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高層住宅の固有周期における常時微動測定と設計値との差分に関する研究

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Academic year: 2021

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高層住宅の固有周期における常時微動測定と設計値との差分に関する研究

田頭症三@正木和明@入倉孝次郎@倉橋奨

1

.

はじめに 東海地方で近い将来発生が危慎される海溝型巨大地震(東海@東南海地震)においては、長周期成分(周期約 2 ~ 10秒)を持つ地震動が起きると指摘されている。高層建築物は 2秒以上の固有周期を持つことから、共振 により被害が増大する恐れがある。設計においては共振を回避しているが、実建物の固有周期は設計値通りでは ない。よって、実建物の固有周期を測定によって把握することは非常に大事である。そこで、ある高層住宅にお いて常時微動計測を行うことが出来たので、常時微動計測と解析との固有周期の差分を確認し、差分原因を検証 するために原因項目を選別して各項目を反映した固有値解析を行い、常時微動値を説明できる最適モデルを決定 しようと試みた。また、各原因項目の影響度が検証できるように、ケース毎に固有値解析を行った。

2

.

建物概要 対 象 建 物 は 、 地 上20階、地下 l階 で 高 さ が 64.38m(基準階高 2.95m)、地下構造は杭基礎(支 持地盤はGL-25m)のRC高層建築物 (2006年9月竣工) である。建物の平面は約16m

x

35mである。ただし、

6

階までは

5

戸であるが、

7

階より上部は

4

戸となる。 置 計 位 度 置 速 設 犠 図l 建物概要および速度計設置位置

3

.

固有周期の算定 3. 1 常時微動計測 測定器機としては、固有周期l秒を 5秒まで引き延ばした速度型地震計 3台(水平方向 2成分、上下方向の 3成分)からなる測定機器を 1F、6F、11F,16F, 20階の廊下(平面的に中央部となる位置)と地表に 6組設置 して同時計測を行った。なお、地震計の時刻は

G

P

S

で同期した。 常時微動による振動計測結果のうち、代表的な波形例を図

2

に示す。また、各階においてフーリエ変換した 結果を図3に示し、固有周期を表 lに示す。解析方法としては、各階とも 40.96秒を 5セット計算し、その平 均そ

O

1Hz

で平滑化してプロットした。 70

(2)

的 勢 0.1

0.01

ε

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H

』 司 、

I

0.001 h 図2 波形例 (20階 NS方向) 周波数(Hz) 図3 フーリエ解析例(NS方向) 3.2 設計固有周期 表1 常時微動計測による固有周期 固有周期 (s) NS方向 EW方向 l次 0.84

I

0.76 2次 0.24 0.46 3次 0.11 0.25 解析のステッフ。はモデ、ル作成、応力解析、断面算定、保有耐力算定および固有値解析である。手順としては主 架構のみの基本モデル、常時微動計測との差分を検証するために建物の実状そ個別に考慮した比較モデルおよび 常時微動と検証するための検証モデ、ルの/1慣に解析を行った。 (1) 基本モデ、ル 建物のうち主架構部材および2次部材を再現した 3次元モデルであり、固有値解析結果を表 3に示す。 (2) 比較モデル 基本モデ、ルに対し実建物の剛性および重量を再考慮したモテ、ルで、各影響度を判別するために個別に固有値解 析を行った。固有値解析結果在表3に示す。 ケース 11 耐震スリットの剛牲を考慮したモデル ケース 12

:ELV

部を付加したモデル ケース 13 建物の実コンクリート強度を考慮したモデル ケース 14 現状の積載荷重 (LL)を再考慮したモデル。 表

2

モデル概要 柱・梁・床 壁 ケース スリット 重量 重量 剛性 関口 基本 10

。 。 。 。 。

11

。 。 。 。

× 比 較 12

。 。 。 。 。

13

。 。 。 。 。

14

。 。 。 。 。

検証 20

。 。 。 。

× 71 Fc 積 載 ELV (加算値) 荷重 備 考 ×

×

× +6

×

×

十6 ×

(3)

(3) 検証モデ、ル 最終的には比較モデルの全てを考慮した検証モデ、ルであり、固有値解析結果を表 3に示す。 表3 固有周期一覧 固有周期(s) NS方向 EW方向 1次 2次 3次 1次 2次 3次 常時微動 0.82 (1.00) 0.24 (1.00) 。目11(1.00) 0.78 (1.00) 0.45 (1.00) 0.23 (1.00) 基本 10 1.04 (1.27) 0.41 (1.74) 0.26 (2.31) 1.08 (1.39) 0.40 (0.88) 0.25 (1.06) 11 0.95 (0.91) 0.38 (0.92) 0.24 (0.93) 1.05 (0.97) 0.39 (0.97) 0.24 (0.97) 比 較 12 0.97 (0.93) 0.38 (0.92) 0.24 (0.92) 1.07 (0.99) 0.40 (1.00) 0.25 (1.00) 13 1.01 (0目97) 0.40 (0.97) 0.25 (0.97) 1目04(0.97) 0.39 (0.97) 。目24(0.97) 14 1.01 (0.97) 0.40 (0.97) 0.25 (0.97) 1.05 (0.97) 0.39 (0.97) 0.24 (0.97) 検 証 20 0.86 (1.05) 0.34 (1.43) 0.22 (1.92) 0.97 (1.25) 0.36 (0.80) 。目23(0.97) 注・かっこ内の数字は常時微動に対する割合を意味するO

4

.

まとめ 実建物の剛性および重量を再評価して常時微動と解析による固有周期の合致を試みたが、常時微動および解析 等の方針等により誤差が生じたので完全な合致には至らなかった。しかし、傾向的なことは検証できたと考える ので、今後はサンプル数を増やすと共に経時変化等を考慮した合理的な推測方法を確立したいと考える。 謝辞 計測および発表の許可を与えてくださった御施主殿および工事長、計測を手伝ってくださった愛知工業大学 の学生(江川氏および本田氏)、また、今回の論文を書くにあたり助言およびご指導等を頂いた先生方に厚く 御礼申し上げます。 72

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