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文芸資料研究所蔵「源氏物語和歌」解題・翻刻

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全文

(1)

前後見返しともに白紙︒本文料紙楮︒遊紙無し︒全百丁︒内題無し︒

源氏物語の和歌七九七首の抄出︒︵三首重複︒また手習巻の中将歌﹁忘られぬむかしのことも笛竹のつらきふしに

も音ぞ泣かれぬ﹂一首が欠︶︒片面に四首ずつ記載し︑最終丁のみ一首を散らし書きにする︒最終丁を除き︑和歌は

すべて二行分かち書き︵二行目には改行一宇下げで下句を記す︶︒和歌本文は青表紙系︒特に肖柏本や三条西家本な

﹁和歌﹂と墨書︵本行とは別筆︶︒

新装紺無地峡入り︒写本一冊︒袋綴︵四孔・白糸︶︒白地に緑の松葉・星模様を刷った紙表紙︒表紙寸法縦約二三︑ 三×横約一七︑○糎︒表紙左肩に題祭剥落の痕あり︒剥落題祭寸法縦約一八︑六×横約四︑○糎︒題祭剥落の痕に 調査報告八十

|聿日圭一恥

文芸資料研究所蔵﹁源氏物語和歌﹂解題・翻刻

上野英子

− 1 q −

入 』

(2)

通し番号を付して掲げた和歌が︑該耆の本文である︒この本文中に諸本の異同がみられる箇所には傍線を引き︵複

数ある場合には更に①②:等の番号を振る︶︑本文の末尾には当該和歌の収載巻名を付した︒

さて1の場合︑諸本はイ︒pいずれかの本文に大別されるようである︒諸本の略号は該書を﹁図﹂とする以外は︑

すべて﹁大成﹂のそれに準じ︑また河内本系諸本の略号には︵︶印を︑別本には︹︺印を各々付しておいた︒無

印の略号は青表紙ということになる︒なお﹃大成﹂では系統によって吉入れ情報の採用基準を変えているが︑本稿で

は本文の性質を考察する上に必要なものを除き︑別本レベルの校異基準でまとめなおしてある︒

さて︑1の異同ではロで青表紙のなかの横山本だけが独自異文となっているが︑ロの本文では文意が通じない︒誤

写と判断できそうである︒

どの室町後期の本文に近い︒但し巻名・詠者名の記述が無く︑和歌の掲出順も全くの任意である︒全冊一筆︒

奥耆・識語・蔵書印無し︒文芸資料研究所では該言に﹁源氏物語和歌﹂と仮題を付して登録してある︒

1あふせなき涙の川にしつみしやなかる$みをのはしめ成けむ︵須磨︶

イなかる︑みをの⁝大池飯肖三︵七宮尾平大︶︹御陽︺図

てみよう︒ 本文の系統を調べるために︑﹃源氏物語大成校異篇﹄︵以下﹃大成﹂と略︶をもとに︑まずは冒頭十首の異同状況をみ

イなかる斑みをの⁝大池

ロなかる︑の身をの:・横 二本文の分析

(3)

八 十 文 芸 資 料 研 究 所 蔵 「 源 氏 物 語 和 歌 」 解 題 ・ 翻 刻

ロなつる:大家横平池肖︵御七宮大尾︶

﹃大成﹄澪標巻に別本は採用されていない︒注意したいのは2︲①︒青表紙と河内本とが対立した例であり︑該害

︵図︶はィの青表紙諸本と軌を一にしている︒2︲②は青表紙系の三条西家本と該耆だけが﹁なてん﹂という共通異文

をとって︑他の諸本と対立した例である︒

l①︲②

3なき人もおもはさりけんうちすて︑夕のかすみ君きたれとは︵柏木︶

①イおもはさりけん⁝定大横榊陽肖三︵宮尾平諮大鳳︶︹御保国︺図

I①②

4我もまたうき古郷をあれはてはたれやとり木のかけをしのはん

①ィ古郷を⁝大横池肖三︵御七尾前大鳳︶︹保麦阿︺閏

・q

2いつしかも袖うちかけん乙女子かよをへてなてん岩のおひさき

①イいつしかも⁝大家横平池肖三國

①イ古郷を⁝大横池肖

ロ故郷に⁝︹宮陽国︺

②イあれはては⁝大措 ②イきたれとは⁝定大横坐

ロにたれとは:.︹保国︺ ④イ

イおもはさりけん⁝定大描

ロおもはさらなん︒:︹麦阿︺

pいつしかや⁝︵御七宮大︶

ハいつしかと⁝︵尾︶

な い い い て つ つ つ ん し し し

; か か か 三 と や も

団 ; ; :

大横池肖三 定大横榊陽肖三

︵御七尾大鳳︶︹宮陽国保︺図 ︵宮尾平諮大鳳︶︹御麦阿︺|文一

︵澪標︶

ゲ ヘ

蜻 蛉

一 一

̲ ワ 1 −

日 ▲

(4)

︷疋︲している︒

①.I②

8あやなくもへたてけるかなよをかさねさすかになれし中の衣を︵葵︶ 冑表紙のなかの肖柏本が訂正によって︑﹁煙に﹂という独自異文を構築してしまった例である︒ l①I② 6見しおりのつゆわすられぬあさかほの花のさかりは過やしぬらん︵朝顔︶

①イあさかほの⁝御大為池冬耕肖三︵宮尾大︶︹暘坂平国︺図

7さきの世の契しらる掻身のう壁

本歌では諸本に異同はなかった︒

5烏部山もえし煙もまかふやとあまのしほやくうらみにそゆく︵須磨︶

イ煙も:大横池飯三︵七宮尾平大︶︹御陽︺因

② ①

ロ イ ロ イ は 花 あ あ え の さ さ の ; か か

; 御 ほ ほ

尾 大 も の

− 為 ; ;

別本と河内本の一部がそれぞれ独自異文をとった例︒

さきの世の契しらる掻身のうさにゆくすゑかねてたのみかたさよ︵夕顔︶

ロあれはて︑⁝︵前︶ハかれはて︑⁝︹麦︺二かれはては.:︹阿︺

3︐4いずれも別本の一

ロ イ 煙 煙

も も

に 大

、了〆横

肖囎

御大為池冬耕肖三

F一一、

, ノ

一部︑

あるいは河内本の一部に異同があった例であり︑該耆の本文は大勢の諸本と同様で安

︵宮大︶︹陽保坂平国︺|文一

(5)

八 十 文 芸 資 料 研 究 所 蔵 「 源 氏 物 語 和 歌 』 解 題 ・ 翻 刻

yノに/v︑L︑﹄/〆く行けⅣ眠﹂

8︲③は青表紙と河内本とが対立して︑該耆が河内本と一致した例である︒前の2︲①とは逆の結果となったが︑青

表紙のなかの肖柏本も該書と同様︑イの本文をとっていることに注意したい︒

I︵上

I②

9深山木にはね打かはしゐる烏のまたなくねたきはるにもある哉︵真木柱︶

①イはね:大横為池肖三︵七宮平大鳳尾︶︹陽保長麦阿︺図

q4.Jl・ノ01111も︑I・山llll為︺

蛆時嶌こととふ声は

①イこととふ⁝定大横

Ib1オや竹

②イねたき⁝御大横為池肖三︵七宮平大鳳尾︶︹保長麦阿︺函

別︶〃イ

(④ ロ イ ロ

uィ

ン 、

/ 、

ロいね⁝御

、 ロ

へたてけるかな.:

