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三島(植木)とみ子

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(1)

現代女性の生活、意識の実態と今後の課題

―1986年福岡市婦人調査から

三島(植木)とみ子

 福岡市は昭和61年10月,婦人問題に関するアンケート調査を実施した。調査対象者は選 挙人名簿から無作為抽出し,女性1,000,男性500名にアンケート用紙を配付し,それぞれ 912,403の有効回答を得ている。本調査の報告書は別途作成中であるが,本稿は,その中 の「家庭生活」に関する部分を中心にして,現代女性の生活,意識の実態を探り,今後の 課題に関して若干の検討をしょうとするものである。(本調査項目は,福岡市婦人対策課,

福岡市婦人問題懇話会会長・徳本サダ子,九州大学教授・諸岡和房,西日本新聞社・馬越 健一,および筆者が協議のうえ作成した。)

1.調査対象者の諸属性

2.家庭生活に関する満足,生きがい感 3.日常生活

4.役割期待 5.勢力構造 6.結婚観,離婚観 7.今後の課題

1.調査対象者の諸属性

 1)年齢,学歴,配偶関係,世帯収入,職の有無

 女性を年齢別にみると,20代が16.7%,30代が28.6%,40代が22.9%,50代が19.0%,

60歳以上が12.3%である。学歴別では,中学卒が14.4%,高校卒56.3%,短大・高専卒 17.8%,大学卒5.9%,配偶関係は,未婚者が12.1%,配偶者有りが73.4%,離死別による 配偶者無しが13.7%である。また税込みの世帯収入が100万円未満のもの2.9%,100〜200 万円未満7.9%,200〜400万円未満24.6%,400〜600万円未満22.7%,600〜800万円未満 11.8%,800〜1,000万円未満6.8%,1,000万円以上4.8%となっている。

 パートや内職も含めて,現在有職である者は55.2%,無職である者は44.1%で,女性に おいても有職者が無職者を上回っている。とくに未婚者で74.5%,既婚でも子どものいな い層で71.4%と高く,末子が乳幼児である場合は16.8%と少なくなっているものの,末子 が小学校低学年になるとまた67.9%と増加し,女性の中断後再就職という,いわゆるM字 型就業構造は確実に定着しているようである。

 男性を年齢別にみると,20代が18.1%,30代が27.0%,40代が21.1%,50代が17.6%,

(2)

60歳以上が15.9%である。学歴別では,中学卒が15.9%,高校卒42.2%,短大・高専卒 4.2%,大学卒34.7%,配偶関係は,未婚者が16.1%,配偶者有りが77.9%,離死別による 配偶者無しが5.7%である。さらに税込みの世帯収入では100万円未満のもの2.7%,

100〜200万円未満5.2%,200〜400万円未満31.8%,400〜600万円未満22.6%,600〜800万 円未満13.4%,800〜1,000万円未満6.2%,1,000万円以上6.2%である。男性の有職率は 86.4%と非常に高く,無職者が比較的に多いのは20代19.2%と60歳以上43.8%であり,学 生と定年退職者を除くと,ほとんどの男性が何らかの職業に従事しているといえる。

 2)仕事の内容(図1,2)

 女性の従事している職種では,サービス業が最も多く23.7%,ついで事務22.5%,販売 19.3%,専門的・技術的・管理的職業16.9%,技能職10.3%となっている。男性では専門 的・技術的・管理的職業が最も多く27.3%,ついで技能職19.0%,販売18。4%,サービス 13.2%,事務11.2%である。つまり,女性はサービス,事務,販売関係が多く,男性は専

(%R0)

20

10

0

女 性

23.7 22。5

N鴎

503

19.318.

4

19.0 15.8

13.2 14.1

1.2 11.5

10.3

5.5 2.8   3.4   2.8

ソ81・4q  aO ao

サービス業 販売 技専

事  術門     理  林  輸技職

@ 騨能 簸 漁 適 の

管  農  運  そ  不

ニ  業  信  他  明 姦羅  秤

503348

図1 職種

(%R0)

20

10

0

30.7

28.0

26.7 25.9

女男

239 ォ性

NN 1口1

503348

15.1

8.5 7.8

4.0

5.8  5.65.7     4.2

1.7

4

1鷺ll讐lll

    図2 従業上の地位

そ   不

他   明

(3)

門的・技術的・管理的職業,技能職が多い。

 また,従業上の地位では,女性の場合はパート・タイマーが最も多く28.0%,ついで部 下のない正社員・正職員23.9%,家族従業者15.1%,部下のいる正社員・正職員8.5%,自 営業主・会社経営者7.8%,内職5.8%,臨時・日雇など5.6%である。男性の場合は,部下 のいる正社員・正職員30.7%,部下のない正社員・正職員26.7%,自営業主・会社経営者 25.9%と,この3種類にほぼあてはまってしまうのであるが,それと比較して女性の就労 形態は多様である。とりわけパート,内職,臨時,日雇などの不安定就労の多いことは問 題であろう。

 ここで,女性の就業状況を簡単にパターン化しておこう。

 サービス業従事者が比較的多い層は,中学卒36.3%,既婚で配偶者無し31.3%,末子が 小学校高学年30.0%,または大学生32.4%,年収は50万円未満が多く34.7%,地位では代 表者43.6%,パート36.9%,家族従業者30.3%,職歴では最近働き始めた層32.4%,生き がいは「感じない」37.5%である。配偶者と離死別後,再就職の型である。

 事務職従事者が比較的多いのは,20代38.2%,高校卒26.2%,短大卒30.3%,未婚 39.0%,または子どもがいない36.2%,正社員で45.8%,年収200〜400万円33.3%,職業 意識に関しては「結婚まで働くのがよい」と考えている31.7%,生きがいは「あまり感じ ていない」25.4%,等の層である。未婚者の一般的な就業形態である。

 販売業従事者が比較的に多いのは,40代23.7%,高校卒23.1%,既婚配偶者有り22.3%,

末子が小学校高学年28.9%,家族従業者30.3%,代表者28.2%,パート21.3%,「職業は結 婚まで」と考えているが24.4%,実際の職歴は長く24.8%,年収は50〜100万円24.8%,生

きがいを「非常に感じている」22.8%,等の層である。家族従業者のパターンであろう。

 技術的・専門的・管理的職業従事者は大学卒で圧倒的に多く69.2%,その他に比較的多 い層は,20代28.1%,60代24.3%,未婚31.7%,子どもはいない29.3%,地位では管理職 42.9%,正社員24.1%,継続して就業しており29.1%,年収は200〜400万円34.3%,400万 円以上43.8%,生きがいを「非常に感じている」22.8%,等である。いわゆる現代のキャ

リア・ウーマンのパターンである。

 最後に,技能職従事者の比較的に多い層は,40代13.3%,中卒20.0%,既婚配偶者有り 13.4%,末子は小学校高学年23.5%,または大学生20.6%,内職41.4%,またはパート就 業で14.9%,職歴は短く22.3%,年収は50万円未満19.4%,基本的に「女性は職業を持た ない方がよい」と考えており12.5%,現在の生活に生きがい感もあまり感じていない(「感 じていない」12.5%,「すこし感じている」12.0%)。一般的な中断後再就職の型といえよ

