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小学校英語教育推進のための保護者 に対す る支援

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小学校英語教育推進のための保護者 に対す る支援

〜 親子英会話セミナーの実践を通して 〜

ASuppor tPr ogr a mf orpa r e nt st opr omo t eEngl i s hLa ngua geEduc a t i o n i nEl e me nt a r ySc hoo l s

‑ TheRe por tont heEngl i s hSe mi narf orPar e nt s ‑ and‑ c hi l dr e n ‑

(2007331日受理)

佐藤 大介 松畑 照一

DaisukeSatoh KiichiMatsuhata

Keywords:小学校英語教育,保護者,家庭教育力, コミュニケーシ ョン,支援

要 ヒ エ 日

小学校英語教育 を推進す るためにこれまで行 われてきた支援 は,教師の指導力や教材開発 な ど学校 内の側面 に限定 さ れ,小学校英語の必修化 も提言 された中で,学校内だけではな く,地域や保護者 に対す る支援 も今後ニーズが増 して く ると考 え られ る。 また,英語学習 を通 して家庭 内でのコミュニケーシ ョンを図 り,家庭教育力 を促進 させ るのに有効で ある。

本論 では保護者 を対象 とした支援 を実践す るため, 「親子英会話セ ミナー」を開催 した。その結果,参加者 には概ね 楽 しんで もらえた。 しか しなが ら,外国人 とふれあ う機会が少 なかった り,扱 った歌や ダンスが難 しかった りした点で, 今後は時間配分に対す る配慮や習熟度に大 きな差異が出ないよ うに各小学校教員 との連携 も図 りなが ら限定的な地域で の開催 な どを検討 し,継続的な開催が必要であることが分かった。

また,保護者の小学校英語教育に対 しての意識では,早期か ら小学校英語教育を開始すべきであ り

,

「コミュニケーシ ョ ンに対す る関心 ・意欲 を育て国際人 としての感覚を身に付 けること」 を 目的 と考 えていることか ら,あい さつや 日常会 請,異文化 な どを知 り,国際交流の機会 を増やす ことが英語活動では必要であると感 じてい る。

1 は じ め に

小学校では総合的な学習の時間に英語活動が広 く実践 され, これまでよ りもさらに′J\学校 で英語教育 を推進す るための環境整備が必須 となってい る。 これまでは早期 英語教育に関す る研究や海外での児童英語指導を参考に 小学校 の教師 自身が試行錯誤 しなが ら実践 し,近年では 指導者養成の一環 として教員の研修が盛んに行 われてき ている。 しか し,小学校英語教育 を今後 さらに推進 して い くためには,学校 内 (教師 と児童)だけではな く地域 の保護者‑の英語教育に対す る理解の促進及び関心の増 幅 を働 きかけることが重要 となる。

また,家庭 内における教育力や コミュニケーシ ョン不

足が問題視 されている中で,現在の小学校英語活動 はコ ミュニケーシ ョンに主眼を置 き取 り組んでいることか ら も,英語 を学ぶ ことを通 して家庭教育力や家庭 内での コ ミュニケー シ ョンを促進す るのに,重要な役割 を果たす のである。

そのため,保護者 と子 どもが共に参加 できるセ ミナー を開催 し,保護者 同士または親子で一緒 に楽 しみ なが ら, 保護者 自身が小学校英語だけではな く英語教育や英語 に 対す る理解 と関心をより深 めて もらうことが必要 である

と考 える。

本論では,地域 の小学校 に在籍す る小学生 を対象 に「親 子英会話セ ミナー」 を開催 した実践報告 を中心 に,保護 者‑のどのような支援が今後必要 となるかを検討 していく。

(2)

70

1 各グループの人数

佐藤 大介

Group 1 Group2 Group 3 Total

1 年 生 5 4 2 11

2年 生 3 2 3 8

3年 生 1 2 4 7

4年 生 1 2 1 4

5年 生 0

0

1 1

6年 生 0 0 0 0

そ の 他 5 2 5 12

児童合計 15 12 16 43 保 護 者 14 9 14 37

合 計 29 21 30 80

2

保護者支援 の意義

総合的な学習の時間が実施 され学習指導要領 に、「国際 理解に関す る学習の一環 としての外国語会話等 と明示 され, さらに平成18年3月に小学校英語の必修化の提言 もなされた。 しか し,その一方で教師の英語力や英語指 導力の問題や保護者の英語導入 に対す る不安 は肥大化 し ている。そ こで, これ まで全国的に大学や教育委員会, 研究会な どが主体 となって教師対象の研修講座や公開授 業な どが行われてきた。平成17年度 より文部科学省が実 施 している 「小学校英語活動地域サポー ト事業」では, 指導方法の改善 ・向上,指導者の能力向上を図る取 り組 みを行ってきている。 しか し,それは実践的な指導法や 教材 を知 り,現職教師に対す る限定的な支援が一方的に 行われているだけではないだろ うか。言語政策の一環 と して英語教育を広 く展開す るためには, さらに地域住民 や保護者が抱える不安を総合的に解決す ることが鍵 とな る。

それにも関わ らず,これまでは英語教育における地域 環境ではなく,単に学校環境の整備 に取 り組んできたに 過 ぎない。ただ し,その学校環境 においても未だ十分 と

