研 究 代 表 者
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(2) ※ ホームページ等で公表します。 (様式2-1) 立教SFR-院生-報告. 研究成果の概要(図・グラフ等は使用しないこと。) 「ポピュラー音 楽 とは何 か」という問 いを明 らかにするべく、 2010 年 以 降 より調 査 者 の研 究 題 材 として挙 げられる、 歌 詞 、視 覚 的 動 作 (パフォーマンスや映 像 )等 に焦 点 を当 て、音 楽 における言 語 ・非 言 語 コミュニケーションの研 究 の一 環 として本 研 究 を行 った。詳 細 は、立 教 大 学 学 術 推 進 特 別 重 点 資 金 (立 教 SFR)大 学 院 生 研 究 (以 下 、「本 研 究 資 金 」とする)における 2013 年 度 研 究 成 果 報 告 書 「カバー音 楽 から見 る現 代 の音 楽 アーティスト像 の変 容 」ま たは 2014 年 度 研 究 成 果 報 告 書 「カバー音 楽 における身 体 ・声 ・象 徴 :音 楽 著 作 権 とパフォーマンスの観 点 から」を 参 照 されたい。一 部 の参 照 文 献 についても上 記 で言 及 している。近 年 顕 著 であるニコニコ動 画 における「歌 ってみ た」や「踊 ってみた」を始 めとする諸 楽 曲 や映 像 もカヴァー音 楽 の一 類 とし、人 と音 楽 のコミュニケーションを検 証 する ことで、現 代 の音 楽 に関 わる人 びと(アーティスト及 び制 作 者 、聴 衆 ほか)の諸 音 楽 体 験 における聴 取 の諸 体 系 を 明 らかにし、歌 詞 (声 )が持 つ役 割 と楽 曲 の持 つ諸 要 素 に 対 する認 識 を解 き明 かすため、本 特 別 重 点 資 金 に採 択 された 2015 年 6 月 初 旬 から 2017 年 3 月 下 旬 まで資 金 を活 用 し調 査 した。特 に本 報 告 では、文 献 調 査 と楽 曲 分 析 について特 筆 する。また、今 年 度 の研 究 では主 に 1)2000 年 以 降 のカヴァー音 楽 (同 人 音 楽 を含 む)、 2)2000 年 以 降 のボッサ・ノーヴァ及 びフレンチ・ポップに着 眼 して研 究 を行 った。本 研 究 では、調 査 事 項 とそれに対 する調 査 方 法 が多 岐 に渡 ること、また紙 幅 の都 合 上 、調 査 の概 要 や調 査 結 果 において主 要 な部 分 を記 載 することとする。 1.各 調 査 方 法 と成 果 内 容 ①文 献 調 査 主 に音 楽 関 連 の書 籍 より、ボッサ・ノーヴァやフレンチ・ポップの歴 史 を調 査 する。また、音 声 生 理 学 (『音 感 覚 論 』)などの声 に関 する書 籍 にて声 の歴 史 を調 査 し、古 典 書 籍 を参 照 しつつ、理 論 の構 築 を目 指 す。 現 在 頻 繁 に聴 かれており国 内 に流 入 してくるボッサは、発 祥 の地 であるブラジルではあまり聴 かれていない様 子 で あり、大 衆 的 とは言 えない(東 ,2003)。しかし、国 内 で著 名 なボッサ・ノーヴァ調 として、国 内 で生 み出 された楽 曲 の カヴァーが挙 げられることが多 く、それら歌 われている翻 訳 後 の楽 曲 映 像 の視 覚 的 な効 果 において興 味 深 い現 象 が 見 られる。 ②楽 曲 分 析 ・分 析 1 分 析 に使 用 したソフトは、SONY のオーディオ波 形 エディタ『Sound Forge Pro 11』である。タイムストレッチでテンポ (BPM)を調 節 し、原 曲 に限 りなく近 いテンポに変 換 する。テンポは原 曲 に寄 せると約 112~113BPM になると推 察 さ れ、カヴァー曲 のオリジナルと比 較 すると比 率 が約 106~107%となる。カヴァー曲 は原 曲 よりもテンポアップされてお り、全 体 的 なノリは加 速 する傾 向 となる。また、ボーカルトラックのみを限 りなく消 去 した形 にすると、原 曲 ではバスドラ ムの 4 つ打 ちが目 立 ち、それとともにバッキングでキーボードが一 定 のリズムを刻 む。この 4 つ打 ちはダンス・ミュージッ ク等 に顕 著 なリズムである。