実践を通して
Author(s) 森, 健一郎; 深見, 智一; 浅倉, 絵美
Citation 北海道教育大学紀要. 教育科学編, 69(1): 393‑404
Issue Date 2018‑08
URL http://s‑ir.sap.hokkyodai.ac.jp/dspace/handle/123456789/9909
Rights
複式学級におけるユニバーサルデザイン教育
―へき地・小規模小学校の実践を通して―
森 健一郎*・深見 智一**・浅倉 絵美**
*北海道教育大学大学院教育学研究科
**鶴居村立幌呂小学校
AStudyofaUniversalDesignforLearninginaCombinedClassroom
―InPracticeataRuralSmallElementarySchool―
MORIKenichiro*,FUKAMITomokazu**andASAKURAEmi**
*HokkaidoUniversityofEducationAdvancedProfessionalDevelopmentProgram
**TsuruiHororoElementaryschool
概 要
児童一人一人にきめ細やかな指導ができるへき地・小規模校において,特別な支援を要する 児童を含めたすべての児童が「わかる・できる」を目指す複式学級のユニバーサルデザイン教 育について検討する。学級担任が小規模性をメリットとして捉えるパラダイム転換を図ること を前提に,通常学級の担任が行う「教室環境のユニバーサルデザイン化」と「授業のユニバー サルデザイン化」の実践について報告する。加えて,交流及び共同学習で共に指導に当たる特 別支援学級の担任の視点から見た複式学級におけるユニバーサルデザイン教育についての考察 を行う。
1 はじめに
⑴ 特別支援を要する児童の増加
通常学級に在籍する,学習面又は行動面で著し い困難を示し支援を要する児童生徒への対応は,
学級経営における重要な課題の一つである。文部 科学省の「通常の学級に在籍する発達障害の可能 性のある特別な教育的支援を必要とする児童生徒
に関する調査結果」(2012)では,知的発達に遅 れはなくても,学習面又は行動面で著しい困難を 示す児童生徒の割合は6.5%であることが示され た。通常学級の担任は,学級経営上,一定程度配 慮しないといわゆる「学級崩壊」と言われる「学 級がうまく機能しない状況」になってしまう可能 性もある。実際,学級経営研究会(2000)は,「学 級がうまく機能しない状況」を10のケースに分類
し,その一つとして,「特別な教育的配慮や支援 を必要とする子どもがいる事例」を挙げている。
一方で,通常学級に在籍している支援を要する 児童(発達障害の可能性のある児童を含めて)に 対しての指導にばかり重点が置かれると,それ以 外の児童や保護者からの不安や不満が生じ,か えって学級経営上の困難が生じるという現状も報 告されている(村田・松崎2008)。そのため,特 別な支援を必要とする児童への個別的な支援だけ ではなく,学級全体や他の児童へも目を向けたバ ランスの良い「包括的な学級支援」として,学 習・生活環境のユニバーサルデザイン化が重要で ある(村田・松崎2009)。
⑵ ユニバーサルデザインとは
ユニバーサルデザインとは,米国のロナルド・
メイス博士が提唱した。「年齢,性別,身体的状 況,国籍,言語,知識,経験などの違いに関係な く,すべての人が使いこなすことのできる製品や 環 境 な ど の デ ザ イ ン を 目 指 す 概 念 」 で あ る
(Burgstahler2009)。ユニバーサルデザインの 考えは,様々な製品やサービスに適用され,それ は教育にも広まってきた。1992年にはDO-ITセ ンターが設立され,「指導におけるユニバーサル デザイン」の原則が提示され,様々な障害を持つ 学生の進学や学習及び就労の支援を行っている
(Burgstahler2012)。また,CAST(Centerfor AppliedSpecialTechnology)が提唱している「学 びのユニバーサルデザイン(UniversalDesign Learning)」では,「提示(表象 representation)
に関する多様な手段の提供」「行動と表出(action andexpression)に関する多様な手段の提供」「取 り組み(engagement)に関する多様な手段の提 供」など学習者に対する画一的な方法ではなく,
様々なオプションを用意することの重要性を指摘 している。
日本では,「障害者の権利に関する条約」に基 づき,中央教育審議会(2012)は「共生社会の形 成に向けたインクルーシブ教育システム構築のた めの特別支援教育の推進」の報告のなかで,「障
害のある子どもと障害のない子ども,それぞれ が,授業内容が分かり学習活動に参加している実 感・達成感を持ちながら,充実した時間を過ごし つつ,生きる力を身につけていける」教育の実現 を目指す方向性を示している。その実現のため に,合理的配慮とユニバーサルデザインの考え方 に基づいた基礎的環境整備の必要性を指摘してい る。また,近年では,ユニバーサルデザイン2020 関係閣僚会議(2018)の「ユニバーサルデザイン 2020行動計画」において,「障害の有無,年齢,
