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近藤裕子

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Academic year: 2021

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(1)

─ ─44 近藤裕子 他 日本大学医学部総合医学研究所紀要

Vol.3 (2015) pp.44 - 45

1)日本大学医学部脳神経外科学系神経外科学分野 2)日本大学医学部麻酔科学系麻酔科学分野 近藤裕子:[email protected]

よび筋硬度計を用いて評価した。本研究は研究遂行 中であるため,SGLの研究結果についてのみ報告す る。

2.対象および方法

院内臨床研究倫理審査承認のもと,本研究の同意 を得た緊張型頭痛の診断基準 (ICHD−Ⅱ) を満たし た6名 (31±6.2歳) を対象とした。SGL 施行前に安 静座位での同側の僧帽筋の筋硬度を手動組織硬度計

(PEK−MP:井元製作所)を用いて測定した。同じ 部位にNIRS(NIRO−200NX:浜松フォトニクス社 製)のプローブを貼り付け,安静時仰臥位にて測定 を開始し,SGL施行直前の値を基準値とした。NIRS の測定項目は,組織血流量の指標となる総Hb濃度 と組織の酸素化の指標となるTOIとした。SGL は スーパーライザーPX (東京医研株式会社)を用い,

出力100%,1秒照射,4秒停止のサイクルで10 分間 片側に照射した。SGL施行直前から施行終了5 分後 まで,NIRS の測定を継続した。筋血流測定終了後 1.はじめに

緊張型頭痛は有病率の高いもっとも一般的な頭痛 である。その病因は,精神的,身体的ストレスに伴 う頭頚部組織の局所循環不全により,頭頚肩部の筋

(僧帽筋,頭板状筋,側頭筋など)に異常緊張が生 じるためであると考えられている。ペインクリニッ ク領域における治療としては従来,星状神経節ブ ロック (SGB) や低反応レベルレーザーの星状神経 節照射(SGL)が行われており,その有用性が認め られている1)。これらSGBおよびSGL施行後の症 状改善効果は,頭頚肩部筋組織の血流改善に伴う筋 緊張緩和により得られると推測されているが,実際 に治療前後における頭頚部筋の血流および筋硬度の 変化について検討した報告はない。

緊張型頭痛に対して行われる SGB および SGL が 僧帽筋の血流改善や筋緊張緩和への有効性を明らか にする目的で,緊張型頭痛を有する患者を対象に SGB および SGL 前後における僧帽筋の血流変化お よび筋硬度変化について,近赤外分光法 (NIRS) お

近藤裕子

1) 2)

,廣瀬倫也

2)

,前田 剛

1) 2)

,鈴木孝浩

2)

,吉野篤緒

1)

要旨

緊張型頭痛の患者を対象に,低反応レベルレーザーの星状神経節照射(SGL)前後における僧帽筋 血流と筋硬度変化を測定した。SGL施行前に比較し,施行後には総ヘモグロビン(Hb)濃度は有意 に低下し,組織酸素化指数(TOI)は有意に上昇した。SGL施行前後の筋硬度には有意な変化は認め られなかった。SGLは僧帽筋の硬さには影響を及ぼさないが,筋組織のうっ血を改善し,酸素化を 上昇させる可能性がある。

星状神経節ブロック及び星状神経節照射による 僧帽筋血流と筋硬度の変化

The change in trapezius-muscle blood flow and hardness during stellate ganglion block and linear polarized light irradiation

near the stellate ganglion

Yuko KONDO

1) 2)

, Noriya HIROSE

2)

, Takeshi MAEDA

1) 2)

, Takahiro SUZUKI

2)

, Atsuo YOSHINO

1)

土岐研究研究報告

(2)

─ ─45

星状神経節ブロック及び星状神経節照射による僧帽筋血流と筋硬度の変化

にNIRSのプローブを剥がし,同部位の安静座位で の筋硬度を測定した。筋硬度はSGL施行前後でそ れぞれ3回ずつ測定し,平均値を算出した。

SGL施行前と施行5分後の総Hb濃度とTOI,お よび筋硬度の変化をpaired t-testを用いて比較した。

3.結 果

図1にSGL施行前後での総Hb濃度変化とTOIを 示した。総Hb濃度は施行後に有意に低下し(P = 0.035),TOIは有意に上昇した(P = 0.006)。図2に SGL前後での筋硬度の変化を示した。SGL前後で有 意な変化は認められなかった(P = 0.776)。

4.考 察

本研究では,SGL施行後において僧帽筋組織の TOIが上昇し,総Hb濃度が減少した。この結果は,

SGLにより僧帽筋組織の血流量は減少するが,酸素 化は上昇することを示すものである。一般的に,

SGLは星状神経節での交感神経活動の抑制を介して 組織血流量を増加させるが1, 2,本研究では逆に組 織血流量の減少が認められた。NIRSによる組織循 環評価では,今回の結果のように血流量の減少とと もに酸素化が上昇する場合は,組織でのうっ血状態 の改善が推定される。以上より,本研究結果からは,

緊張型頭痛患者の僧帽筋組織はうっ血状態に陥って おり,SGLはそのうっ血状態を改善する効果を有す ることが示唆された。

5.結 語

緊張型頭痛の患者を対象に,SGL前後での僧帽筋 血流と筋硬度変化を測定した。SGLには僧帽筋の うっ血改善を介して,組織の酸素化を改善する効果 がある可能性がある。

文 献

 1)輪島善一郎,設楽敏朗,井上哲夫,他:直線偏光 型近赤外線治療器(スーパーライザーTM)による 星状神経節近傍照射の皮膚温,皮膚血流量に及ぼ す影響.麻酔45:433−438,1996

 2)平野真由美,藤江 透,中村治正,他:直線偏光 近赤外線の星状神経節近傍照射の上肢交感神経活 動に与える影響.ペインクリニック16:689−692, 1995

図 1 SGL前後での総Hb濃度とTOIの変化

図 2 SGL前後での筋硬度変化

参照

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