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Academic year: 2021

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振動・波動 講義ノート

序文

本書は,著者らが平成 21 年に刊行した『力学 講義ノート』に引き続 き,工学系学生が半年間で学習する振動・波動の教科書として執筆したも のである.筆者らが在職する愛知工業大学に限らず,昨今工科系学生の入 学時における物理,数学の学習歴の違いは非常に大きく,大学で学習する 物理学を履修する前の導入教育はもちろんのこと,大学の物理学の教科書 や授業においても工夫や見直しが必要である.本書では,できるだけ学生 が理解しやすく,興味を持って授業に臨めるような教科書を目指したもの である. まず,半年間(90 分× 15 回授業)で指導できる授業内容を考慮し,波 動の学問としての流れを理解する上で必要と考えられる内容に限定して構 成した.通常の教科書と同様に単振動から始まる振動現象から説明し,振 動の伝播として直接波動へと展開しているが,これまでの教科書でよく目 にする連成振動や連続体の振動は割愛した.波動の中核をなす波動方程式 については,1 次元での表現を中心とし,3 次元での表現は最小限にとど めた.結果,反射・屈折に関わる内容は,波動方程式を用いない記述とし た.また,エネルギーに関する内容は,できるだけ平易な表現を用いて記 述するよう心掛けた.光の干渉・回折に関する内容は最小限にとどめた. 一方で,振動・波動を理解するために必要な数学(三角関数,微分方程 式,複素数および複素平面,フーリエ級数)については,比較的記述量を 多くするよう心掛けた.学生諸君がそれぞれの専門で,それらの数学的知 識を必要とする場面を考慮してのことである.したがって数学的内容につ いては,必要な段階で本文中に記述するとともに,再度巻末に付録として まとめて記述した.さらに,傍注を活用して多くのコメントや図を入れ, できるだけ理解しやすいように配慮した.また,本文中の内容を確認した り議論を深めるために例題や課題を配置し,学生諸君のさらなる理解のた めに章末問題を配置した. 工学系の学生にとって,力学,波動などの基礎物理学は専門分野の基礎 となる重要な学問である.学生諸君が,本教科書を通じて振動・波動の知 識を修得し,これまで科学者が明らかにしてきた科学的自然観の一端に触 れるとともに,科学的なものの見方や合理的な考え方を身に付けることが できればと期待する.

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iv このような考えで執筆した本書であるが,十分に意を尽くせていない点 もあると思うので実際に教科書として使ってみて,随時改善していきたい と考えている.併せて,本書に触れていただいた諸先生方や学生諸君から のご批判,ご指摘やご質問なども改善の一助となるので,よろしくお願い する次第である. 最後に,同僚である一刀祐一氏には,貴重なご意見を頂いた.また,本 書の出版を後押ししてくださった共立出版株式会社の南條光章社長と藤本 公一氏,ならびに編集作業で大変お世話になった佐藤雅昭氏,中川暢子氏 に心から感謝するものである. 2012 年 10 月  著者一同 

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