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第5条および第6条について

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(1)

米国自動車保険約款免責条項   第5条および第6条について  

坪 井 昭 彦   

Ⅰは し が き  

本稿は,米国系の損害保険会社が現在わが国に.おいて使用しているForeign  

(1)  

Automobile Policy(以下たんにNewPolicyとして用いる)ゐ免責条項第5   条および第6条を遂粂解説し,こ.れらと米本国で使用されているFamilyAu予  

(2)      (8) tomobile Policy(以下たんに.FAPという)および日・英自動車保険約款の免  

責条項との比較・検討せ行なうことを目的とする。  

(1)Foreign Automobile Policyについてほ,拙稿「米国自動車保険約款免費条項    1粂に.ついて」『香川大学経済論叢』寛42巻第1・2号,1969年6月(以下,拙稿「免    宜条項算1粂に・ついて」と記す),71ぺ−・ジ翠みよ0  

(2)FAPに.ついては,拙稿,同上,71−72ぺ−・汐をみよ。まキ,FAPに・関する参考  

文献としては,C.H.8rainaI・d,A〝ね∽〃∂gJ♂J〝∫〝タα〝Cβ,Illinois,1961,pp.50,  

69−349;C.M.Elliott,PY・0?erty and Casualty Znsurance,New York,1960,  

pp.91−107;C.M.Elliottand E.J.Vaughatn,Fundamenials qf−Riskand  

Znsurance,NewYork,1972,pp.458p480;M.R.Greene,RiskahdInsuYanCe,  

Chicago,1962,pp.396−418;S.S.Huebner,K.BlackJI・,andR.S.Cline,  

ProbeY・i.y and Libbili iy Znsurance,New York,1968,pp.438−441;J.D.Long   and D.W.Gregg,Proβeriy andLiabiliri.yZnswanceHandbook,1965,I11inois,  

pp.549−560;).H.Magee and D.L.Bickelhaupt,GeneralZnsurance,   

I11inois,1964,pp.451−480;J.H.Magee and O.N.Serbein,ProPeri.y and   LiabiZity Znsurance,Illinois,1967,pp.481−501;A.H.MowbrayandR.H.  

Blanchard,InsuYIanCe,New York,1955,pp.256M267;R.RiegelandJ.S.  

Miller,Insurance Princi?leSand Practices,NewJersy,1956,pp.719−722;  

W.H.Rodda,ProPeriy andLiabilityZnsurance,NewJersey,1966,pp.367−  

374,がある。  

(3)わが約款の場合は,血般の自動螢保険普通保険約款(いわゆるBAP)と自家用自   動車保険普通保険約款(いわゆるPAP)を,また,英約款の場合は,PI・ivateMo・ 

toI・CaIPolicy(以下たんに.PMCPという)を主として検討の対象としてとりあげ  

る。   

(2)

第51巻 貨5号  

534   

− 2 −  

さきに吟味したように,免責条項■1条ほ.,Coverage A(総合危険担保−−  

衝突または転覆を除く),Coverag・e B(衝突またほ転覆危険担保),Coverage   C(海上危険担保),Coverage D(身体傷害賠償責任担保),Coverage E(財   物損害賠償茸任担保),およぴ Coverage F(医療費担保)のすぺてのCov−  

erages 紅適用されるが,2条ほCoverages A,B,およぴCに,3条は   CoverageS AおよびCに.,また,4条はCoverages BおよびCに適用され  

るに過ぎない。したがって,2条ないし4条は,いずれも賠償責任担保(Cov・  

eragesDおよびE)および医療費担保(CoverageF)に・は適用がないため,  

自動車の物的損害に対する保険者のてん補責任を免除するに過ぎない。   

これに対し,免責条項5条は賠償責任担保と医療費担保に,また,6条は賠   償責任担保に適用されるため,同2か条は,人的損害と対物賠償損害紅対する   保険者のてん補資任を免除することになる。   

以下紅免賓条項5条串よび6条の原文および訳文を掲げ,項を分って検討■を   加えていくこととする。  

This Policy Does Not Apply:  

V.Under CoverageS D,E and F,  

(a)toliability assumed by theinsur[ed under any contract or 

agreement.   

VI.Under CoveragesI)and E,  

(a)while the automobileis used for the towing of any trailer   owned or hir・ed by thenamedinsured and not covered bylike   insuranCein the company;Or While any tr ai1er COVered by   this policylS uSed with any automobile owned or hired by  

this namedinsured and not covered bylikeinsurancein the   COmpany.   

「この保険証券は下記の各条に対してはこれを適用しない。  

Ⅴ.担保D,E,およびFに.おいて,  

(a)被保険者が契約または合意に基づき負担する責任。   

(3)

535   米国自動各保険約款免宜条項第5集および鱒6条について    −β−  

ⅤⅠ.担保D\およびEに.おいて,  

(a)自動車が,記名被保険者が所有または.賃借し,しかも当会社の同   種の保険に.よって−担保されて.し、ないトレーヲ−をけん引するために使   用されている間。またほ本保険証券によって担保されているトレ−・ラ   ーが,記名被保険者が所有または賃借し,しかも当会社の同種の保疲   に.よって担保されていない自動車とともに使用されている間。」   

以上,免責条項5条および6条は,3条およぴ4条の場合と同様に・,現在の   ところいずれもa号のみしか設けていないが,これは将来必要がある場合に,  

他の免責規定を追加する余地を残しているのであって,5条a号のあと紅は,  

CoverageS D,E,およびFに関係のある免貴規定が,また6条a号のあとに   ほ,CoveragesI)およびEに関係のある免責規定が一,それぞれ追加されるこ   と隼・なるものとおもわれる。  