へたてつるかな︒:

よをかさね⁝・大描

としをへて⁝︹陽︺

中の衣を⁝肖︵北

よるの衣を︒:大措

中のこ︑ろを.:雨

かたるふ ねたに

かたらふ

三 明 場

︵七宮尾海大︶國

大横榊池三︹御︺

大横榊池肖三

戸画一、

L一一̲ノ

大横榊池肖三︵七尾海大︶︹御陽︺図

それなれとあなおほつかなさみたれの空︵花散里︶

︵七宮尾平大鳳︶︹御陽︺図

︵七宮尾海大︶︹御︺|文

− ワ q 一

日 』

(6)

9︑叩ともに︑少数の本文だけが独自異文をとったものである︒

以上のようにみてくるならば︑該書の異同は比較的穏やかであり︑異同の激しい別本群の一本とは判定しがたいよ

うである︒では青表紙系か河内本系のいづれだろうか︒この両者が対立したとき︑該耆は2︲①では青表紙に︑7︲③

では河内本に一致した︒しかし後者は青表紙のなかの肖柏本も河内本と同文になっている︒また2︲②のように︑該

害が青表紙系のなかの三条西家本と二本のみ共通異文をとったものもある︒このあたりの点に焦点を絞って︑もう少

し範囲を拡大して用例をみてみよう︒

A表

つぎに挙げるA表は︑青表紙系諸本と河内本系諸本とがある程度まとまって対立した時に︑該耆がどのような動き

をとったか︑その一部をまとめたものである︵なお全体像については︑翻刻部の備考欄を参照されたい︶︒本表では

上から順に︑本表における通し番号・巻名と該害における歌の通し番号を記し︑つぎに当該歌のなかでの本文異同箇

所を︑青表紙・河内本・該言の順に掲げ︑最後に識別と備考欄をもうけた︒

ロ イ ロ

②イ声は:定大明三︵七宮尾平大鳳︶︹御陽︺因

通番号

1|箒木

それなから・:︵大︶

それなれと⁝定大横明三︵七宮尾平鳳︶︹御陽︺図

こゑも⁝横

巻名

歌番号

666

数ふれは

青表紙 かそふるに一かそふれは一口

河内本

該本

識別

備考

(7)

八 十 文 芸 資 料 研 究 所 蔵 『 源 氏 物 語 和 歌 j 解 題 ・ 翻 刻

2 4 2 3 2 2 2 1 2 0 1 9 1 8 1 7 1 6 1 5 1 4 1 3 1 2 1 1 1 0 9 8 7 6 5 4 3 2

箒木

箒木

夕顔

夕顔

夕顔

若紫

末摘花 紅葉賀

紅葉賀

一癸葵賢木

賢木

賢木

賢木

賢木

賢木

賢木

賢木

賢木

花散里

花散里

須磨一

4207446165374849949924261410827324873067773155672358652753728513

月も

ことの葉そなき

たかふな 思ひ乱る對

夏衣

見るへき

たるひは

中の衣に

引き取られぬる

かきくらすころ

よるの衣を

鳴く音な添へそ

あふさか山を

嘆きつ︑心を

ころも涙をも

元エの

ゆきめくり

にほひをそ

かきねに

あれたる

かなしき

菊も

ことの葉もなし

たえすな

思ひわつらふ

たひ衣

みすへき

たるひも

なかのたもとに

引きとられける

かきくらすかな

中の衣を

ねな鳴そへそ

逢坂山に

うらみつ蚤

心の程も

涙をは

秋のゆきかへる

にほひとそ

かきねを

あれ行

はかなき 月も

ことの葉そなき

たかふなおもひみたる︑夏衣みすへき垂水は中の衣に

ひきとられぬる かきくらすころ 中の衣を なくねなそへそ あふさか山を

なけきつゞこ猶ろをころも涙をも秋の

行めくり

にほひをそかきねに

あれたる かなしき

イ イ イ イ イ ロ イ イ イ イ イ イ ロ イ イ イ イ ロ イ イ イ イ イ

肖﹁中の衣を﹂ 榊・肖﹁みすへき﹂

−25−

(8)

ル芸依るO

︑ノ︵b︶

識別楠のイが青表紙と一致したもの︑ロが河内本と一致したものである︒一部をあげただけだが︑結果は歴然であ ろう︒青表紙と河内本とが対立した三十例中二十五例が青表紙の本文をとっている︒五例は河内本と一致したが︑う ち三例︵7・咽・妬︶が肖柏本も該耆と同じ本文をもっているのである︒

こうした現象は︑ほぼ全編にわたって共通しており︑数字であげてみると︑

︵a︶青表紙諸本と河内本諸本とが一冊の例外もなく各々まとまって対立した例は全体で六十二例︒

そのうち該言の本文が青表紙と一致したのが五十七例

河内本と一致したのが五例

302928272625

青表紙諸本間に本文異同の対立がみられるのは︑全体で五十八例︒

そのうち該害と一致した諸本は︑肖柏本と三条西家本が各々三十七例

大島本と池田本が各々二十七例

横山本が十六例

次 に

明石 明石 須磨 須磨 須磨 須磨

401743452334775264

思 雲 ま か よ み ひ 井 よ り そ る な に ひ か に め る な れ も の ら む も ん

みるめもよそとも かりなれと

まとひなむ

雲ゐを

思ひなるへし

思 雲 ま か よ み ひ 井 よ り そ る な に ひ か に め る な ね も も ら む も ん

ロ横肖三︹別︺﹁みるめも﹂

(9)

八 十 文 芸 資 料 研 究 所 蔵 「 源 氏 物 語 和 歌 』 解 題 ・ 翻 刻

さて︑こうした源氏物語和歌の抄出本のなかには︑和歌だけでなく︑その詠者や出詠状況︑簡単な梗概まで添えた

ものもあった︒例えば正徹﹁なぐさめ草﹂︵群書類従本︶によれば︑応永二十五年︵一四一八︶に正徹は︑尾張国の

童子の求めに応じて﹁源氏物語の歌双紙﹂を書き与えている︒その践文によれば︑

抜害︵稿者注l源氏物語の和歌を抄出したもの︶の歌は所々におほかべきを︒

︵槁者注lこの地には︶さやうの本もなければ︑歌計をとおもひ侍ながら︑︵稿者注lこの童子が︶あまりゆへ

知がたきなるべければ︑あるひは彼物がたりの言葉をひろひ︑あるひは十が一の心をあらはしてしるし付ぬ︒︒:

とあり︑この証言によれば︑既に当時から源氏の歌を抜害した本は多かったようである︒また当初は﹁歌計を﹂と考 無論︵b︶のなかには該害の独自異文︵五例︶もみられるが︑相対的には該耆の本文は青表紙本系であり︑なかで