う。

2.家庭生活に関する満足,生きがい感  1)満足感(図3)

 女性の13.9%,男性の13.2%が,現在の家庭生活に「とても満足している」と思ってお り,「まあ満足している」と合計すると男女ともほぼ等しく84%となる。総理府が61年3月 に実施した「家族・家庭に関する世論調査」では,「満足している」が30%,「まあ満足し ている」を加えると90%であり,これよりは多少低いものの,やはり満足感は非常に高い とみてよいだろう。

(4)

0 50

100(%)

   N

女 性 912

男 性 403

4.2

13.9

70.      11.2 2

132 1       12.4

とても

梠ォしている

まあ

梠ォしている

あまり

梠ォしていない

満足していない

0,8

2.7

0.7

不明

図3 家庭生活の満足度

 細かく見ると女性では,未婚,配偶者無しよりも,配偶者有りの方が満足度は高く 85.7%,学歴ではそれが高くなる程,収入では本人の収入額にはあまり影響は受けていな いが,世帯全体の収入額が多くなれば満足度はそれだけ高くなっている。気になるのは年 齢30内代80.1%,末子が幼稚園に入ったり74.7%,小学校低学年の時78.6%の満足度の落

ち込みである。また,本人の仕事では,現在職業を持っている者80.9%よりも,持ってい ない者87.8%の方に満足度がやや高いが,持っている者の中で比較してみると,職種では 販売,技能職,サービス業従事者73.1〜78.3%よりも,専門・管理,事務関係職従事者 84.7〜88.5%の満足度の方が高く,職歴では最近働き始めた者67.6%よりも,ずっと働き 続けている者85.1%の満足度の方が高い。またパートタイマーの満足度は79.2%で,フル

タイムの者と比較してやや低い。

 つまり学歴が高く,家庭の収入にも満足でき,結婚生活を首尾よく維持していても,末 子が3歳以上になり手を離れた30代には,毎日の生活に空虚感ができ,パートで働きに出 ても,その仕事の性質や従業上の地位の低さなどのために,未だ充実感を持てないでいる,

といった女性の姿が浮かんできそうである。

 男性でも,既婚で86.7〜86.9%,学歴,収入が高くなるにつれ満足度も高くなっている が,年齢では女性が落ち込んでいた30代はむしろ満足度の高まる過程であり,反対に50代 の落ち込みが見られる78.9%。職業では従業上の地位が高まる程満足度が増している(臨 時50.0%,正社員83.9%,管理職86.9%,代表者90.0%)。ここで指摘できそうなことは,

男性は自分自身の仕事の面で巧く行っているときに,家庭生活においても満足感を感じて いるということである。50代は一般的に定年退職を迎える時期である。この時期,これま で仕事に没頭してきた男性は,色々な意味で不安に陥ることになる。

 面白いのは妻の職業別に見た,男性の家庭生活への満足度である。妻が,自営業主,あ るいは会社経営者であった場合には95.3%と夫の家庭生活での満足度は最も高く,無職 89.0%,フルタイムの正社員である場合88.4%がこれに続き,臨時,パートの場合には 78.9%と夫の満足度はグーンと減る。これはおそらく神奈川県の調査などによってもっと に指摘されているが,妻の家庭内にもたらす収入額の大小によるのだと考えられる。

 2)現在の生きがいの程度(図4)

 生きがいを「非常に感じている」のは女性で11.0%,男性で14.1%,「かなり感じている」

女性40.7%,男性39.7%,「少し感じている」女性32.2%,男性28.0%である。女性で 83.9%,男性で81.8%が現在の生活に生きがいを感じているが,男性の方に「非常に感じ

(5)

0 50

100(%)

   N

女 性 912

男 性 403

1.0   0.8

11.0 40.7

12.0   2.4

15

ユ4.1 14.1

0.7

P.7

非常に感

カている

かなり感

カている

少し感じ

トいる

あまり感じ

トいない

ほとんど感

カていない

全く感じて

「ない 不明

図4 生きがいの程度

ている」「かなり感じている」が多く,やや 積極的な感じかたをしているようである。

 家庭生活の満足感と生きがい感は非常に 相関度が強いが,しかし必ずしも全く一致 している訳ではない。女性では家庭生活に 満足している者の96%が生きがいを感じて おり,不満である者の42.1%が感じていな い。男性では前者が94.3%,後者が27.3%

である。

 女性の場合,20代80.3%,未婚71.8%ま たは子どものいない層74.8%での生きがい 感の相対的な低さが目立つ。男性の場合も 女性と同様に20代75.3%,未婚72.3%や子 どものいない層72.4%で他の層と比較して 生きがい感が低い。さらに,収入や職業上 の地位が上がるほど生きがい感が増し,家 庭生活の満足度と同様にこれらの要因が生 きがい感と密接につながっていることが分

かる。

 3)生きがいの対象(図5)

 現在の生きがいの対象を3つずつ選んで

もらった。

 女性では「子どもの成長」が42.1%,「一 家団らん」が38.6%で十人のうち四人まで がこれを生きがいにしており,以下「趣味・

習い事」27.7%,「旅行・行楽」24.5%,「人 とのつきあい」22.9%,「職業」22.5%,「家 事」17.4%,「娯楽・飲食」10.7%と続く。

「子どもの成長」は30代62.8%,40代56.5%

で,乳幼児から大学までの子どもを持って

子供の成長 一家団らん

趣味・習い事

旅行・行楽

人とのつきあい

娯楽・飲食

ス ポ 一 ツ

0    10    20    30    40   50 (%)

親  孝  行

財産・貯蓄

地 域 活 動

学習・研究

奉 仕 活 動 そ  の  他

と くにない

42.1 39.5 R8.6 34.7 27.7 19.4

24.5

17.