性別,人種等にかかわらず多様な人々が利用しや すいようあらかじめ都市や生活環境をデザインす る考え方」と定義されており,一般的な概念とし て広く普及してきていると言える。
ユニバーサルデザイン教育に関する研究におい ては,日本授業UD学会が学術研究団体として活 動しており,「授業のユニバーサルデザイン」を
「学力の優劣や発達障害の有無にかかわらず,全 員の子どもが,楽しく『わかる・できる』ように 工夫・配慮された通常学級における授業デザイ ン」(小貫・桂2014)と定義し,発達障害のある 子どもを含めた通常学級の全員が楽しく学び合い
「分かる・できる」授業を目指し,各教科で広ま りが見られるⅰ。
一方で,「ユニバーサルデザイン教育」や「授 業のユニバーサルデザイン」といった用語が広 まっているとは言え,その理解については定まっ ているとは言えない。佐藤(2015)は,教育に関 するユニバーサルデザインの考えについて2つの タイプがあることを指摘しているⅱ。一つは,「指 導する教員を主体として考える」ものとして,「あ る教え方が多くの子どもたちの『わかる・できる』
につながることを意味する指導を主体としたタイ プ」とする。もう一つは,「学習者である児童生 徒を主体として考える」ものとして,「子どもた ち一人一人のニーズに応えることを意味する学習 者を主体としたタイプ」とする。いずれの立場で も,学級全員の子どもたちが「わかる・できる」
という状況に到達することを目標としているの で,本稿では特別に区別して扱わない。この点,
片岡(2015)は,高次にユニバーサルデザイン教 育を置き,その次に,指導者・学習者の立場が据 えられ,さらに下位レベルに「教室設営などの
『(学習)環境におけるユニバーサルデザイン』,
一単位時間においての授業工夫や評価の視点も含 めた『授業のユニバーサルデザイン』,そして,
ユニバーサルデザインを取り入れようとする柔軟 な考え方や,様々な働きかけをしようとする態度 を示す『意識におけるユニバーサルデザイン』が 含まれる」としているⅲ。また,阿部(2016)では,
この下位レベルの概念に関して,「教育のユニ バーサルデザインの3つの柱」として,様々なつ まずきがある子どもたちが過ごしやすく,学びや すい教室環境を整備することとして「教室環境の UD化」,安心でき居心地のよい雰囲気づくり,子 ども同士が支え合い学び合う学級環境づくりとし ての「人的環境のUD化」,発達に課題のある子の つまずきを想定し,そのつまずきから,授業にお ける指導等を工夫する「授業のUD化」の3つに 大別しているⅳ。いずれにしても,環境・授業・
意識もしくは人という3つカテゴリーに分かれる 点は,どの立場においても共通している。
⑶ へき地・複式小学校におけるユニバーサル デザイン教育の必要性
へき地・小規模校の複式学級は,その地域性や 小規模性から,次のような特性を有する(北海道 教育委員会 2013)(表1)。
特に,学校生活の大部分を占める学習において は,複式学級の学習指導は,単学年で指導する場 合と指導方法が大きく異なり,教師の指導上の工 夫が求められる。表1のように,複式学級ならで はの特殊性や課題が存在するが,学級担任がその 特性を生かした指導をしていくことで,「小規模 性をマイナス面ととらえるのではなく,それをメ リットとして捉えるパラダイムの転換と,さらに 新しい活動を行う条件づくりと施策を創りだして いくという意識転換」(玉井2015)を図っていく 必要があるⅴ。
そこで,へき地・小規模校の複式学級におい
て,ユニバーサルデザイン教育が求められる理由 として,次の点が挙げられる。
第一に,複式学級は2個学年で編成されている ため,同一教室内でそれぞれの学年の学習が同時 進行することや,学級の児童の年齢や学年が異な ることにより,個々の能力差や個人差が大きいこ とが挙げられる。それゆえに,すべての児童が落 ち着いて学習・生活できる「教室環境のユニバー サルデザイン化」が重要である。
第二に,複式授業における学年別の指導の場合,
一方の学年を教師が指導していると,もう一方の 学年の児童は自らの力で学習を進める間接指導の 時間が一定の割合で毎時間存在することが挙げら れる。それゆえに,児童が自らの力で学習を進め ることができるよう配慮する「授業のユニバーサ ルデザイン化」が重要である。
本稿では,複式学級の利点を生かしていく指導 が求められる状況を踏まえ,複式学級の課題に 合った具体的な方策を考えていくことで,へき 地・小規模校の複式学級における「教室環境のユ ニバーサルデザイン化」と「授業のユニバーサル デザイン化」の実践の2点について報告する。
【表1 複式学級の特性(北海道教育委員会 2013)】
長所と思われること 課題と思われること
◆学級の児童生徒が異 学年で構成され,互 いに親密な関係をも ちやすい。
◆リーダーとフォロワー
(協力者)という二 つの立場を経験する ことができる。
