• 検索結果がありません。

Ⅰ 健康意識に関する調査

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "Ⅰ 健康意識に関する調査"

Copied!
32
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)
(2)

個人特性と体型意識の関連

石坂 恵美

1 問題

厚生労働省によれば、平成 23 年の国民健康・栄養調査において、20∼29 歳の女性にお けるやせの者(Body Mass Index:BMI 値が 18.5 未満)の割合は 21.9%である。この割合 は、前年よりも7 ポイントほど下回っている。一方、肥満者(BMI 値が 25 以上)の割合は 10.2%となっており、前年よりも 3 ポイントほど上回っている。平成 8 年の国民栄養調査 では、20∼29 歳の女性におけるやせの者(BMI 値が 19.8 未満)の割合は 44.1%、肥満者 の割合は(BMI 値が 26.4 以上)の割合は 4.7%である。両調査から現在は以前に比べ、や せの者の割合が圧倒的に減少し、肥満者の割合が増加していることがわかる。本報告書で は、このような社会的背景を踏まえ、若者の体型認識について調査をする。 痩せに関する先行研究を見ると、馬場・菅原(2000)では、痩身願望の強さを測定する「痩 身願望」と「公的自意識」の間に弱い正の相関が示されている。さらに、青年期男子を対 象とした浦上・小島・沢宮・坂野(2009)による調査では、痩身願望とそれを生み出す心 理的要因について研究されている。馬場・菅原(2000)の結果同様、「痩身願望」と「公的 自意識」の間には正の相関がある一方で、「痩身願望」と「異性意識」の間には有意な相関 は見られない。池田(2006)の青年期女性を対象とした痩せ志向に関連する調査では、自 己の理想とする体型と痩せ志向の「異性意識」との関連に有意差が見られている。現在の 体型より「すごく痩せたい」「痩せたい」と思っている人は、「異性意識」を強く感じるこ とが示されている。 女子大学生のダイエット行動について、中原・林(2005)の調査では「痩身神話」とい う言葉が使われている。「この言葉には確定的な定義は存在しないが、痩せることが無条件 に良いことであるとする考え方である」という見解を示している。この見解を背景にした 痩身願望について田崎(2007)の調査では、「現在の体型に関係なく痩身願望を所持してい る」ということを述べている。 体型意識の性差を研究した志渡・森田・竹内・佐藤・山田(2004)の調査では、「男子学 生は自らの体重を適正に評価するが、女子学生は自らの体重を太めに評価する」という結 果が示されている。一方、その後の作田・齋藤(2012)による体型認知の調査では、「自分 の体型の認知の正確さには女性と男性で差はないにもかかわらず、女性の理想体型が男性 に比べて著しく細い」という結果が示されている。 中原・林(2005)の調査は、痩せていることが無条件に良いということを背景に調査を 行っているが、厚生労働省の平成23 年の国民健康・栄養調査と平成 8 年の同調査の結果を 比べると、肥満者の割合は圧倒的に増加している。体型意識に関し、志渡ら(2004)は、 自身の体型認知の男女差を指摘しているが、その後の作田(2012)らは、自身の体型認知 には男女差はないとしている。このように、痩せに対する意識や体型意識は、変化してい

(3)

ることがわかる。そこで本研究では、体型意識と個人の特性の関連について、以下の 2 つ の仮説のもとに調査・検討する。 仮説1「自身の理想像が標準以下の細めである人は他者への関心が強い」 仮説2「自身の理想像と周囲の期待像が一致しない人は異性の存在を気にする」

2 調査方法

2.1 調査手続 1)調査手続き 本調査では以下の手続きで質問紙調査を実施した。 調査実施期間 2013 年 9 月 25 日∼10 月 8 日 調査対象者 成城大学の学生。ただし、大学院生は対象外とした。 2)調査方法 層化の基準を「学部」と「性別」として全学生数に対する各層の構成比を求めた。それ に比例した調査数を各層に割り当て、合計 357 名を対象に留置調査法(自記式)による回 答を依頼した。有効回答数は196 であり、回収率は 54.9%であった。(調査票配布数と層別 回収数については資料1 を参照。) 2.2 分析項目 本研究に用いられた調査項目は次の通りである。 1)他者意識尺度;外的他者意識 「他者への注意の向けやすさや注意を向ける方向」を測定する辻(1993)の他者意識尺 度を用いた。「人の外見に気を取られやすい」、「他者の服装や化粧が気になる」、「表面的な 他者の印象に心を奪われやすい」、「人の体型やスタイルに関心がある」という「外的他者 意識」の 4 項目について「全くそうだ」、「そうだ」、「どちらでもない」、「ちがう」、「全く ちがう」の5 件法で回答を求め、「全くそうだ」を 5 点、「全くちがう」を 1 点として得点 化した。 2)自意識尺度;公的自意識 「自分の外見や他者に対する行動など、外から見える自己の側面に注意を向ける程度の 個人差」を測定する菅原(1984)の自意識尺度を用いた。「自分が他人にどう思われている のか気になる」、「世間体など気にならない(逆転項目)」、「人に会う時、どんなふうにふる まえば良いのか気になる」など「公的自意識」の11 項目について「非常にあてはまる」、「あ てはまる」、「ややあてはまる」、「どちらともいえない」、「ややあてはまらない」、「あては

(4)

まらない」、「全くあてはまらない」の 7 件法で回答を求め、「非常にあてはまる」を 7 点、 「全くあてはまらない」を1 点として得点化した。 3)日常生活演技行動尺度;好印象演技 「行動ごとの演技頻度」を測定する定廣ら(2011)の日常生活演技行動尺度を用いた。「優 れた、できる人に見えるようにふるまう」、「自分が良く見えるようにふるまう」、「やさし い、いい人に見えるようにふるまう」など「好印象演技」の7 項目について「よく(演技) する」から「全く(演技)しない」の6 件法で回答を求め、「よく(演技)する」を 6 点、 「全く(演技)しない」を1 点として得点化した。 4)日常生活演技動機尺度;関係獲得 「動機ごとの演技頻度」を測定する定廣ら(2011)の日常生活演技動機尺度を用いた。「相 手に好かれたいから」、「相手と仲良くなりたいから」、「自分を良く見せたいから」など「関 係獲得」の5 項目について「よく(演技)する」から「全く(演技)しない」の 6 件法で 回答を求め、「よく(演技)する」を6 点、「全く(演技)しない」を 1 点として得点化し た。 5)痩身願望尺度 「自己の体重を減少させ、体型をスリム化しようする欲求、および食事制限、薬物、エ ステなど様々なダイエット行動を動機付ける心理的要因」を測定する馬場他(2000)の痩 身願望尺度を用いた。「体重にとらわれている」、「もっと痩せていたらと悔やむことが多い」、 「少しでも早く痩せたい」、「自分が痩せられることを考えるとわくわくする」、「体重を量 ったときに減っていると嬉しい」、「今、痩せることに一番興味がある」という 6 項目につ いて「非常にそう思う」から「まったくそう思わない」の5 件法で回答を求め、「非常にそ う思う」を5 点、「まったくそう思わない」を 1 点として得点化した。 6)異性意識尺度 「異性に対する関心および異性から見た自己への関心の側面からの異性意識」を測定す る浦上他(2009)の異性意識尺度を用いた。「異性に対して強い関心がある」、「異性の存在 はとても気になる」、「異性がそばにいるとドキドキする」、「いつも異性に見られているよ うな気がする」の4 項目について「あてはまる」から「あてはまらない」の 4 件法で回答 を求め、「あてはまる」を5 点、「あてはまらない」を 1 点として得点化した。 7)体型シルエット画像 作田他(2012)が作成した「5 段階(非常に痩せた、痩せた、標準、太った、非常に太 った)に等間隔になるように調整されたシルエット画像」を用いた。このうち、非常に痩

(5)

せた、痩せた、標準、太った画像を順不同に提示し、「あなた自身の理想体型」、「周囲の人々 の理想体型」について、あてはまる画像への回答を求めた。 8)ぽっちゃりという言葉に対する認識 「ぽっちゃり」という言葉から連想されるイメージや言葉について、自由記述回答を求 めた。その後、それらのイメージや言葉について、「非常に肯定的」、「肯定的」、「中立的」、 「否定的」、「非常に否定的」の 5 件法で回答を求め、「非常に肯定的」を 5 点、「非常に否 定的」を1 点として得点化した。 9)個人属性 回答者個人の基本的属性として、「性別」、「学部」、「学年」を質問項目とした。