それに対 して、カヴァー曲 (テンポ切 り替 え後 )では 2 拍 目 と 4 拍 目 に主 な拍 が来 ており、 裏 打 ちの状 態 となっている。そのため、比 較 的 カヴァー後 の楽 曲 はディスコ・ミュージックに近 いものではないかと推 測 される。また、上 記 を踏 まえた上 で、フィールドワーク調 査 におけるライブの様 子 を考 察 すると、ライブ空 間 において、 聴 衆 は歌 詞 を聴 くよりも、その場 で鳴 り響 く音 に対 して反 応 しているように見 受 けられた。また、 アーティストのかけ声 や合 図 に応 じて、記 憶 している楽 曲 のリズムを刻 む行 為 が目 立 っていた。カヴァー楽 曲 において重 要 な要 素 は、歌 詞 よりも、リズム、アーテ ィストの身 振 り、所 謂 パ フォーマンスにあると考 えられる。 ここで挙 げた例 の他 に、合 計 57 曲 の楽 曲 を分 析 した. ・分析 2 ここでは、ボッサ・カヴァーの 歌手として有名なクレモンティ ーヌの楽曲を例に行った検証を記載する。楽曲は国内でもスタンダード・ナンバーとして認識されているものがほとんどである。例えば、『残酷な天 使のテーゼ』はカラオケのトップにランクインしており、世代を超えて認知されている楽曲である。原曲とは異なり、ギターが先行し旋律(歌詞)に相 当する部分が表拍で始まらず裏拍からの歌い始まりとなる(2 拍目である弱拍)。.
(3) ※ ホームページ等で公表します。 (様式2-2) 立教SFR-院生-報告. 研究成果の概要. つづき. ボッサ・ノーヴァの基 本 的 なリズムに象 徴 されるように、クラシックギターを用 いたタータッ(休 符 )タッターのリズムが楽 曲 全 体 の流 れを生 み出 している。この他 計 23 曲 の分 析 を試 みたが、どの楽 曲 も、旋 律 、歌 唱 、所 謂 メロディーライ ンの大 幅 な改 編 は見 られず、楽 器 群 でその楽 曲 のアレンジを行 っている傾 向 にあることが分 かった。また、上 記 の 点 で、例 え翻 訳 された言 語 (もしくは歌 唱 者 の用 いる言 語 )を用 いて歌 唱 したとしても、視 聴 者 は感 覚 的 にその歌 詞 の意 味 内 容 を捉 えている。 広 く認 知 されている楽 曲 で、多 少 の翻 訳 後 の言 語 が分 かるものであれば、旋 律 と歌 詞 内 容 を保 持 したものを原 曲 に近 い形 で捉 え、更 に、特 に映 像 がある場 合 は、視 覚 的 な情 報 も加 えて楽 曲 を認 識 することができている(な お、ここでの分 析 には、付 属 DVD と 2014 年 度 の研 究 に用 いたニコニコ動 画 での放 送 を視 聴 し記 録 したものを用 いた)。これらのことから、原 曲 の保 持 はメロディーラインが担 うことが多 く、聴 衆 もその楽 曲 を認 識 するための鍵 とし て、歌 唱 者 を捉 えていると言 える。また、楽 器 編 成 によって、原 曲 を原 曲 足 らしめる 要 素 はひとえに歌 唱 者 の影 響 が強 いということが述 べられる。構 成 する要 素 は変 容 しても、原 曲 のメロディーラインが維 持 されていれば、聴 衆 はそ の楽 曲 をカヴァーと見 做 し、原 曲 のアレンジとして認 識 する。そして、一 般 的 によく知 られている曲 に関 しては、言 語 が異 なっていても、一 つの音 に当 てはまる言 葉 、発 生 される声 が当 てはまっていて、歌 詞 の内 容 を記 憶 していれ ば、歌 詞 の内 容 も把 握 して聴 くことが可 能 である(実 際 に、ネット上 の動 画 には言 語 化 された記 録 が残 っている)。 しかし、楽 曲 の知 名 度 が低 い場 合 にはこれの限 りではない。当 初 の仮 説 である 「視 聴 者 は言 語 よりも楽 曲 のフレー ズ、旋 律 (メロディ)やパフォーマンス(身 振 り)、を重 視 して楽 曲 を聴 いている可 能 性 が高 い」という点 に対 して、言 語 よりは比 較 的 に上 記 を重 要 視 している傾 向 が見 られた。比 較 対 象 として、今 後 、スタンダード・ナンバーでない楽 曲 、既 知 でない楽 曲 を視 聴 した場 合 の反 応 も検 証 したい。 