◆少人数で児童一人一 人に応じた指導がし やすい。
◆学年別の指導の場合,
児童生徒は教師のつ かない時間を使って 習熟を図ることがで きる。
◆学年や性別による児 童生徒数に偏りがあ り,交流の相手が限 定されるため,学習 場面で多面的に考え ながら討議を展開す ることなどが難しい。
◆大きな集団での社会 的経験の場や機会が 不足しがちになる。
◆児童生徒の年齢や学 年が異なるため,個々 の能力の差,個人差 が大きい。
2 事 例
⑴ A小学校について
本稿でとりあげるA小学校は,北海道東部地域 に所在する公立小学校である。通常の学級と特別 支援学級がそれぞれ3学級あるへき地(2級)の 小規模校である。一般的に,へき地・小規模校は,
新卒教師や若手教師が多く,教員の年齢構成に偏 りがあったり,若手教師が定着しなかったりする 傾向も指摘されるが(川前2015),A小学校の教 諭は,教職経験年数が10年以上の教員で構成され ている。複式学級の担任経験は,教諭7名のうち 3名がA小学校よりも以前の勤務校で経験してい る。初めて複式学級を担任する教員のために,A 小学校の学校経営計画書のなかに「A小学校の複 式指導について」というマニュアルが用意されて いる。また,毎年,北海道教育大学教育学部釧路 校の3・4年生が履修する「へき地校体験実習」
や新入生がへき地・小規模校を訪問する「新入生 研修」を受け入れている。
第2筆者(深見)は,3・4年生の通常学級9 名の児童の学級担任である。加えて,この通常学 級には,交流及び共同学習を行う3名の特別支援 学級の児童が共に学んでおり,それぞれに1名ず つ特別支援学級担任がいる。第3筆者(浅倉)は,
そのうちの一人である。
⑵ 事 例
①「教室環境のユニバーサルデザイン化」
ア)「生活の流れに見通しをもたせる掲示」
A小学校の通常学級では,どの学級でも一日の 生活の流れや月ごと,学期ごと,一年間の生活の 見通しを持たせるための掲示を行っている。
第一に,一日の生活の流れに見通しを持たせる ための掲示が挙げられる。児童が,先を見通せず 不安になることを防ぐだけではなく,予定をすぐ に忘れてしまうこともあるので,一日の予定がす べて分かる場所を決めて掲示しておく。そうする ことで,自分で判断して行動できる力を育成する ことができる。
そもそも,A小学校においては,特別支援学級 に在籍する児童への配慮もあり,学校行事や学習 活動において,できるだけ当日の予定変更を避け る配慮を行っている。しかし,やむを得ず変更せ ざるを得ないこともあるため,どのような活動を,
どのような場所で,どのような順序で実施するの かということをはっきりと見通すことができるよ うに1箇所に掲示し,変化に敏感な児童でも安定 した生活を送ることができるようにしている。
例えば,時間割は大きな文字と教科書や場所の イラストと両方が入る表示にしている。情報量や 刺激が多くなってしまう心配もあるため,学級に 在籍する児童の実態に応じて,文字だけにしてい る学級もある。マグネットタイプで作成し,その 日の日直である児童が時間割を見て掲示してい る。その後,学級担任が朝の会で補足的な情報や 変更を口頭で伝え,追記している。
また,第2筆者(深見)の学級では,休み時間
(中休み,昼休み)の予定や給食の予定も1日の 予定に含めて掲示している。これは,通常の日程 とは異なる不定期の活動があることを意識させる ためである。例えば,A小学校独自の活動として,
体力向上と集団遊びを目的とした「体力アップ」
という独自の取り組みがある。この取り組みは,
学級ごとに行う体育では少人数ゆえに行えない活 図1 1日の時間割(左)と給食当番の表(右)
動を行うことや,学年を越えたふれあいの場を日 常的に設けることをねらいとして週に1回程度設 定されている。また,休み時間には,児童会活動 や学級の係活動のイベントなども週に1回程度行 われる。さらに,通常の日課表とは異なる時程の 場合に対応することも考えている。それで,誰が 見ても分かるように掲示し説明することで,「休 み時間に自分の好きな遊びができなかった」「ど うして今日は昼休みがないんだ」と言った児童の 不安定さにつながる言動を抑える効果がある。
第二に,月,学期,年間単位の見通しを持たせ るための掲示である。例えば,学校の年間行事予 定表ではなく,市販のカレンダーに学級担任が手 書きで学校・学級の予定を書き込み掲示してい る。第2筆者(深見)の学級では,過年度の写真 もあわせて掲示し,行事後に写真を新しいものに 張り替えることで,月日の流れを児童が感じやす くなるように配慮している。また,中学年でも,
「学期」「年度」といった概念については理解す ることが難しい児童も多いことから,紙テープで
「1学期」「2学期」「3学期」,「前期」「後期」
を表示することにより,日常的に使用されている 言葉の意味を理解できるような工夫もしている。
さらに,国語の学習で作文を書くときや,総合的 な学習の時間のレポートづくりを行う際など,過
去の活動を振り返るツールとなっている(図2)。
このほかにも,掃除や給食当番の手順や役割分 担,朝の身支度の流れ,授業開始と終了の時刻を 表した掲示がされている。
