Title
Basic studies on the alkaline phosphatase isoenzymes extracted
from various organs( 内容の要旨 )
Author(s)
和田, 博
Report No.(Doctoral
Degree)
博士(農学) 甲第097号
Issue Date
1997-03-14
Type
博士論文
Version
URL
http://hdl.handle.net/20.500.12099/2438
※この資料の著作権は、各資料の著者・学協会・出版社等に帰属します。氏 名(国籍) 学 位 の 種 類 学 位 記 番 号 学位授与年月 日 学位授与の 要件 研究科及 び専攻 研究指導を受けた大学 学 位 論 文 題 目 審 査 委 貞 和 田 博 (岐阜県) 博士(農学) 農博甲第97号 平成9年3月14日 学位規則第4条第1項該当 連合農学研究科 生物資源科学専攻 岐阜大学
Basic studies on the alkaline phosphatase isoenzymes extracted from various organs
主査 岐 阜 大 学 教 授 柘 植 治 人 副査 静 岡 大 学 教 授 竹 内 久 直 副査 信 州 大学 教 授 黒 沢 辰 一 副査 岐 阜 大 学 助教授 早 川 亨 志 論 文 の 内 容 の 要 旨 アルカリホスファターゼ[1LP.orthophosphoric血OnOeSter phosphohydrolase(alka-1ineoptiDum)EC3.1.3.1]は生体内で重要な役割を果たしているといわれており、実験 動物における基礎的研究は重要である。しかし、研究の基礎となるラットの血清中のALP アイソザイムの測定に関しては、各種条件によりそのアイソザイムの数が異なるといわれ、 一定の結果が得られていない。このことがALP研究の進展を遅らせている原因と考え、 ①血清ALPの測定法の確立を目的として、一定条件下においてポリアクリルアミドゲル電 気泳動(PAG即による血清ALPアイソザイムの分画と組織由来を検討し、血清ALPアイソ ザイムの測定法を確立した。② ①において確立した方法が有益であることを立証するた め、いまだに十分解明されていない低栄養条件下におけるALPのアイソザイムパターンの 活性変動を検討した。 実験動物としては6過齢のSD系堆ラットを用い、1週間予備飼育の後、眼高静脈叢よ り採血し、血清を電気泳動に供した。組織からのALPは肝臓、腎臓、小腸および骨より Saini&I)oneの方法により抽出し、電気泳動に供し、その分子量を測定した。また、血清 ALPアイソザイムの分子量と比較し、組織由来を判定した。さらに、血清ALPアイソザイ ムの各バンドのアミノ酸による阻害度を検討した。電気泳動は、Ready GelsJ(5-10%)を
のアイソザイムの活性はⅠ血age Analyzer Vlにより定量した。ALP活性はBessey-LoYry 法で、また、分子量はSDS-PIGE ProteinStandardsⅡighRangeを用いて測定した。 その結果、1)血清から、PAGEにより3本のILP活性バンド(Sl,S2,S,)が検出 された。それぞれの分子量は、188,157,137kDaであった。各組織中のALPアイソザイ ムについても、それぞれの分子量を求め、血清の3本のバンドの分子量と比較したところ、 Slの分子量は回腸由来のバンド(Il)の分子量に一致した。しかし、S2,S,の分 子量に一致する組織ALPアイソザイムは見出し得なかった。また、レフェニールアラニン (L-Phe)はSlを、L-ホモアルギニン(L-Ⅱlrg)はS2,S,を阻害した。これらのことか ら、血清ALPのS】は小腹由来であることが判明した。しかし、S2,S,についてはさ らに検討する必要があった。なお、血清ALPアイソザイムの分子量が組織ALPアイソザイ ムの分子量と必ずしも一致しなかったが、一般に血液中に分泌されるタンパク質は、糖鎖 で修飾されるのが通例であるから、そのためではないかと考察している。 次に、2)骨由来で血液中に出現するALPアイソザイムを特定する目的で、小麦胚芽レク チン(IGA)を用いて、血清ALPとの結合実験をおこなった。