20.6 22.9

Q2

1.2 10.7

 9.1

P.2

@6.9

R.0

@6.4

9.7 5.4     17.4

@   15.6

@   15.9

@5.2

R.5

@4.9

@ 8.7

R.3 Q.2

R.2

@6.9

Q.3 P.2

P.3 Q.0

﨟@ 聾雛

鳥5 生きがいの対象

49.4

女性N=912 男性N=403

(6)

いるところ62.3〜78.6%で一様に高い生きがいの対象となっている。「一家団らん」が生き がいの対象になっているのは,「子どもの成長」を生きがいとしている人たちとほぼ同じ層 で,無職44.5%,現在の家庭生活に満足している層58.3%に多い。

 年齢別にみれぼ,20代では生きがいの対象は分散しており,それぞれ三割程度の支持を 得た「一家団らん」「職業」「旅行・行楽」が上位三位を占める。30代では「こどもの成長」

と「一家団らん」に集中しそれぞれ62.8%,44.4%の支持を得ている。三位は「職業」の 21.5%である。年齢が上がると生きがいの対象は再び分散して60代では「趣味・習い事」

「一家団らん」「旅行・行楽」がそれぞれ三割程度の支持を得て上位である。

 学歴では,高学歴になるほど「職業」が生きがいの対象となる率が高くなり,大学卒で は「職業」40.7%「趣味・習い事」35.2%「子どもの成長」35.2%が上位である。またこ の他にも「学習・研究」14.8%「スポーツ」11.1%といった,家族的要素とは離れて個人 の資質を高めるような事柄が相対的に割合が高い。職業との関連では,有職者においては

「子どもの成長」40.6%,「職業」38.4%,「一家団らん」33.8%が上位であるが,とくに フルタイムで働き,専門職や管理職に従事している女性に「職業」を生きがいにする者が 多く50.0〜69.8%,その数は過半数を超えている。パートタイムの職に就いている場合に は「子どもの成長」53.9%「一家団らん」41.1%「人とのつきあい」27.7%となっている が,職業についていない場合には「一家団らん」44.5%「子どもの成長」43.8%「趣味・

習い事」33.8%の順である。

 家庭生活に満足している女性の生きがいは「一家団らん」であることが多く58.3%がこ れを挙げており,「子どもの成長」は39.4%で二位である。三位は「趣味・習い事」の30.7%

である。これに対して現在生きがいを感じている女性のその対象は,「一家団らん」「子ど もの成長」がほぼ並んで47.0%,45.0%であり,三位は「職業」の27.0%である。また「地 域活動」「宗教」の項で前者よりも後者の方で生きがいの対象として挙げられている率が高

し〉 (1【[頁壱こ11.0%, 15.0%)。

 男性の生きがいの対象として10%以上の者があげたのは「職業」49.4%,「子どもの成長」

39.5%,「一家団らん」34.7%,「人とのつきあい」20.6%,「趣味・習い事」19.4%,「旅 行・行楽」17.1%,「スポーツ」15.9%,「娯楽・飲食」15.6%の八項目である。これはフ ルタイムの職業を持っている女性が挙げている生きがいの対象の傾向と酷似している。と くに「職業」を生きがいの対象にしている層を見ると,年齢では30代から50代

54.1〜58.8%,未婚,既婚別では既婚者(配偶者無しで47.8%,有りで52.9%),家庭生活 に満足をし,全般的に生きがい感を強く感じている者に多い。また年収および職業上の地 位が高くなる程「職業」が生きがいの対象となり,実に三人のうち二人までがそう回答し

ている。

 最後に男女の違いを見ておく。有意差の認められるもののうち女性が多ぐ生きがいの対 象としているのは,差の多いものから順に「家事」「趣味・習い事」「育児」「旅行・行楽」

「宗教」であり,男性が多く挙げているのは「職業」「スポーツ」「娯楽・飲食」「財産・貯 蓄」「学習・研究」「休養」である。

3.日常生活

1)平日の時間の使い方

(7)

①家事・育児時間(図6)   (%)

      20  女性が一日に費やす家事・育児時間には かなりのばらつきがみられ,8時間以上が 16.7%で最も多く,1時間未満が4.5%で最

も少ない。年齢別では20代が「していない」 10 と「8時間以上」の両極端に分かれ,30代 で「7〜8時間」「8時間以上」が多くな る。40代では「2〜3時間」から「5〜6        0時間」の間にほぼ平均しているが,50代で

は「3〜4時間」に,60代では「2〜,3時 間」に集中している。末子の年齢では,子 どもがいない場合家事は「していない」か,

していても「1時間未満」であるが,子ど もが乳幼児である場合「7〜8時間」

N=912

16.7

14.1

11.2

 1L210.3

7.98・2

6.7 6.8

4.5

2.4

て家 1

I窩撮乱し満

1鹿卜 2嘉懇 3露署 4轟署 5轟黙 6轟蕪 7轟器 8篤呈 不明

図6 家事・育児時間

13.9%,「8時間以上」64.4%と大幅に増加する。末子が幼稚園,または保育園児である場 合も「8時間以上」は27.3%と依然として多いが,残りは「3〜4時間」から「7〜8時 間」の間に均等に分布している。その後家事時間は徐々に減少し「3〜4時間」の所に収 束していくが,子どもが結婚してしまい,再び夫婦のみの世帯になった時には「2〜3時 間」になっている。すなわち,家事・育児時間の大半は育児に要する時間のようである。

職業を持っている場合に家事時間が少なくなるのは当然である。この中でも事務職,正社 員である者の家事時間が最も短く,専門・管理職,代表者の地位にある者は「1〜2時間」

から「2〜3時間」,販売・サービス業,パート雇用者の場合には「3〜4時間」が最も多

い。

 つぎに,一日の家事・育児時問が8時間以上の人たちと,二番目に多い3時間から4時 間程度の人たちの特徴を簡単に見ていこう。乳幼児を抱えている女性の64.4%で家事・育 児時間が8時間以上であることは前述したが,また未婚の子どもとともに親とも同居して いる,いわゆる三世代家族の主婦の30.3%の家事時間がやはり8時間以上になっている。

年齢では30代,学歴では短大卒,結婚までは職に就いていたが現在は無職,夫が正社員,

その年収が200万から600万円,自由時間は少ないが趣味やけいこ事さらに文化,教養,学 習などのサークル活動に参加していて,家庭生活に満足し生きがいを非常に感じている層 の,それぞれ五人に一人がこのグループに属している。さらにこのグループの二人に一人 が「そのうち職を持つつもり」と考えていることから,基本的に働き者のグループだとい えそうである。

 一日に8時間以上家事をしている者を除くと,3〜4時間がグラフの山の中心となり,

これが一般的に女性が家事に費やす時間だと考えられる。このグループには実に様々な女 性たちが属している。末子が小学校に入学し,自由時間も3〜4時間ある,無職の者より

も有職者がやや多いが,ほとんどが中断後再就職でパート雇用のものであり,職歴は長い ものも短いものもあり,収入も50万円から種々である。家庭生活には不満感の方が強いが,

生きがいはある程度感じており,離婚はするべきではないと考えている。これが現在の平 均的な主婦の像なのではないだろうか。

(8)

(髭)

20

10

0

性性女男

N N

 22.822.0

ll II

X124(B

18,518.6

 15.414.8

12.3

ユ0.7 10.510・7

8.7 7.2 6.7

5.

