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更生施設の利用者の実態と支援課題に関する考察~全国更生施設実態調査結果を通して~ 利用統計を見る

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(1)

更生施設の利用者の実態と支援課題に関する考察∼

全国更生施設実態調査結果を通して∼

著者

川原 恵子

著者別名

Keiko KAWAHARA

雑誌名

東洋大学社会学部紀要

57

1

ページ

131-149

発行年

2019-12

URL

http://id.nii.ac.jp/1060/00011327/

Creative Commons : 表示 - 非営利 - 改変禁止

http://creativecommons.org/licenses/by-nc-nd/3.0/deed.ja

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東洋大学社会学部紀要第57-1号

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(4)

更生施設の利用者の実態と支援課題に関する考察/川原

恵子

能の減退を防止するための訓練又は作業に参加する機会を与えなければならない(同上、第

1

6

条第

2

項)」とされているが、このような機能回復・減退防止の訓練規定は更生施設には存在しない。更生

施設での生活指導は、「入所者の勤労意欲を助長するとともに、入所者が退所後健全な社会生活を営

むことができるよう人所者各人の精神及び身体の条件に適合する更生計画を作成し、これに基づく指

導をしなければならない(同上、第

2

0

条第

1

項)」とされており、「作業指導」においても「更生計画

に従って、入所者が退所後自立するのに必要な程度の技能の修得をさせなければならない」(同第

2

1

条第

1

項)と、退所後の自立生活に向けて入所中の支援が行われるものとされている。このような違

いは職員配置にも表れており、救護施設には「生活指導員」の他に「介護職員」が置かれているが、

更生施設には「介護職員」に代わって「作業指導員」が配置されている。

また、生活扶助の現物給付を行う施設であるため、居室の他、利用者が共同で利用する、食堂や浴

室、洗面所、便所、洗濯室等が設置されている。更生施設の利用者は

ADL自立が前提であり、移動

(階段昇降)、配膳、入浴、着替え、排泄、買い物等は原則として自らで行うものとされている。

2) 利用状況

新生活保設法制定当時

(

1

9

5

0

1

2

月末現在)、保設施設は

6

種類(養老・救護・ 更生・宿所提供・

医療保護・授産)、

7

7

4

施設あり、このうち更生施設は保護施設全体の

8%(64

施設)、救護施設は

2%

(

1

3

施設)、最も多い授産施設は

33% (

2

5

7

施設)であった(小山

1

9

7

5:

4

6

9

-

4

7

2

)

。その後、保護施設

数は新法制定時の

4

割にまで減少、更生施設も徐々に減少してきた(図

1

)

2

0

1

7

1

0

1

日現在、

保護施設は合計

2

9

1

施設あり、更生施設は

7% (

2

1

施設)、救護施設

64% (

1

8

6

施設)である%更生施

設は大都市に偏在し、東京都(特別区)

1

1

、愛知県

1

、名古屋市

2

、横浜市

3

、京都市

1

、大阪市

2

、神戸市

1

に設置されている

(

2

0

1

7

年度)。

更生施設の近年の利用状況

(

1

9

9

72

0

1

7

年度の

2

0

年間)を行政統計を用いて確認する。図

2

は、更

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-

護施設合計

-

護施設

~更生施設

1

保護施設合計、更生施設、救護施設の施設数の推移

(

1

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-

2

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0

)

出所)厚生省

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社会福祉施設調究報告』、厚生労働省『社会福祉施設等調壺

J

各年版

133

(5)

東洋大学社会学部紀要第

5

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年度)

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更生定員(人)

_

更生年度末在籍者(人)

_ 定 員 に 占 め る 年 度 末 在 籍 者 割 合 ( 右 目 盛 、 % )

図2 更生施設利用状況

(

1

9

9

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-

2

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1

7

)

出所)厚生省 [福祉行政報告例J、厚生労働省 「被保護者調査』各年版

120

100

80

60

40

20

生施設定員(総数)、年度末在籍者及び在籍率の推移を示したものである。定員は、

2

0

0

4

年の

2

2

3

8

(施設数

2

5

)

がピーク、年度末在籍者では

2

0

0

3

年の

2

3

0

0

人がピークであり、その後いずれもなだらか

に漸減傾向にある。定員に占める年度末在籍者の割合(いわゆる在籍率)は

2

0

年間の平均で

9

0

.

7

%

ある。在籍率は

2

0

0

2

年のホームレス自立支援法制定以前はほぼ

95%

を占めていたが、ホームレス法以

後いったん低下したものの再び上昇し、現在は

8

0

台半ばを推移している

(

2

0

1

7

年度末

8

6

.