も肖柏本や三条西家本など︑室町期の本文に近いと位置づけることができるように思う︒

よるのだろ︑っ︒

さて︑こ﹄っ−

となる︒統計をこの五本に絞ったのは︑﹃大成﹄が青表紙として採用した諸本の中には︑ごく一部の巻しか現存しな い本︑あるいは巻によって河内本や別本を多く含む本もあるために︑各巻における冑表紙校合本としての採用度が比

較的均質な諸本に絞ったためである︒

古来︑源氏物語の和歌を抄出した資料は多い︒おそらくそれは︑藤原俊成が﹁源氏見ざる歌詠みは遺恨の事なり﹂

︵六百番歌合︶と評して以来︑源氏物語が歌人必須の教養書として早くから注目され︑評価されていたことなどにも 三該耆の特徴

d 1 句

一 ム イ ー

(10)

えていた正徹が︑源氏物語に不案内な童子のために物語本文を引用したり簡単な解説まで書き添えたとあるように︑

和歌の前に簡単な説明文を加え︑結果として歌の抜耆がそのまま源氏物語の梗概害としても利用できるような資料

が︑自然発生的に出現していったのだろう︒

しかし該害の場合︑巻名も詠者名もなく︑それに何より肝心の和歌が順不同に記されてある︒各地に散在する源氏

物語和歌の抜耆のなかには︑﹃源氏物語和歌類句﹂のように源氏物語の和歌の初句をいろは順にならべたものや︑﹃源

氏物語類句﹂のように第二句と下の句をいろは順に配列したものなどもあるが︑該害の配列にそうした規則性は見ら

れない︒かといって詠者毎にまとめてもいなければ︑部立てを立てているわけでもなさそうである︒

該害にある種の規則性が見られるとすれば︑それは毎半葉四首書き︑各首二行分かち言き︑下の句は一宇下げの耆

法にあるといえるかもしれない・例外は最終丁の一首のみ︒おそらくそれは最後に一首だけ残ってしまったために︑

あえて散らし書きにしたものかと思われる︒

﹃夜鶴庭訓抄﹄︵群書類従本︶によれば︑和歌の書法にはそれなりの規則があって

一歌を耆様︑二行ならば五七五一行︑七々|行︒三行ならば五七一行︑五七一行︑七一行まで三くだりにあるべし︒たや

手だにうつくしくなぱなどいふ事は︑むげの事也︒さればこそみちはいみじけれ︒

という︒また﹁心のたれ﹂によれば﹁女房の短冊は︑下句を一宇さげてかき.:﹂とある︒してみると︑該耆の書法は

まさしくこれらの注意書きに叶ったものといえるのではあるまいか︒書写者はかなり筆癖が強いものの︑その運筆に

は概してためらいがなく︑自信にみちた書きぶりである︒

さて︑源氏物語に掲載されてある和歌は全部で七九五首とされているが︑該害に記載されてある歌は七九七首で二

(11)

八十文芸資料研究〃↑蔵『源氏物語和歌』解題・翻刻

ども﹂を

327しほ/︑とまつそなかる蚤かりそめのあさ夕きりもはれぬ山里

と書写してしまったこと︒下の句が違っているが︑これは松風巻の源氏詠 首多い︒これは︑該書では次の三首が重複して記され︑

117ふる川の椙のもとたちしられとも過にし人によそへとそみる︵胆ウ︶

485ふる川の杉のもとたちしられとも過にし人によそへとそみる︵団ウ︶

うっ○

久かたのひかりに近き名のみしてあさゆふ霧も晴れぬ山里﹂

の下の句が混入した結果である︒一方︑松風巻の源氏詠でも

384久かたの光にちかき名のみして見るめはあまのすさひなれとも また興味深い誤写例としては︑明石巻の源氏詠﹁しほ 487めつらしと古里人もまちそみむ花のにしきをきて帰る君︵団ウ︶ 783めつらしと古里人もまちそみむ花のにしきをきて帰君︵兇ウ︶

また手習巻の中将詠﹁忘られぬむかしのことも笛竹のつらきふしにも音ぞ泣かれぬ﹂一首が欠落していることによ 198雪ふかき山のかけはし君ならてまたふみかよふあとをみぬ哉︵妬ウ︶ 486雪ふかき山のかけはし君ならてまたふみかよふあとをみぬかな︵aウ︶

とまづぞ泣かる︑かりそめのみるめはあまのすさびなれ

−29−

(12)

とするので︑明石巻の源氏詠と松風巻の源氏詠の上下の句が︑入れ替わって写されたことがわかる︒

重出歌が三首︑欠落歌が一首あるということ︑また明石巻と松風巻という離れた巻にあるはずの和歌の上下句が相

互に入れ替わっていることなどをみるに︑該書は︵あるいはその底本でもよいのだが︶︑源氏カルタのような上下の

句が別々になった札を揃えて︑源氏物語の和歌として一冊にまとめようと書写したものではなかったか︑と思われ

る︒特に何らかの編蟇意図があったわけではあるまい︒また本文の系統が肖柏本や三条西家本といった室町後期の青

表紙本に近いことから︑その成立は近世中期ないしは初期かと思われる︒

(表紙)

{ 「

〃 I

ド グ

Ⅸ、熟

、"}¥‐ら

(1オ)

(13)

八十文芸資料研究Iリ『職『源氏物語和歌」解題・翻亥│」

凡例

︵1︶上段には該書の和歌の通し番号・本文︵翻刻︶・丁付を︑中段には備考を︑下段には当該歌の収載巻名と詠者名

︵2︶翻刻に際し︑分かち書きは一行に統一し︑字体も通行のものに改めた︒また各種記号の意味は次の通り︒

﹁え︵・い︶﹂⁝﹁え﹂の下に﹁い﹂を補入している︒

﹁え︵い︶﹂:::﹁え﹂を見せ消ちにし﹁い﹂と改めている︒

﹁え︵いご:⁝﹁え﹂の傍に﹁い﹂と傍言している︒

﹁□﹂・⁝⁝:⁝虫損笄で判読が困難︒

︵3︶中段の備考楠には︑冒頭に*記号を冠して︑虫損や修正等の原本の状況等を記した︒

︑︑︑︑

︵4︶同じく中段の備考柵には︑﹁源氏物語大成﹂校異篇をもとに︑諸本の主立った本文異同をまとめておいた︒但し

余白欄の都合上︑次のような略号を用いている︒

該書の略号には図を︑他の諸本は﹃大成﹂で用いられた略号を用いた︒

・河内本系諸本の略号には︵︶印を︑別本群の諸本には︹︺印を冠しておいた︒

︒﹃大成﹄に記された青表紙本系諸本が一致した場合には圖を︑同じく河内本系諸本が一致した場合には︵河︶

を︑別本群諸本が一致した場合には︹別︺の記号を用いた︒

を記しておいた︒

四翻刻

‑31‑

(14)