3.6 3.43・7

1.2 1・91.5

庵 ll

間 晶      右

回 漿 漿

満  満  満

誌 嬰 満

l l l

晶 晶 藷 漿 嬰 嬰

満  満  三

図7 自由時間

晶 間

1晶不

漿 以

満   上  明

②自由時間(図7)

 昼寝,休養を含む自由時間は,女性の場合「2〜3時間未満」が22.0%で最も多く,次 いで「1〜2時間未満」18.5%,「3〜4時間未満」14.8%,「1時間未満」12.3%,「4〜5 時間未満」10.5%である。年齢別では20代から40代までの自由時間が短く,60代以上が最

も長い。また末子が乳幼児,幼稚園,保育園児の所で非常に短く,3時間未満である者が 全体の7〜8割に達する。さらに無職者で自由時間が3時間未満の者が合計して41%であ るのに対し,有職者では62.9%である。

 男性の自由時間の分布も女性のそれと非常によく似ており,「2〜3時間未満」が22.8%

で最も多く,次いで「1〜2時間未満」18.6%,「3〜4時間未満」15.4%,「1時間未満」

と「4〜5時間未満」が10.7%となっている。年齢では30代から50代までの間が短く,60 代になるとグンと長くなる。年収や職場における地位との関連はあまりないようである。

また子どもの年齢や,配偶者が有職か,無職かということにもあまり影響を受けていない ことから,妻がいかに忙しくても夫は家事・育児にはまったくといっていいほど時間を割 いてはいないということが分かる。

 2)家族間コミュニケーションの達成度(図8)

 ①家族の会話

 夫婦の会話は「なされている」と答えた者が女性で34.9%,男性で32.5%,「まあなされ ている」が女性で38.0%,男性で41.7%,結局男女とも73〜74%がある程度の会話を持っ ていると考え,その認識に食い違いはないようである。女性調査で見ると,年齢別では40 代69.7%,末子が小学校低学年69.6%,学歴別では中学卒60.3%で相対的に少なくなって いる。妻の職業の有無で比較すると,有りで69.6%,無しで87.7%と無い方が夫婦の会話 が多いようである。しかし「あまりなされていない」「なされていない」を取り上げてみる

と,専門・管理職7.1%,事務職10.7%であり,むしろ無職の場合12。4%よりも少ない。以 下販売13.4%,サービス業23.5%,技能職25.0%とサービス業,技能職の場合はずっと会

(9)

0 50 100(%)

      N

鉱毒∴

禁じ1:1:

讐じ: と父

ll∴:

た家

麟じ1:1:

2.0

^  34.9

38.0     11.8     ノ 9.6 2.7

32.5

41.7     12.4 7.7

G,

38.6

33.

6.1  15.8

1.5

31.0 35.2 6.7  21.1

3.6

16.3    29,5

21.1 21.7 3.7 15.4       .5 18.6 21.3

28.1 遠雷 22.8 8.47.8

24.3

30.      26.3   r

V.7≡9.2

13.4

24.      29.1

18.0  9.5

8.9 30.5       20.8     12.4

なされて

「  る

まあなさ 黷トいる

あまりなされ なされて 該 当 トいない   いない   しない

3.6

3.0

5.5

4.5

7.8

3.5

4.7

2.5

6.0

3,2

不明

図8 家族間コミュニケーションの達成度

話が減る。同様の傾向はパート就業者にも見られる19.2%。夫婦の会話の達成度は,家庭 生活の満足感や生きがい感との相関が非常に強く,家庭生活に満足している者の7割,生

きがいを非常に感じている者の6割が夫婦間の会話が「なされている」と回答している。

また反対に,家庭生活に不満足である者や,生きがいを感じていない者で,夫婦の会話が

「なされている」と回答した者はそれぞれ1割しかいない。これまで見てきたのとほとん ど同様のことが男性の調査結果からも見られる。妻が無職の場合に有職の場合よりも否定 的な回答が多いことは興味深い。「あまりなされていない」「なされていない」の合計は自 営業主11.0%,正社員11.6%,パート雇用者など15.5%,無職15.9%である。

 母親と子どもの会話は「なされている」が女性で38.6%,男性で31.0%,「まあなされて いる」が女性で33.3%,男性で35.2%となっており,合計すると女性で71.9%,男性で66.2%

が肯定的に回答している。女性の調査で見ると,年齢が高くなるほど会話は少なくなり,

学歴が高くなるほど多くなる。また職業を持っていない方が会話は多い。もっとも「あま りなされていない」「なされていない」の合計で見ると,事務職3.5%,専門・管理職 4.7%,無職5.7%,技能職7.7%,サービス業10.9%,販売12.3%と夫婦の会話とほぼ同様 の傾向である。男性の調査で妻の職業別での「あまりなされていない」「なされていない」

の合計は,自営業主の4.7%が最も少なく,ついで正社員の7.0%,無職者の9.2%,パート 雇用者が最も多い9.8%。家庭生活の満足感や生きがい感との相関は強いが,夫婦の会話ほ

(10)

どではない。

 父親と子どもの会話は「なされている」が女性で16.3%,男性で15.4%,「まあなされて いる」が女性で29.5%,男性で37.5%,合計すると女性で45.8%,男性で52.9%の者しか 肯定的な回答はしていない。男性,女性双方の調査で,母親と子どもの会話の達成度より 父親と子どもの会話の達成度の方が低い。また,母親と子どもの会話に関しては当の母親 自身よりも父親の方が評価が厳しく,父親と子どもの会話に関しては父親自身より母親の 方が評価が厳しいことが特徴的である。「あまりなされていない」「なされていない」といっ た否定的な回答は,女性の調査では40代で31.6%,男性の調査では50代で37.0%と相対的 に多い。妻の職業との関連では,女性調査では否定的回答の少ない順に,事務21.3%,専 門・管理22.3%,無職22.4%,販売30.9%,サービス32.0%,技能職40.4%であり,また 正社員が23.3%であるところ,パートタイマーは31.2%であった。男性調査でも正社員 16.3%,自営業主18.8%,無職23.5%,パート29.5%の順である。父と子どもとの会話の 達成度は家庭生活の満足感や生きがい感とある程度の相関関係があるが,そう強いもので

はない。

 妻が職を持っている場合に関していえば,事務や専門・管理職,正社員や自営業であれ ば,家庭内のコミュニケーションはむしろ活発化しているが,販売,技能,サービス業,

またパートや臨時雇用である場合には,夫婦の会話も親子の会話も少なくなる傾向が見ら れ,またこれを夫が補おうとすることも稀なようである。

②家族の共同行動

 家族の共同行動がどの程度なされているかということを,夕食と余暇活動の面から質問 した。家族全員揃った夕食が「なされている」は女性で28.1%,男性で24.3%,「まあなさ れている」は女性で28.2%,男性で30.0%,男女とも5〜6割の者が肯定的に回答してい る。家族全員揃った余暇活動が「なされている」は女性で13.4%,男性で8.9%,「まあな されている」は女性で24.0%,男性で24.1%,合計で3〜4割にしかならず,夕食ほどは 一緒になされていない。またいずれも男性のほうが多少控えめな回答をしているようであ る。この家族の共同行動と家庭生活での満足感,生きがい感とは,男性,女性ともに強い 相関関係がある。しかし夫婦,親子のコミュニケーションほどには強烈に現れてはいない のは,初めからこのような家族の共同行動を諦めてしまっている者がかなりいるというこ とであろうか。年齢的には,一緒の夕食は40代以前の世代で達成度が低く,余暇活動はそ れ以上の世代で達成度が低い。妻の職業との関連では,全体的にコミュニケーションの達 成度と同様の傾向が見られる。

4.役割期待

 1)夫に対して期待するもの(女性),妻に対して期待するもの(男性)(図9)

 互いに相手配偶者に対して主に期待するもの3つを選んでもらった。

 女性が夫に対して期待するものは,多い順に「たくましい生活力があること」48.6%,

「大事なことについても自分で適切な判断ができること」45.9%,「何よりも家庭を大事に すること」35.1%,「職業に熱心であること」33.2%,「社会的な関心が高く,教養がある こと」24.8%,「個人の人格を尊重し,干渉しないこと」17.1%,「いつまでも魅力的な異 性でいること」17.1%,「子どものしつけや教育に熱心であること」12.3%,「他人の少々

(11)

(詣)

40

20

0

62.0

N N

48.6 45.9

1111912403

35.1 36.7

32.