3 結果

3.1 個人特性尺度の作成 1)他者意識尺度;外的他者意識 辻(1993)の他者意識尺度の中から、外的他者意識を構成する 4 項目の合計得点を求め て他者意識得点とした。信頼性係数は.802 であった。 2)自意識尺度;公的自意識 菅原(1984)の自意識尺度の中から、公的自意識を構成する 11 項目の合計得点を求めて 公的自意識得点とした。信頼性係数は.901 であった。 3)日常生活演技行動尺度;好印象演技 定廣ら(2011)の日常生活演技行動尺度(以下、好印象演技)の中から、好印象演技を 構成する7 項目の合計得点を求めて好印象演技得点とした。信頼性係数は.862 であった。 4)日常生活演技動機尺度;関係獲得 定廣ら(2011)の日常生活演技動機尺度(以下、関係獲得)の中から、関係獲得を構成 する5 項目の合計得点を求めて関係獲得得点とした。信頼性係数は.878 であった。 5)痩身願望尺度 馬場ら(2000)の痩身願望尺度の中から、抜粋した 6 項目の合計得点を求めて痩身願望 得点とした。信頼性係数は.945 であった。 6)異性意識尺度 浦上ら(2009)の異性意識尺度の 4 項目の合計得点を求めて異性意識得点とした。信頼

(6)

性係数は.817 であった。 7)各個人特性尺度間の関連 個人特性の各因子の合計得点の値がとり得る最大値、最小値、中間値を表1 に示した。 他者意識尺度、自意識尺度、日常生活演技尺度、痩身願望尺度、異性意識尺度の関連を 調べるために相関分析を行い、その結果を表2 に示した。

表 1 各個人特性尺度の値のレンジ

項目数 評定 カテゴリー数 最小値 中間値 最大値 他者意識 4 5 4 12 20 公的自意識 11 7 11 44 77 好印象演技 7 6 7 24.5 42 関係獲得 5 6 5 17.5 30 痩身願望 6 5 6 18 30 異性意識 4 4 4 10 16

表 2 他者意識、公的自意識、日常生活演技、痩身願望、異性意識間の相関係数

他者意識 .602 * .376 ** .548 ** .337 ** .354 ** 公的自意識 .572 ** .717 ** .360 ** .310 ** 好印象演技 .669 ** .244 ** .303 ** 関係獲得 .340 ** .310 ** 痩身願望 -.092 **p<.01,*p<.05 異性意識 公的自意識 好印象演技 関係獲得 痩身願望 「他者意識」では、「公的自意識」(r=.602)、「好印象演技」(r=.376)、「関係獲得」(r=.548)、 「痩身願望」(r=.337)、「異性意識」(r=.354)との間に正の相関が見られた。「公的自意識」 では、「好印象演技」(r=.572)、「関係獲得」(r=.717)、「痩身願望」(r=.360)、「異性意識」 (r=.310)との間に正の相関が見られた。「好印象演技」では、「関係獲得」(r=.669)、「痩 身願望」(r=.244)、「異性意識」(r=.303)との間に正の相関が見られた。「関係獲得」では、 「痩身願望」(r=.340)、「異性意識」(r=.310)との間に正の相関が見られた。 3.2 自分の理想の体型別各個人特性尺度得点の比較 自分の理想体型による各個人特性得点の違いを調べるため、以下の変数を作成した。 男性自身の理想像(以下、男理想像)標準未満・標準以上群 男理想像について、非常に痩せた、痩せたという回答を標準未満群(N=35)とした。 標準、太ったという回答を標準以上群(N=41)とした。無回答は分析から除外した。

(7)

女性自身の理想像(以下、女理想像)標準未満・標準以上群 女理想像について、非常に痩せた、痩せたという回答を標準未満群(N=68)とした。 標準、太ったという回答を標準以上群(N=47)とした。無回答は分析から除外した。 1)女理想像群(標準未満群、標準以上群)による個人特性尺度平均得点の比較 2 つの女理想像群による個人特性尺度平均得点の違いについて t 検定を行い、結果と各群 の平均値を表 3 に示した。他者意識において、標準未満群と標準以上群で有意な差が見ら れた。

表 3 個人特性尺度得点の平均値

標準未満群 標準以上群 t値 標準未満群 標準以上群 t値 他者意識 13.86 14.93 -1.442 15.09 13.83 2.066 * 公的自意識 53.15 54.59 -0.501 57.72 55.82 0.960 好印象演技 23.38 23.33 0.040 24.09 23.13 0.872 関係獲得 19.74 19.73 0.014 21.33 20.62 0.758 痩身願望 12.13 12.33 -0.117 21.73 19.56 1.677 異性意識 10.91 11.00 -0.138 8.33 8.32 0.021 *p<.05 男性 女性 3.3 自分の理想と周囲の理想の体型差別各個人特性尺度得点の比較 自分の理想と周囲の理想の体型差による各個人特性得点の違いを調べるため、以下の変 数を作成した。 男理想像と周囲の人が望ましいとする男性像の差:男体型差 男理想像と周囲の人が望ましいとする男性像の回答をもとに、男性回答者自身の理想 体型と周囲の人が望ましいとする男性の体型についての回答者の認識は同じか否かによ り3 分類する変数を作成した。自身の理想体型である男理想像と周囲の人が望ましいと する男性像の認識(以下、男期待像)が同じ体型の場合を自分=他者(N=38)、男期待 像よりも痩せ体型を自身の理想像とする場合を自分<他者(N=6)、男期待像よりも太め の体型を自身の理想像とする場合を自分>他者(N=17)とした。 女理想像と周囲の人が望ましいとする女性像の差:女体型差 女理想像と周囲の人が望ましいとする女性像の回答をもとに、女性回答者自身の理想 体型と周囲の人が望ましいとする女性の体型についての回答者の認識は同じか否かによ り 3 分類する変数を作成した。自身の理想体型である女理想像と周囲の人が望ましいと する女性像の認識(以下、女期待像)が同じ体型の場合を自分=他者(N=47)、女期待 像よりも痩せ体型を自身の理想像とする場合を自分<他者(N=17)、女期待像よりも太

(8)

めの体型を自身の理想像とする場合を自分>他者(N=28)とした。 1) 男体型差(自分<他者、自分=他者、自分>他者)による個人特性尺度得点の比較 3 つの男体型差による個人特性尺度平均得点の違いについて一元配置分散分析を行い、結 果と各群の平均値を表4 に示した。他者意識において主効果は有意であったが、Scheffe 法 による下位検定では、グループ間の有意差は認められなかった。

表 4 個人特性尺度得点の平均値

男性 自分<他者 自分=他者 自分>他者 F値 有意確率 他者意識 13.17 13.84 15.94 3.518 .036 公的自意識 52.67 52.16 55.24 .405 .699 好印象演技 23.83 22.37 22.53 .152 .859 関係獲得 20.67 18.62 21.38 1.496 .233 痩身願望 6.80 11.53 13.20 1.619 .207 異性意識 9.50 10.55 11.94 2.236 .116 2) 女体型差(自分<他者、自分=他者、自分>他者)による個人特性尺度得点の比較 3 つの女体型差による個人特性尺度平均得点の違いについて一元配置分散分析を行い、結 果と各群の平均値を表5 に示した。主効果が認められたため、Scheffe 法による下位検定を 行ったところ、異性意識において、自分<他者、自分=他者の間で有意な差が見られた。

表 5 個人特性尺度得点の平均値

女性 自分<他者 自分=他者 自分>他者 F値 有意確率 他者意識 16.19 14.64 13.89 2.624 .078 公的自意識 61.00 56.23 56.81 1.303 .277 好印象演技 25.87 23.15 23.58 1.261 .289 関係獲得 22.71 21.13 20.68 .927 .399 痩身願望 21.63 20.96 21.11 .066 .936 異性意識 9.38 b 7.77 a 8.11 ab 3.471 .035 異なるアルファベット間では、対象間で有意差があることを示す。

4 考察

4.1 仮説 1 自身の理想像が標準以下の細めである人は他者への関心が強い t検定の結果、女性の他者意識得点は、女理想像の標準以上群よりも標準未満群で平均 値が高いことが示されている。これは女性自身の理想像が痩せ型であるほど、他者の外面 に現れた特徴への注意や関心が強いことを意味する。従って、自身の理想を痩せ型とする 女性は、他者の化粧や服装、体型、スタイルなどの外面的な特徴へ関心を持ちやすいとい

(9)

