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研 究 代 表 者

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Academic year: 2022

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(1)※ ホームページ等で公表します。 (様式1) 立教SFR-院生-報告. 立教大学学術推進特別重点資金(立教SFR) 大学院生研究 2014年度研究成果報告書. 研究科名. 立教大学 異文化コミュニケーション. 在籍研究科・専攻・学年 異文化コミュニケーション研究科 (2015 年 3 月 現 在 異文化コミュニケーション専攻 のものを記入) 博士課程前期課程 2 年. 研究科 異文化コミュニケーション 専攻 氏 名. 研 究 代 表 者. 指導教員. 自然・人文 ・社会の別 研究課題. 所属・職名 異文化コミュニケーション研究科 教授 自然. ・. 人文. ・. 社会. 合崎. 京子. 印 氏 名. 小山. 亘. 印. 個人・共同 の別. 個人. ・. 共同. 名. 自閉症スペクトラムをもつ人のコミュニケーション ー初対面場面における会話分析を通して- 在籍研究科・専攻・学年. 異文化コミュニケーション研究科 異文化コミュニケーション専攻 研 究 組 織 博士課程前期課程 2 年. 氏 名 合崎. 京子. (2015 年 3 月 現 在 のものを記入). 研 究 期 間. 2014. 研 究 経 費 (支出金額). 年度 200000 円/(採択金額). 200000 円. 研究の概要(200~300 字で記入、図・グラフ等は使用しないこと。) 本研究は、自閉症スペクトラム者のコミュニケーションについて、当事者の会話の分 析により、その様相の一部を明らかにするものである。データに会話のトランスクリプ トと会話参与者の回顧インタビューを用い、そこで生じた両者の同一場面に対する解釈 の齟齬について、フレーム、フッティングといった概念を援用した分析を行った。その 解釈の相違がどのような事象に起因したのかを考察した結果、彼らの言語運用は認知特 性のみではなく、その社会的背景、会話の状況に強く依存することが示された。以上を 通し、認知科学的研究が主流である自閉症スペクトラム者のコミュニケーションの解明 に対して、社会言語学が果たす役割の可能性を示唆した。. キーワード(研究内容をよく表しているものを3項目以内で記入。) 〔 自閉症スペクトラム. 〕 〔談 話 分 析. 〕 〔語 用 論. 〕.

