別紙1
論 文 審 査 の 要 旨
報告番号 甲・ 乙 第 3125 号 氏 名 澤田 直子 論文審査担当者
主査 原 俊太郎 副査 沼澤 聡 副査 野部 浩司
(論文審査の要旨)
論 文 題 名 :Circulating oxidized LDL increased in patients with acute myocardial infarction is accompanied by heavily modified HDL.
「急性心筋梗塞患者で増加する血中酸化LDL は高度に変性したHDL を伴う」
掲載雑誌名:Journal of Lipid Research 掲載
酸化された低密度リポタンパク質(酸化 LDL)は動脈硬化症の危険因子として知られて いるが、血中に僅かしか存在しないため、その性状はほとんど不明である。本研究では、
健常者血漿及び急性心筋梗塞(AMI)患者のカテーテル治療残余血液から酸化 LDL を分離 し、急性心筋梗塞患者で増加する酸化LDL の特徴を解析した。
健常者、AMI 患者のいずれから調製した LDL画分も、陰イオン交換カラムで分離すると、
陰性荷電LDL 画分とカラム非結合画分の2 つに分離された。この2 つの分画のうち、陰性 荷電LDL 画分に含まれる酸化LDL は健常者に比べAMI 患者で高値であった。さらに、LC-MS による解析等により、この陰性荷電LDL 画分には、酸化修飾を受けたアポリポタンパク質
を含む LDL 粒子と HDL(高密度リポタンパク質)粒子が含まれており、LDL は酸化変性し
たHDL と緩やかな複合体を形成することで、粒子全体の陰性荷電を獲得していく可能性が 示された。生体内では、LDLと HDL の相互作用がある中で酸化変性が起こり、病巣形成が 進むと考えられる。
以上の研究成果により、本研究は博士(薬学)を授与するに十分に値するものと判断し た。
(主査が記載、500字以内)