・−273−
小売店舗の製品バライエティと立地
梶 原 祓 末
小売店舗(以下,単に店舗とよぶ)の製品パティエディの数と立地ほ消費者 店舗選択と店舗の売上を規定する重要な素要である。
本稿の目的は店舗の恕品パティエティと立地が消費者の店舗選択にどう影響 るかの問題と,同じく店舗の製品バライニチイと立地が店舗の売上把どう影
(1)
する■かの二つの問題を検討することである。
(1)
まず,店舗の製品バライエディと消費者の店舗までの距離が消費者の購買に っての店舗選択にどう影響するかを検討する。
次の前提を設ける。
1消費者は店舗選択に当り,店舗の製品バライエディの数と立地だけを考 慮する。
2 消費者は店舗の製品バライユタイに.ついて十分な知識をもっている。
3 消費者がそ・の住所から店舗へ行くのに蒙むる費用(苦労)は消費者の住 所と店舗間の距離に正比例する。
4 店舗です、ぺての製品バライエディほ.同一一・階に陳列される。
5 店舗で製品バライエディが多くなるに.伴い消費者の店舗内での製品選択 の費用(苦労)は製品パティエティの数の平方根に.正.比例して増加する。
ー一般に,消費者が製品を他の同種製品との比較のうえで購買する場合紅ほ/店 舗における製品バライエディが多いはど,その店舗で消費者が最も満足のゆく
をみいだす確率ほ高くなる。
(ひ 次の文献による。
WilliamJBaumoland EdwardA.Ide Varietyin Retai1ing inFrankMBass and otheIS,MathematicalModels and Methodsin Marketing(Homewood,I11i・
nois:Richard DIrwin,Inc…,1961)pp128〜144
第37巻 第2・3号
−・274−
消費者が店舗で満足のゆく製品をみいだす確率を次式で表わす。
ク(Ⅳ) (1,1)
ここで,Ⅳは製品バライエディの数である。
確率の性質により,
0≦♪(Ⅳ)≦1
である。
♪(Ⅳ)は消費者が製品のバライーエディ間の比較をする努力をしようとしな はど,またⅣが大きいはど1に近くなるd
消費者は店舗で購買するとき,次の費用(苦労)を蒙むる。
まず,消費者が店舗へ行く費用(苦労)である。前提3に・より,この費
(苦労)は次式であらわされる。
cr〜か (1,2)
ここで,かは消費者の住所と店舗間の距離(マイル)であり,C は比例 である。
いま一つは消費者の店舗内に・おける購買の費用(苦労)である。消費者 って店舗内の製品バライエディが多くなるはど満足のゆく製品をみいだす費
(苦労)は多くなる。
前提・5により,消費者のこの費用(苦労)は次式であらわされる。
c雅1′コ軒 (1,8)
ここで,Ⅳは製品バライ1エテ∵イの数であり,侮は㌧比例常数である。
消費恵の店舗での購買の襲用(苦労)は以上二つの費用項目の合計,すな
ち,
cαか+c完1//1『 (1,4)
である。
消費者の購買に当っての店舗選択は(1,1)と(1,4)の比較によって行わ るものとする。また,この比較のとき,消費者は(1,1)を紺で(1,4)
で加重して評価するものとする。
すなわち,消費者はある店舗について,
小売店舗の製品バライエティと立地
ノ (Ⅳ,か)=〜℃♪(Ⅳノ・−一・Ⅴ(c虎か十C殉レ亙〕
あればこの店舗を選択する。負であれば選択しない。
−275・−
(1,5)
の./■(Ⅳ,∂)が製品バライエティの数Ⅳと消費者と店舗間の距離βによ
、どう変化するかを検討しよう。
イ 製品パティエディの数が小さいと./■は負であろう0特にバライエティの 数が零甲ときに・ほ川凄(Ⅳ)、は零となり./■は明らかに息である。
ロ 製品・バライエディの数が非常に大きいと、/■は負である。バライ・エディの 数が大きくなっても御ク(Ⅳ)は紺以上に.はなりえないが,一−・方℃C殉レ頂「は
どこまでも大きく、なることができるからである。
、消費者と店舗間の距離があまり大きいとノ■は負である。製品バライ声・テ イの数を大きくしても秒ク(Ⅳノは紗以上になりえないが粛ぶ)ほ」)さえ大 きくなればどこ.までも大きくなりうるからである。