イ)「掲示の仕方の工夫」
掲示の仕方の工夫は,複式学級特有の座席の配 置とも関わってくる。通常の座席配置は,異学年 同士が隣り合う図3のような形になっている。
そして,複式授業になった場合は,図4のよう にそれぞれの学年が分かれて座ることになる。複 式授業の場合は,一方の学年がもう一方の学年と 背中合わせになるように机を移動して学習するこ とになるが,このような配置の場合でも,廊下側 の掲示板はいずれの学年の児童からもあまり視界 に入らない(図5)。それで,児童の作品や係活動,
一年間の見通しに関わる掲示物を集中的に掲示す るようにしている。
この場合,一方の学年が使用する開閉式の移動 黒板の背景に,教室後方の掲示板が見えることに なる。それで,児童の集中を妨げないように,教 室後方の掲示板に貼る掲示物の量を減らし,刺激 量の調整を図っている。
ウ)「整理・整頓」
整理整頓の方法を明確に示したり,教室内の備 品や提出物を置く場所を決めたりすることで,ど
図2 月単位,学期単位,年間の行事予定カレンダー
図4 複式授業における座席配置図 図3 複式学級における通常の座席配置
の児童も学習や作業の効率を上げることができる。
例えば,児童が登校してから始業開始までには 学習の準備として,「学習道具を机の中にしまう」
「提出物(宿題,連絡帳など)を決められた場所 に置く」「ランドセルや上着をしまう」といった 作業がある。これらは,小学校に入学したばかり の時期に指導されるが,習慣化されるまでに時間 がかかる児童もいる。それで,置き場所や置き方 が一目でわかるような表示や整理の仕方の工夫を することができる。第2筆者(深見)の学級では,
毎朝,教師の机上が図6のようになっている。
複式学級で,宿題のプリントが国語・算数それ ぞれ1枚ずつあり,それ以外に家庭学習のノート の提出があるため,多くの種類の提出物が机上に 置かれている。それ以外にも,保護者からの連絡 帳や学校への提出物もある。教師が机上を整理・
整頓しておくことは言うまでもない。加えて,提 出物用の箱を準備して表示をつけることで所定の 位置を示している(図7)。さらに,年度当初に 望ましい状態を写真で児童に提示することで習慣 化を促し,効率よく始業開始前の時間を過ごすこ
とができるようにしている。また,掲示の仕方の 工夫とも関わるが,学級や児童の実態に応じて,
掲示物を減らしていくことで,児童に達成感を味 わわせるような指導も効果的である。
複式学級は,できることが異なる能力差のある 集団であるが,例えば,上級生のよく整理された ロッカーを手本として写真で掲示することで,下 級生が身近な上級生の手本を見て努力するように なる。そして,今度は自分たちが上級生になった ときに,下級生に手本を示そうと努力するという 良い循環を生み出すことにつながり,異年齢集団 である複式学級の特性を学級経営に生かすことも できる。
②「授業のユニバーサルデザイン化」
ア)学習の見通しをもたせるための「学習計画 表」
2017(平成29)年告示の小学校学習指導要領で は,「児童が学習の見通しを立てたり学習したこ とを振り返ったりする活動を,計画的に取り入れ るように工夫すること」が位置づけられている。
児童が一単位時間や単元の学習の目的・手順を理 解し,学習に「見通し」をもてるようにすること で,すべての児童が主体的に学習に取り組めるこ とが期待できる(上田2013)。
そこで,学習の見通しを持たせる手段として,
A小学校では複式授業の場合に学級担任が「学習 計画表」を作成・活用している。各学年によって 形式は異なるが,本時の学習のねらい,内容,順 図5 複式授業の様子(A小学校校長通信より)
図6 一目でわかるような表示や整理の仕方の工夫
図7 文字とイラストを組み合わせた提出物用の箱
序,教師の直接指導の有無が記載されている(図 8)。第2筆者(深見)の学級では,学習の順序 を表す数字に,実線で描かれている丸が付されて いる場合は間接指導の場面,丸が付されていない ものは直接指導,点線で描かれている丸が付され ている場合は基本的には直接指導だが,もし教師 がもう一方の学年で指導している場合には,「教 科リーダー」が進行してもよい場面というように 児童に説明している。「教科リーダー」が進行し てもよいという場合は,同じ学年の児童と相談し ながら進めていくことが多いが,本来,教師が直 接指導する場面であることから,児童だけでは思 うように進行できなかったり,担任の意図したよ うに進まなかったりすることもある。そのような 姿は,それ自体が目的ではないが,学ぶことに興 味や関心を持っている主体的な学びの姿であり,
粘り強く自主的に友達と協力して取り組んでいる 対話的な学びの姿の一部であると言える。それで,
そのような自主的な取り組みや努力を褒めること で,新しい学びに向かう力が育っていく可能性を 伸ばしていくことが必要である。
同じく図8で示している1・2年生の学習計画 表は,1年生がまだ入学したばかりということも あり,文字が少なめになっており,学年の発達段 階に合わせた活用がされていることが分かる。