ⅠⅠ免責条項第5条a号の解説   

1.免貴条項5条a号は,CoverageI),Coverage EおよびCoverage F  

(4)  (5)  

のもとに‥おいてほ,被保険者が契約または合意に基づき負担する責任損害およ  

し¢\ び医療費損害を保険者はてん補しない旨規定したものである。   

いわゆるCOntraCtualliabilityを免責とする旨の規定である。  

(1)ここにいう contractualliability に・は2通りの場合が考えられる。  

(4)ここにいう COntraCt(契約))は,AmericanLawInstitute(米国法律協会)の    定義によれば,「一つ又は−魔の約束で,その違反紅対しで法が救済手段を与え,又    は法がその履行をなんらかの方法において義務として認めるもの」を意味するものと    されている。高柳緊三′末延三次編『英米法辞典』有斐閣,1975年,98ぺ−ジ。  

(5)Agreement(合意)は,広く当事者の意思の一致をいうものとされている。同上,  

21ぺ一−ジ。  

(6)Brainard,OP.ciilりpp.73−75,380;Huebner,Black and Cline,09.cii・,   

p.435;C.A.Xulp,CasualtyInsurance,New York,1956,p.168;Long    and Gregg,OP..cit.,p.564;JりH.Magee,GeneralZnsurance,Illinois,1955,   

pp 388,395;G.J.Couch,CycloZ>edia of Znsurance Law〔 2nd ed.R.A  Anderson〕,New YoIk,1959−1971(以下,Couch onIns.として引用),§§45:  

1112−1115.   

(4)

第51巻 第5号  

536   

−・・J −  

まず第1は,損害の発生紅.先立ち,他人に与えた損害に.対する貴任を被保険   者が過失の有無にかかわりなく負担することに.同意する場合,いわゆるpr e−  

loss agTeementと呼ばれる場合である。たとえば,被保険者が,トラックの l   欠陥から事故が生じた場合でも自己みずからがすべての賓任を負担するという   合意のもとに.,トラックを賃借する場合がこれである。かかる場合,トラック  

の欠陥が原因となって.舞三者碇身体傷害が生じた場合でも,トラッノクの所有者   紅対して勝訴判決を得た第三者にほ被保険者自身が「法律上支払う資を負わさ   れる」こ.とに・なる。   

第2は,被保険者が,損害発生後に・,自己の側幣過失があったことを認めて,  

損害を被った第三者に.対し身体傷害や財物損害について賠償することに.合意す  る場合,いわゆるPOSt−loss agreement と呼ばれる場合である。たとえば, 

被保険者がその友人の過失のゆえ償・彼紅身体傷害を与えたのであるが,」その傷   害は被保険者側の過失によって生じたものであると告白することに.よって被保   険者自身が應償責任を負担する場合がこれである。   

Contractua11iability紅は以上の2通りの場合が考えられるが,免資条項   5条a号はこれらいずれの場合紅おいても保険者を免賓とするのである。  

(2)かかる免茸規定が設けられた理由としては.,(i)被保険者が契約また   ほ合意によって負担する危険の性質がその時々に.よって著しく異なることがあ   るため,危険引受けの際に,保険者がその危険について正確な情報を把握し,  

かつ,適切な保険料を算定することが困難であるということ,(ii)保険料率  

は通常の賠償貴任を前提にして算出されてい/るので,契約または合意に基づ  

いて被保険者が負担する賠償責任は通常の保険料をもってしてほこれを担保す  

ることができない性質申ものであるということ,(噂)もしかかる賠償責任が  

担保されることに.なれば,契約またほ合意に基づく資任損害および医療費損害  

を惹起しない多数の被保険者が,かかる損害を惹起する少数の被保険者のため  

紅余分な分担を余儀なくされること紅なるが,これは保険料公平の原則紅反す  

ることになるということ,(iv)このようなCOntraCtualliabilityは従来は  

別個の保険,すなわち・一・般の損害賠償責任保険(GeneralLiabilityInsur−   

(5)

537   米国自動車保険約款免資条項欝5条および算6条について  

−・5−  

(7) ance)によって担保されてきたということなどがあげられる。   

以上のような理由紅より,米国たおいては,FAPの使用が開始される吏で  

ほ,すべての自動車庶償賃任保険証券(automobileliabilityinsurancepoト   icies)ほ,COntraCtualliabilityを保険者の責任外としていた。   

とくK.1936年にいわゆる標準保険証券(Standardpolicy)が採用された際,  

同保険証券上の賠償責任条項は,保険宅の費任を「法律によっで課せられる責   任(suchliability asisimposed bylaw)」に制限した。そしてこの場合の  

「法律に・よ 

味し,契約書任(contractualliability)を意味しないも_のとされた。けだし   契約上の貴任は法律に.よって課せられた責任ではなく,契約に.よって任意に負  

(8) 担された責任であると考えられているからである。   

その後,賠償責任条項の文言が上記の文言から「被保険者が法律上支払う賓   を負わされるペきすべての金額を支払う(to pay a11sums wbiclltbein−  

Sured shallbecomelegally obligated to pay)」という文言に変更されるこ   とになった時,保険者ほ,,COntraCtual1iabilityによる損害を免れるため,免   貴の異なった方法に.頼ることが必要となった。なぜならば人は不法行為から法   律上の晋任を負わされるのと同様鱒契約からも法律上の費任を負わされること  

(9) 紅なるからである。   

そこで保険者は,自衛のため紅,「契約または合意紅基づき被保険者が負担  

する賓任(1iability assumed by theinsured under any contract or   agreement)」を保険者の担保外とする旨の免貴条項を保険証券に挿入するこ  

とに.した。   

その結果,賠償責任条項の文言が変更されたのちも,COntraCtua11iability   ほ依然として保険者の責任外とされることになった。そして,現在では,米本  

(10)  

国で使用されているBasicAutomobilePolicy(以下たんに.BAPという)と  

(7)BI・ainaI・d,qれ.dfりpp.74−75.  