5

%

)

続いて、更生施設の人所者総数・退所者総数、

1

施設当たりの平均入所者数の推移を確認する(図

3)

。これによれば、

1

9

9

7

年度以降、人退所者総数の減少傾向が確認できる。人退所者総数はいずれ

も世界同時金融危機に見舞われた

2

0

0

8

年にわずかな上昇がみられるものの、それ以降は怠速に減少し

ている。年間入所者合計を施設数で除した「平均入所者数」を見ると、

1

9

9

7

年度は

1

施設あたり

3

0

0

人を超えているが、こちらも

2

0

0

8

年から急速に減少し、

2

0

1

4

年以降は

1

0

0

人を割り込んでいる。

2

0

(

1

9

9

7

年)の更生施設においては、

1

年間に定貝の約

3

倍の入所者を受入れ、退所させていたが、

現在ではほぼ定員と同数程度の受入及び退所となっている。つまり、以前よりも入所から退所までの

利用期間が延び、施設の回転率が「低下」したともいえる。

また、図

1

で示した通り、現在の更生施設は救護施設の約

1

0

分の

1

の数しか設置されていないが、

施設の回転率が救護施設よりも高いため、年間の入所者合計では、

2

0

0

9

年度まで救護施設の入所者合

計を上回ってきた。近年、更生施設の回転率(入所者合計に対する定貝の割合)が低下し、入所者総

数が減少しているため、絶対数が多い救護施設の入所者合計が更生施設の入所者合計を上回ってい

る。とはいえ、年間の平均入所者数でみると、なおも更生施設の方が多く、

2

0

1

7

年度

7

5

(1

施設あ

たり平均入所者数)であるのに対し、救護施設は

1

9

人(同)であった(図 4)。ちなみに、

2

0

年間の

134

(6)

更生施設の利用者の実態と支援課題に関する考察/川原

恵子

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1施設当たり入所者数

右目盛、人

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更 生 入 所 者 数

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更 生 退 所 者 数

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3

更生施設入所者/退所者推移

(

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)

出所)図

2

に同じ

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300

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_

更 生 施 設

救 護 施 設

図4 l施設当たり平均入所者数(年間)

出所)図

2

に同じ

スパンでみると平均1

7

6

.

4人(更生施設)と救護施設の平均1

5

.

5人を大輻に上皿り、更生施設が生活施

設というよりも地域への「移行施設(中間施設)」として機能してきたことがわかる。

在籍率では、更生施設は

85%

程度で推移している。退所者が出なければ新しく入所することができ

ないため、近年の入所者数の減少傾向は、単純にニーズの減少であるのか、それとも退所までに長い

入所期間を要する利用者の増加なのかは、これだけでは判断できない。

135

(7)

東洋大学社会学部紀要第57-1号

3

.

ここで

を川いて、

ないものの、

関して

2

(8)

1 利用者のプロフィール

I I 男 性

1

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5

性別

1

3

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.

0

その他 東原 *平均年齢 *標準偏差

( 小 学 校 卒 業 両 親 と 子

時点) 母子 父子 不明 そ 婚姻関係 千 もの付無 り なし 手帳あり 知的障古者 り 精神障害者 手帳あり

(9)

東 洋 大 学 社 会 学 部 紀 要 第57-1号 発達悴害 過去の虐待暴力被害経

とこょっ

まるにつれて

なる)、

43%

る(表 2)

で、このてつで

7

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つ アパー と つ い。また

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(10)

といっ

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6

あり

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いた。ま

ら ら

(11)

東 洋 大 学 社 会 学 部 紀 要 第57-1号 過去の社会施設経験の有無と各項目

性別 男 性 自活・半福祉半就労 届宅移管 * 身体障書者 知的障害者 発逹障害 アルコール依存症

あり あり あり 51.0

2

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.

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(12)

4

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(13)

東洋大学社会学部紀要第

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となっており、そもそも

している。また、女性の場合、ほ

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いることも示している。

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(14)

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(15)

東洋大学社会学部紀要第57-1号

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また、

として、いった

。つまり、

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(16)

と く参考文献> 岩田正美 (1995) 料田正美 (2000) (2005)「政策と貧困」料田正美 書房,15-41頁 もの』 ルヴァ より」研究代表料田正美 と社会 専門委員会報告書」 Homelessness in remale -241 -Busch-Geertsema,V., Edgar, W.,

E

Research, FEAXTSA, European Homelessness and Homeless l'otiaesin

9

-

1

0

December institutional circuit: homelessness in Ireland, European Journal rates countries: use disorders among the homeless in Western Issue

(17)

東洋大学社会学部紀要第57-1号 Herman, D.B., Homelessness, severe mental illness, and the institutional circuit, Vulnerable Groups, OECD publishing LE.,

J

.

and Sareen,

J

.

加tweenadverse childhood experiences and homelessness and the impact American

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Public Health, 注 「平成2

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年度被保設者調査」より筆者推計。 「平成28年度被保設者調査(個別調査)」より筆者推 IV 5日∼現在に至る)」等で議論

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全同更牛施設実態調査は、更宿連より委託を受け平成2

9

年度か 究代表東洋大学川原恵子)。 「利用者個別調査」を x 厚 化 万1勁 白 I↑ [ 芸 価1:11麟瞑寺詞立粕未」(平成2

9

年) 「平成22年日勢調査産業等基本集計第10-1表」を用いて15歳以上の最終学校卒業者を集計 例えば、人阪では居所小安定な女性の保設先として、婦人保設事業(婦人相談所一時保設所、 (人阪府2018)が、丸illによ (筆者註一人阪市以 障害保健福祉部 障害保健課依存症対策推巡室 と 146

(18)
(19)

東洋大学社会学部紀要第57-1号

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149

参照

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○池本委員 事業計画について教えていただきたいのですが、12 ページの表 4-3 を見ます と、破砕処理施設は既存施設が 1 時間当たり 60t に対して、新施設は

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