• 検索結果がありません。

(図2:佐賀県肝炎ウイルス検査事業の比較)

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "(図2:佐賀県肝炎ウイルス検査事業の比較) "

Copied!
4
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

75

令和2年度 厚生労働科学研究費補助金(肝炎等克服政策研究事業)

分担研究報告書(職域肝炎ウイルス陽性者・両立支援対策) 職域健診における肝炎ウイルス検査の実施への取り組み

研究分担者:江口 有一郎 佐賀大学医学部附属病院 肝疾患センター 客員研究員 研究協力者:古川 修一 佐賀県健康福祉部健康増進課 係長

研究協力者:高橋 宏和 佐賀大学医学部附属病院 肝疾患センター 特任教授 研究協力者:磯田 広史 佐賀大学医学部附属病院 肝疾患センター 助教 研究協力者:矢田 ともみ

佐賀大学医学部附属病院 肝疾患センター

研究要旨:

佐賀県では肝炎ウイルス検査受検率が特に男性 40〜60 歳代の働く世代で低迷してお り、平成30年度から佐賀県と全国健康保険協会(協会けんぽ)佐賀県支部および健診 委託医療機関とが協力し、新たに職域健診における肝炎ウイルス検査推進事業を構築 した。肝炎ウイルス受検者数は平成 31年度に7,298 名と増加し(参考:平成29年度 実施総数786名)、HBs抗原陽性者数は17名(0.2%)、HCV抗体陽性者数は28名(0.4%)、

HBs抗原とHCV抗体の両方陽性は2名であり、合計47名が肝炎ウイルス検査陽性であ った。R2年度の研究では、令和 1 年度の受検数の推移および平成 30 年度に陽性と判 明した者の精密検査受診状況(令和 2 年 3 月末時点)を調査した。令和1年度の受検 者数は5,278名とやや減少し、HBs抗原陽性者17名(0.3%)、HCV抗体陽性者16名(0.3%) であった。平成30年度陽性者の受診率は、HBV 47.4%、HCV 66.7%であった(参考:令 和1 年度陽性者はHBV 29.4%%、HCV 50.0%)。精密検査受診率を受検者の年代別にみる と、30代75%、40 代37.8%、50代50.9%、60代52.2%、70代100%であった。健診施 設別では、陽性者が多く見つかっている施設でも精密検査受診数は約半数にとどまっ ていた。健康診断の機会を活用し、協会けんぽと連携して肝炎ウイル検査を勧奨する ことは、職域での受検者数の大幅な増加につながり大変有効である。しかしながら、

陽性者の精密検査受診率は十分ではなかった。肝炎ウイルス検査の結果は、受検者の 職場には知らされず、受検者個人と保険者・県のみが結果を把握することになる。個 人情報に配慮しつつ、未受診者への効果的な受診勧奨の方法について、協会けんぽや 県と連携しつつ、引き続き検討していく必要がある。

A. 研究目的

佐賀県では肝炎ウイルス検査受検率が全

体で 70%程度にとどまっており、特に男性

40〜60 歳代の働く世代での受検者数の低迷

が喫緊の課題である。また肝炎ウイルス検 査で陽性と判明したのちに精密検査のため に専門医療機関へ受診することが重要であ る。そこで平成30年度から佐賀県と全国健 康保険協会(協会けんぽ)佐賀県支部およ び健診委託医療機関とが協力し、職域健診 における肝炎ウイルス検査推進事業を構築 しておりこの新規事業の成果を評価する。

B. 研究方法

平成 30年4 月から県内 36 箇所(令和 2 年4月時点では38箇所)全ての協会けんぽ 健診実施機関で、職域健診当日に肝炎ウイ ルス検査の受検勧奨(ついで受検)と、自 己負担を無料化(県独自事業)した。受検 状況の結果は協会けんぽ佐賀県支部と佐賀 県から個人情報を含まない形で入手した。

また、肝炎ウイルス検査陽性者のその後の 受診状況は、協会けんぽ佐賀県支部のレセ プト情報と佐賀県の初回精密検査費用助成 制度の申請者リストを基に佐賀県が確認し、

(2)

76

- 個人情報を含まない形で入手した。

C. 研究結果

1)肝炎ウイルス検査受検者数

令和1年度の協会けんぽ事業での受検者 数は5,278名であった(図1)。

佐賀県で実施されている①委託医療機関

(特定感染症事業)、②職域出前(特定感染 症事業)、③市町(健康増進事業)、④保健 福祉事務所(特定感染症事業)、⑤協会けん ぽ(佐賀県独自事業)、の結果と比較して図 示する(図2)。

令和1年度は平成30年度に比較してHCV抗 体検査の受検者数は

①委託医療機関:74.3%

②職域出前:137%

③市町:97.1%

④保健福祉事務所:46.9%

⑤協会けんぽ:72.3%

であった。

陽性者数は、令和1年度は、HBs抗原陽性者 17名(0.3%)、HCV抗体陽性者16名(0.3%)で あった。

(図1:協会けんぽ事業での受検者数)

(図2:佐賀県肝炎ウイルス検査事業の比較)

5044

2660 4869

33

7298

19904

3740 3670 4647

15

5278

17350

0 5000 10000 15000 20000 25000

医療機関 職域出前 市町 保健事務所 協会けんぽ

受検者数の推移(H 3 0 -R 1)

5064

2673 4717

32

7298

19784

3765 3666 4580

15

5278

17304

-5000 5000 15000 25000

医療機関 職域出前 市町 保健事務所 協会けんぽ H30 R1

HBV

HCV

(図3:検査種別毎の陽性者数の推移)