3

33.2

24.8 25.6 26.3

14.4 16.417.113.217.1

12.3 11.5

14.

6

6.5 7.9   6・05.7         2.9

1.1

1.91.03・13・

鍵 無 薯

窓 難

を愚

 文 干個

船 麓

要 甘い

をξ と勢 禦 異

に子

瀧 駝

と霧 育

容他 募会 を劣

整 国

嬰 奇 手

図9 夫に対して期待するもの(女性)

  妻に対して期待するもの(男性)

秀 墾 奇 手

峯 そ

雲 の

重 他 地

覇 箏

の失敗に寛容であること」11.5%,「妻の親を大切にすること」6.0%,「夫の親を大切にす ること」2.9%,「家事に熱心であること」1.1%である。

 男性が妻に対して期待するものは,同じく多い順に「何よりも家庭を大事にすること」

62.0%,「いつまでも魅力的な異性でいること」36.7%,「大事なことについても自分で適 切な判断ができること」32.3%,「家事に熱心であること」26.3%,「子どものしつけや教 育に熱心であること」25.6%,「社会的な関心が高く,教養があること」16.4%,「夫の親 を大切にすること」14.6%,「たくましい生活力があること」14.4%,「個人の人格を尊重 し,干渉しないこと」13.2%,「他人の少々の失敗に寛容であること」7.9%,「職業に熱心 であること」6.5%,「妻の親を大切にすること」5.7%となっている。

 男性と女性で相手配偶者に期待するものは非常に異なっている。女性の場合,夫には「た くましい生活力」「職業に熱心であること」など,主に働く男性としての役割を期待してい るのに対し,男性の場合,妻には「家庭を大切にすること」「魅力的な異性でいること」「家 事に熱心であること」「子どものしつけや教育に熱心であること」など,やはり家庭的な女 性像を期待している。この中で男女双方で期待度の高かった「大事なことについても自分 で適切な判断ができること」を選択した者の特徴を若干見ていきたい。

 女性でこの項目を選んだ者は,年齢では30代が最も多く51.3%,ついで50代で48.0%,

20代46.7%である。既婚,未婚では未婚者の方が多く52.7%,既婚者では子どもがいない 層が最も多くて50.8%である。学歴別では短大卒がトップで50.0%であった。家庭生活に はある程度満足しており,生きがいも多少感じている所で平均値より少し高い支持を得て いる。職業の有無ではあまり変わりがないが45.9%,46.8%,有職者の中では,職種では 専門・管理48.2%,事務49.6%,販売48.5%で,地位では正社員55.0%,家族従業者 52.6%,代表者51.3%で支持が高かった。また実際の家庭生活では「男性上位,女性上位

(12)

どちらともいえない」層で52.8%,さらに婦人問題に関心を持ち50.0%,女性の社会的な 地位を高めることが必要であると考えている層48.1%で支持が高かった。

 男性でこの項目を選んだ者は,やはり婦人問題に非常に関心があり42.1%,女性の社会 的地位を高めることが必要だと考えている層39.1%である。配偶者が無職の場合にこの期 待がとくに強い40.3%のは,現実生活の中で夫に頼り切っている妻への夫からの要望では ないだろうか。年齢別では60代39.1%,40代37.6%に多く見られる。またとくに子どもが

3歳から大学生に至るまでの間33.3〜43.3%にも多く見られることから,「大事な事」とは あるいは子どもに関する事かもしれない。

 この項目はある意味では互いに自立することを要求するものである。しかし男性の中に そのことでより家庭生活から遠ざかっていく傾向がみられるのは,残念なことである。

 2)家庭生活は男性上位か,女性上位か(図10)

 家庭生活が男性上位で物事が進んでいるか,女性上位で物事が進んでいるかの質問をし た。女性の回答では「男性上位」が35.9%,「女性上位」が9.8%,「どちらともいえない」

が43.2%,男性の回答では「男性上位」が40、0%,「女性上位」が11.7%,「どちらともい えない」が36.7%である。

 女性調査では,年齢が高くなるほど「男性上位」が多くなり,反対に「どちらともいえ ない」が少なくなる。また学歴が高くなるほど「男性上位」が少なくなり,反対に「どち らともいえない」が多くなる。また「男は仕事,女は家庭」の考え方に同感度が強い人ほ ど「男性上位」が多く,「どちらともいえない」が少ない。世帯全体の年収は多いほど「男 性上位」が多いが,「どちらともいえない」は200万から800万までの中問層で多い。妻自身 の職業との関連では,職を持ち収入を得ている者では全体的に「男性上位」が減少してい

るが,販売,技能職従事者や,家族従業者,パート雇用者などでは,むしろ無職の妻にお いてより「男性上位」である割合が高い。また年収では「収入なし」で「男性上位」が最 も多く,それから200万に至るまでだんだんに減少するが,またそれより年収が増加するに つれて「男性上位」も多少増加傾向を示す。

 男性調査においても,年齢,学歴,役割意識との関連では,女性調査におけるのとほぼ 同じ傾向が見られる。年収では,自分自身の収入が増加するにつれて「男性上位」も増加 し,400万円以上で47.5%,世帯全体の収入でも,やはりそれが多くなるほど「男性上位」

も多くなるが,600万円〜800万円の層でピークの57.4%,それ以上では多少減少傾向であ

る。

 家庭生活に満足している層は,男女とも「男性上位」「どちらともいえない」が平均より

0

50

100(%)

   N女 性912

男 性 403

35.9         9,8      43.2      9.5

       一

S0.0       11.7      36.7      11.2

男性上位       どちらとも女性上位        いえない

該当しない

1.6

0.5

不明

図10 家庭生活は男性上位か,女性上位か

(13)

多く,不満である層は「女性上位」「該当しない」が多い。

 3)「男は仕事,女は家庭」の考え方への同感度(図11)

 女性で「同感する」は21.9%,「まあ同感する」が43.0%,併せて64.9%が同感層,非同 感層は33.4%である。男性では「同感する」30.5%,「まあ同感する」40.7%で,計71,2%