(8)乃左d・,p.74.  

(9)乃紘,p.73.  

(10)BAP,Exclusions(b).Ibid・,p.552.   

(6)

籍51巻 第5号  

・−6 −   538  

(11)  

Garage Liability Policy(以下たんにGLPという),並びにBAPと殆んど   同じ内容をもつ,現在わが国に.おいて使用されているNewPolicyの中にも同   旨の免責規定が設けられているのである。   

2.米国においては,BAPは免責条項5条a号と同旨の規定を設けている  

(12)  

が,FAPは契約または合意に基づく被保険者の責任についてなんら規定する   ところがない。このようにFAPに免責規定がないのは,家庭用自動車の場合,  

契約または合意に基づいて責任が負担されるケースがはとんどなかったという   ことと,たとえ責任の負担が行なわれた場合でも,その責任ほかなり標準化さ   れ,かつその範囲と期間が十分に制限されていたということに.あるものとおも  

(13)  

われる。それゆえFAPが起草された際,COntraCtualliabilit′yに関する免責   規定ほ保険証券には挿入されず,したがってかかる責任ほ保険者によって担保  

されることとなった。   

しかしBAPやGLPはFAPとは異なり,大きな事業危険を引受けるため  

(14)  

にも使用されるので,COntraCtua11iabilityは依然として保険者の担保外とさ   れてこいる。  

(1)なお,ここで注意を要することほ,FAPの場合,被保険者が契約ま   たは合意に基づいて負担するすべての責任が同 Policyによって担保されると   いうことではないということである。なんとなれば,損害発生後に‥おける責任   の引受けは,FAPの普通条項(Conditiohs)5条の「被保険者の援助・協力」  

(15)  

条項( 仏ssistanceand Cooperation oftheInsured Clapse)、紅違反する   ものと考えられるからである。   

すなわち普通条項5条は,「被保険者は,当会社に協力するものとし,当会   社が要求するときは,審理および公判に出頭しかつ解決をなすこと,証拠を保  

(11)GLP,Exclusions(a).Ibid・,p.556.  

(12)BAP,Exclusions(b). This policy does not apply:(b)under A(Bodily    Injury Liability)and B(Property DamageLiability),tOliability assumed   by theinsured under any contract or agreement.〃  

(13)BIainaId,∂れぐよf・,p.75 

(14)J∂∠d.  

(15)FAP,Conditions5.Ibid。,p.538.   

(7)

539   米国自動車保険約款免薫条項算5集および第6条について  

−− 7−   

全しかつ提出すること,証人の出頭を確保すること,並びに・保険の目的に関す   る訴訟を遂行することに,協力すものとする。被保険者ほ,自己の負担による   場合を除き,任意に.支払をなし,債務を負担しまたほ費用を支出してほならな   い。ただし,事故発生時における,他人に対する緊急やむを得ざる内科的およ  び外科的処置紀要した費用についてほ.この限りでない。」と規定して.いるから,  

被保険者が事故発生後に任意に支払をなし,債務を負担し,または費用を支   出する場合にほ,保険者ほ普通条項5条違反を理由に.,てん神童任を否認する 

ことができるものと解せざるをえない。したがってFAPの場合においても,  

posトloss agreementについては,保険者ほ依然として.免責を主張しうるも   のと解する。   

しかしながら,pre−loss agreementの場合紅ほ,被保険者は,彼が自動車   やlユ−ティリテイ・トレMラ−を賃借する業者と免責特約(Hold Harmless  

(16)  

Agreement)を締結することが認められることになろう。   

それゆえ,たとえば,被保険者が,レンタか一業者から・ユーティリティ・ト   レーラ−を賃借する際に,同トレーラーーが発三者紅与えた身体傷害紅対する業   者の賠鱒責任を被保険者自身が負担すやという契約書に,署名したときは,同  

トレーラーーの欠陥に基因した第三者の身体傷害についてほ,被保険者の側紅全   く過失がない場合に、おいても,その第三者紅対し被保険者は「法律上支払う薫   を負わされる」ことに.なるが,かかる場合,FAPの保険者はてん補責任を負   担しなければならなV、ことに.なる。   

以上によって明らかなごとく,米国に.おいては,BAPおよびGLPほすべ   てのCOntIaCtua11iabilityについて保険者を免茸とし,FAPはpost−・loss   agre卑ment紅基づくCOntraCtualliabilityについて保険者を免責としている。  

したがってCOntraCtualliabilityについて保険者が有資とされる/のは,F  

(16)Hold Harmless Agreement とは,一方の当事者はある特定の状況下に生じた茸    任について隼,他の当事者の資任を免ずるということを認める契約で,典型的なもの  

として,り一ニス契約,鉄道転轍引込線契約,地役権契約がある。所倉蔵訳『アメリ、カ   

保険用語辞典』海文堂,1976年,飢ぺ−ジ。   

(8)

第51巻 寛5号   540  

ー β −−  

APに.おけるpre−loss agreementの場合のみである。   

3.つぎに,英国の場合について:みると,PMCPは,普通免責条項(General   Exceptions)の2条において,合意(an agreement)に.よlう{:生じる貴任で   あって,合意がなかったならば生じていなかったであろうとおもわれる一切の  