うことがわかる。この結果から仮説1 の一部が支持される。 「外見」は他者の視覚に訴えて自己を意識的に表現し、他者の認識や評価をえようとす るものとなっている、という船津(2005)の主張から、「外見」の重要性がよくわかる。さ らに、長谷(2005)は、誰かに憧れたり模倣したりすることが、私たちを権威的な「他者」 に縛りつけてしまうだけでなく、「自己」とは違う何者かに変身しようとする潜在的可能性 に向けて「自己」を開いてくれることは間違いないと主張している。 船津(2005)、長谷(2005)の主張を本研究の結果に当てはめてみると、2 つのことがわ かる。まず、外見を良くするために痩せたいと考える女性は、他者の外見に興味を示すと いうことである。また、他者の外面的な特徴に憧れ、それを模倣することで、自身の体型 をスリムにしたいという変身願望が生み出されることが示唆される。 4.2 仮説 2 自身の理想像と周囲の期待像が一致しない人は異性の存在を気にする 一元配置分散分析の結果、女性の異性意識得点は、自身の理想像と周囲の期待像が一致 している人よりも、周囲の期待像が自身の理想像よりも太い人の方が高いことが示されて いる。ここから、周囲が期待する女性像よりも女性自身の理想像が痩せている場合、異性 に対する関心や異性から見た自身への関心が高いことがわかる。従って、周囲が期待する 女性像よりも女性自身の理想像を細めに設定する女性は、異性の存在を気にするというこ とがわかる。この結果から仮説2 の一部が支持される。 池田(2006)の調査では、現在の体型よりも痩せ型を理想とする女性は、異性意識を強 く感じるという結果が出ている。本研究においても、周囲の期待像よりも自分自身は痩せ ていたい女性は異性の存在を気にすることが示唆される。 4.3 本研究の問題点及び今後の課題 本研究は、体型意識と個人の特性の関連を検討することを目的としていた。「自身の理想 像が標準以下の細めである人は他者への関心が強い」、「自身の理想像と周囲の期待像が一 致しない人は異性の存在を気にする」という 2 つの仮説を立てたが、どちらの仮説も一部 のみを支持する結果となった。男性について支持できなかった原因として、まず男性の有 効回答数の少なさが考えられる。有効回答数の性別の内訳は、女性:83・男性:65 となっ ており、より正確な調査結果を得るためには、男性の有効回答数を増やす必要があるだろ う。続いて、調査票の男性のシルエット画像が適切かどうかという問題が挙げられる。浦 上他(2009)は、男性の「筋肉があり、かつ細身の身体」をよしとする認識について指摘 している。ここから、男性が選ぶ体型シルエット画像において、筋肉の有無も考慮する必 要があるということがわかる。こうした点から、男性・女性共に同じ調査票で調査を行う ことの難しさがわかり、必要に応じて調査票を性別で分けることが求められるだろう。 196 の有効回答数のうち、48 の回答が学部・性別不明という結果であった。特に、性別 が選択されていない調査票が多く見られた。調査票の最後に再度性別を選択する項目を設

(10)

ける必要があるだろう。また、体型シルエット画像を選択する項目も一部不明な調査票が 見られた。具体的には、男性回答者が男性のシルエット画像から選択するところを、女性 のシルエット画像を選択しているということが挙げられる。このような回答者の混乱を防 ぐため、調査票をわかりやすくシンプルにすることが求められるだろう。

引用文献

馬場安希・菅原健介 2000 女子青年における痩身願望についての研究 教育心理学研究, 48,267-274. 船津衛 2005 第 1 章 認識する私 井上俊・船津衛編 自己と他者の社会学 有斐閣, 4-20. 長谷正人 2005 第 10 章 ヴァーチャルな他者とのかかわり−模倣という快楽と自己承 認 井上俊・船津衛編 自己と他者の社会学 有斐閣,174-190. 池田かよ子 2006 青年期女性のやせ志向と情緒的サポート、体型および初潮との関係 新潟青陵大学紀要,6,55‐67. 厚生労働省:平成8 年国民栄養調査報告 調査結果の概要 http://www1.mhlw.go.jp/toukei/eiyou/t0502-1.html(2013 年 12 月 15 日) 厚生労働省:平成23 年国民健康・栄養調査報告 調査結果の概要 http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/eiyou/dl/h23-houkoku-03.pdf (2013 年 12 月 15 日) 中原純・林知世 2005 女子大学生はなぜダイエットするのか?(1):計画的行動理論 (TPB:Theory of Planned Behavior)を用いた、ダイエット行動のメカニズムの解明 生老病死の行動科学,10,71-85. 定廣英典・望月聡 2011 演技パターンに影響を与える諸要因の検討――日常生活演技尺 度の作成および賞賛獲得欲求・拒否回避欲求との関連 パーソナリティ研究,20, 84-97. 作田由衣子・齋藤美穂 2012 大学生の体型認知と痩身願望における性差の規定因の検 討:知覚と印象認知の視点から 対人心理学研究,12,121-128. 志渡晃一・森田勲・竹内夕紀子・佐藤陽香・山田耕平 2004 本学学生における体型意識 の性差に関する研究 北海道医療大学福祉学部紀要,11,79-85. 菅原健介 1984 自意識尺度(self-consciousness scale)日本語版作成の試み 心理学研 究,55,184-188. 田崎慎治 2007 女子大学生における痩せ願望と自己評価および自己受容の関連 広島大 学大学院教育研究科紀要,56,39-47. 辻平治郎 1993 自己意識と他者意識 北大路書房 浦上涼子・小島弥生・沢宮容子・坂野雄二 2009 男子青年における痩身願望についての 研究 教育心理学研究,57,263-273.

(11)

他者との関わりによる男女の体型認識についての研究

赤池 萌夏

1 はじめに

結婚相談所オーネットは、2013 年 6 月に独身男性 666 名を対象に「独身男性が好む女性 のスタイル」に関する調査を実施している。この調査によると、男性の60%は恋人や結婚 相手に「やや痩せ型」や「標準」の体型を望むと回答している。その一方で、女性有名人 の人気ランキングでは、上位10 名中 7 名はふくよかな女性を好む傾向があると結論付けて いる。近年雑誌などで「ぽっちゃり」ブームの特集が組まれ、「ぽっちゃり」体型の女性 が好まれていることから「ぽっちゃり」体型に対する評価は以前よりも高くなっている。 馬場ら(2000)によると、痩身願望は、身体的肥満から至るルートと、自己顕示欲求か ら発するルート、自己不完全感から発するルートの3 ルートを通じて高められると指摘し ている。このような痩身願望の、男女差に関する研究で金本ら(1990)は、身体に対する 今後の願望について、男子では過半数が現状維持と回答し、女子の7 割は現在より痩せた いと回答していることから、女子の痩せることへの願望は顕著であると述べている。さら に金本ら(1990)によると、調査対象者の体格は、客観的評価からみれば、男子 4 割、女 子3 割が「痩せ型」、「やや痩せ型」に分類されるが、自己評価では、男子 3 割強、女子 1 割強の者が「痩せている」、「痩せている方である」に評価している。このことから客観 的評価と自己評価に差があることが示されている。中原ら(2005)によると、女性は BMI 値が標準よりも低いにもかかわらず、理想とするBMI 値はさらに低いという「やせ志向」 を持つ傾向があり、適正な体格を考慮できていないということがあげられている。 これらの研究結果から、痩身願望には男女差があり、自身の体型認識は痩身度を低く回 答する傾向があることがわかる。すなわち、客観的にみると痩せていても、痩せていると 回答する割合が低く、その傾向は女性の方が多い。そこで、本研究では男女を調査対象と して、男女の体型認識について他者との関わりの特徴から分析・検討する。

2 方法

本報告では、以下の項目を分析対象とした。 1)他者意識尺度 対人的関心の個人差を測定し、他者意識特性と呼ばれる他者への注意の向けやすさを測 る項目である。辻(1993)をもとに、他者意識尺度の中から、他者の服装、体型等の外面 情報への意識や関心を測る外的他者意識の4項目を採用し、この4項目を加算して合計得 点を求め、「他者意識得点」として分析を行った。 2)公的自意識尺度

(12)

