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風と波によって形成される広域海浜流の3次元モデルに関する研究

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Academic year: 2021

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Title

風と波によって形成される広域海浜流の3次元モデルに関す

る研究( 内容の要旨(Summary) )

Author(s)

加藤, 茂

Report No.(Doctoral

Degree)

博士(工学) 乙第012号

Issue Date

1999-06-16

Type

博士論文

Version

URL

http://hdl.handle.net/20.500.12099/1684

※この資料の著作権は、各資料の著者・学協会・出版社等に帰属します。

(2)

氏名(本籍) 加 藤 茂(岐阜県) 学 位 の 士(工学) 学位記号番号 乙第12 号 学位授与年月 日 平成11年 6 月16 日 専 攻 生産開発システム工学専攻 学位論文題 目 風と波によって形成される広域海浜流の3次元モデルに関する研究

(Three dimensionalmodelfor wind,WaVe-induced

coastalcurrents) 学位論文審査委員 (主査) 教 授 安 田 孝 志 (副査) 教 授 藤 田 裕一郎 教 書受 湯 浅 助教授 小 林 智 尚

論文内容の要旨

本論文は,これまでの海浜流の取り扱いの中で無視されて来た風の影響について,現地

観測データの解析と数値計算によって,その重要性を明らかにするとともに,風と波によ

って沿岸域の広い範囲に形成される海浜流(本論文でば'広域海浜流"定義する)の発生 機構と広域海浜流が広域漂砂に及ばす影響について検討を行ったものである. まず,中部日本海沿岸の2箇所で得られた波浪・流速場の現地観測データを解析し,日 本海特有の冬期の強風・高波浪条件下での海浜流特性について検討を行っている.その結 果,沿岸域の海浜流には波浪流と同程度もしくはそれ以上に吹送流の寄与が大きく,特に 沿岸流の発生には風の影響が重要な要因であることを明らかにしている.また,強い沖向 きの流れを形成する気象・海象条件にはストームの終わりに風向の変化と風速の減衰に伴 って発生するタイプとストーム中に岸向きの強風が続いた場合に発生するタイプがあるこ とを明らかにしている.さらに,沿岸流は主に沿岸域の広い範囲で海岸に平行な風によっ て形成され,沖向きの強い流れは砕波帯内で砕波によって形成される波浪流と,吹送流の 岸沖方向成分とが合わさって形成されていることを示している. つぎに,観測・解析結果を踏まえ,風の影響を考慮して平均流場,波浪場,乱流場の各 モデルを結合した包括的な3次元広域海浜流モデルの構築を行っている. さらに,本論文で構築した3次元海浜流モデルの石川海岸,大潟海岸への適用を試み, 現地観測結果との比較により,海浜流モデルに風の影響を考慮することが必要不可欠であ ることを示している.また,これまでに提案されている外洋での海面摩擦係数と大潟海岸 で推定された砕波帯近傍での海面摩擦係数とを用いた計算結果の比較を行うことにより, 風による海面摩擦係数を空間的に推定することが,広域海浜流の推定には重要であること を示している.

(3)

ー53-最後に,観測結果と計算結果を基に,広域海浜流の観点から広域漂砂に対する考え方に ついてsbields数と砂の移動限界水深を用いた検討を行い,海底地形変化に対してこれまで の波浪による移動限界水深の考え方では不十分であることを示している・さらに,これま での波浪のみに捕らわれた海岸侵食対策の考え方に対して,風の影響も考慮した判断基準 の提案が必要であることを述べている.

論文審査結果の要旨

本論文は,現地観測データの解析と数値シミュレーションによって,これまで実態 が不明であった広域海浜流の発生機構と特性を明らかにするとともに,その生成に及 ぼす海上風の役割の重要性を実証したものである.これによって,得られた成果は以 下のように要約される. (1)沿岸域の海浜流には波浪流と同程度もしくはそれ以上に吹送流の寄与が大きく, 特に沿岸流の発生には風の影響が重要な要因となる.また,強い沖向きの流れ を形成する気象・海象条件にはストームの終わりに風向の変化と風速の減衰に 伴って発生するタイプとストーム中に岸向きの強風が続いた場合に発生するタ イプがある.さらに,沿岸流は主に沿岸域の広い範囲で海岸に平行な風によっ て形成され,沖向きの強い流れは砕波帯内で砕波によって形成される波浪流と, 吹送流の岸沖方向成分とが合わさって形成される. (2)ここで構築した3次元モデルと平面2次元モデルとの比較によって,鉛直分布 特性が重要となる砕波帯内では3次元モデルを用いる必要があることが明らか となった. (3)本論文で構築した3次元海浜流モデルによって,石川海岸と大潟海岸を対象と した計算を行い,現地観測結果との比較により,広域海浜流の生成に風の作用 が本質的であることが明らかとなった.また,これまでに提案されている外洋 での海面摩擦係数と大潟海岸で推定された砕波布近傍での海面摩擦係数とを用 いた計算結果の比較を行うことにより,風による海面摩擦係数を空間的に推定 することが,広域海浜流の推定には重要であることが明らかとなった. (4)広域海浜流に支配される広域漂砂に対しては,これまでの波浪による移動限界 水深の考え方では不十分である.

最終試験結果の要旨

審査委員会から論文提出者に対して課された問題「風から流れへの運動量輸送過程と運 動量拡散係数」の解答(レポート)を中心に海岸工学・環境流体力学に関連する専門的な 知識・理解力について学力試問を行うとともに,学会・学術雑誌等への論文公表状況につ いても口頭試問を行った. その結果,論文提出者は学位を授与するに十分な専門的知識を有し,学位論文の内容に 関する論文発表も印刷中を含めて10編行っているので,最終試験を合格と判定した. -54一

参照

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