その他 の調 査 概 要 と特 筆 すべき事 項 ・所 属 の研 究 機 関 での文 献 調 査 2015 年 度 4 月 から在 籍 した国 際 日 本 文 化 研 究 センターへ文 献 調 査 。所 属 の研 究 機 関 における指 導 並 びに関 連 する機 関 での文 献 調 査 では、研 究 機 関 に訪 問 し、付 属 する図 書 館 にて図 書 資 料 を閲 覧 した(計 三 回 の訪 問 、内 、本 研 究 費 用 からは一 回 分 を充 填 した)。主 に、ラテン音 楽 に関 する資 料 、言 語 学 、音 楽 領 域 の資 料 を閲 覧 した。 ・各 種 音 楽 イベントにおける実 態 把 握 の調 査 各 種 音 楽 イベントに定 期 的 に参 加 することで、当 事 者 であるアーティストと聴 衆 、またそれらを運 営 するスタッフの 実 態 を明 らかにする。各 種 音 楽 イベントとは、具 体 的 には、ライブ(屋 内 外 )、コンサート(屋 内 外 )、催 事 、即 売 会 イベントのことを指 す。参 加 型 のイベントには自 らも参 加 する参 与 観 察 を用 いた。フィールドワークの日 程 は、 以 下 に記 す通 りである。 6 月 に電 子 楽 器 関 連 のワークショップへの参 加 (本 研 究 の調 査 内 容 であるが、本 研 究 資 金 は活 用 していない)。 7 月 から 8 月 にかけて、カヴァー楽 曲 をリリースしているアーティストのトークライブに参 加 した。 ・採 譜 には楽 譜 作 成 用 のソフト、finale を用 いた。 ・楽 曲 の選 出 、ヒット曲 については、『青 春 グラフィティ邦 楽 ・洋 楽 ベストヒット』シリーズや『ビルボード年 間 チャート 60 年 の記 録 1955-2014』等 を活 用 した。 ・他 、歌 詞 や翻 訳 の理 論 等 、複 数 の書 籍 を用 いた。 3.得 られた結 果 と今 後 の展 望 ライブ空 間 におけるカヴァー楽 曲 の演 奏 の聴 取 において、聴 衆 は、原 曲 通 り(翻 訳 されていない状 態 )の英 語 歌 詞 を視 聴 した際 に、パフォーマンスや歌 声 、その際 、歌 詞 の持 つ意 味 よりもその場 のノリや楽 器 が打 ち鳴 らすリズム 及 びボーカルの旋 律 を意 識 して聴 取 することが分 かった。また、日 本 語 の歌 詞 を他 言 語 にしてカヴァーした場 合 に は、記 憶 が重 要 なタームとなることが発 見 された。 今 後 は、2014 年 度 の研 究 成 果 と 2015 年 度 の本 研 究 成 果 を踏 まえて、更 にカヴァー音 楽 の歴 史 を調 査 し、よ り詳 細 な歌 詞 の翻 訳 について調 査 していきたい。また、今 回 実 施 するに至 らなかったアンケート調 査 も行 いたい。 次 年 度 では上 記 の点 の改 善 を計 画 している。我 々は何 を聴 き、何 を歌 っているのか、それらを明 らかにするために 今 後 も調 査 を続 けていきたい。 参考文献 東 琢 磨 (2003).『全 ‐世 界 音 楽 論 』青 土 社 . ※この(様式2)に記入の成果の公表を見合わせる必要がある場合は、その理由及び差し控え期間等 を記入した調書(A4縦型横書き1枚・自由様式)を添付すること。.
(4) ※ ホームページ等で公表します。 (様式3) 立教SFR-院生-報告. 研究発表 (研究によって得られた研究経過・成果を発表した①~④について、該当するものを記入してください。該当するものが多い 場合は主要なものを抜粋してください。 ) ①雑誌論文(著者名、論文標題、雑誌名、巻号、発行年、ページ) ②図書(著者名、出版社、書名、発行年、総ページ数) ③シンポジウム・公開講演会等の開催(会名、開催日、開催場所) ④その他(学会発表、研究報告書の印刷等). ①[雑誌論文] 〈投稿を予定している学術雑誌〉 立教大学大学院異文化コミュニケーション研究科『異文化コミュニケーション論集』に論 文投稿を予定。 日 本 ポ ピ ュ ラ ー 音 楽 学 会 ( J A S P M )『 ポ ピ ュ ラ ー 音 楽 研 究 』 に 研 究 成 果 の 投 稿 を 予 定 。.
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