82 (8) 氏名(生年月日) 本 籍
学位の種類
学位授与の番号 学位授与の日付 学位授与の要件学位論文題目
論文の審査委員 オ グチ シゲ キ小口茂樹(昭和26
医学博士 編戸934号昭和63年4月22日
学位規則第5条第2項該当(博士の学位論文提出者)第2中手骨X線写真を用いた骨評価方法の研究
(主査)教授 田川 宏 (副査)教授 重田 副子,教授 香川 順論 文 内 容 の 要 旨
目的 老人性骨二二症をはじめ,代謝性骨疾患の骨を,臨 床の場で客観的に評価することの意義は大きい.本研 究は,汎用性を重視する立場から,X線写真をコン ピュータ画像処理して,骨を量:と質の2面から評価す る新しい方法の考案である. 方法 標準としてのアルミニウム階段とともに,X線撮影 した第2中手骨の骨幹部で,長軸と垂直にスキャンし て得た写真濃度パターンを,積分して骨塩山を求めた. さらに,そのパターンに補正処理を加えて,楕円状骨 モデルにあてはめ,第2中手骨の断面像を疑似的に得 て,断面2次モーメントの算出式から骨塩の力学的分 布効率の指標を得た,これを複数回行い,骨幹部の骨 塩分布を画像化した.約950例に対し,本法にて解析を 行った. 結果 男女別の各年齢層における正常範囲を決定し,骨の 評価基準が設定できた。骨塩の分布効率は骨疾患によ り異なり,骨塩の量的減少である老人性骨粗葺草が最 も良好で,骨代謝そのものの破綻した雄性骨症では低 かった.X線の撮影段階から含めた本法の再現性は, 変動率5%以下で,スクリーニングのみならず,治療 効果の判定にも応用できることが確認された. 考察 本法の特徴は,1)X線写真を計算センターで処理 できるため,X線撮影装置さえあれぽ,いかなる医療 施設でも利用できること.2)骨塩の分布効率の面か ら,骨を量的のみならず質的にも評価できること.3) 数値だけでなく,画像診断も可能であることの3点で ある.特に第2,3点は,本研究がはじめての試みで ある. 骨の評価法に関する最近の研究の動向は,骨塩量を 正確に測定することに向けられている.しかし,骨塩 量は正常範囲が広い.また,いかに正確に測定しても, 骨折など予後の推定は正確に行えない.従って,測定 精度の追及よりは,簡易かつ安価な骨評価法で,骨折 の危険が大きな患者を広い層から抽出し,治療するこ との方が,一般臨床はもとより社会経済的に見ても有 意義であると考える. 最小材料で最大強度をだすことは,二二築上の大原 則である.本研究は,骨代謝の障害,骨塩分布の力学 的効率の低下として数量的にとらえられ,骨の質的評 価に応用でぎることを示唆した. 結論 広く応用可能で,骨を量的かつ質的に評価する方法 を考案した.骨塩量を正確に測定するという従来の研 究方向に対し,骨塩の分布効率という質的な面からの 評価も重要であることを指摘した. 一972一83