自分の外見や他者に対する行動など、外から見える自己の側面に注意を向ける程度の個 人差を示すものである。菅原(1984)をもとに、第一因子の公的自意識の 11 項目を採用し た。この11 項目を加算して合計得点を求め、「公的自意識得点」として分析を行った。 3)好印象演技 日常生活においてどのような演技をどの程度の頻度で行っているかという個人の演技パ ターンを測定する演技行動尺度である。定廣ら(2011)をもとに、6項目を採用し、この 6項目を加算して合計得点を求め、「好印象演技得点」として分析を行った。 4)関係獲得 定廣ら(2011)をもとに、演技動機尺度から5項目を採用し、この5項目を加算して合 計得点を求め、「関係獲得得点」として分析を行った。 5)痩身願望尺度 ダイエット方法や食行動の特徴、あるいは痩せたい理由など具体的な内容には言及せず、 あくまで痩せたいという意識の強さのみを測定する項目である。馬場ら(2000)をもとに、 痩身願望尺度の11 項目のうち、6項目を採用した。この6項目を加算して合計得点を求め、 「痩身願望得点」として分析を行った。 6)異性意識尺度 異性に対する関心および異性から見た自己への関心という2つの側面から異性意識を測 定する項目である。浦上ら(2009)をもとに、4項目すべてを採用した。この4項目を加 算して合計得点を求め、「異性意識得点」として分析を行った。 7)周囲の人が望ましいとする男性像(以下、男期待像) 男性の体型について、一般的には、どの程度の体型が望ましいとされているかを測定す る項目である。作田ら(2012)による、非常に痩せた、痩せた、標準、太った、非常に太 ったの5 段階に等間隔になるよう調整された男性のシルエット画像を用いた。この中から、 非常に痩せた、痩せた、標準、太った画像を順不同に提示し、周囲の人々の理想の男性体 型としてあてはまる画像への回答を求めた。 8)周囲の人が望ましいとする女性像(以下、女期待像) 女性の体型について、一般的には、どの程度の体型が望ましいとされているかを測定す る項目である。作田ら(2012)による、非常に痩せた、痩せた、標準、太った、非常に太 ったの5 段階に等間隔になるよう調整された女性のシルエット画像を用いた。この中から、 非常に痩せた、痩せた、標準、太った画像を順不同に提示し、周囲の人々の理想の女性体

(13)

型としてあてはまる画像への回答を求めた。 9)個人属性 回答者個人の基本属性として「性別」を質問項目とした。

3 結果

3.1 性別による各個人特性尺度得点の比較 性別による他者意識、公的自意識、好印象演技、関係獲得、痩身願望、異性意識の違い についてt検定を行い、各平均値を表1 に示した。公的自意識(t=-2.942,p<.01)、関係 獲得(t=-2.475,p<.05)、痩身願望(t=-9.237,p<.01)、異性意識(t=6.073,p<.01) について男女間で有意差が認められた。

1 性別ごとの個人特性尺度得点

男性 女性 他者意識 13.944 14.685 公的自意識 52.114 57.311 好印象演技 22.386 23.708 関係獲得 19.229 21.304 痩身願望 11.424 21.157 異性意識 10.652 8.152 3.2 男期待像、女期待像の程度による個人特性尺度得点の比較 男期待像、女期待像の回答比率を男女別に図1、図 2 に示した。

1 男期待像の男女別回答比率

(14)

2 女期待像の男女別回答比率

男期待像、女期待像による各個人特性得点の違いを調べるため、以下の変数を作成した。 男期待像標準未満群・標準以上群 男期待像について、非常に痩せた、痩せたという回答を標準未満群(N=104)、標準、太 ったという回答を標準以上群(N=86)とした。無回答は分析から除外した。 女期待像標準未満群・標準以上群 女期待像について、非常に痩せた、痩せたという回答を標準未満群(N=126)、標準、太 ったという回答を標準以上群(N=65)とした。無回答は分析から除外した。 1)男期待像標準未満群・標準以上群による個人特性尺度平均値の比較

2 男期待像の程度別各特性尺度得点の男女平均値

男性 女性 標準未満群 標準以上群 t値 標準未満群 標準以上群 t値 他者意識 14.432 13.419 1.193 15.140 14.220 1.357 公的自意識 53.000 51.387 0.531 58.146 56.415 0.801 好印象演技 22.324 21.903 0.267 24.521 22.925 1.297 関係獲得 19.889 18.613 0.918 21.480 21.049 0.411 痩身願望 13.257 9.267 2.422 * 21.792 20.500 0.965 異性意識 11.270 9.933 1.837 8.040 8.293 -0.551 *p<.05 男期待像標準未満群と標準以上群による個人特性尺度の平均値の違いについてt検定を 行い、結果を表2 に示した。男期待像標準未満群と標準以上群による男性の痩身願望の平

(15)

均値には有意な差が見られた(t=2.422,p<.05)。 2)女期待像標準未満群・標準以上群による個人特性尺度平均値の比較 女期待像標準未満群と標準以上群による個人特性尺度の平均値の違いについてt検定を 行い、結果を表 3 に示した。女期待像標準未満群と標準以上群による女性の痩身願望の平 均値には有意な差が見られた(t=-1.997,p<.05)。

3 女期待像の程度別各特性尺度得点の男女平均値

男性 女性 標準未満群 標準以上群 t値 標準未満群 標準以上群 t値 他者意識 13.974 14.321 -0.422 14.545 15.040 -0.644 公的自意識 52.289 53.571 -0.446 56.500 59.040 -1.066 好印象演技 21.846 23.107 -0.825 23.758 23.692 0.048 関係獲得 19.421 19.643 -0.163 21.062 21.846 -0.680 痩身願望 12.132 10.577 0.885 21.688 19.625 1.384 異性意識 10.500 11.143 -0.919 7.879 8.880 -1.997 * *p<.05

4 考察

4.1 各特性尺度得点の男女差 まず、公的自意識の得点は、男性より女性のほうが高いことがわかった。このことから、 女性のほうが自分の外見を気にしたり、他人からどう見られているかを気にしていること が分かる。つまり、女性は男性より、他人の目を気にする人が多いと考えられる。 つぎに、関係獲得の得点は、女性のほうが高いことがわかった。この結果から、男性よ り女性のほうが、集団から離れたくないという気持ちや、相手から良く思われていたいと いう気持ちによって、演技をする傾向が高いといえる。また、他人や自分の所属している 集団を気にして演技をする人は、女性のほうが多いと考えられる。 さらに、痩身願望の得点も女性のほうが高いという結果が見られた。浦上ら(2009)に よると、青年期の男女ともに痩身願望は持つものの、男性には、他者との関係という視点 から痩身願望をもつ可能性があるとしている。この結果から、女性のほうが、痩せること に対する意識が高いとわかる。つまり、男性においては、痩せることへの意識は高くない が、女性は痩せることに対しての意識が高いと考えられる。 一方で、異性意識については、女性よりも男性のほうが高いことがわかった。伊藤(1998) は男女の異性意識について次のように述べている。「女子は男子に比べ、身体や性格に対す るコンプレックスが強く、それゆえ異性からみた自己像を低く評価しがちである。他方、 男子は女子に比べ異性に対する関心が非常に強く、異性の存在が日常生活において大きな ウエイトを占めている。このように女子は“異性からみた自己”に対する評価が男子に比 べ低く、男子は異性への関心そのものを突出させている。」この結果から、女性が男性を気

(16)

にすることよりも、男性が女性の存在を気にする傾向が高いといえる。したがって、女性 は他人や自分の属する集団の中での自己を気にしているが、男性は、女性に対して自己を 気にしていると考えられる。また、鈴木(2006)によると、女性は、男性が魅力的と感じ るのは平均的な体型の女性であると認識しながら、自身の理想とするのは、同性である女 性が魅力的と思っているであろう体型を基準としていることを主張している。つまり、他 者の視線は同性・異性に関わらず理想像に影響を与えているが、あくまでも女性の理想の 基準は、同性の視線が重要な要因となっていることを示唆している。女性は、望ましい体 型の基準を理解しつつ、異性から魅力的と思われるよりも、同性同士での魅力的な存在に なるため、より痩せることを望むことがわかる。この、同性からの支持を得たいと思う背 景には、公的自意識が女性のほうが男性よりも高かったことが関係しているとも考えるこ とができる。 4.2 期待像による各特性尺度得点の違い 性別ごとに、男期待像と女期待像をもとに作成した男期待像標準未満群・標準以上群、 女期待像標準未満群・標準以上群について、各個人特性の平均点を比較した。男性では、 男期待像標準未満群のほうが、男期待像標準以上群よりも痩身願望が高いことがわかった。 このことから、標準未満の体型を一般的に望ましい体型だと考えている人ほど、痩身願望 が高いといえる。痩身願望が高く、痩せたいと思っている人は、一般的に望ましいとされ る体型も痩せているものを選んでいる。田崎(2004)によると、男性では自尊感情と痩身 願望との間に負の相関関係がみられ、男性において自尊感情が低いほど、痩身願望が強く なるとしている。世間一般では痩せている方が望ましいと思い、自分に自信を持っていな いため一般的に望ましいとされる標準未満の体型になりたいと思い、痩身願望が生まれた のではないかと考える。女性では、女期待像標準未満群のほうが、女期待像標準以上群よ りも異性意識が低いことがわかった。このことから、一般的に望ましい体型は標準未満の 体型だと考える人ほど、異性意識が低いといえる。伊藤(1998)は、異性の存在そのもの が異性意識に直接影響を及ぼし、異性への関心やコンプレックスを強めていると述べてい る。これは、異性意識が低いということからコンプレックスを感じるということも少ない ということであり、ゆえに痩せている方が望ましいわけではなく、痩せていることにこだ わらない女期待像標準未満群のほうが、異性意識が低くなったと考えられる。

引用文献

馬場安希・菅原健介 2000 女性青年における痩身願望についての研究 教育心理学研究, 48,267-274. 美容のための頭髪と肌のベストケアブログ http://www.salonwork-chemical.com/body/(2013 年 1 月 8 日).

