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学 位 論 文 審 査 の 結 果 の 要 旨

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Academic year: 2021

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(様式第9号)

学 位 論 文 審 査 の 結 果 の 要 旨

氏 名 Tharnrat Kaewgrajang

審 査 委 員

主 査 児玉 基一朗 ◯ 副 査 山本 福壽 ◯ 副 査 井藤 和人 ◯ 副 査 横山 和平 ◯ 副 査 板井 章浩 ◯

題 目

Ectomycorrhizal fungal communities on Dipterocarpus alatus Roxb. Ex G. Don and their effects on seedlings(Dipterocarpus alatus Roxb. Ex G. Don における 外生菌根菌群集と菌根菌の苗への影響)

審査結果の要旨(2,000字以内)

フタバガキ科は東南アジア熱帯林における林冠優占樹種である。良質木材への高い需要のため、過 去数十年間にわたって森林破壊が進行し、自然林におけるフタバガキ科の樹木はひどく減少した。残 存するフタバガキ林を保護するためにも、土着のフタバガキ科樹種を用いた劣化した林地の修復が求 められており、優良苗木の大量生産が必要である。

フタバガキ科樹種には外生菌根菌が共生する。この共生は土壌養分の獲得を通じて苗木の成長と生 存率を促進する効果をもつことが知られている。Dipterocarpus alatusは東南アジア原産のフタバガキ 科樹種であり、自然林では盗伐等によってその数が著しく減少している。したがって、タイでは本種 を用いた森林再生が強く推奨されている。しかし、D. alatusに共生する外生菌根菌の種類については、

その苗木成長に及ぼす効果とともに、これまでほとんど知られていない。したがって、フィールドに おける外生菌根菌群集の解明と苗木の菌根菌接種に対する効果を試験することは、森林再生を進める うえで重要である。

本研究ではD. alatusと共生する外生菌根菌について、二つの側面を調査した。一つ目は形態学的お よび分子生物学的手法を用いたフィールドとポット苗における外生菌根菌群集の解析である。フィー ルド条件では地上部と地下部の外生菌根菌群集について、自然林と植林地との間での比較を行った。

ポット苗については自然林と植林地から採取した表層土壌を接種した苗を対象とした。二つ目は外生

菌根菌のD. alatus苗に及ぼす影響であり、土壌およびAstraeus odoratusの胞子懸濁液と培養菌糸の接

種効果を試験した。

D. alatusの外生菌根菌群集は、数多くの低頻度検出菌と少数の高頻度検出菌によって構成されてい

た。フィールド条件では、地上部と地下部の調査結果を合わせ、14 科に属する計 82 種の外生菌根菌 が検出された。両環境ともロウタケ属菌が最も高頻度に検出され、ツノタンシキン科、ラシャタケ属、

ベニタケ属がこれに続いた。ポット栽培条件下では 19 種がカレエダタケ属、キツネタケ属、チチタケ 属、ラシャタケ属、ピロネマ科、キシメジ科に属すると同定された。興味深いことにロウタケ属菌は ポット苗からは検出されなかった。対照的にラシャタケ属は、フィールドおよびポット苗のいずれに おいても検出された。したがってラシャタケ属は、D. alatusの植林への適用において有望な菌種と考 えられた。

D. alatus苗への土壌接種は ECM 形成を誘導するだけでなく、苗木の成長を促進した。さらに、A.

odoratusの胞子懸濁液および培養菌糸の接種もD. alatus苗の菌根形成と成長を促進した。以上の結果

から、3つの菌根接種法がいずれもD. alatusの菌根共生苗の作成に有効なことが確認された。

(2)

今後解決すべき課題としては、以下が挙げられる。第一に、ラシャタケ属菌について、共生苗の大 量生産をはかるために菌株の分離培養を行う必要がある。第二に、苗木の成長促進をはかる上で最小 限必要な土壌接種量について、検討する必要がある。第三に、外生菌根菌共生苗をフィールドに定植 し、共生効果を確認する必要がある。

本研究により得られた結果は、D. alatusにおける外生菌根菌群集と菌根菌の苗への影響の理解に大き く貢献するとともに、今後の応用研究にも繋がる成果であり、学位論文として十分な価値を有すると 判定した。

参照

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