(2) ※ ホームページ等で公表します。 (様式2-1) 立教SFR-院生-報告. 研究成果の概要(図・グラフ等は使用しないこと。) 1) はじめに 本 研 究 は 、他 者 の 心 的 状 態 の 類 推 が 適 切 に 行 え ず 、社 会 的 認 知 に 障 害 が あ る と 言 わ れ て い る 自 閉 症 ス ペ ク ト ラ ム を 持 つ 人 と 、そ の 症 状 が な く 診 断 を 受 け て い な い 人 、す な わ ち 定 型 発 達 者 の 二 者 間 会 話 、及 び 会 話 参 与 者 に 対 す る フ ォ ロ ー ア ッ プ イ ン タ ビ ュ ー の 分 析 を 通 し 、自 閉 症 ス ペ ク ト ラ ム を 持 つ 人 の コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン の 実 態 を 捉 え よ う と す る も の で あ る 。会 話 の 中 の 言 語 ・ 非 言 語 行 動 を 詳 細 に 描 写 し 、参 与 者 が 会 話 に ど の よ う な 前 提 を 持 ち 、 立ち位置を展開していくか分析を行う。 特に、双方の前提が異なった時どのようにそれ を乗り越えて協調していくかという、相互行為の過程を明らかにすることを目的とする。 2) 研 究 方 法 本 研 究 で 扱 う 会 話 は 、自 閉 症 ス ペ ク ト ラ ム を 持 つ 成 人 女 性 の A と 、定 型 発 達 の 成 人 女 性 B の 、15 分 間 の 初 対 面 会 話 で あ る 。 こ の 会 話 の 中 で A の 発 言 や 質 問 の 仕 方 を 起 因 と し て 、 参 与 者 相 互 の フ レ ー ム 解 釈 に 齟 齬 が 生 じ て お り 、会 話 後 の 回 顧 イ ン タ ビ ュ ー で も 解 釈 に 食 い違いが見られた場面について分析を行う。 また、この箇所の言語・非言語行動を、西 阪 ら ( 2 0 0 8 ) が 日 本 語 用 に 整 理 し た 表 記 法 を 参 照 し 作 成 し た ト ラ ン ス ク リ プ ト と 、会 話 参 与 者のフォローアップインタビューコメントをデータとした。 以上の 2 種類のデータにつ い て 相 互 行 為 の 談 話 分 析 を 試 み る 。分 析 の 概 念 装 置 と し て は 、人 々 が そ の 場 の 状 況 、行 為 、 対 話 者 に 関 す る 知 識 の 構 造 を 用 い 、進 行 し て い る 相 互 行 為 を 解 釈 す る 枠 組 み で あ る「 フ レ ー ム 」 (Goffman, 1974)、 及 び 、 そ こ で 行 わ れ て い る 相 互 行 為 に 対 し て 投 射 す る 自 分 の 立 ち 位 置 の こ と で あ る 「 フ ッ テ ィ ン グ 」 (Goffman, 1981)を 用 い た 。 3) 分 析 事 例 分 析 と し て 取 り 上 げ る 場 面 は 、デ ー タ の 会 話 開 始 か ら 3 分 経 過 し た 箇 所 で 、参 与 者 が 互 い に 社 会 人 経 験 に つ い て 述 べ 合 っ た 後 、自 閉 症 ス ペ ク ト ラ ム を 持 ち 現 在 休 職 中 の A が 、 定型発達者である B に、その職業や勤続年数について尋ね、A が返答を行っているところ である。 この箇所の直前では、会話が進むに従って二人の会話フレームが、よりリラッ クスした、日常会話的なものに転換していく様子が確認されている。 会話のトランスクリプト 0 1 . B : º と し が 出 ち ゃ い ま す º け ど h h (( A を 見 る ) ) = 02. A: =((伏 し 目 が ち に ))>い や い や い や <、 大 丈 夫 で す 03. : ( 1 . 6 )( ( こ の 間 A は 2 回 頭 を 縦 に 振 る ) ) 04. A: そ う 、 わ た し あ ま り こ う (.)長 く 働 く と い う の が ((首 を 横 に 振 る ))、 な か ((首 を :横 に 振 る ))な か 05. : で き -で き -((首 を 横 に 振 る ))で き て い な の で ((ち ら っ と B を 見 る )) 06. : や っ ぱ り そ う ((頭 縦 振 り )) 続 け ↑ る っ て い う の は 素 晴 ら ↑ し い こ と だ な と ((頭 縦 振 り ))え :思 い ま す 07. : (1.0)(( A,お 辞 儀 を す る )) 08. B: あ り が と う ご ざ い ま す ( (B,お 辞 儀 を す る )) <LL. 09-18 中 略 > 19. A: ↑ あ は い [う ん 20. B: [こ う か わ る じ ゃ な い で す か : 21. A: は い ((う な ず き )) 22. B: フ ロ ン ト 23. A: う ん ((う な ず き )) 24. B: わ た し も 営 業 行 っ た り 25. A: う ん 26. B: だ か ら ず :っ と ((A を 見 る )) [あ ん ま り 仕 事 = 27. A: [↑ あ :::: 28. B: =し て る わ け [じ ゃ な い ん で 、 29. A: [↑ あ ::: ((こ の 間 う な ず き )) 30. B: 比 較 的 な ん と い う か バ ラ エ テ ィ に 富 ん で [と い う か , 31. A: [↓ お ::: ((う な ず き )) 32. B: [(… )か も し れ な い (.)((笑 い )) 33. A: [>な る ほ ど ((う な ず き ))<>ち ょ っ と お 伺 い <し て 、 ↑ い い で し ょ う か ? 34. B: あ 、( ( B は 姿 勢 を 正 す ) ) い い で す よ , 35. A: ホ テ ル の 営 業 っ て い う の は ど う い う (.)こ と す る ん で し ょ う 、 な ん か 36. B: ホ テ ル の 営業 ? = 37. A: =そ う で す な ん か た 、 と え ば な に か う る と か 38. (0.3) 39. A: だ と な ん か想 像 、 40. B: も の じ ゃ な い か ら ね [hhh 41. A: [そ う 、 42. 想 像 が し づ ら い ん で ち ょ [っ と 、 お う か が い で き れ ば な と 43. B: [え ::っ と ね : 44. (0.3) 45. B: え ::っ と :ま ま ず 一 番 は : 46. A: は い 47. B: 客 室 が あ るじ ゃ な い で す か 48 A: あ 、 あ り ます ね 、 は い.