通し番号

191817 161514131211 1 0 9 8 7 6 5 4 3 2 1

色かはるあさきをみても呈染にやつる︑袖をおもひこそやれ

香をとめてきつるかひなく大かたの花のたよりといひやなすへき

枕ゆふこよひ斗の露けさをみやまの苔にくらへさらなん もとつかのにほへる君か袖ぬれは花もえならぬなをやちらさむくれないのひと花衣うすくともひたすらくたす︵︒猶︶したてすはおく川の松のとほそをまれに明てまたみぬ花のかほをみるかなかき曇日かけもみへぬおく山に心をくらすころにもあるかなあめと成り時雨る掻空のうき雲をいつれのかたとわきてなかめん草わかみひたちのうみのいか侭さきいかてあひみんたこのうらなみ 深山木にはね打かはしゐる烏のまたなくねたきはるにもある哉時烏こと︑ふ声はそれなれとあなおほつかなさみたれの空 なき人もおもはさりけんうちすて︑夕のかすみ君きたれとは我もまたうき古郷をあれはてはたれやとり木のかけをしのはん烏部山もえし煙もまかふやとあまのしほやくうらみにそゆく見しおりのつゆわすられぬあさかほの花のさかりは過やしぬらんさきの世の契しらる蚤身のうさにゆくすゑかねてたのみかたさよあやなくもへたてけるかなよをかさねさすかになれし中の衣を あふせなき涙の川にしつみしやなかる職みをのはしめ成けむいつしかも袖うちかけん乙女子かよをへてなてん岩のおひさき

2ウ 2オ 1ウ 11万 丁付備考︵主立った異同・*該書の書写状況︶

うみの函為佐︵河︶lうらの︹別︺大横池

肖三 中の衣を国間︵河︶l中のこ︑ろを︹陽︺lよるの衣を大横榊池三︹御︺*﹁ねたき﹂の﹁き﹂︑起筆部分に墨汚れ︒ いつしかも函囿lいつしかや︵御七宮大︶lいつしかと︵尾︶︑なてん因三lなつる︵河︶大家横平池肖

若 幻 椎 紫 本

刑柚末摘花

若紫

総角

常夏 真木柱花散里 柏木蛸蛉須磨朝顔夕顔

澪 釧 標 聯

巻名

兵部卿宮

尼君 兵部卿宮中川のほとりの女紅梅大納言大輔命婦源氏頭中将近江君 夕霧源氏源氏夕顔源氏 源氏源氏 詠者

(15)

八十文芸資料研究所蔵『源氏物語和歌」解題・翻刻

40393837 36353433 32313029 認あらき風ふせきしかけのかれしよりこはきかうへそしっ心なき

272625 2423222120

なかむるはおなし雲井をいかなれはおほつかなきをそふる時雨に

うら風やいかに吹らんおもひやる袖うちぬらし浪間なきころ

さよ中に友よひわたるかりかねにうたて吹そふ萩の上かせ

おほかたのうきにつけてはいとへともいつかこのよをそむきはつへき5ウ 宮人にゆきてかたらん山桜かせよりさきにきてもみるへくしめゆひし小萩かうへにまよはぬにいかなるつゆにうつる下葉そ年ふともかはらむ物かたち花のこしまのさきに契る心はいときなきはつもとゆひになかき世をちきる心はむすひこめつや ひきわかれとしはふれうぐひすのすたちしまつの音をわすれめやなけき侘そらにみたる︑わか玉をむすひと︑めよしたかひのつますへらきのかさしにおるとふしの花およはぬ枝に袖かけてけりなれきとは思ひいつとも何により立とまるへき槇のはしらそ 氷とち石間の水は行なやみ空すむ月のかけそなかる猶哀しる心は人にをくれねと数ならぬ身にきえっ封そふるゆくかたをなかめもやらんこの秋はあふさか山を霧なへたてそ 山里の秋の夜ふかきあはれをも物おもふ人はおもひこそしれまたふりい物にはあれと君か為ふかき心にまつとしらなんたえぬへき御法なからそたのまる︑よ秘にとむすふ中のちきりを梓弓いるさの山にまとふかなほのみし月の影やみゆると昔こそまつわすられぬ住吉の神のしるしをみるにつけても

5オ 4ウ 4オ QJ十判q︺尚ノ

あふさか山を函団︹相︺l逢坂山に︵河︶

︹御陽国︺

うへ因囿︵河︶︹国︺lこゑ︹御︺lもと

︹陽麦︺*﹁ふれ﹂は﹁ふれとも﹂の誤写か わすられぬ図lわすられね囮︵御七宮尾平鳳国︶︹別︺lわすらね︵大︶

いときなき因固︵河︶︹国︺lいとけなき

︹御陽麦︺

*﹁かせ﹂虫損︒ ︽ノヘに国lうへも団︵河︶︹別︺

総角

明石

少女

賢木 若紫東屋浮舟棡壺 初音宿木真木柱

= 士 = 官1了

朝顔

蜻蛉

賢木

若 花 御 浮 手 菜 宴 法 舟 習 匂宮

紫上

夕霧

藤壺中宮 桐壺更衣の母君明石中宮もののけ髭黒の北の源氏中将の君匂宮桐壺院 紫の上小宰相の君源氏

明 源 紫 浮 中 石 氏 の 舟 将 の 上

−33−

(16)

626] 6059 585756555453 52515049 1847464544434241

あれまさる軒のしのふをなかめっ︑しけくも露のか︑る袖かな

浅香山あさくも人をおもはいになと山の井の影はなるらん 春まての命もしらす雪のうちに色つく梅をけふかさしてむ鶯のねぐらの枝もなひくまてなを吹とをせ夜半の笛竹さくら花にほひあまたにちらさしとおほふはかりの袖はありやは物おもふに立まふへくもあらぬ身の袖うちふりしこ︑ろしりきや何とかやけふのかたしよかつみつ蚤おほめくまてもなりにけるかなせみの羽もたちかへりてける夏衣かへすをみてもれはなかれけりかさしおる花のたよりに山かつのかきねを過ぬ春のたひ人風ふけは波の花さへ色みえてこや名にたてる山吹のさき かけまくはかしこけれともそのかみのあきおもほゆるゆふたすきかなから衣またから衣からころもかへす/︑もから衣なるから人の袖ふることはとをけれとたちゐにつけてあわれとはみきくゐなたにおとろかさすはいかにしてあれたるやとに月をいれまし 見し人の影すみはてぬ池水にひとる宿もる秋の夜の月そのかみやいか魁はありし夕たすき心にかけてしのふらんゆへなみた川うかふみなはもきえぬへしなかれて後のせをもまたすてすまのうらに心をよせし舟人のやかてくたせる袖をみせはややとり木は色かはりぬる秋なれとむかしおほえてすめる月かなたゆましきすちをたのみし玉かつらおもひのほかにかけはなれぬる里の名もむかしなからにみし人のおもかはりせる閨の月かけなからふるほとはうけれと行めくりけふはそのよにあふこ︑ちして

8オ 7ウ 7ナ 6ウ 6才 |*﹁ひとる﹂独自異文︒﹁ひとり﹂の誤写か色みえて因圃︹陽麦阿︺l色みゆる︵河︶

︹保︺ *﹁かたし﹂独自異文︒﹁かさし﹂の誤写か*﹁かへりて﹂独自異文︒﹁かへて﹂の誤写か︒夏衣図固lたひ衣︵河︶︹別︺ 行めくり図囿lゆきかへる︵河︶lゆきかえり︹別︺いかにして因大横肖︵宮尾︶lいかてかは︵御七大︶家平池三