が同感層,非同感層は27.1%ということになる。同種の先行調査として総理府が昭和59年 4月に行った「婦人に関する世論調査」では,「同感する」は55.2%,「同感しない」が44.8%

である。

 女性では年齢は低くなるほど,学歴は高くなるほど,また有職でその収入が高くなるほ ど「同感する」は減少し,「同感しない」が増加する。この非同感層の割合は「文化,教 養,学習などのサークル活動」に積極的に参加している層で最も高く66.7%に上っている。

さらに子どもの教育においても男子と女子とで「区別しない」層に多い57.7%。意外なの は婦人問題に「かなり関心がある」層,またこの十年間に婦人の地位が「非常に高まった」

「かなり高まった」と思っている層で,この男女の性別役割分担に「同感する」の支持率 が相対的に高いことである(それぞれ25.4,31.8,27.7%)。実際に婦人問題に関して学習 をしている女性を別にして,いまだ一般にはこの性別役割分担の廃止ということが,婦人 問題の中心的テーマとなっていることの認識が薄いのが現実である。男性調査においても 年齢,学歴,妻の就業状況との関連で,女性調査と同様のことが見出せた。

5.勢力構造

 1)家庭における夫,妻の役割分担の状況(図12)

 通常家庭においてどのような仕事を分担しているかに関しては,夫,妻とも本人の方が 相手配偶者が認知しているより多少多く分担していると考えてはいるものの,その認識に 大きなズレはないようである。ここでは一つ一つの項目毎ではなく,どちらが主に分担し ているかによって大きく分けて見ていこう。

①妻の分担分が多い項目

 その多くを妻が担当しているものとして,割合の高かったものから順に「家事」「家計支 出の管理」「近所づきあい」「共同清掃」「町内会の会合」「子どものしつけ」がある。「家計 支出の管理」は日常家事の範囲内の金銭の出入れであるから,ほとんど「家事」の範囲内 のものであろう。結局,日常家事の7〜8割が妻の手によって遂行されている。「共同清掃」

「町内会の会合」は「近所づきあい」の一部分で,ここではその5〜6割が妻の手によっ

0

50

100(%}

   N女 性 912 男 性 403

21.9      3,0       26.2      7,

30.5       40.7      21.1     6.0

同感する まあ同感する

あまり @同感しない

同感しない

1,6

1.7

不明

図11 男は仕事,女は家庭の考え方の同感度

(14)

0

50

100(%)

ゴ::

繕〔鍵:1:

幽霊:::

 モ

翻競:::

 く

翻籠:1:

纂1〔籠:1:

葵1[鷺:::

行1〔∵:

ll[籠:1:

露離:1:

講 語[∴

掃藁[童 夏 :1:

 そ の町 会内 合会

女 性 912

男 性.403

0.4       3.0    2.4

82.      8.8

1.7      2.7      4.3

80.9 一9.2

0.7       0、9

50.8

20.3     20.7

2.5 0.2

41.7 25.6 25.3

1.4 8.1 15.0 45.0      23.2

9.9 1. 44.2      27.0

0.4

11.6 z).9 28.0 ま2.3

0.2

17.6 23.8 26.6 25.1

.       72.9      7.2   10.7

5.0

71.5      6.2

1L4

2.7 30.4

29.9       20.1

11.5

.0

34.0   ㍑

Q8.O      i8.4

12.4

4.1

2

40.0 30.7 16.6

3.0 2.2

39.2 32.5 19.1

2.6 19.6        16.6      39.1 15.8   一

1.5

18.1 19.1       3860 19.4

1         〃

Q2.0    8.3         z 48.5 13.6

42

28.0

48.1      15.1

45       1.4

56.8

22.6    9.8

.2

64.0

16.9   10.2

64.1

19.2   10。2

3.2 3.5

59.3 20.1 ≡i11.7

.1

5. 58.1       15.8 13.5

42

12.2 47.9       17.6 15.6

2.0 8.6 51.0       17、7      16.0

3.5 15.1

笏40・9 19.4     17.9

夫 妻

夫,妻

ッし程度

その他の ニ  族

該 当 オない

3.2

1.2

6.7

4.7

7.2

4.7

6.7

6.9

3.6

3.0

5.4

4.2

6.3

4.0

6.3

4.0

6.6

3.2

4.9

2.7

3.8

2.2

4.4

2.5

4.8

3,2

不明

図12 家庭生活における夫,妻の役割分担の状況

(15)

ている。「子どものしつけ」は実際に身のまわりの世話をする育児よりも広い概念である が,ここでもやはり妻の方が多く4〜5割が一人で担当している。これらは他の項目と異 なり,それを遂行するのに時間と労力を要するいわゆる家事作業に分類されるものである。

「女は家庭」の観念はこの家事作業の部分で実際に生きている。

 女性の調査で「家事」を「夫,妻,同じ程度」で行っていると回答した者は全体で3%

であるが,相対的にこれより多い層は,配偶者が無職である者11.1%,自分自身が職業を 持ちその年収が200〜400万円である者7.0%,職種では技能職7.7%,専門・管理職7.1%,

サービス業6.7%,地位では代表者7.7%,臨時など7.1%等である。年齢別では顕著な傾向 はみられなかった。

 「近所づきあい」を「夫,妻,同じ程度」で行っていると回答した者は全体で19.2%であ るが,相対的にこれより多い層は年齢では50代26.0%,中学卒26.7%,夫の職業が自営業 30.1%,無職27.8%で比較的長くその土地に居住している者である。これらの人たちにとっ て近隣関係は,他の人たち程には失われていないと見ることができるだろう。

 「子どものしつけ」に「夫,妻,同じ程度」で関わっているのは全体で20.3%であるが,

相対的にこれより多い層は幼稚園,保育園児から大学生までの子どものいる世帯

26.2〜34.1%,世帯年収が高額であり(1,000万円以上の世帯では34.1%),妻はスポーツ のサークル活動に積極的に入り35.3%,現在の家庭生活には満足しており27.6%,婦人問 題にも非常に関心がある30.6%等である。現代のいわゆるエリート層といえようか。

②夫,妻,共同で行うことが多い項目

 夫や妻が単独で行うよりもむしろ共同で行うことが多い項目は,その割合が高い順に「将 来の生活設計」「子どもの教育方針」「家族旅行」「夫と妻の小遣いの決定」である。これら は日常の家庭生活の運営方針を決定するものであるが,実際の労働を必要としないいわゆ る家事管理の分野に属す。以下,女性側の調査でより詳しく見よう。

 「将来の生活設計」を「夫,妻,同じ程度」に行うと回答した者は,女性の48.5%であ る。相対的にこれより多い層は,夫婦と未成熟の子どもからなる核家族世帯63.2%,世帯 年収400〜600万円60.9%,夫は正社員65.1%,家庭生活は「夫上位,i妻上位,どちらとも いえない」63.2%,男女の役割分担意識にはあまり同感するほうではないが,男の子は「男