(3) ※ ホームページ等で公表します。 (様式2-2) 立教SFR-院生-報告. 研究成果の概要 つ づ き フォローアップインタビューのコメントも参照しつつ、本研究で着目した齟齬(突飛 な A の質問に起因する相互行為)をめぐるフレームやフッティングの形成、変化、相互 理解がどのように会話を協調的結末へと導いたのかについて分析・考察を行った。 A は インタビューの中で、会話中に起きる沈黙並びに、他人への質問に対する恐怖心が幼児 期 の 経 験 に 起 因 す る 理 由 に よ り 、非 常 に 強 い こ と を 語 っ て い る 。 し か し 本 会 話 に お い て は、今回分析を行った箇所の直前までで、A も質問をできるようなリラックスした会話 フ レ ー ム へ の 転 換 が な さ れ て い る 。 さ ら に 、LL.11-32 の B の 語 り の 中 で は 、A の 会 話 に 対する警戒心や恐怖心は、そのあいづちにも示されるとおり徐々に後景化し、会話の内 容 自 体 を 楽 し む 余 裕 が で き て い た こ と も 併 せ て 示 さ れ て い る 。 以 上 の 事 象 に よ り 、A の 、 B の 職 種 内 容 に つ い て よ り 深 く 知 り た い と い う 気 持 ち の 先 走 り か ら 、 L.33 に 見 ら れ る よ うな突然の A の質問がなされた可能性がここでは推察される。 その様子からは、A が、 B のフッティングを、自分の知らないことを教えてくれる存在であると位置づけている こと、またこの場のフレームを、一種のレクチャーの場としてのフレームで捉えている 可能性が示唆された。 しかしながら他方の B は、A のそのフレームを共有するには少な すぎる情報しか A から与えられていなかったため、A の質問の仕方や内容が脈絡や論理 性が欠如しているように感じられ、違和感を覚えるに至ったと解釈することもできる。 し か し 、こ の 箇 所 で A は 、B の 感 じ た 違 和 感 に 何 も 対 処 し な か っ た わ け で は な い 。 A は 、 B の助け舟的な発話の力も借りて、相手つまり B のフッティングを捉え直していた。 そ して自分の質問者としてのフッティングを、よりわかりやすい形で B に再提示し、その 結 果 、 今 度 は 「 質 問 -回 答 」 と い う フ レ ー ム を 二 人 で 協 働 し て 立 ち 上 げ る に 至 っ た こ と が重要な点である。 以 上 を 通 し 、コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン の 遂 行 に あ た っ て は 、参 与 者 の 一 方 の 行 っ た 行 為 が 、 対 話 者 に 適 切 で な い と 受 け 止 め ら れ る も の で あ っ た 時 に 、1 ) そ の よ う な 判 断 を し た 対 話 者側も、適切でない行為を行った相手が、どのようなフレームやフッティングのもとで 話しているのかに思いをめぐらせ、それに合わせた修正案の提示が可能であるか考える こ と が 肝 要 で あ る こ と 、 そ し て 2) そ の 提 示 の 有 無 が 、 そ の 後 の 会 話 の 流 れ を 大 き く 左 右 す る こ と が 、A の 唐 突 な 質 問 に 対 し て の 、B の 助 け 舟 的 発 話 に よ っ て も た ら さ れ た そ の 後の二人の会話の協調からも示唆される。 4) ま と め 本研究では、 自閉症スペクトラムを持つ人と、 それを持たない人の初対面会話を 事 例 と し て 取 り 上 げ 、 談 話 分 析 を 行 っ た 。そ の 中 で は 、 症 状 の あ る な し に 関 わ ら ず 、 両者とも移り変わる会話のコンテクストに反応し、 常にその態度を変化させているこ と、 すなわち、 ときに対話者が適切であると判断する行為を、 またときにそうで ない行為をそれぞれの場面に応じ行っているということが明らかとなった。今後は分析 事例数を増やすことによって、 社会文化的コンテクストが自閉症スペクトラムを持つ 人のフレーム、 フッティング形成に及ぼす影響のより詳細な分析を目指すとともに、 談話分析の手法を用いた会話の分析が自閉症スペクトラムを持つ人のコミュニケーショ ン齟齬を解明するのにも有効であることを示し、 こうした分野での研究促進の一助と したい。 <参 考 文 献 > Goffman, E. (1974). Frame analysis: An essay on the organization of experience. New York: Harper & Row. Goffman, E. (1981). Forms of talk. Philadelphia: University of Pennsylvania Press. 西 阪 仰 ・ 串 田 秀 也 ・ 熊 谷 智 子 ( 2 0 0 8 ). 「 特 集 『 相 互 行 為 に お け る 言 語 使 用 : 会 話 デ ー タ を 用 い た 研 究 』 に つ い て 」 『 社 会 言 語 科 学 』 第 10 巻 , 第 2 号 , 13-15 頁 . 社 会 言 語 科 学 会. ※この(様式2)に記入の成果の公表を見合わせる必要がある場合は、その理由及び差し控え期間等.