(1丁) 責任(すなわち被保険者に.よってなされた特別の契約に基づく着任)にらいて  

(lS)  

保険者は免責とされる旨規定している。この免責条項は,通常,自動車保険証   券や−・般の賠償責任保険証券に挿入されている。   

たとえば自動車保険についてみた場合,PMCPのはかに.Motor Cycle  

(19)   (20)  

PolicyやCommercialMotor Vehicle Policy に.も同旨の規定が設けられて   いる。   

かかる免資規定が設けられた理由は,英国に.おいては,被保険者が任意に負   担した一・切の資任について−保険保護を与える旨の規定を約款に.挿入することは   実際的ではない(notbepracticable)との判断にI基づくもののようである。  

けだし,かかる規定の挿入を謎めることに.なれば,合意がない場合にはてん補   責任を負担しなくてもよいような責任に.被保険者と保険者を関与させる選択権   を被保険者自身に.与えることになるからであり,このことは結果としてクレー  

(17)イギリス紅おいては,・契約は,通常,つぎのよう紅定義されている。すなわち,「契    約とは,少くも2人の当事者間になされた合意(agIeement)又ほ引受(undertak−   

ing)であっ七,その違反紅対してこは損害賠償請求の訴訟を提起することが許きれ,   

且つ右の合意又ほ引受紅おいては当事者の1人又はそれ以上の者が,明示又ほ黙示的    に,他方当事者の要求紅よって又はその利益のために,ある行為をなし,又はある行    為を差控えることを約束するものであり,その約束は有価約因(valuableconsider・−   

ation)を対価として提供され,又は指定の形式に.おいて表現されることを要する。」  

と。高柳・未延編,前掲辞典,97−98ぺ−汐。なお,agreementの意義については,   

本稿注(5)をみよ。  

(18)PMCP,GeneralExceptions 2.A.G.M.Batten and W.A.Dinsdale,   

Moior Znsurance,Londo?,1965,pp・162−163,296;G・W・Gilbert,Moior  

Znsurance,London,1949,pP.29,32−34;E.R.H.Ivamy,Fire andMoior  

Znsurance,London,1968,p.415;C.Shawcross and M.Lee,The Law of   肋ねr∫が%rα〃Cβ,London,1949,pp.561,565−・566.  

(19)Batten and Dinsdale,Ob.cii・,p.237;Ivamy,OP.cil・,p.419.  

(20)BattenandDinsdale,09・ 

C・ブタ小,p..425 

(9)

541   米国自動車保険約款免費条項欝5条および第6粂について  ーター   

ムの解決を著しく困難にしかつ煩墳にさせること紅なると考えられているか  

(21) らである。  

(、1)ただ,現実にほ,英国の場合も米国の場合と同様紅,自家用自動車  

(22)  

(private motor car)の所有者が自己の自動車に.関連してある責任を引受け   ることに同意する特別の契約を他人と締結するということはあまり行なわれて  

(23)  

いないとのことであるので,自家用自動車の場合に.contractualliabilityを   免責とする旨の規定は被保険者と保険者の両者に.とってさはど重要な意味をも   つものとはおもわれないのである。   

しかしながら,商業用自動車(commercialcaI)の場合には,むしろかか  

(24)  

る特別の契約がしばしば締結されるとの七とであるから,上記の免責規定が重   要になって:くるのである。   

4・わが国に・おいて−は,いわゆるBAPの1章賠償賓任条項5条2項とPA   Pの1章賠償責任条項7条2㌧項が,被保険者が損害賠償に潤し第三者との閤に  特約を締結しているときは,その特約によって加重された賠償責任を負担す・る  

ことによって被る損害を保険者はて:ん補しない旨規定してこいる。   

わが約款の場合,保険者が免茸とされるのは特約によって加重された部分で   あるから,その特約がなかったならば負担しなかったであろうとおもわれる損  

(25)  

害賠償賓任の額のみが免克となる。それゆえ特約がなかった場合においても被   保険者が負担したであろうとおもわれる損害賠償責任の額に.ついては保険者ほ   依然として有貴である。  

(1)ここに「加筆された賠償責任」とは,庶償責任の要件を法定要件以上   に緩和する場合(たとえば被保険者に・故意,過失がなくても賠償責任を負担す  

(21)Batten andI)insdale,Ob.cii.,p.163.  

(22)英国のpriv?temOtOr Carについては,BattenandDinsdale,0?.cii.,p.150;   

Gilbert,OP・Cii・,pp・1−2;SchawcI OSSandLee,Ob.cit・,p.490,を魂よ。  

(23)Gilbert,0?.cii.,pp.32−33.  

(24)∫∂紘,pp.33,74.  

(お)衆京海上火災保険株式会社編集『新損害保険実務講座算8巻新種保険(上)』改定    版,有斐閣,1g67年,207ぺ」−ジ;保険毎日新聞社訂自家用自動革保険の解説』1976年、  

56ぺ一−・ジ。   

(10)

第51巻 第5弓  

−−・ヱ∂−・  

542  

ると約束する場合)および立証責任を被保険者紅不利に.なるよう軋転換する場   合−すなわち損害賠償責任の要件に関するもの,および被保険者が法律上負   担させられるであろう額を超えた額をあらかじめ損害賠償額として約定してお  

く場合M・すなわち損害賠償責任の額に.関するもの,に生じる賠償茸任をい  

(26)  

う。   

そして.このように加重された賠償責任について保険者を免責とするのは,保   険者が被保険者と第三者との間にん、かなる樽約が存在しているのかを−・般に」は   知り得ないということ,また,通常の保険料でもってしてほかかる責任を担保   することはできないということにあるものとおもわれる。  