すなわち、粗製のIGAを自家 精製し、これをラット血清に添加した後、37℃、30分間培養し、遠心分軌こて■上宿"、 `沈殿"に分け、`†GA添加前の血清'と共に電気泳動に供したところ、上清からは2本 のバンド(Sl,S2)が認められたが、沈殿には活性のバンドは認められなかった。こ れは、ALP活性を有するタンパク質が、IGAと複合休を形成し、巨大分子化し、ゲル内に 入らなかったためと推察した。そこで、回収した沈殿をN-aCetyl-D-glucosaJIine(GIc-NAc)-epOXy-aCtivated Sepharose6Bカラムにかけ、GIcNIcを溶出剤としてアフィニティ ークロマトグラフィーを行った。そうして得た両分を、PAGEで調べるとS,の位置に活性 バンドが検出され、この結果から、S,は骨由来と断定された。 さらに、3)SD系堆ラットの絶食期間中の血清ALPアイソザイムの変動を検討した。絶食 前、絶食後16,24・40時間に採血し、各時点での血清ALP活性、L-PbeあるいはL一弘rg添 加時の活性の減少量を測定し、絶食により血清ALPの総括性が減少すること、及び、PA GE上ではSlの減少が顕著で、S2及びS3活性には変化が認められなかった。 以上の実験から、新しい骨由来ALPの同定法を提案すると共に、ラット血清中に観察さ れる3本のALPアイソザイムのうち、Slは小腸由来、S,は骨由来、S2はその他の組 織由来であろうと結論した。また、絶食により低下する血清ALPはS,であり、S2, S3 は変動しないと結論した。 (文 献) 1)Yada,臥,NiYa,N.,hyakaYa,T.and Tsuge,臥(1996)J.Nutr.Sci. Vitaninol.42,435-447. 2)Yada,1・,NiYa,N.,‡ayakaYa,T.andTsuge,且.(1997)Exp.Ami血. 46,89-92.
審 査 結 果 の 要 旨 本論文は、動物の殆どの組織・器官で認められるアルカリホスファクーゼ[EC3. 1.3.1‥ ALP]の、動物におけるアイソザイムパターンを、主としてポリアクリルアミ ドゲルを用いた電気泳動法で、活性染色および特異的な酵素阻害剤を組み合わせるこ とにより、詳細に検討したt)のである。ALPは、アルカリ性領域に最適pHを有する リン酸エステルの加水分解反応を触媒する酵素であるが、未だに明確な生理作用が解 らない酵素の一群でもある。そして、細胞膜に結合して存在する膜結合酵素のため、 抽出の方法如何で、切り出される酵素の分子量が異なること、血清中に複数のALP活 性を有するタンパク質バンドが現れるが、その起源がどの臓器由来か不明である。一 方、ある種の病気の時、また、種々の薬物摂取時、さらに種々の生理条件の変動に際 してその総活性およびアイソザイムパターンを変えることが知られているが、完全に
解明されていない。そこで、ラットを用いて、ALPアイソザイムの性質を調べ、臨床
診断上のモデルを提供し、あるいは、薬物等の安全性評価の一環として利用するため の方法論を提供することを目的として行われたものである。 すなわち、実験動物としてはSD系ラット堆を用い、一定条件下で、採血、各種臓器 を摘出しSainiとDoneの、`n-ブタノール抽出法一 により1LPを膜から抽出し、一 定条件下でポリアクリルアミドゲル電気泳動を行った後、活性染色に供した。 その結果、1)血清には、通常、3本のバンド(SI,S2,S,と呼ぶ)が現れ、 それぞれの分子革は188,157,137kDaであった。また、肝臓(2本)、腎臓(2本)、 小腸(2本、部位によって分子量は異なる)および骨(1本:分子量は110kDa)か ら抽出されたアイソザイムパターンの分子量と比較して、Slは回腸由来のⅠ.であ る可能性が高いことを指摘した。2)血清中に存在するILPのうち、小麦胚芽レクチン (IGA)と強固に結合し複合体を形成するS,は、骨からn-ブタノール抽出法で得られ総活性が変化する事実に注目し、どのアイソザイムが変動するかを、経時的に絶食さ せたラットから血液を採取しILPの侍異的阻害剤であるフェニールアラニン(L-Phe) およびホモアルギニン(L一月止g)を用いることによりSlの減少であることを証明した。 以上の成果は、日本栄養・食糧学会と日本ビタミン学会の共同編集になる英文誌、 堕旦!_r.Sci.VitaJninol. 化435-447(1996)および日本実験動物学会の刊行する ′ヽ.′l′1′