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著者 関西大学人間健康学部 浦和男研究室, 浦 和男, 与

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Academic year: 2021

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大阪に関する地域資源の掘り起こし・再評価とDCH (Digitalised Cultural Heritage) 化による繋がり の創出 : 関西大学図書館所蔵資料の活用(2018年 度関西大学教育研究高度化促進費研究成果報告書)

[3]

著者 関西大学人間健康学部 浦和男研究室, 浦 和男, 与

謝野 有紀, 林 直保子, 岡 絵理子, 堀 雅洋, 橋本 行史

ページ 26‑41

発行年 2020‑12‑21

URL http://hdl.handle.net/10112/00022671

(2)

【資料】 『堺市⿃瞰図』から

絵に添へて⼀筆

うすがす霞む夢に淡路の島遠く、茅渟の海邊に泣く千⿃、松⾵の ⾳も颯々おと さつさつと、た か し⾼⽯の濱のちよう

ていはくしや砂にひたひたと打ち寄する波はつゞきて浪速の津も、摩耶六甲のとうやま⼭など前につらな り、なだらかな芝の緑によそはれし、丘陵の起伏うしろに極まるところ、⾦剛・葛城・信貴・

⽣駒のれんれい嶺の、紫にかすみて遠くあでやかに、えがき出さるゝ南蛮交易の⼤商都、堺の持つ 繁栄の歴史は、既に⻘によし奈良の都のちよう朝 に始まるとかや。

斯の輝やかしき古都堺の⽂化の跡は、街並みの家々のいらか甍 にも、市中と云はずきんごう近郊と云は ず数限りなき名所史蹟の数々にも充分に偲ばるゝのみならず、⼜この美しい、夢の様に静か な歴史のまちが、現在に於ても、無数の⼤⼩⼯場を蔵して世界の商都⼤阪にとな隣つて、世界の 産業都市、だいさかい市としての颯爽たるしや振りこそは、年産⼀億圓に達するうつ鬱ぜん然たる⼤

経済⼒となりて、堂々たる歩みを續けている。

しか然も其の⽣産品の種類たるや、こうえん煙ゆらぐ線⾹より、清酒、醤油、菓⼦とう等の⽇⽤品、めん綿

⽷、めん綿ない⾄⾜袋など等、更に敷物類に刃物類など等があるかと思へば、スコツプ、シヤベル、セル ロイド、アルミニユーム製品、さては⾃転⾞、⾃動⾞、電⾞など等より化学薬品とう等と、⽣活に必 要なる殆んどあらゆる部分にわた亘つているのも、こんぜん然として古今を通じてのぶんくわ化都市堺の歴 史を反映して、深き興味を禁じ得ない。

かつ嘗て昭和七年には、きんさんぜん然として近畿のさん野にひるが飜 へる陸軍特別⼤演習に當り、⼤阪府

⿃瞰図謹筆の感激去らざる今またゆくりなくも堺市⻑河盛安之助⽒のこんしよく嘱 を拝して、⼤堺 全市を中⼼として本図くわんせい成の喜びを重ぬ。さひはい幸 に本図を以て単に今⽇の案内図たるに役⽴

つのみを⽬的とせず、はるか遥 なる後世の為に、いさゝか昭和の堺市を伝へてそのいんせき蹟を物語り 得ば、筆者末代までの幸福である。終りに臨み市當局のこんとく篤なる御指導を深く拝謝し奉る としかいふ爾。

昭和⼗年夏 台北市鐡道ホテルにて 吉⽥初三郎

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【 注 】

ど ち ら も 、旧 漢 字 を 新 漢 字 に 直 し て 翻 刻 し た 。「 絵 に 添 へ て ⼀ 筆 」は 写 真 の よ う に 全 ル ビ で あ る が 、⼀ 部 の 読 み 誤 り や す い 漢 字 の ル ビ の み 翻 刻 し た 。縦 書 き の た め 、く り か え し の 「 く の 字 点 」 が 使 え ず 、「 颯 ゝ 」 の ル ビ 「 さ つ さ つ 」、「 ひ た ひ た 」 は 、 く り か え し 記 号 を 使 わ ず に 翻 刻 し た 。

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