須磨若紫

胡 椎 蝶 本

梅枝

竹河

紅葉賀

藤裏葉

夕顔 賢木行幸紅葉賀澪標 夕霧賢木須磨明石東屋蓬生東屋賢木

花散里

源氏 中の君女房 源氏柏木なれき源氏夕霧空蝉 源氏源氏藤壺中宮花散里 夕霧朝顔斎院朧月夜五節弁の尼末摘花藤壷中宮

(17)

八十文芸資料研究所蔵『源氏物語和歌」解題・翻亥I

818079 氾鶯のむかしをこひてさえつるは木つとふ花の色やあせたる

777675747372 71706968676665 6463

ひとりしてなつるは袖のほとなきにおほふはかりの影をしそまつ

山かつのいほりにたけるしは/︑もこととひこなんこふる里人

山かつのかきほあるともおり/︑にあわれはかけよ撫子の露 木の下の雫にぬれてさかさまに霞の衣きたる春かな泪のみ霧ふたかれる山里はまかきに鹿そもろ声になくいくかへり行かふ秋を過しつ︑うき木にのりて我帰るらんうつせみの世はうき物としりにしをまたことの葉にか魁る命よ待さともいか掻きくらんかた/︑に心さはかす日くらしのこゑ心もて日影にむかふあふひたに朝をくしもををのれやはけっ あらかりし浪のまよひに住吉の神をはかけてわすれやはする春の池や井手の川せにかよふらむきしの山吹そこもにほへる桜こそ思ひしらすれ咲にほふ花も紅葉も常ならぬよをひかり出んあか月近くなりにけりいまそみし夜の夢かたりするいさらゐははやくのこともわすれしをもとのあるしやおもかはりせるやをよるつ神もあわれと思ふらんをかせるつみのそれとなけれは恨み侘むねあきかたき冬のよにまたさしまさる関の岩かと ぬきもあえすもろき涙の玉のをになかきちきりをいか︑むすはん手にかくる物にしあらは藤の花松よりまさる色を見ましや

皿台 皿オ 9オ

9

QU︷

日影國肖三lひかり︵河︶御大鎮池︑しも

を國固lしもは︵河︶

こひてさえつるは因囿︵御︶︹讃陽保麦阿︺

lこふるさえつりは︵七宮鳳尾︶lこふる

さへつりは︹国︺lこふるはっこゑは

︵十ハ︶ かくる函囿︹大西保言︺lか︑る︵河︶︹国麦阿︺︑まさる國大横池三︹言麦阿︺lこゆる︵河︶︹大西保国︺陽肖岩かと函大横肖三︵平︶lいはとよ︵七宮尾加鳳大︶︹御陽保国麦︺池lいはとに︹阿︺

I,

トア

柏木

椎本

松風

夕顔若菜下

藤袴 澪標胡蝶総角若菜上松風須磨夕霧

竹 総 河 角

澪標

須磨

箒木 源氏女房明石入道源氏源氏夕霧 大君華黒明石の君源氏

夕顔 冷泉院 頭中将大君明石の君源氏源氏玉鬘

− Q R −

J 1 ノ

(18)

105 lO4103102101100999897 969594939291908988878685848382

嶺の雪汀の氷ふみわけて君にそまとふ道はまとはす 月影はみしよの秋にかはらぬをへたつる霧のつらくもある哉うちはしのなかき契はくちせしをあやふむかたに心さはくな嵐ふくおのへの桜ちらいまを心とめけるほとのはかなさふりみたれ汀にこほる雪よりもなかそらにてそわれはけいへきなき人をこふる快のひまなきにあれたるのきの雫さへそふいつれそと露のやとりをわかむまに小笹かはらに風もこそふけ涙のみせきとめかたきし水にて行あふみちははやくたえにき里とをみおの嵐しの原分て来て我もしるこそ声もおしまね 伊勢の海のふかき心をたとらすてふりにしあと︑浪やけつへきはるかにも思ひやるかなしらさりしうらよりをちに浦つたひしてへたてなき心はかりはかよふともなれし袖とはかけしとそ思ふ鶯のさえつる春はむかしにてむつれし花の影そかはれる身にちかく秋やきぬらん見るま︑に青葉の山もうつるひにけり旅寝してなを心見よ女郎花さかりの色にうつりうつらすおほかたに花の姿を見ましかは露も心のおかれましやはいける世のしには心にまかせねはきかてややまん君か一言かはかりは風にもつてよ花のえに立ならふへき匂なくともめくりきて手にとるはかりさやけきやあはしのしまのあはと見し月くもりなき池のか蚤みに萬代をすむへき影にしるく見えける九重に霞みへたては梅の花たゞかはかりも匂ひこしとや夕露にひもとく花はたまほこのたよりに見えしゑにこそ有けれ咲ましる花はいつれとわかれともなをとこ夏にしく物そなきしらさりし大海のはらになかれきてひとかたにやは物はかなしき

喝ウ 昭オ 吃ウ 岨オ

1l

11

*﹁しるこそ﹂独自異文︒﹁しかこそ﹂の誤写

花は國池︹国︺l色は︵河︶︹陽︺大松秀三大海のはらに図大枇池肖三︹別︺lおほうみのはらへ︵河︶飯 *﹁あはし﹂の﹁は﹂重ね書き ||峠砧総角少女若菜上蜻蛉花宴竹河真木柱松風初音真木柱夕顔箒木須磨

l(T 71J

夕 若 花 蓬 浮 若 浮 賢 霧 菜 宴 生 舟 紫 舟 木

匂宮 夕霧 朧月夜 源氏 末摘花 浮舟 尼君 源氏 源氏 頭中将 源氏 冷泉院 紫の上 源氏 玉璽 蔵人少将 藤壺中宮 弁のおもと 紫の上 源氏 大君 源氏 平内侍

(19)