らしく」,女の子は「女らしく」しつけることを「やむをえない」と考えている層60.2%,

妻が仕事を持っている場合は「家族従業者」60.5%,持っていない場合は「そのうち職業 を持つつもり」と考えている層62.2%,妻は現在スポーツ活動に積極的に参加している 64.7%。年齢的には若い世代ほどこの傾向が強い。いわば今日最も多くの人たちから「そ

うありたい」と支持されている家庭像であろう。

 「子どもの教育方針」についても「将来の生活設計」におけるのとほぼ同様の傾向が見ら れるが,主に「子どもの進学」を巡っての事柄であるためか,年代は30〜40代が中心で 52.6〜53.3%,世帯年収は600〜800万円62.0%,妻もパートや内職で働き始めた者

49.6〜51.7%が多くなる。

③夫の担当分が多い項目

 夫が妻より多く担当している家事項目は,その割合の多い順に「重大問題の最終判断」

「高額な購入」「財産の管理」である。生活設計に関して話し合いはしていても,最終的な 所では夫が判断を下し,また日常の財布の出し入れば妻に任せても,財産の管理は夫がき

(16)

ちんとしている。ここにやはり夫の権威は厳然と存在しているようである。

 女性の調査で見ると,「重大問題の最終判断」を「夫,妻,同じ程度」に行っているのは 全体で22.6%であるが,明らかに学歴による差が見られ,中学卒は19.1%,高校卒は22.4%

であるところ,大学卒は37.0%にも上っている。相対的に割合の高い層は末子が小学校低 学年以下であり31.7〜32.3%,夫は正社員31.3%もしくは無職31.5%,家庭生活は「妻上 位」33.7%もしくは「どちらともいえない」36.0%,婦人問題には非常に関心があり 30.6%,男女の役割分担には非同感で28.8〜32.2%,子どものしつけについても男女を区 別しない32.1%。妻自身の職業に関しては「有り」19.9%,「無し」25.9%と無職の方が多 く,女性の社会的な活動に関してもそれが女性の地位を高めることにはつながらないと考 えている31.0%。結局これらの女性たちは,知識を多く得ることによって夫との対等な関 係を作ることができたということだろうか。もっとも妻自身に400万円以上の収入がある場 合には夫と同等の割合は34.8%に上り,この意味ではやはり職業の裏打ちが重要であるこ

とも推測できる。

 「財産の管理」については,主に夫が行うことが多いものの,妻もしくは夫と妻と同程度 という回答も多いので,夫と妻の関与の率の差ということで見てみよう。全体では夫が 0.5%だけ関与率が高いのであるが,年齢別で見ると30代で妻の関与率が最も高く13.7%,

20代がこれに続く1.7%。40代以上では段々に夫の関与率が高くなる。また世帯年収が高く なるにしたがって夫の関与率も高まっている。妻の学歴が高くなるにしたがってまた夫の 関与も多くなっているが,これは世帯年収の方に大きく影響されているためであろう。妻 が無職の場合は夫が4.2%,有職の場合は妻が3.0%多く,その際も妻自身の収入の多いほ

ど関与率が高い14.3%。また婦人問題に非常に関心があり25.0%,男女の役割分担に同感 しない層27.2%で妻の関与率が高い。

 2)財産の名義人(図13)

 「土地」「家屋」は5割弱が夫の名義で,妻の名義および「夫,妻,同じ程度」であるも のはこの十分の一である。また「該当しない」というものは3割しかない。「自動車」の名 義人もこれと非常によく似た分布状況で5割強が夫である。妻および「夫,妻,同じ程度」

であるものの割合は「土地」「家屋」よりも少なく,さらに「該当しない」は3割弱であ る。以上の3項目は一般の所有率も高く,そのほとんどが夫の名義であるということで共 通性がある。

 「営業上の資産」も2割弱夫名義で,妻名義,「夫,妻,同じ程度」はこの十分野一,結 局そのほとんどが夫の財産ということになるが,「該当しない」が5割を超えている。「株,

債券,投資信託など」も妻の名義となっている割合が多少高くなっている程度で,基本的 には「営業上の資産」の名義人の分布と同じである。

 「定期預金,積立預金」は夫の名義が34.7〜36.5%,「夫,妻,同じ程度」が 28.1〜29.5%,妻の名義が14.4〜19.2%である。妻の名義のところで男性回答と女性回答

とで開きが出ているのは,妻のへそくり分であろうか。

 妻の名義が多いのは「生命保険の受取人」の項だけである。ほぼ5割が妻で,2割弱が

「夫,妻,同じ程度」,1割強が夫という分布である。夫は妻の受取額を過大に評価し,妻 は夫の受取額を過大に評価する傾向があるようである。

(17)

(%)

50

40

30

20

10

0 45・944.9

ア.土

       8・17.9

翫9

R.2へ247

27,5 32,8

3.93.5 7.3

女男 性性 N N

Uh

912403

5.2

し該 なわ  不

(%)

50

40

30

20

10

0

オ.株,債券,投資信託など

51,1

43.9

女性

N

ll

912

22.0 19.6

14.9 11.9

4.84.7 7・86.9

3.4  L5

7.06.5

夫 妻 同夫 家そ じ   の 程妻  他 度  族の

な か

い当 いら

夫 妻 同夫  家そ

じ   の

程妻  他

度  族の

し該  なわ  不

な か

い当  いら  明 女男 性性   NN

  II 9124(B

(%)

50

40

30

20

10

0 47.647.6

イ.家

翫3≠Q4盛5

7.77.7

26.1 30.3

3・53.0

性性

女男 N N

l口1

912403

7・76.0

夫 妻  同夫  家そ    じ   の   前妻   他

  度  族の

し該 なわ

(%)

60

い当 いら

40

20

0

カ.自 動 車

52.♂4・8 女性

N

ll

912

  28.P26.0

@ L72・21.5

3.13・0

8.77.2

夫 妻 同夫 家そ じ   の 程妻  他 度  族の

し該 なわ

な か

い当  いら 不

性性

女男

  N

  l1 9124(B

(%)

60

40

20

0 14.9

ウ.生命保険金の受け取り人

58,1

47.6

11.2 20.5

13.4 6・96。2

10.111・7

性性

女男 N N

I目1

912403

   6.3

4.74.5

     3.7 夫

(%)

60

40

家そ し該

綿な

族の い当

20

0

キ.営業上の資産

妻 同夫   じ   程妻   度

55.8 女

52.1

N

II

912

  21.319.7

17.9 14.4

2・O L5  1 61.2  1.42。0

5.9  4.2

性性女男

  N

  II 9124(B

なわ  か いら

夫 妻  同夫

   じ    程妻    度

家そ  の  他 族の

し該  なわ

な か

い当  いら

(%)

40

u

30

20

10

0

エ.定期預金,積立預金

「 36.5   34.7

女性.