(17)

金本めぐみ・鷲尾澪子 1990 大学生の身体意識に関する研究 上智大学体育,23,63-77. 伊藤裕子 1998 高校生のジェンダーをめぐる意識 教育心理学研究,46,247-254. 中原純・林知世 2005 女性大学生はなぜダイエットをするのか?(1):計画的行動理論

(TPB:Theory of Planned Behavior)を用いた、ダイエット行動のメカ二ズム の解明 生老病死の行動科学,10,71-85. オーネット結婚相談所 調査レポート http://onet.rakuten.co.jp/company/activity/report/#letter(2014 年 1 月 24 日). 定廣英典・望月聡 2011 演技パターンに影響を与える諸要因の検討―日常生活演技尺度 の作成および賞賛獲得欲求・拒否回避欲求との関連 パーソナリティ研究,20, 84-97. 作田由衣子・斉藤美穂 2012 大学生の体型認知と痩身願望における性差の規定因の検 討:知覚と印象認知の視点から 対人社会心理学研究,12,121-128. 菅原健介 1984 自意識尺度(self-consciousness scale)日本語版作成の試み 心理学研 究,55,184-188. 鈴木公啓 2006 新しいシルエット図を用いた若年女性の body image の検討 日本心理学 会大会発表論文集,70,250. 田崎慎冶・今田純雄 2004 大学生男女における自尊感情と痩身願望の関係 広島修大論 集人文編,45,17-37. 辻平冶郎 1993 自己意識と他者意識 北大路書房. 浦上涼子・小島弥生・沢宮容子・坂野雄二 2009 男子青年における痩身願望について研 究 教育心理学研究,57,263-273.

(18)

大学生の「ぽっちゃり」に対する認識とその背景

金山 聖実

1 問題

2013 年 12 月、ORICON STYLE が発表した「第 10 回好きな女性アナウンサーランキン グ」で日本テレビの水ト(みうら)麻美アナウンサー(26)が 1 位に輝いた。この結果に ついて、芸能評論家の三杉は次のように語っている。「かつて女子アナといえば、才色兼備 の高値の花でした。とはいえ、芸能人でさえカリスマ性よりも親しみやすさが評価される 時代。女子アナも親近感が人気の重要な要素の一つになっているのかもしれません(週刊 朝日 2014 年 1 月 3 日)」。 近年、「体型の太さ」に対するメディアの目に変化が表れてきている。細い体型のイメー ジの大きい女子アナウンサーの中で、「ぽっちゃり」体型が最大の魅力である水トアナウン サーが人気ランキングで 1 位を獲得したことは、視聴者側の「ぽっちゃり」への抵抗やマ イナスイメージがなくなっていることを表している。 さらに、「ぽっちゃり」に関する新しい語も近年多く登場している。その代表格が、「ぷ に子」、「マシュマロ女子」である。福光(2013)によると、「ぷに子」は「ぷにっと肌が弾 ける、最上級のぽっちゃり女子」を指し、ファッション誌『CanCam』が名付け親とされ ている。また、日経MJ(2014)によると「マシュマロ女子」は 2013 年秋に発売されたぽ っちゃり女性向けファッション誌が登場させた言葉であり、もともと紙面では「マシュマ ロみたいな雰囲気のコーディネートの女性」を表していたが、ネット社会において「ぽっ ちゃり型の女性」という認識が広まったそうだ。これらの言葉はどれも体型の太さを肯定 的に表現したものであり、多くは女性の間で用いられている。 また、婦人衣料の市場では変化が見られている。大手通販のニッセンは、身長が低かっ たり体型がぽっちゃりしていたりする女性向けの衣料の取り扱いを拡大した(日本経済新 聞 2013 年 6 月 4 日)。婦人服メーカーのフランドル(東京・港)は大きいサイズの服を そろえたショップ「プラシス」の売り上げが前年を上回る。カジュアル衣料のしまむらは、 LL から 4L サイズの婦人服の 9∼10 月の売上高が前年同期比 5%増えた(日本経済新聞 2013 年 11 月 6 日)。これらの記事は、婦人服が従来のサイズだけにとどまらず、大きいサ イズなどのバリエーションを増やしていることを示している。 文部科学省『平成25 年度学校保健統計調査』によると、性別・年齢別・身長別標準体重 を求め、肥満度が20%以上の者を表す「肥満傾向児」の出現率は、平成 18 年度以降減少傾 向にあったが、平成23 年度以降はほぼ横ばいに推移している。「ぽっちゃり」に関連する 言葉の認識と合わせて婦人衣料の市場が拡大しているものの、女性の体型に特段の変化は 現れていないことがわかる。 「ぽっちゃり女子」のための雑誌を2013 年 3 月より創刊した編集長である今は、「後ろ

(19)

向きな人をデブ、自分を輝かせる努力をしている人をぽっちゃり」と考えている(NEWS ポ ストセブン)。ここで今が「ぽっちゃり」について示したのは数値や具体的見た目の記述で はなく、精神的な部分であり、体型の太さが肯定的に捉えられていることを示した。 関西大学の谷本は「最近の若者は他人と合わせるのではなく、自分の個性を大事にする」 と指摘する。ぽっちゃりも個性ととらえる女性が増えており、「テレビなどでぽっちゃり体 形のタレントが活躍していることも意識の変化を後押しする(日本経済新聞 2013 年 11 月 6 日)」。その背景には、体型に関わらず自分らしさを表現したおしゃれを楽しみたいと する「ぽっちゃり」女性の意識がうかがえる。 これらのことから、メディアが体型を個性として発信することにより、人々の太め体型 への認識が肯定的に変化してきていると考える。本調査では、「ぽっちゃり」がどのように 意識・評価されているのかについて、分析・検討を行う。

2 方法

本報告では以下の項目を分析対象とした。 1)公的自意識 菅原(1984)が開発した自意識尺度のうち、「自分の外見や他者に関する行動など、外か ら見える自己の側面に注意を向ける程度の個人差」を示すものとして、公的自意識(7段 階評定)の11 項目を採用した。この 11 項目を加算して合計得点を求め、「公的自意識得点」 として分析を行った。 2)他者意識 辻(1993)が開発した他者意識尺度のうち、「他者の化粧や服装、体型、スタイルなど の外面に現れた特徴への注意や関心」を示す外的他者意識(5段階評定)の 4 項目を採用 した。この4 項目を加算して合計得点を求め、「他者意識得点」として分析を行った。 3)好印象演技 定廣・望月(2011)らが開発した演技行動尺度のうち、「優れた、できる人に見えるよ うふるまう」「自分がよく見えるようにふるまう」といった演技からなり、相手に好印象を 与えるように演技をする好印象演技(6 段階評定)の 6 項目を採用した。この 6 項目を加算 して合計得点を求め、「好印象演技得点」として分析を行った。 4)関係獲得 定廣・望月(2011)らが開発した演技動機尺度のうち、「相手に好かれたいから」「相手 と仲良くなりたいから」といった動機から成り立ち、相手に気に入られ新たな関係を作ろ うとする関係獲得(6 段階評定)の 5 項目を採用した。この 5 項目を加算して合計得点を求

(20)