はいえず, さらなる支援が必要である。

そこで,まずは小学校 に最 も関わ りの深い児童の保護 者に対す る支援 を実施す ることで,保護者が現在の状況 をどのように認識 し, 小学校英語教育をどう捉えている のかを検討 し,今後の支援に反映 させ ることは大きな意 義があると考えられ る。

松畑 照一

2 各セミナーのテーマと対象

対 象

SeminarA 英会話 親 子 seminarBl コミュニケーシ ョン 保 護 者 SeminarB2 歌 ・ダンス 子 ど も seminarC 発音 ・聞き取 り 親 子 seminarD ク リスマス

3

実 践 概 要

3.1 実施概要

本セ ミナーは名称 を 「Let's Enjoy English!!〜親子 で楽 しくコミュニケーション〜」として,平成181217日 (冒)13:00‑ 16:00(3時間) に開催 した。主催 は,児童英語研究学会 (ASELAC)

*

1な らびに中国短期大 学英語 コミュニケーシ ョン学科である。会場は中国学園 大学 ・中国短期大学を使用 し,岡山県教育委員会,岡山 市教育委員会の後援 を取 り,岡山市内の一部の小学校児 童 ・保護者 に対するチラシの配布 をは じめ,ホームペー ジや新聞等 を用いて参加者 を募った。参加費は無料 とし, 参加資格 としては,少 しでも英語が楽 しめる小学生 (同 伴時の未就学児 も参加可能), とその保護者 (または大 人) とした。今回のセ ミナーでは,保護者‑の支援 を主 たる目的 としているため,親子同伴での参加 を原則 とし た。その結果,30組の申し込みがあ り,当 日は28組の親 千 (保護者37名,子 ども43名の計80名)が参加 した。

また,開催方法 として,本セ ミナーは4つの分科セ ミ ナー (各25分) と1つの全体セ ミナー (40分)を企画 し た。受講方法は全員が一斉に受講す るのではな く,参加 者 を親子ペアで3つのグループに分け,別々にそれぞれ の分科セ ミナーを,その後,全員で全体セ ミナーを受講 してもらった。それぞれのグループの児童の学年 と人数 は表1の通 りである。なお,「その他」の項 目には,未 就学児や同伴 した子 どもが含まれている。

グループ分けには,英語がコミュニケーシ ョンツール であるとい う観点か ら,学年の枠を越 えての人間関係構 築 も重要であるとい う視点か ら,各 グループの学年が極 力分散す るよ う配慮 した。 しか し,親子ペアでのグルー プ編成のため,保護者一人に対 して児童複数 とい う場合 もあ り,学年分散 に若干のば らつ きが出て しまったが,

(3)

71 小学校英語教育推進のための保護者 に対す る支援

写真1 SeminarAの様子 (赤松康子先生)

想定内のことである。

またセ ミナーの対象 として,3つある分科セ ミナーの うち2つは親子で一緒に受講 してもらうが,1つは親子 が別々に受講す るよう設定 した。 さらにすべての分科セ ミナーの受講後,大講堂において全体セ ミナーを実施 し た。

各セ ミナーの講師は,岡山県内 ・岡山市内の小学校で 英語活動の指導実践にも取 り組んでいる先生5名 (ALT を1名含む)である。また,7名の高校留学生をゲス ト 外国人 として招待 し,セ ミナーに参加者 と共に活動 して

もらうことで外国人 とのふれあいの機会 を設けた。各セ ミナーのテーマ と対象は表2の通 りである。

各セ ミナーの内容については,保護者 に現在の実際の 取 り組みを知ってもらうために,小学校英語活動におい て広 く実践 されているものの中か ら選び出 した。 また, 全体セ ミナーでは,分科セ ミナーで学習 したことが活か せ るよ う内容 を検討 した。そのため,英語表現や各セ ミ ナーで取 り扱 う活動 (歌やダンスを含む)は,共通 して 扱 うよ う配慮 した。次に挙げるのは,今回扱 った英語活 動である。

(英語活動 (歌,ダンス))

・Fivelittlemonkeys

HelloSong

・IhaveaJoy

・Ilikecoffee,Iliketea.

・LondonBridge

Seeyoulater,Alligator

写真2 SemhlarBlの様子 (藤井佐代子先生)

Sevensteps

Tenfatsausages

Theeencyweencyspider

Theangerfamily

TheHokey‑Pokey

(ク リスマス ソング)

・JingleBells

・RudolphtheRed‑nosedReindeer

・SilentNight

・WeWishYouAMerryChristmas

・WhiteChristmas

セ ミナーが終了後には,今回のセ ミナー実施が12月で あった とい うこともあ り,セ ミナーに参加 した人 すべて に,ク リスマスプ レゼン トを用意 し手渡 した。

3.2 目的と目指す効果

本セ ミナー全体では,英語の歌やゲーム,外国人 との 会話, 「ク リスマス」 をテーマに した馴染みある文化 を 通 して親子でふれあいなが ら英語の楽 しさを共有 し,小 学校英語教育‑の理解 を促進す ることを目的 とした。

また,保護者 自身が英語を使 ってコミュニケー シ ョン をす る楽 しさを体験す ることにより,家庭で子 ど もと英 語を楽 しも うとする気持 ちを高め, 日本語による コミュ ニケーシ ョン能力 も踏まえなが ら,英語を介 した親子の コミュニケーシ ョンの方法を理解 し,家庭の教育 力 を高 めることを 目指 した。

(4)