ⅠⅠⅠ免責条項第6条a号の解説   

(27)  

1.免資条項6条a号ほ,CoverageI)およぴCover・age Eが付保されて  

(26)保険毎日新聞社,前掲書,56−57ぺ一汐。  

(27)本免賓条項は「用途」に関する免責条項の一つである。「用途」に関する免資条項   としては,6条a号のはかに,1条a号およびC号,並びに11粂a号がある。また,   

「用途」に関する−般的な規定としてほ,保険条項8条(InsuIingAgIeementSVIII)  

がある。  

1条a号は.公衆用または賃貸用自動車に関する免責条項であり,1条C号ほ競争等    に関する免責条項である。また,11粂a号は不法な運搬等軋関する免資条項である。   

これらの免責条項のうち,1条a号およびC号紅ついてはすでに解説した(拙稿「米    国自動蟄保険約款免箕条項論(1)」『香川大学経済論叢』第37巻第1号,1964年4月;   

同「免茸条項第1条紅ついて」41−100ぺ−ジ。)。  

なお,わたくしは,さきに免茸条項1条を解説した際に,英国におけるタクシー・と    ハイヤーの定義をわが国のそれらと同様紅解していた(拙稿「免貴条項第1条につい   

て」42ぺ−ジ)が,英国においてほ,これら両者について全国的に.統一された意義は    存在していないもののごとくである。ただ強いていえば,広くロンドンのタクシ㌧−   

(a London Taxi)として知られているものは,理論上では,有償で8人未満の乗客    を輸送し,ロンドンの街路を賃貸の目的で客を求める(PlyfoI−HiIe)ことを許可さ    れた乗物をいうが,これとても,とく紅栴既定化している車のデザインの基準を規定   

している,相当に.厳しい行政的規制システムの運用のため紅,現実には,4人の尭客    の輸送用として免許されている標準型のタクシノー専用単軸Black Cab職に限定さ    れてしまうようである。・そして,この「街頭で客を求める(Ply fot一江ire)」という    用語は,法令によって定義されたことはこれまで一度もなく,また法廷においても,   

どの段階の最終的判断も示されてはおらず,個々の事例の全状況から引き出される事   

実問題であるとされていろ(Report of theDepartmentalCommitteeon thふ   

Taxicab Trade,H.M巾S.0.,1970,London,pp.4−5;高橋柄訳『■ロンドンの   

(11)

543   米国自動車保険約款免資条項第5集および第6条について  

−ヱJ−   

おり,かつ,記名被保険者の所有またほ賃借している自動車が同自動車の保険  

(28)  

を引受けている保険者の同種の保険によって担保されていないトレ−ラーをけ   ん引するために.使用されている間,またほ,被保険トレーラーが,記名被保険   者が所有またほ賃借しているが同被保険トレ−ラーの保険を引受けている保険   者の同種の保険に.よって担保されていない自動車とともに使用されている間  

(29) ほ,保険者免責とされる旨を規定したものである。   

これがいわゆるtowing−trailer exceptionといわれる免責規定である。   

かかる免責規定が設けられた理由は,被保険者をして自動車とトレ−ラ−を   同一・保険者紅付保せしめようとすることに.ある。なぜならば,自動車とトレー   ラー・の保険がそれぞれ異なった保険者紅よって引受けられた場合に.ほ,損害の   発生に当り,両保険者の間に.責任を割当てることが極めて困難となり,紛争の  

(30) 生じるおそれがあるからである。   

それゆえ,たとえば,自動車とトレー・ラ−が2人の異なった保険者に対して   付保され,その保険証券上に本免責条項が設けられていなかった場合紅は,各   保険者軋 自己のてん補晋任を免れるため,他の保険者に.全責任を押しつけよ  

うとするか,またほいずれかの保険者が,実際は,2台中1台分しか保険料を  

タクシ一事業虹運輸経済研究センター,1972年,14ぺ−汐。)。ま′た,ハイヤ−(Pr・i・   

Vate HireCars)ほ,運転者付きの,8名未満の乗客を,賃貸のためあるいほ有償    で運ぶタクレ−以外の薄を指すものとされてい畠(J∂∠d…,p.16;同上,30ぺ−汐。)。   

この問題については,香川大学経済学部助教顔・伊勢田 穆氏より資料の貸与を受け,   

かつ有益な助言をいただいた。記して感謝の意を表したいとおもう。  

(公)ここにトレーラーとは,つぎのものをいう。(i)家族の所有に属する個人的な財産   を運送する目的で家庭用自動車とともに使用されるような.ユ−・デイジテイ・トレーラ  

ー(utility trailers),(ii)家族旅行や休暇旅行のために自家用乗用車(private pas−   

Senger autOmObile)とともに使用される小型のホ−ム・トレーラ−(home trai1・   

er・S),(iii)大豊の商業用貨物を運送することができ,かつトラックタイプのトラク  

タ・−でけん引される大型のセミトレ−ヲ^−(semitrailers),および(iv)その他の   すぺてのトレ−ラー。BI−ainaId,qれ.わf..,p.58.  

(29)Brainard,OP.cit.,pp.381,552;Couch onZns.§§42:556,45:1066−1067;   

Huebner,Black and Cline,OP.cit・,p。435;Long and Gregg,0♪.cii.,pp.  

564−565;Kulp,0?L,Cit.,p.168;Magee,0?.cii.,p.388.  