め、「関係獲得得点」として分析を行った。 5)痩身願望尺度 痩身願望尺度は、従来の食行動や摂食障害の尺度を参考に、体重や痩せることへのこだ わりの表現を収集、整理改変し、痩身願望尺度として馬場・菅原(2000)らが開発したも のである。11 項目の痩身願望尺度(5 段階評定)のうち 6 項目を採用し、これら 6 項目を 加算して合計得点を求め、「痩身願望得点」として分析を行った。 6)異性意識尺度 浦上・小島・沢宮・坂野(2009)らによる異性意識尺度(4段階評定)のうち 4 項目を 採用した。異性に対する関心および異性から見た自己への関心という 2 つの側面から異性 意識を測定することが可能である。これら4 項目を加算して合計得点を求め、「異性意識得 点」として分析を行った。 7)「ぽっちゃり」という言葉のイメージ 「ぽっちゃり」という言葉から最初に浮かぶ言葉やイメージについて、設けた空欄内に 自由記述で回答を求めた。 8)「ぽっちゃり」という語の連想語の評定 7)で記述した語に対して「非常に肯定的」、「肯定的」、「中立的」、「否定的」、「非常に否 定的」のどれにあたるか回答を求め、「非常に肯定的」を5 点、「非常に否定的」を 1 点と して得点化して分析を行った。 9)個人属性 個人属性として、「性別」、「学部」、「学年」を質問項目とした。

3 結果・考察

3.1 「ぽっちゃり」から連想するイメージの分類 データ総数 196 件(男性 71 件、女性 93 件、性別不明 32 件) ぽっちゃり連想語の記入があるもの 184 件(男性 68 件、女性 88 件、性別不明 28 件) 分析対象とした記述 156 件(男性 68 件、女性 88 件) 記述内容について以下の手順で分類を行い、記述の有無をカウントした。 「ぽっちゃり」という言葉から最初に浮かぶ言葉やイメージを空欄に記入してもらい、 それらを男女別、カテゴリーごとに分類した。はじめに、「様子・状態」を表す語、有名人 やモノなど「具体的な例え」を用いたもの、「その他」の3 グループに分類し、次に各グル

(21)

ープ別に下位分類を行った。「様子・状態」は、「見た目に関する直接表現」、「見た目に関 する婉曲表現」、「女性的なイメージ」、「擬態語」、「その他」の5 グループ、「具体的な例え」 は、「有名人」、「その他有名人」、「物や人物以外」、「体の部位」の 4 グループに分類した。 分類した言葉と頻度、その比率を男女毎に算出し表 1 に示した。分類データ総数は、174 件(男性70 件、女性 104 件)であった。 3.2 男性の「ぽっちゃり」に対する否定的視線 男性は全カテゴリーの中で「見た目に関する直接表現」が全体の 27.1%と最も大きな割 合を占めていた。オブラートに包まず、「ぽっちゃり」から想定される見た目を直接的に表 現する男性の傾向からは、「ぽっちゃり」に対する男性の厳しい視線が見受けられた。 「女性的なイメージ」カテゴリーに関しては、男女ともに「ぽっちゃり」を「女性の」 体型問題として捉えていることがわかった。男性は「ぽっちゃり」を自身の問題として捉 えていないため、「ぽっちゃり」に対して辛辣な意見になりやすく、女性は「ぽっちゃり」 を身近な問題として捉えているため、直接的な否定表現は避けようとしていることが考え られる。また、「見た目に関する婉曲表現」カテゴリーで、男性が男性全体の10.0%である のに対し、女性が女性全体の19.2%であるといった違いからも、同様のことが読み取れる。 大石・北方(2013)の男らしさに関する調査によると、男性は女性よりも、弱さを露呈 しないようにする傾向、競争力、個性に関する特性を男らしさと結び付けて考えている。 さらに、男性よりも女性のほうが、人間性や身体的特徴、社会的な成功の要因と関連する 事柄を男らしさと結び付けて考えていた。 「男らしさ」から連想されるのは男女ともに競争力や社会的な成功などの「社会的な優 位性」である。これらは連想されると同時に、それらが男性に社会的に求められていると も考えられる。以上のことからも、男性は社会的に優位に立とうとする欲求から、見た目 に関しても厳しい視点を持っていると推察される。 3.3 メディアによる影響 「女性的なイメージ」カテゴリー内では、「かわいい」という言葉が男女ともに最も多く 挙げられ、特に女性では女性全体の16.3%を占めていた。「ぽっちゃり」と「かわいい」を 結びつける背景には、メディアの影響があると考えられる。 「具体的な例え」グループの「有名人」カテゴリー内でも挙げられていた通り、「柳原可 奈子」、「渡辺直美」ら芸能人によって、「ぽっちゃり」を抽象的なイメージとしてではなく 具体的な体型として人々が認識しやすい環境がある。「柳原可奈子」も「渡辺直美」も芸人 であり「ぽっちゃり」な見た目を笑いとしているが、テレビ出演時のファッションは現在 の流行を取り入れたものである。また、化粧にも気を配った細やかなおしゃれが見られる ため、「かわいらしい」とされている。

(22)

1 「ぽっちゃり」という言葉から連想するイメージの分類

カテゴリー 語群 男性の具体的な記述例 男性 数 男性比 (%) 女性の具体的な記述例 女性 数 女性比 (%) 計数 デブである ほとんどデブと変わらない、女子で 言うところのデブ、デブかわいい、 メタボリックシンドローム、デブとい われる一歩手前 12 17.1%ぽっちゃりデブ、オブラートに包んだデブ 3 2.9% 15 太っている 太っている、太め 6 8.6% ぽっちゃり=太ってる、「太ってい る」をオブラートに包んだ感じ、 「太っている」の優しい言い方、太っ ている人をフォローする言葉 12 11.5% 18 デブ ではない デブではなく、愛らしさがある 1 1.4% 「デブ」と「標準体型」の間というイ メージ、「デブ」と言われるよりは良 い 2 1.9% 3 「ちょっと」 「少し」 太っている 若干太っている、ちょいデブ 5 7.1% 体型がちょっと太っているイメー ジ、おなか周りに肉がすこしついて いる、「ちょっと太っている」をオブ ラートに包んだかんじ、少し見た目 的に太っている 12 11.5% 17 オブラート 0 0.0% 「太っている」をオブラートに包んだ 感じ、オブラートに包んだデブ、肥 満を良いイメージで表した言葉 3 2.9% 3 ぽっちゃり デブではなくぽっちゃり、「よく見た らちょっと健康的である」くらいが ぽっちゃり 2 2.9% ぽちゃぽちゃ、ぽっちゃり=太って る、ぽっちゃりさん、ぽっちゃり系女 子、ぽっちゃりデブ 5 4.8% 7 かわいい かわいい、デブかわいい、痩せればかわいい 8 11.4%愛嬌があってかわいい、かわいらしい、女性ならかわいい 17 16.3% 25 やわらかい やわらかい 2 2.9% やわらかい 2 1.9% 4 優しそう やさしさ 2 2.9% 優しそう 1 1.0% 3 小さい 0 0.0% 小さい 2 1.9% 2 スタイル の良さ 全体的に太めの体型だがスタイル が良い、女子の考える「ぽっちゃり」 はデブだが 男子の考える「ぽっ ちゃり」はグラマーである 2 2.9% グラマラス 1 1.0% 3 女性 0 0.0% 女子、女性、女性らしさ 3 2.9% 3 ふんわり ふくよか ふんわり、ふっくらしてる、少しふく よか、ゆとり、ふくよか 6 8.6% ふわふわ、ふくよか、ほんわかした 感じ、おっとりしている、ぷに子 7 6.7% 13 むちむち だらしない、むっちり 2 2.9% たぷたぷ、むちむち 2 1.9% 4 その他 いじられキャラ、肉つきが良いが動 ける人、不健康、丸い、健康、限 度、骨太、自己否定、食欲旺盛、 体格がいい、体型 12 17.1%愛嬌がある、よく食べる、白、ぷに子、苦手、自己管理が苦手 6 5.8% 18 柳原可奈子 4 5.7% 3 2.9% 7 渡辺直美 0 0.0% 3 2.9% 3 その他 有名人 森三中 黒沢 1 1.4% 磯山さやか、篠崎愛、森三中、芸 人 4 3.8% 5 物や人物 以外 お菓子、プーさん 2 2.9% おだんご、おもち、パンダ、ブタ、ご はん、たぬき、力士、食べ物、ナル トのキャラ 10 9.6% 12 体の部位 ほっぺた 1 1.4% 二重あご、二の腕、チーク、色白 4 3.8% 5 Bravo!Oh,Bravo! 1 1.4% 0 0.0% 1 ちょうじ 1 1.4% 0 0.0% 1 0 0.0% やせる 1 1.0% 1 0 0.0% 自分 1 1.0% 1 計数 70 100.0% 104 100.0% 174 ※回答のなかには、1つの空欄に複数の言葉を記述しているものもあった。この際には、それぞれカウントした。ま た、1つの語に複数の要素がある場合も、それぞれカウントした。(例:「デブかわいい」は「デブ」と「かわいい」の語群 にそれぞれ分類されるため、カウント数は2となる。) 女性的な イメージ その他 具体的 な 例え 様子・ 状態 見た目に 関する 婉曲表現 擬態語 見た目に 関する 直接表現 有名人