  29.528.1

Ni1912

19.2

14.4  13.9

P0.9 8.4

@ 5.5

  5.74.3 6.76.0

妻  同夫

   じ    程妻    度

家そ  の  他

族の

し該 なわ

な か

い当  いら 不

女男 性性

 N  II

912403

(%)

50 47.8

40

30

20

10

0 46.2

ク.財産の最も多い人

10.210.4 6.68。2

女男 性性

NNll l1

912403

20.121・3

49 4.45・76・05.5  2.7

夫 妻 同夫

継妻

家そ

 の  他 族の

し該  なわ

な か

い当  いら 不

図13財産の名義人

(18)

 以上の結果,「財産の最も多い人」は夫で,男女の回答とも5割近くに達している。妻,

「夫,妻,同じ程度」はこの十分の一にも満たない。前間においては「財産の管理」を主 にする者は夫が多かったものの,妻あるいは「夫,妻,同じ程度」もほぼこれと並んでい た。しかし,実際の名義人がほとんど夫であるということは,真の管理者はやはり夫であ るということにならないだろうか。つぎに「土地」と「定期預金,積立預金」に関して

「夫,妻,同じ程度」に名義があると回答した者の属性を,女性調査から簡単に見ておこ

う。

 「土地」に関していえば,「夫,妻,同じ程度」は女性全体では4.2%であるところ,20代 5.9%,大学卒7.4%で多少高いが,より影響があるのは妻の仕事であり,管理職14.0%,

正社員10.0%,ずっと職業を続けており10.6%,自分自身の年収は「200〜400万円」

9.6%,「400万円以上」17.4%である。世帯年収は「1,000万円以上」11.4%,男女の役割 分担には「同感しない」12.1%,しかし女性が職業を持つことがすぐには「女性の社会的 な地位を高める」ことにつながらないと考えている10.3%,その結果であろうか学習活動 や婦人会などの活動に積極的に参加している者が多い19,0%。

 また「定期預金,積立預金」では,「夫,妻,同じ程度」は女性全体では28.1%である が,年齢,学歴が上がる程,また世帯収入が多くなる程多くなる。相対的に割合の高い層 は,夫婦のみの世帯40.6%,学習活動に積極的に参加している層47.6%,婦人問題に非常 に関心があり38.9%,今後女性の社会的な地位を高める必要があると考えている層39.4%

等である。女性の職業の有無ではむしろ無職者にこの割合が高いが,しかし有職者の中で も代表者35.9%,管理職37.2%は無職者よりこの割合が高い。夫婦の平等を考えるなら,

財産関係の平等がまず必要とされるだろう,これはあくまで平等の第一歩で,決してすべ てではないが。しかしその第一歩のところで平等を獲得するためには,現代においては妻

も自分自身の安定した収入を得るということがとても重要な要因であるといえよう。

6.結婚観,離婚観  1)結婚観(図14)

 男の人の場合「ぜひ結婚する方がよい」は女性で39.4%,男性で54.1%であり,「できる だけ結婚する方がよい」が女性36.0%,男性31.3%,「結婚する必要はない」女性0.7%,

男性1.2%,「どちらでもよい」女性16.2%,男性12.7%である。

 女の人の場合「ぜひ結婚する方がよい」は女性で36.2%,男性で51.6%,「できるだけ結 婚する方がよい」女性43.9%,男性29.3%,「結婚する必要はない」女性1.5%,男性 0.2%,「どちらでもよい」女性17.9%,男性10.9%となっている。

 「ぜひ結婚する方がよい」は男の人の場合よりも,女の人の場合の方が多少少なく,さら にいずれの場合でも,男性の回答と比べ女性回答の方が15%程度少ない。女性自身がぜひ

とも結婚しようとは思ってはいないし,また一般もこの風潮を是認しているようである。

以下ではまずこの女の人の場合の「ぜひ結婚する方がよい」に関する女性回答を見ていこ

う。

 この回答の支持率は年齢では30代が最も少なく28.0%,ついで20代の33.6%,40代から は年代が上がる毎に多くなる。学歴とはほぼ反比例で,ミ学歴が高くなるほど支持率は低く なる。女性が有職か無職かということでは,際立った特徴は見出せない。職業継続期間や

(19)

0

50

100(%)

      

驚麗:1

報じ1:1:

0.7

39.4 36.0 16.2

1.2

54.1 31.3 12.7

1.5

36.2 43.9 17.9

0.2

51.6 29.3 10.9

ぜひ結婚

キる方がよい

できるだけ結婚 キる方がよい はない

結婚する必要

どちらでもよ

7.8

0.7

0.5

7.9

不明

図14結婚観

自分自身の収入額の多寡,職業上の地位についても同様である。むしろ意識的な要素に非 常に支配されており,職業観で「結婚後は職業を持たない方がよい」と考える層で支持率 が高く52.1%,「ずっと継続するのがよい」と考える層で低い23.6%。また男女の役割分担 に同感する層で支持率が高く53%,同感しない層で低い15.2%。

 男の人の場合の「ぜひ結婚する方がよい」に関する男性回答においても,年齢,学歴,

男女の役割分担意識,女性の職業に対する考え方との関連では,女の人の場合に関する女 性回答とほぼ同じ傾向が見られる。さらに自分自身の収入よりも世帯収入との関連が強く,

世帯の年収が多くなる程支持率が高くなっている。このことは妻が職業を持ち収入を得て いる夫の方が無職の妻を持つ夫よりも支持率が高いことと関係しているのであろうか(妻 自営65.6%,正社員62.8%,無職・臨時など56.3%)。いずれにしろ,ここでも妻の職業に 関しては意識の面と実態の面で違いが見られる。また家庭生活に満足している夫の71.7%,

生きがいを非常に感じている夫の75.4%までもが,「ぜひ結婚する方がよい」を支持してい ることも特筆に値する。

 これらのことから以下のように結論づけることは早計であろうか。男女の高学歴化は,

とくに女性にとってのそれは伝統的な男女の役割分担意識を換え,主にこのことが現在の 結婚に対する忌避の現象をもたらしている。女性の職業活動は,結婚後もそれを継続して いる場合は収入の面で夫側の満足度も増すので,女性にとって家事との二重の負担が掛 かってもそれを相殺する何かがあるのではないだろうか。つまり妻が職業を持っていると いう要因は,「ぜひ結婚する方がよい」という結果には妻側にはプラス・マイナス・ゼロと して,夫側にはプラスとして働いている。これらのことがあいまって,現代の社会では女 性には結婚忌避の,男性には結婚願望の現象が起きているのではないか。

 2)結婚後の姓(図15)

 夫婦とも「夫の姓」は女性の60.1%,男性70.0%,夫婦とも「妻の姓」は女性0。5%,男 性0,「姓が一緒」であればどちらでもよいは汝性30.4%,男性20.8%,「今までの姓」を 変える必要はないが女性4.5%,男性5.0%である。現行民法では「夫婦は,婚姻の際に定 めるところに従い,夫又は妻の氏を称する」と定められているが,実態は90%以上が夫の 氏を称する婚姻である。「姓が一緒」であればよいというのでは現代では結局のところ,「夫

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