また,第2筆者(深見)の学級では,複式授業 との連続性や各教科の進行役となる「教科リー ダー」の児童の育成をねらいとして,複式授業と はならない教科の学習でも活用している。
「学習計画表」は,一単位時間だけではなく,
単元計画表としても作成されている。単元計画表 は,どの教科・単元でも作成されているわけでは ない。どのような目的・方法・内容でこれから学 習していくのか見通しが持ちにくい教科・単元の 場合に作成・活用されている。
図9は,1年生の単元の学習計画表で,「単元 名」「単元のゴール」「1時間ごとの活動」が記載 されている。1時間が終わるごとに,児童がシー ルを貼って,どこまで学習が進んだのかを見やす くしている。
図10は,6年生の単元学習計画表で,1時間ご との「まとめ」や「ふりかえり」が書き込めるよ うに作成されている。この場合,まとめやふりか えりの記入は,児童の言葉を教師が集約して教師 自身が記入する場合と,その日の代表の児童が自 ら記入する場合がある。このように,児童の発達 段階に合わせて工夫して学習を進めていくこと で,児童の課題意識や追求意欲を高めることがで きる。
図8 4年生(左)・1年生(右)の「学習計画表」 図10 6年生の単元計画表 図9 1年生の国語の単元計画表
イ)「学習計画表」を生かすための「教科リー ダー」の役割
「学習計画表」の活用方法について,「教科リー ダー」の役割と関連付けながら説明を加えていき たい。
まず,学級担任が教材研究時にそれぞれの学年 分の「学習計画表」を作成する。その後,「学習 計画表」を教科リーダーに手渡す際に,必要に応 じて,学習を進めるうえでの注意点を伝える。そ して,授業開始後に「教科リーダー」は,「学習 計画表」の内容を読み上げ,学習を進めていくⅵ。 第2筆者(深見)の学級では,「教科リーダー」
の役割を次の6点としている(表2)。
特別支援学級に在籍し,通常学級を交流学級の 場として学習している児童も含めて,基本的にす べての児童がいずれかの教科において「教科リー ダー」を務める。そうすることで,学習に主体的 に取り組み,自分たちで課題を解決できるように 努力しようという意欲を高めることができる。さ らに,リーダーとフォロワーのいずれも経験する ことで,どの児童もリーダーの役割や学習の進め 方を理解したうえで,「教科リーダー」に協力し て学習を進めようという雰囲気が生まれる。第2 筆者(深見)の学級では,授業時数が比較的多い 国語や算数の「教科リーダー」は1か月毎に交代 し,特定の児童に固定しないように配慮している。
学校によっては,ガイド学習やリーダー学習を 児童が進めやすいように,学習のパターンを決定 している学校もある。北海道立教育研究所(2001)
は,「複式学級においては,一人の教師が2個学 年を指導することから,基本的な学習過程(課題
把握,解決努力,定着,習熟・応用)を設定し,
その過程をずらして,教師が適切に指導すること が大切」としているⅶ。複式授業では,教師が一 方の学年から他方の学年へ相互に移動して直接指 導に当たることから,直接指導のタイミングが重 ならないようにしたり,2個学年に同時間接指導 をしたりすることが考えられる。しかし,児童の 実態や単元の学習内容によって,例えば,自力解 決するのに時間がかかる場合や確実に定着させる ために教師がいくらかの説明を加えなくてはなら ない場合など,毎時間の学習が必ずしもこの4段 階に沿った理想的な形で終わるとは限らない。そ れで,この4段階の過程を踏まえつつも,「学習 計画表」を活用して柔軟に対応することができる ようにして,児童が見通しを持って安心して学習 に取り組めるような「授業のユニバーサルデザイ ン化」を図っている。
3 特別支援学級担任から見た通常学級にお けるユニバーサルデザイン教育
⑴ 「教室環境のユニバーサルデザイン化」
特別支援学級に在籍する児童の多くは,たくさ んの情報から必要な情報を選び出すことに困難さ を抱えている。必要のない情報は「刺激」となり,
不安定さにつながることも多い。また,急な予定 の変更に対する不安感も大きい場合が多い。
第3筆者(浅倉)が担任する児童が交流及び共 同学習を行う交流学級では,学習中の視界に入る 前方の黒板と後方の補助黒板の周囲にはほぼ掲示 物が貼られていない。そのため,児童は気が散る ことなく学習に集中できる。また,「1日の予定 はここを見れば分かる」「1か月,学期ごとの予 定はここを見れば分かる」というようにゾーンが 決まっていることは,特別支援学級の児童だけで はなく,通常学級の児童も容易に理解しやすく,
安心して学校生活を送れる支援の一つとなってい る。ただ,必要以上に予定を気にしてしまう児童 が学習する場合は,学習時間は視界に入らない場 所に1日の予定のコーナーを設置する方が有効な 表2 「教科リーダー」の役割
①「学習計画表」を教師から受け取り掲示する。
②「学習計画表」を読み上げる。
③間接指導時に,学習を進行する。
④簡単な事項について,指名したり指示したりする。
⑤一人学習やグループ学習の時間を設定する。
