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陰イオン交換分離 : 吸光光度法による生物標準試料中のチタンの定量

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Academic year: 2021

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(1)

陰イオン交換分離 : 吸光光度法による生物標準試

料中のチタンの定量

著者

桐山 哲也

雑誌名

鹿児島大学教育学部研究紀要. 自然科学編

52

ページ

27-31

別言語のタイトル

Anion-exchange Separation and

Spectrophotometric Determination of Titanium

in Biological Standard Materials

(2)

27

陰イオン交換分離

一吸光光度法による生物標準試料中のチタンの定量

桐 山 哲 也 (2000年10月15日 受理)

Anion-exchange Sep狐ation and Spectrophotomethc Detemhnation of Titanium in Biological Stand紬d Matehals

KIRIYAMA Tetsuya 陰イオン交換分離法と吸光光度法を組み合わせて,生物標準試料中のチタンの定量 を行なった。 乾燥試料を420℃ で, 48時間加熟して灰化する。過塩素酸,硝酸,フツ化水素酸を 加え,ホットプレート上で加熟し,残留する有機物および珪塩酸を分解する。チオシ アン酸アンモニウム-塩酸溶液から強塩基性陰イオン交換樹脂 Amberlite一cc400 (scN 形)カラムに通す。吸着したチタンを塩酸溶液で溶離し,ジアンチピリルメ タンを発色試薬とする吸光光度法で定量する。本法を使って国立公害研究所 (NIBS)が発行している生物標準試料(玄米,ホンダワラ)の分析を行なった。 1.緒 言 チタンは,岩石圏及び土壌中にぎわめて多量に存在する金属であり,その量は1%をこえるもの もある。それに対し,海水あるいは湖水中のチタン濃度は極めて希薄であり1),水圏におけるチタ ン含有量は極めて微量である。ま*,植物試料及び動物試料など生物圏にはきわめて微量しか存在 しない2)。それは,生物が水に溶解した微量の金属しか吸収しなくて,また貯蔵量もわずかである ため3)と考えられる。したがって,生物組織中のチタンの含有量は,生物が成育している土壌環境 に比べきわめで微量である。生物試料中のこの微量のチタンを迅速且つ正確に定量することは困難 であ84)。また,チタンは栄養学的に必要な金属でないので,食物中のチタン含有量はわずかな種 類しか知られていない3)し,生物試料についても詳細に調べられているとは言えない。 著者は,先に生物試料中の微量チタンの定量法を報告しだ)。また,その方法を使い,国立公害

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28 鹿児島大学教育学部研究紀要 自然科学編 第52巻(2001) 研究所(NIBS)が発行した環境標準試料中のチタンの定量結果を報告しだ)。今回は,国立公害 研究所が発行している生物標準試料(玄米,ホンダワラ)中のチタンの分析を行なったので報告す る。 2.実 験 2. 1 試薬と装置 チタン標準溶液:四塩化チタン(TiC14)を4mol/β塩酸に溶解した。 mNを指示薬とし, 硫酸銅で逆満足するEDTA滴定法により標足した。 陰イオン交換カラム: Amberlite CG-400 (SCN 形, 100-200メッシュ) 3.0gを,内径1.5cm のガラス管に詰めて使用した。ベットの高さ3.8cm。 ジアンチピl)ルメタン溶液:同仁薬化学製ジアンチピリルメタン1 gをlmol/l硫酸溶液30mD に溶解し,水で希釈して100nQとした。 分光光度計:日立100-30型分光光度計を使用した。セルは光路長10問のガラスセルを使用。 2. 2 試料の前処理 試料を85℃ で4時間乾燥後,重量を測定しその値を基準とした。その約2 gを白金ざらに分取 し, 420℃ で48時間加熱灰化する。灰化した試料に,少量の水を加え湿らせ,過塩素酸2ml,硝酸 4融を加え,加熱して残留している有機物を分解する。必要なら硝酸2mlを追加する。過塩素酸の 白煙が生じ始めたら,フツ化水素酸2mDを加え,加熱して珪酸塩を分解し,蒸発韓国する。過塩素 酸2耽lを加え,再び蒸発乾固する。 2. 3 分析法 2.2の残杏を6mol / l塩酸16肌帥こ溶解後,水64耽lを加え,試料溶液とする。 チオシアン酸アンモニウム試薬中の超微量のチタンを除くために, 5.Omol/lチオシアン酸ア ンモニウム- 0. 1mol/l塩酸溶液をカラムに通す。流出液の初めの107nlを捨て,次の20nDを試 料溶液に加える。これをあらかじめ,チオシアン酸アンモニウム試薬中のチタンを除いた1.Omol /lチオシアン酸アンモニウムー0.1mol/l塩酸溶液25mQを流し,コンディショニングした新し いカラムに通す。 I.Omol/lチオシアン酸アンモニウム-0.1mol/l塩酸溶液100融でカラムを 洗浄役,吸着しているチタンを4mol/l塩酸溶液で溶離する。はじめ40耽lを捨て,次の60mDを集 める。流出液に硝酸4mlを加え,加熱してチオシアン酸イオンを分解後,蒸発乾固する。冷却 後, 6mol/l塩酸2.5mlを加え残盃を溶解する。 10%アスコルビン酸溶液1耽lを加え, 1分間放 置する。ジアンチピl)ルメタン溶液10.Omlを加え,水で25耽帥こする。 1時間後,ブランクを対照に

