,現 在までのところ欧米人との差異について大規模に 検討された報告はほとんどない.本研究では日本 人とアメリカ人の大腸の長さを大腸 3D - CT で客 観的に計測し,解析することを目的としている.大 腸の長さは全大腸の長さ,およびS 状結腸と直腸 を合計した長さに分けて計測した.これは,近年臨 床応用の進んでいる大腸カプセルや大腸内視鏡検 査時においてS 状結腸の長さが問題となりえるた めである.本検討では日本人群650 名とアメリカ人 群650 名の合計 1,300 名という大多数を対象とし ている.また、対照群は大腸がんに対する平均的リ スク患者となっている。アメリカ人群の人種が均一 でないことやアメリカ人群では身長や BMI などの情 報が欠落していたことから,体格にまで踏み込んだ 検討をすることはできなかったなどの限界はあるも のの、対象が1,300 名と大規模であること,拡張し た大腸の長さを正確に計測できる大腸 3D - CT に よる解析であることから,日本人とアメリカ人の大腸 の長さの一般論を述べるには十分な根拠となる報 告であると考えられる。このように新しい技術を用 い、これまで常識と考えられていたことを検証してい くことは、今後の技術革新のためにも大変に意義深 いことと考えられる。 参考文献 1. Am J Med 1924;167:499 -519. 2. SurgRadiol Anat 1992;14:251 - 7. 3. 日本大腸肛門病会誌 1994;47:31 - 9. 4. Clin Radiol 1995;50:318 - 21. 5. Int J Colorectal Dis 1995;10:216 - 21. 6. Br J Surg 1995;82:1491 - 3.

7. Surg Radiol Anat 2008;30:409 - 15. 8. AJR Am J Roentgenol 2007;189:774 - 9. 9. Br J Radiol 2009;82:475 - 81.

10. AJR Am J Roentgenol 2009;193:1291 - 5. 11. AJR Am J Roentgenol 2009;193:1296 - 304. 12. Endoscopy 2009;41:674 - 8.

13. Dig Liver Dis 2010;42:291 - 6.

福島県立医科大学会津医療センター 歌野健一

  

【目的】大腸3D - CT を用いて日本人とアメリカ人の大腸の長さを比較した. 【対象】大腸がんに対する平均的リスク患者で 50 歳以上の日本人とアメリカ人 650 名ずつ,合計 1,300 名を対象とした.大腸の長さは全大腸の長さ,およびS 状結腸と直腸を合計した長さに分けて計測した. 【結果】全対象における全大腸の長さの平均は日本人とアメリカ人でそれぞれ 154.7cm,158.2cm,( p 値:0.003,効果量:0.17),S 状結腸と直腸を合計した長さの平均はそれぞれ 63.3cm,62.5cm,( p 値: 0.23,効果量:0.07)であった.世代別では,50 歳代で全大腸の長さの平均は日本人とアメリカ人でそれぞ れ153.2cm,155.6cm,60 歳代で 155.2cm,159.3cm,70 歳代で 161.8cm,165.2cm で,日米ともに世 代が上がるにつれて有意に長くなった. 【結論】日本人とアメリカ人の大腸の長さの差に実質的効果はみられずほぼ同等である.一方,日米ともに 世代が上がるにつれて全大腸の長さは長くなる.

寄稿連載「最新文献紹介」

Appendiceal diverticulosis incidentally detected with computed tomographic

colonography

大腸 CT 検査で診断された虫垂憩室

Iwano T, Nagata K, Egawa T, et al.