八十文芸資料研究所蔵「源氏物語和歌』解題・翻刻

l29128127126125124123122121120 ll9118117116115114113112111110109 108107106

人のよをあわれときくも露けきにおくる︑袖を思ひこそやれ

さしかへるうちの川長朝夕の雫やそてをくたしはつらん

有と見て手にはとられすみれはまたゆくゑもしらす消し蜻蛉

手にっみていつしかも見ん紫のねにかよひける野辺の若草Mウ

は衣のうすきにかはるけふよりはうっせみのよそいと$かなしき

雲の上をかけはなれたるすみかにも物わすれせぬ秋の夜の月

九重に霧やへたつる雪の上の月をはるかにおもひやるかな

うつせみの葉にをく露の木かくれてしのひ/︑にぬるる袖かな旧オ

ふる川の椙のもとたちしられとも過にし人によそへとそみる

秋風にしはしとまらぬ露のよをたれか草葉のうへとのみ見む

かれつきてとちめむことは︵︒さ︶すかにてこたへまうきそかつはあや

なき

我身こそうらみられけれから衣君か快になれすとおもへは咽ウ

なとてかくはいあひかたき紫を心にふかく思ひそめけん

鳫かゐし苗代水のたえしよりうつりし花のかけをたにみす

色/︑に身のうきほとのしらる蕊はいかにそめける中の衣そ

わかるとてはるかにいひし一言もかへりて物は今そかなしき恥オ

限りそとおもひなりにし世中をかへす/\もそむきぬるかな

ょのつれの紅葉とやみるいにしへのためしにひける庭のにしきを

袖ぬる災恋路とかつはしりなからをりたつたこのみつからそうき

霜さゆる汀の千鳥うち侘てなく音かなしきあさほらけ哉略ウ

竹川のそのよのことは思ひいつやしのふはかりのぬしはなけれと いつかまた春の都の花をみん時うしなへる山かつにして心からかた/︑袖をぬらすかなあくとをしふる声につけてもあふことのかたきをけふにかきらすは今いく世をかなけきつ︑へん皿オなけきっ︑因囿︹陽︺lうらみっ︑︵河︶︹御相国︺*該書蠅番歌と重出︒

竹 総 河 角

行幸

真木柱

少女

絵合

手習

藤裏葉

圭癸

末 御 手 空 賢 鈴 幻 若 蜻 橋 葵 摘 法 習 蝉 木 虫 紫 蛉 姫

須磨

賢木

賢木

女 薫 六 冷 浮 秋 雲 明 冷 末 房 条 泉 舟 好 井 石 泉 摘 御 院 中 雁 の 院 花 息 宮 君

六条御息所

大君

源氏

源氏冷泉院

藤壺中宮空蝉

妹尼明石中宮

侍従 源氏朧月夜源氏

−37−

(20)

152 l51150149148147146 145144 l43142141140139138137136135134133132131130

見し人のかたしろならは身︵︒に︶染て恋しきせ︑のなて物にせん 海にます神のたすけにか︑らすはしほのやほあひにさすらへなまし雪ふかきのへのわかなも今よりは君かためにそとしもつむへきうき身よにやかて消なは尋ても草の原をはとはしとや思ふしなてるやにほのみつうみにこく舟のまほならねともあひみし物をうちすて︑たつもかなしき浦なみのなこりいかにと思ひやる哉かめの上の山もたつねし舟のうちにをひせぬ名をはこゞにのこさん むらさきにかことはかけん藤の花まつよりすきてうれたけれともあさけれと石まの水はすみはて︑宿もる君やかけはなるへき 秋はて︑きりのまかきにむすほ︑れありかなきかにうつるあさかほふりにけるかしらの雪を見る人もおとらすぬらすあさの袖かな恋わひてなく音にまかふうら浪はおもふかたより風や吹らむ過にしもけふわかる︑もこ道にゆくかたしらぬ秋の蟇かななく/\もはねうちきする君なくはわれそ巣もりになるへかりけるしつみしもわすれぬ物をこりすまに身もなけつへきやとの藤なみみなれぬる中の衣とたのみしをかはかりにてやかけはなれなむあかねさす光は空にくもらぬをなとてみゆきにめをきらしけん千尋ともいかてかしらんさためなくみちひる塩ののとけからぬに吹まよふ深山おろしに夢さめてなみたもよほす瀧の音かなおほかたは恩ひすて︑し世なれともあふひはなをやつみおかすへきをしか啼秋の山里いかならん小萩かつゆのか︑る夕くれそのかみをけふはかけしとしのふれと心のうちに物そかなしきみつせ川わたらぬさきにいかてなをなみたのみをのあはときえなん

971r 四オ 肥ウ 喝オ 771下 Ⅳオ

*﹁名をは﹂の﹁は﹂︑下の字を刷り消した上

に書く*﹁染て﹂独自異文︒﹁そへて﹂の誤写か みをの国囿︹長麦阿︺lみほに︵河︶lみをに︹陽保︺

東屋 明石手習花宴早蕨明石胡蝶 朧裏葉真木柱 朝顔末摘花須磨夕顔怖姫若菜上宿木行幸若紫椎本賢木真木柱

玉 六 匂 源 源 葵 源 中 源 中 源 源 源 朝 墜 条 宮 氏 氏 の 氏 の 氏 の 氏 氏 氏 顔

息 宮

女 源 薫 朧 浮 源 と 中 頭

房 氏 月 舟 氏 将 中 夜 の 将

(21)

八十文芸資料研究所蔵「源氏物語和歌」解題・翻刻

l73172171170169168167 166165164 163162161 160 59158157156 155154153

年をへて祈る︑心のたかひなはか蚤みの神をつらしとやみむ

年ふれとこのちきりこそわすられねおやのおやとかいひし一言即ウ

なかれてのたのめむなしき竹河によはうきものと恩ひしりにき

鈴鹿川やそせの波にぬれ/︑すいせまてたれかおもひをこせん

はちす葉をおな︵・し︶うてなと契おきて露のわかる塾けふそかなしき

たをやめの袖にまかへる藤の花みる人からやいるもまさらん躯オ

松むしの声をたつねてきつれともまた荻原の露にまとひぬ 秋霧のはれぬ雲井にいと園しくこのよをかりといひしらすらんかねの音のたゆるひ︑きにねをそへてわか世つきぬと君につたへよきえかてにふるそかなしきかきくらし我身それともおもほえぬよに 山のはに入まて月をなかめ見むねやのいたまもしるしありやとしほたる$ことをやくにて松嶋に年ふるあまもなけきをそつむ女郎花みたる︑野辺にましるとも露のあた名を我にかけめや薄氷とけぬる池のか笛みにはよにたくひなき影そならへる こ山木にねぐらさらむるはこ烏もいかてか花の色にあくへきすみなれし人はかへりてたとれ共清水そやとのあるしかほなる此はるは柳のめにそ玉はぬく咲ちる花の行衛しられはあはれをもいかにしりてかなくさめむあるやこひしきなきゃかなしき みやはしらめくりあひける時しあれはわかれしはるの恨のこすなおひた︑んありかもしらぬ若草をおくらす露そ消ん空なきかへさんといふにつけてもかたしきの夜の衣を思ひこそやれ