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桐山:陰イオン交換分離一吸光光度法による生物標準試料中のチタンの定量      29 波長390mにおける吸光度を測定する。

3.結果と考察

3. 1 模擬試料中のチタンの定量 生物標準試料には,お茶やクロレラ等の植物試料,頭髪やムラサキイガイ等の動物試料,池底質 や自動車排気粒子などの珪酸塩を含む試料など多種多様な試料がある。主成分元素の影響を調べる ため合成試料を作り,チタンの一定量を加え分析 を行なった。合成試料は,米国標準局(NBS) が発行している植物試料のうちOrch紬d leaves を植物試料の代表として選び,また,動物試料の 代表としてBovine liverを選び,これらの元素 の主成分元素の含有量を参考にして,それぞれの 試料を燃焼させた灰0.5g中に含まれる主成分元 素の含有量のうち多い方の値を用い,それらの含 有量を下回らないようにして調整した合成試料を 作り,これに一定量のチタンを加えて分析を行 なった。また,この合成試料にジアンチピリルメ タン法でチタンを定量するとき微量でも妨害する 元素セレンとクロムも加えた。その分析結果を表 1に示す。回収は定量的であり,主成分元素及び セレン,クロムの影響はない。 衰1 模擬試料中のチタンの定量 Ti, 〟g Ti, 〟g 0.0         0.0  1,0 0.9 av. 0.6 10.2        10.0   9.8 av. 9.9 20.4         20. 3  20. 6 av. 20.5 合成生体試料の組成は, Na+ 44唯, K+ 122唯, Mg2+ 38呼, Ca2+ 157噛, All+ 31昭,

Fee+ 22唯, Creや 410〟g, Se4+ 81〟g,

HePO4 438唯である。

3. 2 標準試料の分析

米国標準局(NBS)が発行している生物標準試料Orch紬d leaves及びBovine liverの分析を 行なった。その結果を表2に示す。文献値と比較的良い一致を示した。

以上の結果をもとに,国立公害研究所(NIBS)が発行している玄米,ホンダワラの分析を行

なった。その結果を表3に示す。玄米(High Level)はカドミウム汚染米であり,玄米

(Medium Level)は中程度のカドミウム汚染米であり,玄米(Low Level)はカドミウムで汚

染されていない米である。玄米からはカドミウムの汚染にはあまり関係なくlppm程度のチタンが 検出された。また,ホンダワラからはllppm程度のチタンが検出された。

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30 虎姫烏大学教育学部研究紀要 自然科学館 第52巻(2001) 表2 米国標準局が葬行してLlる生物標準試料中のチタンの定量 試料       検出量, 〟g      含有量, 〟g/g 試料量, 管 Ti Ti Orchard leaves 0.5611         9.5 0. 5261         9. 1 0. 5960         10. 4 Bovine liver 2. 3546         1.8 2. 3263         1. 2 2. 1058         1. 5 16.9 17.3 17.5 av. 17.2±0. 3 258) 20± 207) 文  献

I ) T. Kihyama,. M. HⅢaguchi, R. Kuroda ; Fresenius Z. Anal. Chem.,鈍げ, 352 (1981).

2)超微量成分分析1 -地球化学的試料,浜口博編, P13, (1970). 3)微量元素一栄養と毒性-,日本化学会訳偏, p450, (1975).

4) A. Kmshevka, 良. M. Bmes ; Analys上 119, 131(1994).

5 ) T. Kiriyama, R. Kuroda ; Fresenius a. Anal. Chem., 313, 328(1982). 6)桐山哲也;鹿児島大学教育学部研究紀要言廻, 17(1986).

7) ら. S. Gladney ; Anal. Chin. Acta, 118. 385(1980).

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桐山:陰イオン交換分稚一吸光光度法による生物標準試料中のチタンの定量 表3 国立公害研究所が素行している生物標準試料中のチタンの定量 試料 哉料量, g Ti, 〟g 標準試料中の含有量 Ti, 〟g/g 31 玄米(High Level) I. 4006 I. 9944 2. 2797 2. 2376 玄米(Medium Level) 1.1186      1.5 1. 7640      1. 7 2.4773      2. 4 2. 1556      2. 4 玄米(Low Level) 1. 3315 1. 0834 2. 3241 2.1513 1.0 1.0 0. 88 0.89 av. 0.94±0. 07 1.3 0. 96 0. 97 1.I av. 1.1±0.2 1.6 1.4 0.77 0.74 av. 1.1±0.4 4     0     0     0 1       2       2       9 -1     5     8     4 0 2       1       1       1 0     _ 1     5     6 0 信 一     6     4     2 一 8     7     _ 1     8

参照

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