72

佐藤 大介

写真3 SeminarB2の様子 (木村明美先生)

3.3 各セ ミナー内容

3.3.1 SeminaLrA (テーマ :英会話,対象 :親子) semlnarAでは,英会話 をテーマ として, 「留学生 と話 す ことで英語は伝達 しあ うためのツールであるとい うこ とを実感す る」 ことを 目的 とし,高校留学生にも活動 に 参加 して もらった。

まず ウオームア ップ として,留学生 との挨拶 ("Hello. Howareyou? Goodtoseeyou!")を笑顔で握手を し, 留学生 に慣れ て もらった。 その後,世界地 図を用 いて, 留学生に 自己紹介 をしてもらった。

次に,下の表現 をフレーズ として練習 した。

Parent:(Child'sname),didyouhaveagoodtime? ChHd:Yes,Idid.Ihadfun(orgoodtime).

Howaboutyou,mom(ormother)? Parent:Ofcourse.Ienjoyedmyself.

ここで,外国人留学生 との実践的な会話 を して もらう ために,グループに分かれて,好 きな動物,スポーツ, 趣味,食べ物 を絵 に書いて英語で発表 してもらった。 こ

の際,単に外国人‑の一方的な発話 とな らない よ う,グ ループ全体に向けて発表す るよ う注意 した。

最 後 に, 先 に 練 習 し た "Didyouhaveagood time?" の表現をグループ内の外国人だけではな く保護 者か らも言 ってもらい,子 どもたちはそれ に答 えてセ ミ ナーを終了 した。

3.3.2 SeminarBl (テーマ :コミュニケーシ ョン, 対象 :保護者)

seminarBlでは,小学校で実際に実践 されてい る英語

松畑 照一

写真4 SeminarCの様子 (井上洋介先生)

活動 を知 って も ら うこ とがで きる内容 とした。 そのた め,受講対象は保護者のみ とし,その受講時,子 どもに はSeminarB2を受講 してもらった。

このよ うな点か ら,保護者 に向けたこのセ ミナーの 目 的は, 「保護者 自身が英語 を使 って コ ミュニケー シ ョン をす る楽 しさを体験す ることによ り,家庭で子 どもと英 語 を楽 しも うとす る気持 ちを高める」 ことと 「日本語 に よるコミュニケーシ ョン能力 も踏 まえなが ら,英語 を介 した親子のコミュニケーシ ョンの方法 を理解 し,家庭 の 教育力 を高める」 ことの 2点 とした。

セ ミナーではまず,保護者 同士の緊張をほ ぐすため, 歌を全員で歌った。その後,留学生の 自己紹介 と "May

lhaveyourname?" "wheredoyoulive?" や "What

doyoudo?" な どの簡単な会話 を し,聞 くことに慣れて もらった。

続いて,外国の家庭では,子 どもに どうい うマナー を 教 えるよ うに しているかに注意 を して もらい,留学生に 話 してもらった。その中では,"Thankyou.""please."

な ど言葉で伝 えることの重要性,それが 日本語で も大切 であること,子 どもに対 しての話 しかけや ほめことば,

さらにはhugによる心の安定な ど, 日本 の家庭では軽視 されがちな点にも関心を向けてもらった。

その後, 自宅でもできる子 どもとの英会話 として,塞 本的な挨拶や英語の歌な どを練習 した。

最後 に小学校英語活動 について,カタカナの不使用, 音声中心, コミュニケーシ ョンに対す る態度の育成な ど を説明 し,小学校英語活動に対す る理解 を深 めて もらっ た。

(5)

73 小学校英語教育推進のための保護者 に対す る支援

写真5 SeminarDの様子 (名合智子先生)

3.3.3 SeminarB2 (テーマ :歌 ・ダンス,対象 :千 ども)

semlnarB2では,子 どものみでの参加 となるため,そ の 目的を 「英語の歌やゲームに親 しみ,英語にふれ るこ との楽 しさを体験す る」 こととした。そのため内容は, 体全体を使って踊 りなが ら歌った り,指人形をはめて音 楽に合わせて歌った りして,英語が楽 しめるように配慮 した。また,参加 した子 どもの年齢層に合わせなが ら, 参加者 に応 じた音楽などを用いた。

3.3.4 SeminarC (テーマ :発音 ・聞き取 り,対象 : 親子)

SeminarCでは,音声中心 といわれ る小学校英語活動 の点か ら,テーマを 「発音 ・聞き取 り」 とし,目的を 「英 語の発音に慣れ,英語 をロにす ることの楽 しさを知 る」

ことと,「英単語の聞き取 りを通 して,英語 を理解す る 楽 しさを知 る」こととした。

セ ミナーでは,留学生によるミニマルペアの聞き取 り ゲームを行った。扱 う語嚢 としては,小学校英語活動で も取 り上げ られる語嚢 を用い,それ らについては,文字 ではなくピクチャーカー ドで全体に示 した。

ゲームではまず講師より発音のヒン トが与えられ,そ れを元に留学生が発音 し,参加者は聞き取 り, どちらが 正 しいかを当てるとい うものである。その後,講師より 発音の違いについての説明があ り,参加者全員で発音の 練習をした。