副オ 鋤︷ 帥オ 思ひこそやれ國囿︹国麦阿︺lおもひやるかな︵河︶︹陽保︺*﹁こ山木﹂独自異文︒﹁み山木﹂の誤写か清水そ函為陽肖︵河︶しみつは大横氏池三

荻原の図︵河︶︹宮陽保池桃︺榊二肖三l萩は

らの大︹国阿︺ たのめ函大池肖lたのみ︵河︶︹別︺横陽三 *﹁きえかてに﹂の﹁に﹂︑振り消した上に書

たくひなき函池肖三lくもりなき︵河︶︹別︺慈横*﹁ら﹂の部分︑料紙に大きな繊維くずが混入︒ あはれをも國固︹陽保国麦阿︺lあはれともー祠︶戸惟﹂ 明石若紫玉鬘

玉堂

朝顔

竹河

賢木

鈴虫

藤裏葉

手習

澪 浮 椎 標 舟 本

手習

須磨

蜻蛉

初音 若菜卜松風柏木夕霧

玉鬘の乳母

源典侍

六条御息所

源氏

柏木

中将 浮舟秋好中宮 中将藤壺中宮原氏 夕霧明石の尼君一条御息所雲井雁 朱雀院尼君源氏

̲ q Q −

LJLノ

(22)

l96195194193192191 l90189188187186185184183182 l81180179178177176175174

おなしえをわきて染ける山姫にいつれかふかき色ととは︑や

秋はつる野辺のけしきもしの薄ほのめく風につけてこそしれ

をみなへししほれそまさる朝露のいかにおきける名残なるらむ

秋の夜の月毛の駒よ我こふる雲井にかけれ時のまもみむ

霞たに月と花とをへたてすはねぐらの烏もほころひなまし

たち花のかほるあたりはほと︑きす心してこそなくへかりけれ 山里のあわれしらる︑声/︑にとりあつめたる朝ほらけ哉雪ふかきおしほの山にたつきしの古きあとをもけふはたつねよさしとむる葎やしけきあつまやのあまりほとふるあまそ︑きかな認ウわかれにしけふはくれとも見︵・し︶人に行あふほとはいつとたのまん今はとてあらしやはてんなき人のこ︑ろと︑めし春のかきねを浪こゆる比ともしらす末の松まつらんとのみ思ひけるかな

紅のなみたにふかき袖の色をあさみとりとやいひしほるへき型オ

君かためおれるかさしはむらさきの雲にをとらぬ花のけしきか花といへは名こそあたなれ女郎花なへての露にみたれやはする 山里の松のかけにもかくはかり身にしむ秋の風はなかりき数ならいみくりや河のすちなれはうきにしもかくねをと︑めけん光ありと見し夕かほのうは露はたそかれ時のそらめなりけりゆくさきも見えぬ浪路に舟出して風にまかする身こそうきたれ初草のわか葉のうへをみつるより旅ねの袖も露そかはかねうちつけのわかれをおしむかことにておもはんかたにしたひやはせぬもるかつら落葉を何にひろひけん名はむつましきかさしなれともなく/︑もかへりにしかなかりのよはいつくもつゐの常せならぬに

味の1オ 447ワ︺得 認オ 配ウ

雲井に因肖l雲ゐを︵河︶大横陽池三 いつくも園三lいつこも大池肖︵河︶︹別︺︑*﹁常せ﹂︵﹁せ﹂は平仮名︶は独自異文︒﹁常世﹂の誤写か おもはん図大家池肖三lおもはい︵河︶横平

総角

宿木

宿木

明石

梅枝

蜻蛉 総角行幸東屋賢木浮舟少女宿木蜻蛉 宿木玉霊夕顔玉鬘若紫澪標若菜下

冷泉院

源氏

源氏

夕霧

夕霧

中将のおも

中の君落葉の宮

源氏

弁少将

匂宮 中の君玉窒夕顔玉鬘源氏明石の乳母柏木源氏

(23)

八十文芸資料研究所蔵『源氏物語和歌』解題・翻刻

218217216215214213212211210 209208207206205 204203202 201200199198197

しほたる秘あまの衣にことなれやうきたる浪にぬる︑我袖

くれなゐに落る涙もかひなきはかたみの色をそめぬなりけりちきりあれや君を心にと国めをきて哀とおもふうらめしときく

そむきにしこのよにのこる心こそいる山道のほたしなりけれすみの江をいけるかひあるなきさとはとしふるあまもけふやしるら

霜にあへすかれにし園のきくなれとのこりの色はあけすもあるかな

下露になひかましかは女郎花あらき風にはしほれさらまし

友千鳥もろ声になく暁はひとりねさめの床もたのもし

いつとなく大宮人のこひしきにさくらかさし︑けふもきにけり 山里の雪まのわかなつみはやしなをおひさきのたのまるゞ哉九重を霞へたつるすみかにもはるとつけくる鶯のこゑ古郷の春の梢にたつねきてよのつれならぬ花をみるかな力抵り火にたちそふ恋のけふりこそよにはたへせぬほのほなりけれともかくもいわまの水のむすほ︑れ影とむへくもおもほえぬよを 声はせて身をのみこかす蛍こそいふよりまさるおもひなるらめ雪ふかき山のかけはし君ならてまたふみかよふあとをみぬ哉沖つふねよるへ浪路にた︑よは典さほさしよらんとまりをしへよむらさきの雲にまかへるきくの花にこりなきよのほしかとそみる年月をまつにひかれてふる人はけふ鶯の初音きかせよ涙をもほとなき袖にせきかねていかにわかれをと︑むへき身そ宿かさは一夜はねなむおほかたの花にうつらぬ心なりともよるへなみか蚤るなきさにうちよせてあまもたつねぬもくつとそみし

恥ウ 印釦1オ 妬ウ

影とむへくも國囿lかけと秘むへく︵七宮平

鳳尾︶︹陽保長︺lかけと︑むへくも︵大︶l

すみはつへくも︹麦阿︺ ふる人は図lふる人に︵河︶︹別︺池横肖三lふるひとの︵に︶慈うちよせて函囿︹陽麦︺lうちよする︵七大鳳尾︶︹保︺lうちきする︵宮︶

*﹁すみのえ﹂の﹁み﹂︑なぞり書き︒

*﹁あけす﹂独自異文︒﹁あせす﹂の誤写か *該書蠅番歌と重出

早蕨

総角夕霧

若菜上

若菜下

宿木野分

須磨

須磨 手習少女初音簿火真木柱 浮舟蜻蛉行幸

蛍玉鬘

椎本大君真木柱近江君藤裏葉頭中将初音明石の君

中の君

頭中将

朱雀院

明石の尼君

今上帝源氏

源氏源氏 妹尼朱雀院源氏源氏木工の君 浮舟源氏

‑41‑

(24)

240239238237236235234233232231230229228 227226225224223 222221220219

かくれなき物としる/︑夏衣きたるをうすき心とそみる

心ありて風のにほはすその魁梅にまつ鶯のとはすやあるへき

袖の香をよそふるからに橘の身さへはかなくなりもこそすれ朝日さす光をみても玉さ︑の葉分の霜をけさすもあらなん

初雁は恋しき人のつれなれや旅の空とふ声のかなしき

花の香を匂はす宿にとめゆかはいるにめつとや人のとかめん

うきめ見しそのおりよりもけふはまた過にしかたにかへるなみたかあはれとて手をゆるせかしいきしにを君にまかするわか身とならは

山おろしにたえぬ木の葉の露よりもあやなくもろきわか涙かな

ませのうちにねふかぐうへし竹のこのをのかよ斑にやおひわかるへき

さくらゆへ風に心のさはくかなおもひぐまなき花とみる/︑

よをいとふ心は山にかよへともやえたつ雲を君やへたつる舟人もたれをこふとかおほ鴫のうらかなしけに声のきこゆる いはけなきたつの一声き魁しよりあしまになつむ舟そえならぬうきことをおもひさはけはさま/︑にくゆる煙そいと︑たちそふ見し人の煙を雲となかむれは夕の空もむつましきかなみてもまたあふ夜まれなる夢の中にやかてまきる︑わか身ともかなたき︑こるおもひはけふをはしめにてこの世にねかふのりそはるけき なれこそは岩もるあるし見︵・し︶人も行衛はしるや宿のまし水咲花にうつるてふなはっ壁めとも折らて過うき今朝のあさかほうきふしもわすれすなからくれ竹のこはすてかたき物にそありける女郎花さけを大野をふせきつ§心せはくやしめをゆふらむ