⑥(学習の難易度に応じて)意見や考えを発表し た後,整理する。
場合もある。実態に応じて柔軟に変更していく教 室環境の整備が必要である。
座席の位置に関しては,特別支援学級に在籍し ている児童は特別支援学級の担任とのやり取りが 必要になる場合も多く,後ろに配置されることが 多い。しかし,交流学級での学習の割合が高い実 態であるならば,壁側の一番前の席が刺激が少な く,落ち着いて学習できる場所と言える。学習内 容などに応じて検討していく必要がある。
複式授業の際の座席の配置は,弧を描くように 一列に並んでおり,これは,黒板が見えやすいだ けではなく,児童同士が互いの話を聞くときに,
話し手や表情を見ながら学習できる利点がある。
言葉の聞き取りに困難さを抱えている児童や周囲 の状況把握に困難さを抱えている児童にとって,
表情や口形は大きな手掛かりとなる。
時間割の掲示について,大きな文字・絵などの 分かりやすさ,朝の会でその掲示物を用いて確認 することは分かりやすい。これは,「教室環境の ユニバーサルデザイン化」と学級担任の「意識に おけるユニバーサルデザイン化」を組み合わせた 取り組みである。どの学級・学習でも取り入れて いくことで,すべての児童の学校生活の質の向上 につながっていくと考えられる。また,予定に変 更があった際も,その掲示物を容易に入れ替え,
視覚的に示すことで,スムーズに理解することが できる。さらに,当番活動の役割分担も明確に分 かれている。役割分担に時間をかけずにすぐに活 動に入ることができ,欠席の児童がいて役割分担 が変更になる際にも掲示物で示されるので,児童 が混乱することなく活動することができている要 因の一つとなっている。
⑵ 「授業のユニバーサルデザイン化」
「学習計画表」には,今日の学習のねらいや学 習方法が番号順に端的に示されており,「次にす ることは何か」に迷うことなく,安心して学習に 取り組むことができる。授業中,常に黒板に掲示 されていることで,児童全員が自分の「今やるこ と」を確認できるので,間接指導の際に児童が自
ら学習を進めなければならない時に,互いにアド バイスし合いながら学習できる。また,「児童だ けで進めるところ」「教師と一緒に取り組むとこ ろ」「教師の説明を聞き,自ら進めるところ」な どの記号があり,学習中の約束として定着してい るため迷うことが少ない。ただ,「学習計画表」
の示し方によっては,かえって児童が混乱し,分 かりにくくなってしまう場合もあり,ただ「あれ ば便利」という考えにとどまらず,児童が理解で きるかという学習者の視点に立った教師側の配慮 が必要である。
板書については,文字数を極力減らし,重要な 要点は落とさず構造的である。また,板書する時 間と話を聞く時間が明確である。板書内容を限定 することで,読み書きに困難さを抱えている児童 は,書くことで精一杯になってしまったり,視線 の移動で疲弊してしまったりということが少な く,意欲的に学習に取り組むことができる。
「教科リーダー」の役割を特別支援学級の児童 も含めて全ての児童が行っていることは,児童の 自己肯定感を高めることにも役立っている。一般 的に,特別支援教育の児童は,通常学級ではサポー トを「受ける」側と理解されがちで,「みんなは できているのに,自分はできない」と感じてしま い自己肯定感が低くなってしまう傾向がある。し かし,「学習計画表」が補助ツールとしてあるこ とで,「教科リーダー」の仕事に自信をもって取 り組むことができる。
このように,「教室環境のユニバーサルデザイ ン化」「授業のユニバーサルデザイン化」のいず れも,すべての児童の「わかる・できる」状況を 生み出すために,相互に関連させて継続的に行っ ていくことで成果が出ていると言えよう。
4.まとめ
⑴ 成 果
筆者らがこのようなユニバーサルデザイン教育 を意識するようになったのは,へき地・小規模校 の特性(小規模・小人数)を生かした教育活動を
行いたいという思いがきっかけである。児童同士
(異年齢・異学年)の密接な関係,少人数で教師 の目が行き届きやすいこと,少人数ゆえに個々の 児童のつまずきや実態把握がしやすく,それに基 づいた個々の到達点にあった指導を行いやすいこ とを,より生かしていけるような学級づくりが必 要と考えている。その考えを具現化した実践とし て,本稿では,「教室環境のユニバーサルデザイ ン化」と「授業のユニバーサルデザイン化」の一 部について報告した。
第1章では,ユニバーサルデザイン教育に関わ る現状をもとに,複式学級の特性を踏まえたユニ バーサルデザイン教育の必要性について触れ,第 2章でその具体的実践例をとりあげた。「教室環 境のユニバーサルデザイン化」と「授業のユニ バーサルデザイン化」の2つの視点から,「生活 の流れに見通しを持たせる掲示」「掲示の仕方の 工夫」「整理・整頓」「学習の見通しを持たせるた めの『学習計画表』」「『学習計画表』を生かすた めの『教科リーダー』の役割」の5点について報 告した。第3章は,第2筆者(深見)の複式学級 に交流学級担任として関わっている第3筆者(浅 倉)が考察を加える形とした。「教室環境のユニ バーサルデザイン化」「授業のユニバーサルデザ イン化」のいずれも,すべての児童の「わかる・