最後には講師か ら,発音については 日々の トレーニン グが必要であ り,言語は話 しことばが基本なので,でき

歌を歌うこと ゲームをすること 外国人と話すこと 大人と一緒にできたこと 英語の勉強ができたこと

0 10 20 30

1 楽しかったセミナー内容

るだけ自宅でも積極的に英語を口にして練習す るよ う説 明があった。

3.3.5 SeminarD (テーマ:クリスマス,対象 :全体) semlnarDは,小学校英語活動の紹介に留ま らず,そ れ らを実際に保護者 自身 も子 どもたちと一緒にやってみ ることで,「家庭でも簡単に取 り組 めることがあること を認識 してもらうことが主な 目的である。

そのため,前半部では,中国短期大学 英語 コミュニ ケーシ ョン学科 児童英語教育 コース専攻の学生にも協 力 してもらい,学生やDVDによる実演を見なが ら,小学 校の英語活動で行われている簡単なダンスや歌 を参加者 全員で挑戦 した。また,後半部では, 日本でも馴染みの あるク リスマス ソングを現職のALT(JamesDwyer先生) がギター演奏 と共に披露 し,参加者全員で歌った。

このSeminarDで扱われた歌の中には,分科セ ミナー でも歌った歌を含めるよ う配慮 した。

4 実践結果 と考察

本セ ミナーについてアンケー ト調査を参加者全員に実 施 した。アンケー トについては,子 ども用アンケー トと 保護者用アンケー トの2種類があ り,親子それ ぞれのア

ンケー トに回答 してもらった。その うち,有効回答数は 子 ども38名,保護者31名であった。

4.

1

子ども用アンケー トについて

4.

1 . 1

参加 した子どもの英語学習経験につ いて 今回のセ ミナーに参加 した子 どもたちがこれまでに英 語の学習経験があるか どうかを尋ねた。 「はい」 と答 え

(6)

74

英語が好きになった

自宅でも英語を使 ってみたい

匝 はい剛 、い

えJ

佐藤 大介

0% 20% 40% 60% 80% 100%

図2 英語に対する意識について

自分も英語を勉強 したいから 英語教育に関心があるから 無料だから 子どもが参加 したいと言 ったから 小学校での英語活動を知 りたかったから 友人のすすめで その他

0人 5 10 15

図4 参加 しようと思ったきっかけ

たのは31名, 「いいえ」 と答 えたのは,7名 だった

のことは,すべての参加者が英語 について触れた ことが あるわけではない ことを示 している。そのため,今回の よ うなセ ミナーでは,英語嫌いにさせ ないことや英語 に 対す る抵抗 を持たせない よ う留意 しなが ら実施 してい く

ことが必要である。

4. 1.2 今回のセミナーについて

セ ミナー全体 を通 して,楽 しかったか どうかを尋ねた。

その結果, 「はい」 と答 えたのは37名, 「いいえ」 と答 え たのは,1名だった。 ほ とん どの子 どもが楽 しい と感 じ て くれた よ うである。

また,セ ミナーの うち,「歌 を歌 うこと」,「ゲー ムを す ること上 「外国人を話す こと」, 「大人 と一緒にできた こと」, 「英語 の勉強ができたこと」の 5つの項 目で,楽 しかった ものに複数回答可で回答 してもらった。その結 果が図1である。

図1の結果か ら,歌やゲーム,会話 とい う面に対 して は半数 以上が楽 しい と感 じてい る。 また, 「大人 と一緒 にできた こと」について も楽 しい と感 じている子 どもが い ることも分かった。 このことは,子 どもだけで学習す

松畑 醒‑

学校配布物

新聞

ホームページ

友人 ・知人

その他

0 5 10 15 20 25 30

図3 セミナー開催の情報元

■すごく楽 しかつた 田楽 しかった 田少 し楽 しかつた

全体

SeminarA SeminarBI SeminarC SeminarD

〇% 20% 40% 60% 80% 100%

図5 保護者の各セミナーの楽 しさの度合い

るのではな く,保護者 と一緒に取 り組む ことで学習に対 す る態度 を促進 していることが分かる。 このよ う点か ら 英語 に限 らず,家庭での教育力について も支援 してい く

ことも重要である。

また,今回のセ ミナーについて感想 を 自由記述で答 え て も らった。肯定的な感想 としては, 「みんなで勉強が できてよかった上 「今まで知 らなかった英語 の歌がた く さん知れて良かった」, 「歌やゲーム,指人形で遊べたの で楽 しかった」, 「外国人 とあえて楽 しかった」, 「長い歌 難 しい勉強はよくわか らなかったけ ど,外国人の先生の 話 しで よく分かった」, 「英語に興味ができた。 もっ と勉 強 した くなった」,「来年 も来たい ・教 えて も らいたい」

な ど,英語学習に対 して興味 ・関心が増 していることが わか る。 また, 「英語 をお母 さんや外国人 と話 したので 楽 しかった」, 「ゲームを通 して友達 と仲良くなった」な ど, コミュニケーシ ョン活動 を通 して,人間関係 を構築 できた と感 じる子 どももいた。 このよ うな意識は学校の 授業内ではな く,学外で今回のよ うなセ ミナーに参加す ることで得 られ るものではないだろ うか。そのため, こ のよ うなセ ミナーを継続 して開催す ることが求め られて い る。否 定的 な意 見 としては, 「そんなに楽 しくない」

(7)

75

小学校英語教育推進のための保護者に対す る支援

とあった 具体的にどのような点が楽 しくなかったのか については記述がなかったが,好奇心や学年による差異 が原因ではないかと考えられ る。

4.