訓方 釦オ 羽才羽ウ 詔ウ 詔オ

*?﹂虫孔 *﹁さけを﹂独自異文︒﹁さける﹂の誤写か*﹁を﹂は擦り消されて傷んだ料紙の上に紙片を貼付して書く︒この世に園囿lこの身に︵七宮尾為平大鳳︶︹別︺lこの身は︵御︶つれ図1つら団︵河︶︹別︺ 人も国1人の囮︵河︶︹別

紅葉賀

紅梅

胡蝶

藤袴

猟磨

紅梅絵合

竹河

橋姫

胡蝶

竹河蛾鋤一 若紫真木柱夕顔若紫御法

総 横 夕 藤 角 笛 顔 裏 の 玉 冷 髭 源 薦 蔵 源 匂 湖 兵 玉 紅 源

姉 鬘 泉 里 氏 人 氏 宮 火 部 璽 梅 氏 娘 の 院 の 少 卿 大

源氏髭黒大将

源氏

源氏明石の君 夕霧源氏源氏匂宮

(25)

八十文芸資料研究所蔵『源氏物語和歌」解題.翻刻

262261260259258257256255254253 252251250249248247246245244 243 24224

かれはつる野辺をうしとやなき人の秋にこ︑ろをと嵐めさりけむ

なへて世のあわれ斗をとふからにちかひしことを神やいさめん

よそへつ甑みるに心をなくさまて露けさまさる撫子のはな

露けさのむかしにくたる旅衣たみの︑しまのなにはかくれす

たちとまり霧のまかきの過うぐは草の戸さしにさはりしもせし

なかき世をたのみても猶かなしきはた︑あすしらぬ命なりけり

烏の音もきこへぬ山とおもひしをよのうきことは尋きにけり

色かはる袖をは露のやとりにてわか身そさらにをき所なき

いける世のわかれをしらて契つ騒命を人にかきりけるかな

人しれす神のゆるしを待しまにこ︑らつれなきよをすぐすかな 色まさる雛のきくもおり/︑に袖うちかけし秋をこふらし恋わたる身はそれなれと玉かつらいかなるすちを尋ねきつらん行て見てあすもさねこん中/︑にをちかた人は心をくとも古きあとをたつぬれとけになかりけりこのよにか︑るおやのこ蚤ろはひとつまはあなわつらはしあつまやのまやのあまりもなれしとそ思ふ今さらにいかならん世かわか竹のおひはめけんねをはたつねん待人もあらしと恩ふ山里の梢をみつ膳なをそすきうき見る人もあらしにまよふ山里にむかしおほゆる花の香そするあま衣かはれる身にやありしよのかたみの袖をかけてしのはん たち花のかほりし袖によそふれはかはれる身ともおもほえぬかな木からしの吹につけつもまちしまにおほつかなさのころもへにけりことにいて︑いはいをいふにまさるとは人に恥たるけしきをそみる

詔オ 兜ウ 氾十 副ウ

3

つれなき函御大池冬耕肖三︵河︶︹陽︺1つね

なき︹保坂平国︺lつれなく為 *﹁くたる﹂独自異文︒﹁塗たる﹂の誤写か かたみの函︵河︶︹宮保国桃︺lかたみに回︹陽池阿︺ つけっ︑函囿︵河︶︹陽国︺lつけても︹御相︺︑ころも因圖︹御陽国︺l程も︵河︶︹相︺いはいを函椴榊池三︹麦阿︺lいはいも︵河︶︹保飯︺大為陽肖*﹁おひはめ﹂独自異文︒﹁おひはしめ﹂の誤写か

御法

朝顔

紅葉賀

澪標

若紫

浮舟

総角椎本

須磨

朝顔 藤裏葉玉鬘薄雲紅葉賀胡蝶手習早蕨手習 横笛

賢 胡 木 蝶

秋好中宮

朝顔の宮源氏

源氏

忍び所の女

匂宮

大君

大君

源氏

源氏 源氏源氏源氏玉鬘源氏玉鬘中将中の君孚軒 々壼誇 源氏朧月夜

−43−

(26)

洲なる︑身をうらみんよりはまつ鴫のあまの衣にたちやかえまし

280279 278277276275 274273272 271270 269268267266265 264263

醐代をかけて匂はむ花なれはけふをもあかぬ色とこそ見れ

大かたに荻の葉すぐる風のおともうき身ひとつにしむ心ちして

恩ふとちなひくかたにはあらすともわれそけふりにさきたちなましよるなみにたちかさねたる旅衣しほとけしとや人のいとはむ

なく声もきこえぬ虫のおもひたに人のけつにはきゆる物かは二もとの杉のたちとを尋ねすは古川のへに君をみましや ほに出ぬ物思ふらししのす掻きまねく快の露しけくしてかへりてはかことやせましよせたりし名残に袖のひかたかりしをうみ松や時そともなき影にゐて何のあやめもいかにわくらん 夕まくれほのかに花の色をみて今朝は霞のたちそわつらふ松嶋のあまのぬれ衣なれぬとてぬきあへってふなをた慰めやは なか道をへたつるほとはなけれともこ蚤ろみたる鎚今朝のあわ雪うきしまをこきはなれてもゆくかたやいつくとまりとしらすもある哉橘のこしまは色もかはらしをこの浮舟そ行衛しられぬ君なくて岩のかけ道絶しより松の雪をも何とかは見る日影にもしるかりけめや乙女子かあまのみ袖にかけし心を 身をかへてのちもまちまよ此よにておやをわする︑ためしありやとこりすまのうらのみるめもゆかしきを塩やくあまやいか蕊おもはん認ウ

Q R

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たちとを園団︹保川麦阿︺l木たちを︵河︶

︹陽︺うらみん國肖︵河︶︹別︺lうらむる大横池三 よるなみに因囿︵御︶lよるなみの︵七宮平大尾︶ いかに国大家横池肖三lいか︑︵河︶lいかて平 ぬきあへってふ因lぬきかへってふ団︵河︶︹御陽保︺ぬきかへぬといふ︹国︺lぬきかへんてふ︹麦阿︺ 色も因︹麦︺lいろは圖︵河︶︹宮陽国桃 みるめも図横肖三︵河︶︹別︺lみるめの大池*﹁み袖﹂独自異文︒﹁は袖﹂の誤写か︒心を因︹讃陽保︺l心は囿︵河︶︹国麦阿︺

々拳務 宿木野分澪標明石

玉 蛍

宿木

明石澪標一 若紫夕霧 若菜上玉鍵浮舟椎本少女 朝顔須磨

雲井雁 兵部卿宮右近

明 紫 明 今 石 上 石 上 君 の 帝

匂宮

源氏

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参照

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