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雑誌名 法政哲学

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Academic year: 2021

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【図書紹介】『現代カント研究11  判断力の問題 圏』カント研究会(小野原雅夫、山根雄一郎)編  晃洋書房 二〇〇九年

著者 近堂 秀

出版者 法政哲学会

雑誌名 法政哲学

巻 7

ページ 76‑76

発行年 2011‑06

URL http://doi.org/10.15002/00008154

(2)

本書は、カント研究会編の論文集の第十一巻である。カント研究会は、発足後すでに二五年になるが、依然として精力的な活動を続けており、その成果を論文集として刊行した『現代カント研究』シリーズも本書で第十一巻となった。本書所収の各論文では、「判断力の問題圏」というテーマのもと、『判断力批判』が中心に据えられつつも、それぞれ独自の視点から広くカントの哲学全体が考察されている。その他、これまでの巻と同様に、書評と書評に対する著者からの応答、最新の文献目録などが収められている。本書所収の各論文の内容について、ごく簡単にではあるが、紹介しよう。小野原雅夫氏の論文「規定的判断力の自由11定言命法の下で仮言命法を案出する技術的判断カー」は、「技術」という場で発揮されるべき「実践的‐規定的判断力」が政治と教育の分野で果たしうる役割を明らかにしている。木阪貴行氏の論文「形而上学的規定的判断の可能性11自然科学の形而上学を支える理性の判断カー」は、『純粋理性批判』と『自然科学を形而上学的に 【図書紹介】

『現代カント研究Ⅲ判断力の問題圏』

カント研究会(小野原雅夫、山根雄一郎)幅晃洋書房二○○九年近堂秀 開始する諸根拠』との比較検討により、現実世界を学的かつ具体的に規定する形而上学的判断の原理的可能性を明らかにしている。ハイナー・クレンメ氏の論文「カント『判断力批判』における(実践的)理性と自然」は、カントが自然の機械論的な考察と目的論的な考察の関係を批判的に問いかえした意義を示すことを試みている。船木祝氏の論文「幸福」と「道徳」’’七八○年代初頭頃に至るまでの「判断力」をめぐるカントの思想形成過程l」は、判断力をめぐる思想発展を辿りながら、そこから「幸福」に関するカントの人間学的洞察を汲み出している。八幡英幸氏の論文「判断力の自律’’七八○年代中期のカントに生じた思想的転回l」は、『判断力批判』で判断力の自己自律が語られるようになるまでの経緯を追跡している。山根雄一郎氏の論文「レトリックと判断カー「反省的判断力」の起源とその射程をめぐる一試論l」は、『判断力批判』に哲学的思考とレトリック的思考との交錯を読み取りながら、多元的世界把握のあり方を示すことを試みている。以上のような内容の各論文からなる本書を通じて、まさにタイトルにあるような、現代におけるカント研究の最前線を知ることができる。日本のカント研究の水準の高さがうかがわれる一冊である。

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Hosei University Repository

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