Dig Liver Dis 2016;48:565

≪解説≫ 虫垂憩室は稀な疾患であり、 先天的なものは 0.014%、 後天的なものは 0.2-1.7% と言われている [1]。 多くが急性虫垂炎に対する虫垂切除の手術 標本により偶発的に見つかっている。 虫垂憩室は腹部 CT、 エコー、 注腸バリウム、 大 腸内視鏡といったモダリティで診断される [1]。 虫 垂憩室が大腸 CT によって診断されたのは、 文 献上 (PubMed 検索上) 本例が初めてである。 大腸 CT は、 無症状の虫垂憩室を診断する際に 有用なモダリティとなる可能性がある。 最新文献 紹介として、 論文掲載と異なる画像を紹介する。 参考文献

1) Dupre MP, Jadavji I, Matshes E, et al. Diverticular disease of the vermiform appendix: a diagnostic clue to underlying appendiceal neoplasm. Hum Pathol 2008; 39: 1823-6. (徳島健生病院 岩野晃明) 【今月の画像】 症例は、 糖尿病、 高血圧症、 高脂血症の既往を有する 63 歳の男性である。 腹部症状はなかった が大腸癌スクリーニング目的で、大腸 CT が施行された。 本検査で大腸腫瘍は認められず、S 状結腸、 下行結腸、 横行結腸、 上行結腸、 および盲腸に多発憩室を認めた (Fig. 1a)。 特筆すべきは、 虫 垂に 4 ~ 6mm 大の 5 つの憩室が大腸 CT 検査で認められたことである (Fig. 1b)。 CPR (curved planar reconstruction) 画像では、憩室が確認できたが、虫垂炎や虫垂腫瘍は認めなかった (Fig. 2)。

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 木島 茂喜  自治医科大学 放射線医学教室  自治医科大学附属病院は、北関東医療圏の基幹病院として栃木県、茨城県西部、埼玉県北部の地域医療を支 えています。病院の母体である自治医科大学は、「医の倫理に徹し、かつ、高度な臨床的実力を有する医師を養 成することを目的とし、併せて医学の進歩と、地域住民の福祉の向上を図ること」を理念として設立されました。 当院は大学に 2 年遅れて設立され、地域医療を担う医師の育成と高度な研究や臨床の実践を行っています。  自治医科大学建学の理念を踏まえて附属病院が 掲げている理念は以下の4点です。 (1)患者中心の医療 (2)安全で質の高い医療 (3)地域と連携する医療 (4)地域医療に貢献する医療人の育成  栃木県内を中心に多くの関連病院にスタッフを派遣し、手術連携病院を組織し、自治医科大学関連病院群と して、より多くの患者さんに質の高い均一な医療を提供できる体制を整えてきました。現在の許可病床数は 1132 床、診療科は 46 科を標榜しています。2015 年の入院患者数は延べ 313,229 名、外来受診者数は延べ 644,224 名となっています。  現在、高度急性期医療の充実、増加する手術需要に対応するため、2018 年度開設を目標に新館南棟(仮称) の建設計画を進めています。これにより血管造影設備、ハイブリット手術室、救命センター、集中治療室など がさらに充実する予定です。栃木県では 2035 年まで医療需要は増加すると予測されています。増加割合は、 それぞれの疾患により異なり、がんは 10% 程度の増加、脳卒中は 40% 程度の増加が予測されており、栃木県 および周辺医療圏における医療需要増加の受け皿となるように努力を継続しています。また、高度医療につい ても安全に実施できる体制を整えています。手術支援ロボット(da Vinci Si)の導入、医療機器、医療技術の 開発にも力を入れており、消化器疾患では本学で開発されたダブル・バルーン内視鏡検査、胃や大腸の内視鏡 的粘膜下層剥離術など世界最先端の内 視鏡診断・治療を行っています。  当院では、大腸癌の術前には全例で 大腸 CT を行っており、年間で 250 例 程度の大腸 CT 検査を行っています。 術前検査としての注腸造影は行わなく なりました。今後も先進的な研究や臨 床を通して医療に貢献していきたいと

施 設 紹 介

自治医科大学附属病院

栃木県下野市薬師寺 3311-1 Tel.0285-44-2111 (自治医科大学附属病院 俯瞰写真)

Fig. 1 Fig. 2

参照

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