(4) を記入した調書(A4縦型横書き1枚・自由様式)を添付すること。 ※ ホームページ等で公表します。 (様式3) 立教SFR-院生-報告. 研究発表 (研究によって得られた研究経過・成果を発表した①~④について、該当するものを記入してください。該当するものが多い 場合は主要なものを抜粋してください。 ) ①雑誌論文(著者名、論文標題、雑誌名、巻号、発行年、ページ) ②図書(著者名、出版社、書名、発行年、総ページ数) ③シンポジウム・公開講演会等の開催(会名、開催日、開催場所) ④その他(学会発表、研究報告書の印刷等). ① 合 崎 京 子 (2015) 「 自 閉 症 ス ペ ク ト ラ ム を 持 つ 人 の 相 互 行 為 に お け る 調 和・不 調 和 : 初 対 面会話と回顧インタビューを通して」立教大学異文化コミュニケーション研究科 (修士論文) ④ 合 崎 京 子 (2014) 「 発 達 障 害 者 に よ る 会 話 フ レ ー ム の 構 築 と 共 有 ‐ 当 事 者 会 に お け る 初 対 面 会 話 の 談 話 分 析 を 通 し て 」 2014 年 3 月 19 日 「 言 語 と 人 間 」 研 究 会 第 39 回 春 期 セ ミ ナ ー ( ポ ス タ ー 発 表 )『 第 3 9 回 H LC 春 期 セ ミ ナ ー ・ ハ ン ド ブ ッ ク 』 p . 2 5 ④ 合 崎 京 子 (2014) 「 自 閉 症 ス ペ ク ト ラ ム 障 害 者 の 会 話 に お け る 協 調 行 為 ―初 対 面 会 話 に お け る 応 答 ・ あ い づ ち /非 言 語 行 動 を 通 し て - 」 2014 年 5 月 31 日 立 教 ・ 異 文 化 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 学 会 第 11 回 大 会 ( ポ ス タ ー 発 表 )『 第 11 回 大 会 予 稿 集 』 p p . 1 9 -2 2 ④ 合 崎 京 子 (2015) 「 自 閉 症 ス ペ ク ト ラ ム を 持 つ 人 と の 会 話 の 協 調 - 初 対 面 会 話 の フ レ ー ム 分 析 を 通 し て - 」2 0 1 5 年 3 月 1 5 日 第 3 5 回 社 会 言 語 科 学 会 研 究 大 会『 第 3 5 回 社 会. 言 語 科 学 会 研 究 大 会 予 稿 集 』 pp. 144-147 ④ 合 崎 京 子 (2015) 「 自 閉 症 ス ペ ク ト ラ ム 者 の 会 話 の 解 釈 に コ ン テ ク ス ト が 及 ぼ す 影 響 - 談 話 分 析 と フ ォ ロ ー ア ッ プ イ ン タ ビ ュ ー を 通 し て - 」2 0 1 5 年 3 月 2 1 日 J A C E T 談 話 行 動研究会(口頭発表).

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参照

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