陽性者数の推移(H 3 0 -R 1

25 13

38

0

19 95

23 12

29 1

17 82

0 50 100

医療機関 職域出前 市町 保健事務所 協会けんぽ

27

5 12

0

30 74

25

9 16

0 16

66

0 50 100

医療機関 職域出前 市町 保健事務所 協会けんぽ H30 R1

HBV

HCV

2)陽性者の精密検査受診率

平成30年度陽性者の受診率は、HBV 47.4%、

HCV 66.7%であった。令和1年度陽性者では HBV 29.4%%、HCV 50.0%であった(図4)。

ただし、令和 2 年3 月末時点でのデータで あるため、令和 1 年度陽性者の受診率は参 考値である。

(図4:陽性者の精密検査受診率)

0%

20%

40%

60%

80%

100%

医療機関 職域出前 市町 保健事務所 協会けんぽ

陽性者の精密検査受診率

0%

20%

40%

60%

80%

100%

医療機関 職域出前 市町 保健事務所 協会けんぽ H30 R1

HBV

HCV

精密検査受診率を受検者の年代別にみると、

30代75%、40代37.8%、50代50.9%、60代

(3)

77

- 52.2%、70 代 100%であった(図5)。市町 別にみると、佐賀県で人口規模が大きい市 でも受診率は約50%であった(図6)。こう した市町から受診勧奨できないか検討した が、現時点で、協会けんぽの事業での陽性 者情報は市町へ提供されていなかった。健 診施設別では、陽性者が多く見つかってい る施設でも精密検査受診数は約半数にとど まっていた(図7)。

(図5:検査時年代別の精密検査受診率)

(図6:市町毎の精密検査受診率)

(図7:検査実施医療機関別の精密検査受診率)

D. 考察

健康診断の機会を活用し、協会けんぽと 連携して肝炎ウイル検査を勧奨することに より、職域での受検者数の大幅な増加につ ながった。しかしながら、陽性者の精密検 査受診率は十分ではなかった。佐賀県での 取り組みの大きな特徴として、協会けんぽ と佐賀県が検査費用を補助することにより 自己負担が無料となることである。これは 大きな受検促進要因となることが推測され るが、一方で、自己負担が無いことで受検 者の意識や記憶に残りにくく、陽性と判明 後に精密検査を受診することに対しては阻 害要因となってしまうのではないかという 懸念の声もある。

肝炎ウイルス検査の結果は、受検者の職 場には知らされず、受検者個人と保険者・

県のみが結果を把握することになる。本人 に結果が通知される際には、毎年新たに健 診機関に配布されている受診勧奨リーフレ ットや専門医療機関リスト等が同封されて いる。個人情報に配慮しつつ、未受診者へ の効果的な受診勧奨の方法について、協会 けんぽや県と連携しつつ、引き続き検討し ていく必要がある。2021年2月には、全協 会けんぽ健診委託機関に対して再度、本事 業への協力依頼を文書で行なった。職域で の肝炎ウイルス検査陽性者は、ほとんどの 方が働けている方であり、抗ウイルス治療 の良い適応となる方が多いと考えられる。

肝がん撲滅にむけ、次年度以降は陽性者の 精密検査受診率向上に向けて引き続き取り 組む必要がある。

E. 結論

受検数は増加し事業の効果は大きいが、

次に未受診者への効果的な受診勧奨の方法 について、協会けんぽや県と連携して構築 する必要がある。

(4)

78

- F. 政策提言および実務活動

<政策提言>

厚生労働行政推進調査事業費補助金・肝 炎等克服政策研究事業「非ウイルス性を含 めた肝疾患のトータルケアに資する人材育 成等に関する研究」班代表(R2-R4)として、

主に肝炎医療コーディネーターの活躍を促 進するための研究活動を行なっている。本 研究班とも連携し、成果を職域での肝炎医 療コーディネーターの活動に活用するため、

LINEなどのSNSを応用した展開を検討して いる。

<研究活動に関連した実務活動>

肝疾患センターおよび拠点病院として、

本研究班の解析結果を基に佐賀県と連携し て肝炎対策を行なっている。

G. 研究発表 1. 発表論文

なし

2. 学会発表 なし

3. その他 啓発資材

* 簡易型受検申込書を県内全委託医療機関 で展開(36-38)

啓発活動 なし

H. 知的財産権の出願・登録状況 1. 特許取得

なし

2. 実用新案登録 なし

3. その他 なし

参照

関連したドキュメント

国内の検査検体を用いた RT-PCR 法との比較に基づく試験成績(n=124 例)は、陰性一致率 100%(100/100 例) 、陽性一致率 66.7%(16/24 例).. 2

「地方債に関する調査研究委員会」報告書の概要(昭和54年度~平成20年度) NO.1 調査研究項目委員長名要

向上を図ることが出来ました。看護職員養成奨学金制度の利用者は、26 年度 2 名、27 年度 2 名、28 年 度は

平成 28 年 3 月 31 日現在のご利用者は 28 名となり、新規 2 名と転居による廃 止が 1 件ありました。年間を通し、 20 名定員で 1

(平成 29 年度)と推計され ているが、農林水産省の調査 報告 15 によると、フードバン ク 76 団体の食品取扱量の合 計は 2,850 トン(平成

(平成 28 年度)と推計され ているが、農林水産省の調査 報告 14 によると、フードバン ク 45 団体の食品取扱量の合 計は 4339.5 トン (平成

2013(平成 25)年度から全局で測定開始したが、2017(平成 29)年度の全局の月平均濃度 は 10.9~16.2μg/m 3 であり、一般局と同様に 2013(平成

○「調査期間(平成 6 年〜10 年)」と「平成 12 年〜16 年」の状況の比較検証 . ・多くの観測井において、 「平成 12 年から