(30)Brainazd,OP.cit・,p.381;HuebneT,Black and Cline,OP..cit.,p.435;  

Long and Gregg,OP.cii.,p。564 

(12)

第51巻 第5号  

ーエ2−   544  

受領していないに.もかかわらず,2台分の危険を引受けさせられるととになる   であろう。   

しかしこのようなことが容認されてはならない。なぜならば,かかる事態が   容認されることになれば,被保険者ほ,2台の車両のうち1台のみを付保して   おきながら,発生した損害に対しては被保険車両の側に.責任があると主張する  

ことに.よって,他の車両についても無料で保険保護を受けるこが可能となるか   らである。  

(1)本免資条項の目的ほ,上述したように.,けん引自動車とトレー・ラーの   両車両を同一の保険者檻付保せしめることに.あるのであって,たん紅両皐両を   付保せしめるというととに.あるのではない。   

以前ほ,被保険自動車がトレー・ラーをけん引するために使用される閤は,余   分の危険(additionalrisk)に.曝されることになり,その結果,危険ほ.増大するこ  

とになるのであるから,・そ・の間,保険者は担保責任を免れるべきであると考えら  

(31)  

れていた。しかし上記使用期間中であっても保険保護を必要とする者紅対して   は保険の引受けが行なわれていた。ただ,この場合に問題となったのは,2台   の車両の保険がそれぞれ異なった保険者によって別々に.引受けられたとき軋   上述のように,資任の割当てについて2保険者間で紛争の生じるおそれがあっ   たということである。そこで保険者は被保険者をして2台の車両を同一・の保険   者把.付保せしめる・ため,現行の免責条項を保険証券に・挿入すること紅した。   

このため,被保険者は両車両を同一・の保険者紅付保せしめることが必要とな   りこ 2台のうちのいずれか1台が無保険の状態紅あるかまたは他の保険者阻対   して付保される場合には,被保険者は全く保険保護を受けることはできなくな   った。したがって,被保険者がトレーヲ・−をけん引申の危険紅ついて保険保護   を欲する場合に.は,けん引革とトレ−ヲ」−の両車両を同一・の保険者に付保せし   めることが必要となるのである。  

(31)Conner v.UnionA.Ins.Co.122Ca王ApplO5,9P2d863.Co〝Ch o21Zが.   

§42:556;EasternTransp・Co・V・LibertyMut・CasualtyCo・101NH407,   

144A2d911.C¢〟Cゐ〃乃J乃ぶ.§45:1069.   

(13)

545   米国自動車保険約款免費条項第5条および第6粂について  

−−J∂−   

(2)ここに,uSed for the towing(けん引するために・使用される)とい   う言葉は,文字通り,被保険自動車に.よるトレーラーのけん引のための使用を   意味し,へたんなる連結(mere attachment)を意味するものではない。  

(32)   

これを判例に徹する匪」,Lovelace v.Gowan事件把よれば,保険に付され   ていないトラクタ−に,連結された小型a)セミトレー,ラ・−I(alowboysemitraiト   e∫)が週末から月曜日にかけて凝車されている間に.他車に.よって衝突された   が,本件の場合は車両のたんなる連結に.すぎず,免貸条項にいう「けん引する   ために使用される」という言葉の中の「使用」という概念に.は該当せず,した   がって−保険者はトレ」一夕ーとの衝突把.よって生じた賠償窟任に.対するてん補貴  

t33) 任を免れることはできなV、と判決された。   

また,E..こにいう「け ̄ん引する(towing)」とV、う言葉は,,運動(move−  

ment)を意味するものゆえ,被保険自動車とトレーラー・がその最終目的地  

(their destination)に到達した後に身体傷害を与えた′場合紅は,免責条項を  

(31) 適用することはできないと判決された。   

つぎに,被保険自動車.が他車を援助する(to assist)目的のために.−・時的軋   他車をけん引する場合には,かかる使用は免責条項にル、う「使用.」には該当し  

(35)  

ないものと考えられている。  

それゆえ,本免資条項は,禁止された目的のための,当初から意図されてい   る,使用の場合に.のみ適用されるのであって,他車を援助するための−・時的な   使用には適用されない。   

さらに,事故の発生を防止する目的のために二つの車両が連結され,その各   車両が各自の推進力によって進行して言いるような場合把.は,本免茸条項は適用  

(32)Lovelacev.Gowan(LaApp)52So2d97.Co%Ch o71Zns.§45:1069.  

(33)∫∂よ■d.  

(34)Maryland CasualtyCo.v.Aguayo(DCCal)29F Supp561.CouchonZns.  

§45:1079.  

(35)Eastern Transp.Co.v:LibertyMut.CasualtyCo・,Stlpra;Littlefield v.   

PhoenixIndem∴Ins.Co.86NH87,163A420.Col{ChonIns.§45:1080.   

(14)

第51巻 策5弓  

・…一J4−−  

546  

(36)  

されないと判決された。  

(3)また,トレーラーが被保険自動車によってけん引される場合,その連   結の方法(the manner ofattaching)が免責条項の効力に影響を及ぼすか否   かということが問題となるが,この点についてほ,連結の方法がけん引される  

トレーヲ−の性格を変更させることほできず,したがって免責条項の効力に影   響を及ばす−ことはできないものとされている。  

(37)   

たとえば,セミトレーラ−が鉄棒によって被保険自動亜に.連結された1事件   において,被保険者側は,かかる連結の方法によって∴セミ.トレーラ−・ほトレ− 

ラ」−とし\うよりもむしろ被保険自動車の一・部(part of theinsured auto−  

mobile)となったのであるから,免責条項の適用を免れることができると主張   したが,裁判所は,トレーラ−は被保険自動車の−・部でほなく,あくまでも被   けん引貴としてのトレーラーであり,免貴条項の適用を免れることほできない   と,判決した。  