1

.3 英語に対する意識 について

今回のセ ミナーを通 して,英語が好きになったか,ま た, 自宅でも英語を使ってみたい と感 じたかどうかにつ いて調査 した。その結果が,図2である。

この結果か ら, このセ ミナーを通 して,「英語が好き になった」と感 じた子 どもは89%

自宅でも英語を使っ てみたい」 と感 じた子 どもは76%と,かな り多 くの子 ど もが英語に対 して肯定的な意識を持ち,積極的な態度‑

と導 くことができた と言 える。

4.2 保護者用アンケー トについて 4.2.

1

参加経緯について

このセ ミナーに参加 しようと思ったきっかけを複数回 答可で調査 した。まず,セ ミナー開催の情報元について 調査 した。その結果が,図3の通 りである。

図3が示すように,ほとん どが学校配布物であること が分かる。 「その他」については,詳細な記述がなかった。

また,参加 しよ うと思ったきっかけについて調査 した。

その結果が,図4の通 りである。

図4が示す とお り,「英語を勉強 したい」「英語教育に 関心がある

「小学校での英語活動を知 りたかったか ら」 とい う保護者の内的要因が,「無料だか らや 「子 ども が参加 したいと言ったか ら」 とい う外的要因を上回って いた。 この点からも,小学校英語教育については,保護 者の関心が高いことが読み取れ る。また,「その他の 意見 としては,「たの しそ うだか ら」 と 「知 らない人 と も自らすすんで会話 して欲 しい と思 うか ら。」 とい うも のであった。

4.2.2 今回のセミナーについて

4つの各セ ミナーお よび今回のセ ミナー全体につい て,楽 しんでもらえたかどうかを6段階の評価 (6:す ごく楽 しかった‑ 1:全 く楽 しくなかった) と自由記述 式の感想を尋ねた。6段階評価の結果が図5の通 りであ る。

その結果,全体 としては楽 しい と感 じている人が多いよ

うであった。また,セ ミナー全体を通 しては,楽 しく感 じている参加者の平均は,4.9であった。感想 としては,

「英語を通 して様々なことを勉強できて楽 しかった」

,

「緊 張 したが, とても楽 しく有意義な時間だった」,「子 ども が喜んでいた」,「時間が短 く感 じた」,「また企画 してほ しい」,「日頃こういった機会がないので,充実 した時間 となった」,「英語 に触れ る機会ができた

「外国人が良 かった」な ど,今回のよ うなセ ミナーが保護者のニーズ を概ね満たせていたO継続的にこのよ うなセ ミナーを開 催することが,今後 も求められる。

しか し

,

全体的に高度で,子供にはついていけない上

「会話 より単語ですす めて欲 しい」な ど,セ ミナーで取 り扱った内容が難 しい と感 じる参加者 もいた。

今回は保護者の内的要因による参加者が多かったこと は先に述べたが,これは英語に対 して肯定的に捉 えてい る方が多い とい うことを意味 している。逆に,外的要因 による参加者が多い場合は,英語に対 して否定的な方 も お り,また英語に対する苦手意識を持った方 もいるであ ろう。そ ういった参加者 にも自ら楽 しんでもらえるよう, より一般化するためには,セ ミナー内容の難易度につい ては, しっか りと検討す る必要があ り,開催時間が許せ ば,習熟度別 といったプログラムの策定も考えられる。

ではここか ら,各セ ミナーについての具体的な感想 を見 てい く。

4.2.2.1 SeminarAについて

seminarAを楽 しいと感 じている参加者の平均は,4.9 であった。感想 としては,「子 どもと簡単な英語 で会話 を したことが新鮮だった」,「外 国人 と直接話 しができ た上 「少人数で椅子がなかったので親近感が持てた」な ど,単なる英語だけではなく,英語 をコミュニケーショ ンの道具 として用いているとい うことを参加者 自身が認 識 ・実感 しているとい う感想が多 く得 られた。

その‑方で,「外国人のテ ンシ ョンの高 さで距離感 を 感 じていた」,「恥ずか しくて話せなかった」など,参加 者の心理的な側面に対す る支援や働 きかけが必要である ことが分かった。また,「外国人の母国についての話 を もっと聞きたかった」 とい う要望 もあ り,外国人 と触れ る機会が少ないか らこそ,このような機会にもっ とじっ くりと話せ る場を提供す ることも重要な点である。

(8)

76

佐藤 大介

4.2.2.2 SeminarBlについて

SeminarBlを楽 しい と感 じている参加者の平均は,4.8 であった。感想 としては,「小学校英語教育についても

う少 し聞きたかった」,「文化の違いが分かった

「親 も 勉強にな り,良かった

「タイの方 との会話は緊張 したが, 良い経験 となった」など,小学校英語教育について前向 きな感想が多 く,また,保護者 も外国語や異文化に対す る興味 ・関心が強いことが分かった。

しか し,高校留学生がタイ人だった とい うこともあ り,

「聞き取 りにくかった」,「聞き取れなかった」な ど,英 語が世界共通語 といわれる中で,あらゆる母語話者の英 語を聞き取る力を育成 してい くことも肝要である。