できる」状況を生み出すために,相互に関連させ て継続的に行っていくことが効果を生み出すとい う考察を得られた。
A小学校での第2筆者(深見)の実践について は,プレ・ポストの形で検証することが難しい。
その理由の一つとして,第2筆者が担任している 学級の児童は,小学校入学当初から3年続けて第 2筆者が担任しており,児童にとっては,本稿で とりあげたような取り組みは,あることが「当た り前」という認識のもとで学校生活を過ごしてい るということが挙げられる。例えば3年生の児童 は,時折,学習計画表の準備がされていないと,
「どうして今日はないのですか」と尋ねてくるこ とさえある。
児童の視点や他の教員の視点から見た本実践の
成果についていえば,例えば,学級活動で1年間 の振り返りを行った際に,児童自身が一年間で成 長した点として,「先生がいなくても(注:間接 指導の時),友達と相だんして勉強を進められた」
「教科リーダーの仕事は,はじめはきんちょうし たけど,だんだん大きい声でできるようになって きた」という振り返りがなされていた。また,北 海道教育委員会が行っている特別支援教育パート ナー・ティーチャー派遣事業ⅷでA小学校に派遣 された教員から,訪問時に「学級全体でなされて いる効果的な支援によって,特別な支援を必要と する児童が学級集団の中で安心して学習に取り組 めている」という評価を頂いたことが挙げられる。
⑵ 課 題
一方で,課題は多く残されている。第一に,「学 習計画表」の作成に必要な時間の確保の問題であ る。「学習計画表」は,教材研究・授業準備の一 環として行っているが,複式授業で行う国語・社 会・算数・理科などの主要四教科で毎時間学習計 画表を作成すると,8枚作成することになる。も ちろん,一週間のうち毎日このような時間割では ない。しかし,第2筆者(深見)の経験上,学習 計画表は,直接指導・間接指導の「わたり」「ず らし」を考慮して作成しなければならないため,
教材研究が2学年分終わった後に作成する。そう なると,一枚あたり十分程度で作成できるわけで はない「学習計画表」を8枚作ることは決して容 易な仕事とは言えない。2015(平成27)年に文部 科学省が発表した「公立小学校・中学校の適正規 模・適正配置等に関する手引」では,小規模校の 場合,教職員数が少ないことによる学校運営上の 課題として,「教員一人当たりの校務負担や行事 に関わる負担が重(い)」ことを指摘しているⅸ。 また,授業,校務分掌,対外的な業務など学級担 任以外の業務もある。教材研究を別の教員に委ね ることもできないので,「学習計画表」の作成の 時間を確保することの難しさは課題と言える。
ただ,複式学級の特性を考えると,2個学年が 同時進行で異なる内容の学習をするため,教師の
口頭説明だけでは,授業を効率的に進めることも 難しい。また,「授業のユニバーサルデザイン化」
の観点からも,すべての子どもにとって分かりや すい効果的な授業をするためには,間接指導時に
「教科リーダー」の役割がとても大きく,「教科 リーダー」が学習の進行をスムーズに進められる よう補助する手段として「学習計画表」は欠かす ことができない。結果的には,学級担任の自助努 力に任されることになるが,教員個々のユニバー サルデザイン教育に対する意識の差を学校内で埋 め合わせていく取り組みが必要となる。
第二に,学習計画表があることで,かえって子 ども達の学びを阻害するのではないかという課題 がある。学級担任は,前時までの児童の学習の様 子をみとり,それに基づいて「学習計画表」を作 成する。そして,児童は「学習計画表」に従って 学習する。その結果,児童が「今日はこういうこ とを調べたい」「今日はこうやって課題追求して みたい」というタイムリーな願いを持っていたと しても生かすことができない。「学習計画表」が すべての児童の「わかる・できる」を目指す手段 である一方,それが児童の学習の画一化・平準化 につながるのであれば,さらに成長の余地がある 児童の学びを制約することになりかねない。花熊
(2018)は,通常学級のユニバーサルデザイン化 の取り組みについて「『落ち着いた雰囲気の学級 を作るには役立ったが,そのことが本当に子ども 一人ひとりの学びの質の向上につながっているの か?』という疑問」により,特別支援教育とユニ バーサルデザイン教育の関連性,インクルーシブ 教育システムにおけるユニバーサルデザインの意 義などを捉えなおしていく必要性を指摘してい るⅹ。
このような課題に取り組むため,「学習計画表」
に手順を示し,話し合いやグループ学習の進め方 を指導していく取り組みもしているが,未だ十分 とは言えない(図8)。ここでは,社会見学で調 べてきたことについてKJ法を活用して,まとめ ていく学習に取り組んだ。もちろん,一度でKJ 法のような手法が身につくわけではないので,教
師が直接指導の際に見守りながら指導していくこ とが必要である。現時点ではまだ十分に行えてい るとは言えないが,このような取り組みを増やし ていくことで,間接指導の際に児童だけでも学習 を進めていくことができるようになり,直接指 導・間接指導の展開が容易になり,「学習計画表」