(4) ここに被保険車両によってけん引されまたほ被保険車両とともに使用   される車両ほ記名被保険者が所有またほ賃借する(owned or hired by the、\  

namedin6ured)車両でなければならない,とされている。   

それゆえ,たとえば,被保険トラクターが,被保険者の所有に.かからないま  

たは賃借していない,被保険者紅よって−・時的紅借用されている,トレ⊥ラ」−  

をけん引してル、る間紅損害を発生せしめた場合には,本免責条項ほ適用され  

(8$) ず,したがって保険者はてん補の費に任じなければならない,と判決された。   

この場合,保険者が自己が引受けた保険と同種の貴任保険に.よって担保され   ていない一・切の車両のけん引に対するてん補貴任を負担したくないと考えるの  

であれば,保険者は免貴条項の中の「所有またほ賃借する(owned or hired)」  

という文言を削除すべきであり,かかる文言が削除されない限りは,保険者ほ  

(36)UniversalA.Ins.Co.v.Noel(CA9Wash)64 F2d 916.Couch on Zns.  

§42:556 

(37)Welborn v。Wyatt,175Va163,7SE2d99.Coueh onZns.§45:1074.  

(38)Pioneer M11t.Compensation Co.v.Cosby,125Co16468,244P2dlO89,  

Co〝Cカ〃〝J乃.S.§45:1077.   

(15)

547   米国自動車保険約款免責条項第5集および第6条について   −J5−   

てん補の責を負わなければならないものと解される。   

(5)つぎに問題となるのほ.,本免責条項によって禁止されている使用と被   害者が被った損害との間に.因果関係の存在が必要か否かということである。   

米国の多くの裁判所ほ,被保険車両によるトレ−ラーのけん引と発生した損  

(a9)  

害との間の因果関係ほ重要ではない(immaterial)との見解をとっている。   

なぜならば,本条項は while 

any trailer…;Or u)hi le any trailer covered by this policyis used   with any automobilet…… (イタリックほ筆者)と規定しており,この「…  

の間(紺ゐまJβ一)」という言葉ほ,時間的な意味のみを有する言葉であって,因  

(40)  

果関係の存否を琴味するものではないと解されてこいるからである。それゆえ,  

保険者軋 被保険車両によるトレ−ラ−のけん引が現実に事故の原因となった   かまたは事故発生に.寄与したか否かを問わず,てん補費任を免除されることに  なろう。  

(6)免茸条項6条a号は,記名被保険者把対して適用され■るばかりでな  

(41)  

く,「被保険者追加条項(omnibus clause)」によって被保険自動車の運転を許  

く42)  

容されている許諾運転者に対しても適用される。   

それゆえ,許諾運転者が,借用している被保険トラックによって串己所有の  トレ−ラ」−(このトレーデー・ほトラックの保険を引受けている保険者に.よって   担保されていない)をけん引した場合にほ,保険者にはてん補貴任は生じない  

(39)Maryland Casualty Co.v.Cross(CA5th Tex)112F2d58,Cert den311   US701,85L ed.455,61S Ct141;Coolidge v.Standard Acci.Ins.Co.114    CalApp716,300P885;Speca v。BucciConstI.,Co.139Pa Super76,11   A2d560,etC.Couch onIns.§45:1070.  

(40)英国における while という言真の解釈については,Loudenv.BritishMer−  

chant,sInsurance Co.,Ltd..事件(〔■1961〕1Lloyd,s Rep..154,Q.B.)におけ    るLawton判事の見解を,またカナダにおける解釈紅ついては,Givensv.Balois占   

MarineInsuranceCo.,Ltd..事件((1959),17D.L.R.(2d)7(OntarioCourt   Of Appeal))紅おけるLaidlaw判事の見解を参照せよ。  

(41)「被保険者追加条項」紅ついては,所訳,前掲辞典,128・ぺ一汐をみよ。  

(42)英米における許諾運転者については.,拙稿「英米自動遠保険約款に.おけ為Pe工・−   

mitted DI■iveIについて」『現代保険学の諸問題』(相馬勝夫博士竜稀記念論文集)   

専修大学出版局,1978年,605−627ページを参照せよ。   

(16)

第51巻 第5号  

ーJ6−  

548  

(ヰ3)  

ことになる。  

(44)   

2.米国の場合,BAPは免茸条項6粂a号と同旨の免責規定を設けている   が,FAP把はかかる免貴規定は存在して1いない。   

FAPにかかる免資規定が設けられていなt/、のは,家庭用自動諒(family   automobile)がトレー・9−・をけん引するため紅使用されるこ.とから生じる余分   の危険(extra hazard)が極めて僅かなものであると考えられているからで  

く46)  

ある。それゆえ,保険者は,家庭用自動車が・ユ・−デイリテイ・トレーラーやホ  

−ム・トレーラー等をけん引するために使用される場合でも追加保険料を徴収  

(40)  

することなしに.保険保護を提供サーることに.した。   

したがって,現在では,家庭用自動車がトレーラーをけん引するために使用   されてル、る間に生じた損害については,それが賠償晋任損害であると医療費損   害であるとを問わず,保険者はて−ん補責任を負わなければならなV、ものと解さ   れる。   

3.英約款の場合,免貴条項6条a号に相当する免資規定ほ存在していな  

(4了) い。それゆえ,トレーラーが被保険自動車に連結・使用されでいる間に発生し  

た第三者軋対する賠償責任は原則として保険者によって担保されるものと解写   れる。  

(43)EmployersMut.LiabilityIns・Co・V・Byers,99NH455,114A2d888・  

Co〟Cカ〃乃Jが.§45:1071.  