主 製品バライ詰ティの数と消費者と店舗間の距離が適当で,製品をみいだ す確率が購買の費用(苦労)に比較して大きく加重されているならばノ は 正である。そして二,パティ志ティ数のある値について少くとも一つの最大 値をとる。
ホ ノが正であるために少くとも必要な製品バライーエティの数は店舗と消費 者間の距離中大きくなるに伴い増加する。パライーエディ数の増加はやがて ノ■を負紅する方向に.働くため,店舗が吸引できる消費者の距離には必ず限 界がある。
(2)
ここでは店舗の製品バライエ・ティと立地が店舗の売上に.どう影響するかを検 討する。
(1)における前提の他に,さらに次の前提を設ける。
店舗の売上ほその店舗で購買する消費者数に・よって定まる?店舗の製品バラ イエディの数と消費者−■人当りの購買数量ほ無関係である。
Ⅳケの製品バライ、エティをもつ店舗からかマイルの距離に」住む消費者全体 この店舗での購買性向が次式で与えられるとする。
ーーご7(トーー 第37巻 第2・3弓 ダ(Ⅳ,か)=抒ア(Ⅳ)一−y(CdD+Gzレ亙う ここで,0≦ダ(耽β)≦1である。また,
A(Ⅳノ=坪P(Ⅳ仁一℃乃/一対
とすれば,
ダ(Ⅳ,β)=A(Ⅳ)鵬yCdD である。
(2,1)
(2,2)
ここで,I竹∴㌣,C吼(滋はⅣケの製品バライ・エティをもつ店舗につい、て,
そこの店舗からかマイル離れた地点に・住む消費者全体の紺,♪っCβ,C殉をあら すものとする。
いま,消費者密度が均等である地区常立地する店舗と消費者がある地点に 申し,その集中している畠中紅位置する店舗の二つの場合を考える。
Case i
店舗は消費者が全域に均等紅分布して−いるところにあるdl平方マイル当り の消費者数を常数∬で示すと,店舗から半径ガマイルの範囲に.住む消費者
は,
肋∂2
となる。
次に,この店舗で購鼠する消費者の中で店舗から最も離れて∴いる者の距離 求める。
これは,(2,1)を零とおき,それをβ紅ついて解けぼよい。
ダ(Ⅳ,か)=坪P(〃)−y(CdDす肋レⅣ)=0
lI宮・\ ̄−l●しjり・\二
yCd
か=
A(Ⅳ)
VCd この距離をか肌で表わす。
前提により,店舗の売上ほ店舗で購買する消費者数に.よって定まる。この 舗を選ぶ消費者数は次のよう紅なる。
小売店舗の製品バライエディと立地 −277−
(消費者綽J裾ふぴ,
0
=呵巽(Ⅳ,瑚
=呵笹(Ⅳ卜作畑〕かゃ
=2花硯(掌−yC碕−)
(畢一半)
A(Ⅳ)3
=2好足
(l7Cd)2 花g
A(Ⅳ)8 3(VCd)望
=叩あ耽 (2,8)
CaSell
瀾資者はある地点を中心準r集中している。店舗はこの集中の中心地点に位置 ている。店舗からβマイル離れた地点における消費者密度ほ,∬が常数で
〃トで与えられるとすると,店舗から半径かαマイル内に住む消費者数は,
花か孟、
J意岬)=2方可。ゐ 0
かα=27こrÅかα
なる。
店舗から最も離れている買手の店舗までの距離ほcaseiと同じ方法で求めら る。この距離をβmであらわす。
この店舗を選ぶ消費者数は次のようになる。
(消費者数)=J…簑究理2方甲)
∴.・ ̄∴・・∴
第37巻 第2・3号
瑚澤(Ⅳト托妙
−27β−
yCdかm
=2打払(A(昭一
=2打鴫㌃(A(Ⅳト豊)
・・丁′ゞ・・l・
=yCあ昭光 (2,4)
(2,3),(2,4)から次のことがいえ.る。
イ 店舗の売上はcaseiでは店舗から最も離れている買手の店舗までの 離(D勒)の三乗にiE.比例し,CaSeiiでは同距離の二凛準正比例するふ ロ 店舗の売上ほcasei,CaSeiiとも消東名密度(K)に正比例する。
ハ(1)のイ・ロ・ハの結論と同じ理由で,Ⅳに・ついてA(Ⅳ)はノ (Ⅳ,
同様の変化の塾を示すから,CaSeiではNをしだいに.増加して一ゆく、と 上ほ最初増加する,そして少くとも1つの最大値をとり,次に減少匿
う。
caseiiについても同様であるが,ただA(N)が負のときも売上を示 式が正の値となる。しかしこれは無意味であり除外しておかねばな い。