(23)

2013 年 3 月、「ぽっちゃり女子のための本格ファッション誌」として『la farfa(ラ・フ ァーファ)』がぶんか社から創刊された。ファッション誌上初の試みとして注目され、創刊 号の表紙には「渡辺直美」が起用された。テレビに普段から露出している渡辺がモデルと して起用されたことから、ファッション市場において「ぽっちゃり」でもおしゃれを楽し みかわいさを表現できるという印象を広げつつあることがわかる。 3.4 連想語評定と個人特性尺度との関連

2 全体と男女の各評定の度数

人数 比率 人数 比率 人数 比率 人数 比率 人数 比率 人数 比率 男性 12 17.4% 11 15.9% 20 29.0% 21 30.4% 5 7.2% 69 100% 女性 5 5.6% 33 37.1% 29 32.6% 20 22.5% 2 2.2% 89 100% 全体 17 10.8% 44 27.8% 49 31.0% 41 25.9% 7 4.4% 158 100% 非常に否定的 計 非常に肯定的 肯定的 中立的 否定的

3 「ぽっちゃり」という言葉のイメージ、公的自意識、他者意識、

好印象演技、関係獲得、痩身願望、異性意識の男女・全体別

相関係数

男性 -0.196 -0.052 -0.084 -0.034 -0.032 -0.070 女性 -0.230 * -0.097 -0.090 -0.177 -0.173 -0.034 全体 -0.184 * -0.100 -0.081 -0.070 -0.080 -0.045 **p<.01,*p<.05 痩身願望 異性意識 公的自意識 他者意識 好印象演技 関係獲得 「ぽっちゃり」という言葉のイメージと、公的自意識、他者意識、好印象演技、関係獲 得、痩身願望、異性意識との関連をそれぞれ男女・全体別にして相関係数を求めた。その 結果、「ぽっちゃり」という言葉のイメージと、女性の公的自意識(r=-0.230,p<.05)、全体 の公的自意識(r=-0.184,p<.05)の間にそれぞれ統計的に有意な負の相関が見られた。 以上のことより、全体および女性では「ぽっちゃり」という言葉を否定的に捉える人ほ ど、公的自意識が強いことがわかる。 「ぽっちゃり」という言葉から連想した記述を否定的に捉えているということは、「ぽっ ちゃり」という言葉自体にも少なからず否定的な見方をしていると言える。よって、「ぽっ ちゃり」が示すスタイルや外見に厳しい目を持っていると推測する。 公的自意識とは、「自分の外見や他者に関する行動など、外から見える自己の側面に注意 を向ける程度の個人差」である。「ぽっちゃり」への視線が厳しい人ほど、自己の側面に対 しても注意を向けやすいということから、「ぽっちゃり」な他者へ厳しい人ほど、自己の体 型認識についても厳しいということがわかる。

(24)

4 まとめ

「ぽっちゃり」から最初に浮かぶ言葉やイメージとして様々な記述が挙げられた(表1) 結果、男女ともに「ぽっちゃり」を女性の体型問題として捉えていることがわかった。こ れは、「ぽっちゃり」の類義語である「ぷに子」、「マシュマロ女子」などの言葉が主に女性 を指すことが影響していると考える。加えて、それらの言葉が女性ファッション誌 『CanCam』で名付けられたことや、「ぽっちゃり」専門の女性ファション誌が登場したこ とも、「ぽっちゃり=女性」の図式を広く普及するきっかけとなった。 また、「ぽっちゃり」を「かわいい」結びつけて考える記述が男女ともに示された。表 1 の「具体的な例え」内の「有名人」カテゴリーでは、「柳原可奈子」、「渡辺直美」の2 人の 女性芸人が挙げられた。「ぽっちゃり」した彼女らがおしゃれな衣装に身を包み、テレビ番 組で「かわいい」と評されることも、「ぽっちゃり」と「かわいい」の結びつきが強くなっ たことを表す。 男女間において「ぽっちゃり」に対する否定的・肯定的視線は異なるものの、どちらも 「女性の」問題であり、「かわいい」とされることは共通している。以上のことから、「ぽ っちゃり」に対する大学生の認識には、メディアが影響を及ぼしていることがわかる。

引用文献

馬場安希・菅原健介 2000 女子青年における痩身願望についての研究 教育心理学研究, 48, 267-274. 福光恵 2013 年 9 月 7 日 ぷに子――弾ける肌、モテるぽちゃ女子(コトバ百貨店) 日 経プラスワン p3. 文部科学省:平成 25 年度学校保健統計調査(速報値)の公表について(報道発表資料) http://www.mext.go.jp/component/b_menu/other/__icsFiles/afieldfile/2013/12/13 /1342243_1.pdf (2013 年 1 月 24 日). NEWS ポストセブン ポチャ雑誌編集長「後ろ向きはデブ、努力の人はぽっちゃり」 http://www.news-postseven.com/archives/20130903_208171.html (2013 年 12 月 24 日). 日本経済新聞 2013 年 6 月 4 日 朝刊 ニッセン、女性衣料のサイズ多展開 p35. 日本経済新聞 2013 年 11 月 6 日 朝刊 流行押さえ自分らしく、ぽっちゃり服、オシャ レに幅、店も品ぞろえ増やす。 p35. 日経MJ(流行新聞) 2014 年 1 月 8 日 マシュマロ女子(キーワード) p2. 大石さおり・北方晴子 2013 現代日本社会における男らしさ測定尺度の作成 文化学園 大学紀要. 服装学・造形学研究, 44, 63-73. 定廣英典・望月聡 2011 演技パターンに影響を与える諸要因の検討――日常生活演技尺 度の作成および賞賛獲得欲求・拒否回避欲求との関連 パーソナリティ研究, 第 20 巻, 第 2 号, 84-97.

(25)

菅原健介 1984 自意識尺度(self-consciousness scale) 日本語版作成の試み 心理学 研究, 55, 184-188. 週刊朝日 2014 年 1 月 3 日 好きな女子アナ 1 位の水ト麻美、ぽっちゃり自虐ネタが人気 年末年始人物ワイド特集 p145. 辻平治郎 1993 自己意識と他者意識 北大路書房. 浦上涼子・小島弥生・沢宮容子・坂野雄二 2009 男子青年における痩身願望についての 研究 教育心理学研究, 57, 263-273.

(26)

資料

1

健康意識に関する調査

各層別調査票配布数と有効回答数

性別 学生数 調査票配布数 有効回答数 男 1090 64 15 経済学部 女 565 37 9 男 499 32 16 文芸学部 女 1305 90 44 男 699 49 17 法学部 女 400 25 14 男 498 36 17 社会イノベー ション学部 女 655 24 16 学部・性別不明 48 合計 5711 357 196 学部不明19 票,性別不明 32 票(学生数は 2013 年 5 月現在)

(27)

資料

2 各設問への回答比率

「健康意識に関する調査」

調査ご協力のお願い

私達は、量的社会調査実習の授業の一環として、大学生の体型認 識と普段の生活に関する調査を行なっています。回答していただい た結果は、全体的な傾向を調べるための統計分析のみに使用し、個 人のデータをそのほかの目的に流用することはいっさいありませ ん。ぜひともご協力をお願いいたします。 お答えいただきました回答用紙は、

10月8日

(火)

までに、

1 号館一階教務課の調査票回収ボックスまでお持ちください。

どうぞよろしくお願いいたします。 文芸学部マスコミュニケーション学科3 年 赤池 萌夏 文芸学部マスコミュニケーション学科3 年 石坂 恵美 文芸学部マスコミュニケーション学科3 年 金山 聖実 量的社会調査実習担当 鈴木 靖子 [email protected] Q1.人は他の人についていろいろなことを意識したり考えたりするものですが、あなた の場合はいかがですか。次のような他者への意識はどの程度あなた自身に当てはまるでし ょうか。普段のあなたに最も近いと思うところに○印をつけて答えて下さい。 a:全くそうだ b:そうだ c:どちらともいえない d:ちがう e:全くちがう アルファベットの下の数値は回答比率(%) a b c d e 無回答 1)人の外見に気を取られやすい。 17.9 52.6 19.9 5.6 4.1 0.0 2)他者の服装や化粧などが気になる。 17.9 40.3 21.4 14.3 6.1 0.0