また,SeminarBlのよ うに,親子での参加ではな く, 別々に参加す る形態が1つ ぐらいな らあってもよいか と い う質問に対 しては,有効回答者全員が 「よい」 と答え た。今回のセ ミナーでは,SeminarB2で保護者 と別れた 子 どもたちは英語の歌やダンスをしていたが,中には人 見知 りをして活動に うまく入れなかった り, 途中で泣 き 出して しま う子 どももいた。 しか しなが ら,それでも全 員が保護者だけでのセ ミナーの必要性を感 じていること は今後 このような会を催す際は留意すべき事項である。

4.2.2.3 SeminarCについて

SemlnarCを楽 しい と感 じている参加者の平均は,4.8 であった。感想 としては,「同 じよ うな発音があって勉 強になった

「子 どもが英語 に興味を持 って くれたきっ かけになった

「ゲームを通 して発音が身に付 くので, もっと教えてもらいたい

「子 どもが一生懸命聞いてい たので良かった」など,ゲームによる発音指導を楽 しみ, それによって子 どもたちが英語に対す る関心を高めてい

ることが保護者の視線か ら読み取れたことが分かる。 こ のような実際の活動に子 ども自身が興味 ・関心をより示

していることに保護者が喜びを感 じることか らも,親子 で参加す るセ ミナーは有意義であると考える。

SeminarCについては,セ ミナー内容 に対 してはほ と ん ど否定的な意見がなかったものの,「発音は難 しい と 思った」

,

「聞き取 りが難 しいことがよく分かった」な ど, 英語や言語学習について難 しい と感 じてお り,今回のセ

ミナーを通 して,英語や英語学習に対する否定的な考え を示 さないよ うにしてもらいたい。

松畑 照一

4.2.2.4 SeminarDについて

SeminarDを楽 しいと感 じている参加者の平均は,4.9 であった。感想 としては,「手遊び歌や ク リスマスの歌 を子 どもと一緒に歌えて楽 しかった」,「知っている歌が あ り,一緒に楽 しめた」,「DVDが良かった」,「歌を歌 う ことで,楽 しく発音や意味が自然に身につ くと思った」,

「歌を通 して,英語 を話す と覚 えやす くなると思 った」

など,外国語を,歌を通 して学習す ることの楽 しさを知っ てもらい,そ して,子 どもだけではなく保護者 も一緒に 楽 しんでもらえたことがわかる。特に歌を通 しての言語 習得促進 を保護者 自身に感 じ取ってもらえたことは,今 後小学校英語活動を進める上で,大きな意味があるとい える。

しか し,一方では

,

「歌が難 しすぎる」な どの意見 もあっ た。知っている歌を扱 うよう配慮 したが,なかなか歌 う 事ができない参加者が多 くいた。そのため,先に述べた ように歌 うことの学習効果を保護者が理解 している点か らも,もう少 し曲数を限定 し, じっくりと練習 し全員で 歌 うことで,より一層保護者の理解が図れるのではない だろ うか。

4.2.3 今後のセミナーについて

今後 このようなセ ミナーを開催す る際,参加 してみた いかどうかについては,全員が 「はい」 と答えた。では, 具体的にどのようなセ ミナーを求めているのか,自由記 述で回答 してもらった。

開催時期 としては,今回のセ ミナーが学期内の 日曜 日 に開催 したこともあ り,「春休み,夏休みの開催」を望 む声が多かった。また,それ と同時に,長期休暇中であ れば 「チ ビもだけの参加 も可能にするべき」 とい う意見 もあった。 この中には,「親 に頼 らな くても,子 どもは 伸びる」 とい う意見もあった。また,外国のお祭 り ・行 辛 (例 :クリスマス,ハ ロウイン)やパーティー等 と関 連 させなが ら,定期的な開催 を希望す る意見も多 くあっ た。

内容 としては

,

「親子で一緒に体を動かせるもの」

,

「外 国人 とふれあった り,会話をした りす る等の時間がもう 少 し長ければよかった」,「リトミック的な内容を取 り入 れるなど,今回のセ ミナー内容における改善点を指摘 してもらった。今回実施 したセ ミナー をベース として,

(9)

77

小学校英語教育推進のための保護者 に対す る支援

今後のセ ミナーの内容 を検討す ることがで きるのではな いか と感 じる。

また, 「学生 を増やす ことで,英語 に慣れ ていない子 どもを支援 してほ しい」 とい う意見 もあった。今回の よ うなセ ミナーでは,英語 の学習歴がある子 どもばか りで はない。 このよ うな観点か らも, よ り一般化す るた捌 こ は,支援員 として学生 に協力 を促 してい くことも重要 な 要素 となると考 え られ る。 この指摘 は今後重要 な役割 を 果 たすであろ う。

4.2.4 英語教育 に対する意識 について

今 回のセ ミナー に参加 して,小学校 での英語教育の必 要性 をこれ まで以上に感 じたか どうかを6段階で評価 し て もらった。その結果が,図6である。 それが示す よ う に,必要性 を感 じてい るのは,96%を越 えてい る。小学 校英語教育については,広 く研究者 を中心 として導入 の 賛否 について議論 が 白熱 してい るが,それで も今回参加 した保護者 については,その必要性 を感 じてお り, この よ うな結果 を踏まえた上で,今一度,慎重 に導入 につい ては,その賛否 を検討 してい く必要 もあるのではないだ ろ うか。