に沿った学習をベースにしつつも,より児童の願 いに沿った学習活動が展開でき,学びの質の向上 につながると考えられる。
第三に,発達段階や学年に応じて系統性をもた せたへき地・小規模校におけるユニバーサルデザ インの在り方についての検討も課題である。へき 地・小規模小学校においては,教職員数が限られ ていることから,教職経験年数が短くなくても,
担任する学年に偏りが生じ,特定の学年を連続し て担任する教員が増えてしまうことがある。この ような場合,低学年には何ができて何ができてい ないのか,高学年ではどのような力が身について いる必要があるのかなど,児童の学びを6年間で 見通した指導ができないことがある。それで,個々 の教員が持つ知識や指導経験の偏りを補完してい く取り組みが求められる。
片岡(2015)は,「日本におけるユニバーサル デザイン教育は,いまだ教室設営や板書の工夫な どのハード面が主であり,(中略)ソフト面から の提唱が少ない」と指摘する。これは,複式学級 を有するへき地・小規模校においても同様と言え る。環境整備は,事前に念入りな準備が必要では あるが,一度準備してしまえば継続的に実施する ことができる。「教室環境のユニバーサルデザイ ン化」をきっかけとして,児童の状態や課題に応 じて一人一人にきめ細かい教育活動を行っていけ るへき地・小規模校でのユニバーサルデザイン教 育の実践例を今後も蓄積していきたい。
本稿は,第1筆者の森の指導の下,1・2・4 を第2筆者の深見が執筆し,3を第3筆者の浅倉 が執筆した。
本研究は,JSPS科研費17H00058の助成を受け
た成果の一部です。
謝 辞
資料の提供に御協力を頂いたA小学校の教職員 の皆様に感謝いたします。
【参考文献】
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(UDI):Definition,principles,guidelines,andexamples UniversityofWashington
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玉井康之編(2016)「子どもの“総合的な能力”の育成と 生きる力」,北樹出版
玉井康之監修(2013)「教育活動に活かそう:へき地小規 模校の理念と実践」,教育新聞社
中央教育審議会(2012)「共生社会の形成に向けたインク ルーシブ教育システム構築のための特別支援教育の推 進」
北海道教育大学 学校・地域教育研究支援センターへき 地教育研究支援部門(2016)「複式学級における学習指 導の手引」
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文部科学省(2012)「通常の学級に在籍する発達障害の可 能性のある特別な教育的支援を必要とする児童生徒に 関する調査報告」
ⅰ 小貫悟・桂聖(2014)「授業のユニバーサルデザイン 入門 どの子も楽しく『わかる・できる』授業の作り 方」,東洋館出版社
ⅱ 佐藤克敏(2015)「ユニバーサルデザイン教育の目指 すもの」,教育心理学年報第54集,175-176
ⅲ 片岡美華(2015)「ユニバーサルデザイン教育と特別 支援教育の関係性についての一考察」,鹿児島大学教育 学部研究紀要教育科学編第66巻,21-32
ⅳ 阿部利彦(2016)「通常学級でユニバーサルデザイン を進めるために」児童心理2016年1月号別冊『通常学 級のユニバーサルデザインと合理的配慮』,金子書房
ⅴ 玉井康之(2013)「~教育活動に活かそう~へき地小 規模校の理念と実際」,教育新聞社,42-51
ⅵ 「ガイド学習」と「リーダー学習」は,区別されて 考えられている場合と,「ガイド・リーダー学習」と併 記されている場合がある。全国へき地教育研究連盟
(1995)では,「ガイド学習」は,「間接指導を有効にし,
学習の効率を高めたり,主体的な学習態度を育成して,
間接指導の質を高いものにしたりする」としている。
そして,主にグループで学習するものとして,「カード 学習」「基礎学習」「強化学習」「討議学習」で構成され ている。一方,「リーダー学習」は,「主として間接指 導時での進行役」とされ,ガイド学習ほど学習の進行 に児童が主体的に関わらないと理解されている。
ⅶ 北海道立教育研究所(2001)「複式学級における学習 指導の在り方:はじめて複式学級を担任する先生へ」
ⅷ 特別な教育的支援を要する児童を担任する教員など に,学習指導の進め方や指導計画の作成等について継 続した支援を行う取り組み。
ⅸ 文部科学省(2015)「公立小学校・中学校の適正規模・
適正配置等に関する手引~少子化に対応した活力ある 学校づくりに向けて~」
ⅹ 花熊曉(2018)「ユニバーサルデザインの学級・授業 づくりの意義と課題」,社会問題研究67号,1-10
(森 健一郎 釧路校准教授)
(深見 智一 鶴居村立幌呂小学校教諭)
(浅倉 絵美 鶴居村立幌呂小学校教諭)