(28)

Q2.以下には自己に対する意識に関する事柄がいくつか述べられています。それぞれの 項目は、あなた自身にどの程度あてはまるでしょうか。「非常にあてはまる」から「全くあ てはまらない」のうち最も近いものひとつに○印をつけてください。 a:非常にあてはまる b:あてはまる c:ややあてはまる d:どちらともいえない e:ややあてはまらない f:あてはまらない g:全くあてはまらない アルファベットの下の数値は回答比率(%) a b c d e f g 無回答 1)自分が他人にどう思われているのか気になる。 32.1 31.2 23.5 5.6 2.0 2.6 3.1 0.0 2)世間体など気にならない。 3.1 8.2 15.3 10.7 25.0 21.9 14.3 1.5 3)人に会う時、どんなふうにふるまえば良いのか気になる。 16.8 34.2 21.9 13.3 6.1 3.6 3.1 1.0 4)自分の発言を他人がどう受け取ったか気になる。 25.0 28.6 26.5 10.2 4.1 1.5 3.1 1.0 5)人にみられていると、ついかっこうをつけてしまう。 5.6 11.7 29.6 25.5 14.3 7.1 6.1 0.0 6)自分の容姿を気にするほうだ。 13.8 28.6 35.2 10.2 5.1 4.1 3.1 0.0 7)自分についてのうわさに関心がある。 12.8 24.5 31.1 15.8 9.2 3.6 2.6 0.5 8)人前で何かをするとき、自分のしぐさや姿が気になる。 13.8 25.0 25.0 16.8 9.7 5.6 4.1 0.0 9)他人からの評価を考えながら行動する。 9.7 21.4 29.1 20.4 9.2 4.6 5.6 0.0 10)初対面の人に、自分の印象を悪くしないように気づかう。 25.0 35.2 24.5 7.7 2.6 2.0 2.6 0.5 11)人の目に映る自分の姿に心を配る。 20.4 19.9 30.1 17.9 4.6 4.1 2.6 0.5 Q3.私たちは日常生活において、場合によって演技をしている、またはしていたと思わ れる場合があるのではないでしょうか。以下の質問ではこのような「日常生活での演技」 について質問いたします。あまり深く考えずに感じたままにお答えください。 あなたは以下のような演技をどのくらい行いますか。自分に最も当てはまると思う数字 に、○印をつけてください。 よく(演技)する 全く(演技)しない 数字の下は回答比率(%) 6 5 4 3 2 1 無回答 1)やさしい、いい人に見えるようふるまう。 17.3 19.9 32.7 15.3 10.2 4.6 0.0 6 5 4 3 2 1

(29)

4)明るく、気さくな人に見えるようにふるまう。 18.4 23.0 32.1 15.3 6.6 3.1 1.5 5)かわいく、またはかっこよく見えるようにふるまう。 8.2 11.7 29.1 28.1 15.3 7.7 0.0 6)優れた、できる人に見えるようにふるまう。 6.6 11.7 26.0 30.1 15.3 8.2 2.0 Q4.あなたは以下のような動機によって演技することがどのくらいありますか。自分に 最も当てはまると思う数字に、○印をつけてください。 よく(演技)する 全く(演技)しない 数字の下は回答比率(%) 6 5 4 3 2 1 無回答 1)集団の一員でいたいから。 6.1 24.5 27.6 20.9 10.7 10.2 0.0 2)自分を良く見せたいから。 10.7 28.6 28.6 18.9 7.7 5.6 0.0 3)自分が悪く見られたくないから。 17.9 28.1 29.1 12.2 5.6 6.1 1.0 4)相手に好かれたいから。 14.3 27.6 35.7 14.8 3.1 4.6 0.0 5)相手と仲良くなりたいから。 19.4 27.6 35.2 9.7 3.6 4.1 0.5 Q5.以下に体型意識に関するいくつかの事柄が述べられています。「5 非常にそう思う」 から「1 まったくそう思わない」のうち、あなた自身に最も近い数字を一つ選び、○印 をつけてください。 非常にそう思う まったくそう思わない 数字の下は回答比率(%) 5 4 3 2 1 無回答 1)体重にとらわれている。 14.8 30.6 22.4 12.8 19.4 0.0 2)もっと痩せていたらと悔やむことが多い。 19.9 24.5 13.8 8.2 33.7 0.0 3)少しでも早く痩せたい。 24.0 23.0 11.2 9.7 32.1 0.0 4)自分が痩せられることを考えるとわくわくする。 19.9 19.9 12.8 13.8 33.7 0.0 5)体重を量ったときに減っていると嬉しい。 31.1 25.5 8.7 3.6 29.6 1.5 6)今、痩せることに一番興味がある。 8.7 12.2 18.4 15.3 41.3 4.1 Q6.以下に異性に対する意識についての事柄が述べられています。「4 あてはまる」か ら「1 あてはまらない」のうち、あなた自身に最も近い数字を一つ選び、○印をつけて ください。 あてはまる あてはまらない 数字の下は回答比率(%) 4 3 2 1 無回答 1 4 3 2 5 1 4 3 2 6 5 4 3 2 1

(30)

3)異性がそばにいるとドキドキする。 10.2 23.5 43.9 21.5 1.0 4)いつも異性に見られているような気がする。 2.6 8.2 37.2 50.5 1.5 Q7.以下に女性四人と男性四人のシルエット画像があります。あなた自身の理想の体型 として最も近いものはどれでしょうか。女性の方はA,B,C,D の中から男性の方は E,F,G,H の中から一つを選んで回答欄にアルファベットで記入してください。 あなたの性別は 男性 36.2% 女性 47.4% 無回答 16.3% あなたの理想の体型は( ) 無回答 2.6% A 33.2% B 1.5% C 0.0% D 24.0%

(31)

体型として最も近いと思うものを次のI,J,K,L から一つ選び、回答欄にアルファベットで記 入してください。※この問は男性の方もお答えください。 周囲の人が理想とする女性の体型は( ) 無回答 2.6% I 3.6% J 33.2% K 0.0% L 60.7% Q9.以下に男性四人のシルエット像があります。周囲の人々(男女問わず)の理想の体 型として最も近いと思うものを次のM,N,O,P から一つ選び、回答欄にアルファベットで記 入してください。※この問は女性の方もお答えください。 周囲の人が理想とする男性の体型は( ) 無回答 3.1% M 43.4% N 50.0% O 0.5% P 3.1%

(32)

(1)「ぽっちゃり」ということばから最初に浮かぶ言葉やイメージは何ですか。 下の欄に記入してください。 (2)あなたが連想したことばは、「非常に肯定的」、「肯定的」、「中立的」、「否定的」、 「非常に否定的」な意味のうち、どれにあたるでしょうか。 下の欄のもっとも当てはまると思う場所の□に 印でチェックしてください。 非常に肯定的 肯定的 中立的 否定的 非常に否定的 無回答

9.2%

25.0%

27.6%

25.5%

6.6%

6.1%

Q11.あなたの所属と学年を教えてください。 学部 年

これで質問は終わりです。すべての質問に回答していただいたでしょうか。

今一度ご確認ください。ご協力ありがとうございました。

図 2   女期待像の男女別回答比率   男期待像、女期待像による各個人特性得点の違いを調べるため、以下の変数を作成した。  男期待像標準未満群・標準以上群    男期待像について、非常に痩せた、痩せたという回答を標準未満群(N=104)、標準、太 ったという回答を標準以上群(N=86)とした。無回答は分析から除外した。  女期待像標準未満群・標準以上群    女期待像について、非常に痩せた、痩せたという回答を標準未満群(N=126)、標準、太 ったという回答を標準以上群(N=65)とした。無回答は分析から

参照

関連したドキュメント

担い手に農地を集積するための土地利用調整に関する話し合いや農家の意

事前調査を行う者の要件の新設 ■

小学校学習指導要領総則第1の3において、「学校における体育・健康に関する指導は、児

(平成 29 年度)と推計され ているが、農林水産省の調査 報告 15 によると、フードバン ク 76 団体の食品取扱量の合 計は 2,850 トン(平成

(平成 28 年度)と推計され ているが、農林水産省の調査 報告 14 によると、フードバン ク 45 団体の食品取扱量の合 計は 4339.5 トン (平成

[r]

②障害児の障害の程度に応じて厚生労働大臣が定める区分 における区分1以上に該当するお子さんで、『行動援護調 査項目』 資料4)

(平成 28 年度)と推計され ているが、農林水産省の調査 報告 14 によると、フードバン ク 45 団体の食品取扱量の合 計は 4339.5 トン (平成