また, 「きれいな発音」, 「歌や ゲー ム」, 「体 を動 かす 活動」

,

「文法や単語」

,

「国際理解」の5つの項 目の うち,

もっ とも必要だ と思 うものをひ とつ選んで もらった。 こ の5つの項 目は今回のセ ミナーで取 り扱 った項 目を書 き 出 した ものである。 その結果が図7である。

図7が示す よ うに,小学校英語教育においては,中学 校や高等学校で も学習できる「文法や単語」ではな く

き れいな発音

「歌やゲーム

「体 を動 かす活動

「国際理解」

を必要だ と多 くが感 じてい るよ うである。 これ は,今回 のセ ミナーで実際に保護者 が身 を持 って体験 し知 った成

A非常に感じた 国感じた 田/ilL感じた

::= =

0% 20% 40% 60% 80% 100%

6 小学校英語教育の必要性

異 であろ う。

また,今回のセ ミナーを通 じて,時間があれ ば 自宅で も子 どもと一緒 に英語 に触れ よ うと思 ったか ど うかにつ いて, 「はい」か 「いい え」で尋ねた。 その結果 「はい」

と答 えたのが30名 ,「いいえ」と答 えたのが1名 で あった。

この結果か ら,ほ とん どの保護者 が 自宅で も子 ども と一 緒 に英語 に取 り組む意欲 を見せ た ことが読み取れ る。 ま た, この結果 は,76%の子 どもが 「自宅 で も英 語 を使 っ てみたい」 と答 えた結果 を踏 まえると, 自宅 で も英語 を 触れ る機会 を子 どもたちに多 く提供す ることができる一 助 になったのではないか と感 じている。

4.2.5 今後の小学校英語教育 につ いて

小学校英語教育 について今後 ど う進 めるべ きか, 自由 記述 で回答 して もらった。 その結果,英語活 動 の 目的, 頻度 ・開始時期 ,内容 ,そ して,小学校英語教 育全般 の

4種類 の項 目に分類す ることができた。

まず, 目的 につ いて,ほ とん どの保護者 が, 「子 ども が楽 しんで英語 を学ぶ こ とができること」, 「恥ず か しが らず に挨拶や簡単な会話ができること上 「積極 的 に 自分 か ら英語 を話 したい と思 う気持 ちを育て ること」, 「様 々 な場 面 に対応 で き るコ ミュニケー シ ョンカ をつ け る こ と」 といった意見 を持 ってお り, これ らに共通 して言 え ることは,英語力 の向上が中心ではな く, コ ミュニケー シ ョンに対す る関心 ・意欲 をまず は育て,国際人 として の感覚 を身 に付 けることが重要だ と感 じてい る。

次 に,頻度 ・開始時期 につい ては, 「週1回程 度 でカ リキュラムに入れてほ しい」, 「小学校低学年 か ら少 しず つで も始 めてい くべ き

「幼 い時か ら英語や外 国文化 に 触れ ることで国際理解 ができる と思 う」とい う意 見が多 かった。現在 の小学校英語活動 は学校 によ りそ の頻度や

きれいな発音

歌やゲーム

体を動力\す活動

文 法や単語

国際理解

〇人 5 10

図7 もっとも必要な項目

15

(10)

78

佐藤 大介

開始時期は異なっている。また,平成183月27日に外 国語専門部会の審議において,小学校における英語教育 の教育課程上の位置づけとして,小学校での英語教育は 中学年 (3年生及び4年生)が総合的な学習の時間内に, 高学年 (5年生及び 6年生)が 「英語」とい う新 しい領 域の内に充てるとい う提言がなされた。 このよ うな状況 は,現在小学生 を子に持つ保護者のニーズには今回の調 査では一致 していない ことが分かる。 より早期か ら小学 校でも英語教育を始 めてい くことが求められているよう である。

内容については

,

「楽 しみなが ら」

,

「暗記は必要ない」,

「歌やゲームを増やす」な どのよ うに英語活動について は他の教科 とは異な り,子 どもたちが勉強 して身に付 け るのではな く,体験 ・実践 して身に付 けることを望んで いる。 また, 「国際交流」,「ネイティブの先生や外国人 に指導 してもらいたい ・ふれあいの機会を増や してほ し い」のよ うに,外国人 との交流の機会を多 く持つ ことが 重要だ と感 じてい る。具体的な内容 としては, 「あい さ つや家庭内での 日常会話上 「文法ではなく,発音や ヒア リングの力 を」,

『聞 く‑話す‑読む‑書 く』 とい う順 番 で」 といった意見が多 く,SpeaklngとListeningに重 点を置 くべきであるとい うこと,そ して子 どもたち自身 に馴染みのある会話 を知 ってもらいたい と感 じている。

そのほかにも

,

「ことば中心で文化についても学ぶ」や 「国 語に重点を置いた教育を」 といった意見 もあ り,単なる 言語学習に終わることな く,文化的側面や コミュニケー シ ョンカにも配慮 しなが ら,英語活動の内容 を検討 して い く必要があろ う。

最後に,英語教育について 「他の国の現状をもっと知 り, 追いっ くべ く努力の必要がある」,「先進 国であ り なが らまだまだ英語教育については初歩の段階であると 感 じる」といった厳 しい意見 もあった。急速にグローバ ル化が進展す る中で, 日本が出遅れた とい うイメージを 持っているよ うである。 このようなイメージを払拭 して い くためにも,小学校英語教育を学校 ・地域が一丸 となっ て整備 ・体系化 してい くことが肝要である。

5 課 題 と 展 望

今回のセ ミナーを通 して,小学校英語教育を推進 して

松畑 照一

い くための保護者 に対す る支援において,い くつかの課 題が見つかった。

まず,今 回の参加 人数 である。今 回のセ ミナーは地 域の小学校の全児童 を対象に5400枚の案内をし,新聞や ホームページに対 してもセ ミナー案内を掲載 してもらっ た。 しか しなが ら,今回の参加者は80名に留まっていた。

日程や会場の問題か らこのように少人数 となって しまっ たのかもしれない。今後は各学校区単位 でこのようなイ ベ ン トを持つ ことが望まれ る。特に,小学校教師 との連 携 を図 り,学校の英語活動状況や地域の事情に合わせた 形での開催 を してい くことが求められるであろ う。

この問題 については, 「親子一緒で」 とい うことも参 加者が少なかった原因ではないか と推測す る。保護者か らの感想にもあったよ うに 「子 どもだけ」での参加方式 も必要 としてい るか らである。ただ し,子 どもの立場で は, 保護者 と共に参加す ることで勉強 ・学習す ることを 楽 しい と感 じていることか ら,親子での参加がやは り重 要であると感 じている。

また,参加者の英語の レベルにおける違いが問題であ る。 この間題 については,企画段階か ら検討 してきた。

今回については,一般公募 とい う形で実施 したため,グ ループ編成時に学年を均等に振 り分けるよ うに配慮 した が,実際は子 どもが在籍 している小学校の英語活動の実 施状況や英会話教室などの通学経験, 海外在住経験など も考慮 した上で行 うべきであろ う ただ し, このよ うな 問題 を回避す るためにも,より小規模 に地域 を限定 して 実施す ることで,事情 を把握 しやす く,参加者の特性 に より特化 した形での支援が可能になるであろ う。 また, 扱われ る歌やダンスについても,幅広い レベルのものを 用意 し,参加 した子 どもたちが どれか一つでも楽 しめる よう配慮 したが,やは り全てを楽 しめなかったことを残 念に思 う参加者 もいるため,この点についても,地域の 小学校教師 と密 に連携 を取 りなが ら,進 めることが必要 である。

しか し, この問題 を解決す る一つの手立て としては, 保護者か らの要望にもあったように,参加者に対す る支 援体制 をきちん と整 えてお くことである。学習歴や外国 人 との接触経験等の差異か ら,すべての参加者が積極的 に活動参加 した り関わった りしていけるわけではない。

そのため,学生による支援を参加者 に対 して行 ってい く

(11)

小学校英語教育推進のための保護者に対する支援 79

ことが大切である。 しか し, この よ うな支援が逆 に 日本 人に依存す る参加者 を出さない よ う,人数等の調整 につ いては,慎重に検討 していかなればな らない。

6 終 わ り に

今回の親子英会話セ ミナーの実践は,小学校英語活動 支援の対象 を保護者 を中心 とした点で,前例のない取 り 組みであると自負 している。成果 としては,保護者 の小 学校英語教育に対す る意識や関心が高ま り,また 日頃触 れ ることの少ない英語 に触れ ることで新鮮 に思い,子 ど

もと一緒に楽 しんでもらえた。

また,現在広 く実践 されている英語活動が保護者 には 受 け入れ られているのではないか と感 じる 今回のアン ケー ト調査の結果か ら,保護者が子 どもたちの英語学習 に求めているものは

,

「英語力」ではな く

コミュニケー シ ョンに対す る関心 ・意欲」であ り, さらには, 「ゲー ムや歌を通 して,楽 しみなが ら学習す ること」, 「外国人 とふれあい,国際交流 をす ること」であ り,現在 の小学 校の実践内容 においては,多少の差異はあるものの,多 くの小学校が取 り組んでいる,または取 り組 も うとして いる内容 と一致 している。今後,小学校教師には, 自身 の実践 に対 してさらに 自信 を持 ち,英語活動 に取 り組 ん でもらいたい。

しか しなが ら,今回のセ ミナーで扱 った歌やゲームが 参加者の方 には難 しす ぎたことや,外 国人留学生 とのふ れ合いの機会が少なかった こと,英語 の習熟度別ではな かった点等が課題 として残 ってい る。 また,各セ ミナー の時間が短時間であったために,個々の内容が限定 され ていた点 も今後何 らかの方法 を検討す る必要がある。

今後は,小学校英語教育を推進す るために,学校現場 だけではな く,総合的な支援 としてこ ういった活動を継 続的に実践 してい くことが広 く展開 されなければな らな いであろ う。

参 考 文 献

井 上洋介,佐藤 大介

:

『小 学校 英 語 教 育 にお け る保護 者支援 に関す る提案』,児童英語研究学会研 究紀要

(2007)2,12‑20

松畑照一 :『英語教育人間学の展 開 一英語教育 と国際

理解教育の接点を求めて‑』,開隆堂 (2002) 文部科学省 :『小学校学習指導要領

,(

1

998)

文部科学省 :『小学校 にお け る英語教育 について (外 国 語専門部会における審議 の状況)』,(2006)

*

1 児童英語研究学会 (ASELAC)は財団法人福武教育文化振興財団か ら児童英語に関す る研究委託 を受けている。本セ ミナー はその事業の一環 として実施 したものである。

表 1 各グループの人数

参照

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