(44)BAP,Exclusions(c).Brainard,OP・Cit・,p・552・  

(45)BI ainaId,〃久C∠才・,p.381・  

(46)こd坂合,家庭用自動車が被保険者の事業や職業のために使用される場合,たとえ   

ば展示品や見本等を積載したユ・L−・デイリテイ・トリ−・ラー・をけん引して顧客を訪問す   るために.使用されるような場合でも,被保険者は保険による保護を受けることができ   る。B柑inaId,頑㌧d才・,p.148.  

(47)英国に.おいては,トレーラ−は,自動車保険の目的のため紅ほ,自力推進貴両(a    self−・prOpe11edvehicle)に.よってけん引される一切のトラック,2輪革,4輪貴,   

またはその他の車両(othervehicle)と定義されている。そして,トレ・−ラ−は,通    常,(1)家畜,農産物,商品,小荷物または身回品の運送のために専ら使用される   

トレ−ラー,(2)トレーラ「‥キャラバン(tIaileI■CaraVanS),および(3)その    他すべてのトレ−ラ−,の3種に・分類されている。なお,ここ紅いうトレ−ラーー・キ  

ャラバンは,通常,備品,付属品,家具,服飾品,および道具を含むものとみなされ   

ている9Batt印andDinsdale,0?・Cit・?pp,181−182・   

(17)

549   米国自動華保険約款免賛条項算5条および寛6条について   −ヱ7−  

ただ,自動牽業者と賃貸自動皐の所有者(hir・e Car prOprietors)に対して  

(48)  

発行される保険証券の場合は,保険者ほ担保外とされて:いる。   

また,英国においてこは,トレ一夕−がけん引車と連結されてル、ない閤は事故が  

(49)  

発生しやすいと考えられているので,被保険者がこの間のトレ・−ラーの危険に   ついて担保を希望する場合紅は,彼は保険証券紅特別拡張担保約款(aspecial   extension clause)を挿入し{:おくことが必要である。   

このはか,PMCP紅よって提供される保険保護よりも広い保澄を被保険者   が必要とする場合に.は,同様に.特別拡張担保約款が保険証券に挿入される。   

4.わが国の場合,いわゆるBAPとPAPはいずれもトラクター紅よるけ   ん引に.ついてはV、かなる免責規定も設けていないので,けん引に関する問題が   約款上どのような取扱いを受けるのかほ明らかでほ・ないが,『自動車保険取扱  

(60) 規定集』の料率規定7・「その他特別な使途の自動車に・関する料率規定」は,  

(51) けん引貴紅対する割増保険料(対物賠償保険,および対人賠償保険一自損事  

(82) 故保険を含む)と,随伴車(被けん引車)に対する割引保険料(車両保険)に 

ついての規定を設けている。   

そして,けん引車の賠償基本保険料ほ,対人賠償保険については,保険金額  

・1名に.つき1,000万円の場合の用途・車種別最低基本保険料を1.2倍したもの  

(円位を四捨五入する。)に料率表掲載の保険金額別保険料係数を乗じたもの(円   位を四捨五入する。)とされ,対物賠償保険紅ついてほ,保険金額・20万円(免   貸付),100万円(免責なし)の場合の用途・車種別最低基本保険料を1.2倍し   たもの(円位を四捨五入する。)に料率表掲載の保険金額別保険料係数を乗じ  

(48)Batten and Dinsdale,OP.cit・,p.182.  

(49)J∂露.この点,米国に.おいてほ,トレーラーの被保険自動車への連結はむしろ危険    を増大させるものと考えられているので,英国の場合とは異なった考え方に立ってい   るものといえる。  

(50)自動車保険料率静定会『自動車保険取扱規定集.』1977年,117−135。  

(51)わが国においては,けん引車(トラクダー)とは,貨物車,A種工作車,B種工作    車,特殊用途自動車およびバス等のうち,随伴革(トレ・−ラ−)をけん引するための   構造および装置を有する自動車をいう。  

(52)随伴.車(被けん引車)とは,貨物車,A種工作車,B種工作車,特殊用途自動車お   

よびバス等のうち,げん引されるための構造および装置を有する自動車をいう。   

(18)

第51巻 算5考  

ーJβ【   550  

(53)  

たもの(円位を四捨五入する。)とされている。   

また,随伴車の賠償基本保険料は,当該自動車の用途・車種別基本保険料と   されるが,当該随伴車をけん引するけん引思紅賠償保険が付されている場合に  ほ,けん引されている随伴単によって生じた危険もそのけん引番の賠償保険で  

(51)  

担保されること紅なっている。   

それゆえ,けん引車についてけん引車賠償基本保険料が支払われた場合匹  ほ,被保険者は.,随伴貴紅腰償保険が付されていると否とを問わず,損害のて   ん補を受けることが可能となるのである。   

なお,乗用卓や汐」−プ等がけん引装置をつけてキャンピング・トレ−ラ・−・,  

モL一夕ーポート,または.ヨット等を積載した台車をけん引する場合には,当該   乗用貴や汐−プ等ほけん引車としてほ.取扱われず,したがってけん引遊歴償基  

(56)  

本保険料ほ適用されないことになる。この点,米国のFAPと英国のPMCP   が追加保険料を徴収することなしに,けん引に.よる危険を担保しているのに腰   似しているといえる。  

l56)  さいごに,自動車損害賠償茸任保険(以下,「自賠責保険」という)たぉける  

けん引皐・被けん引車による事故の場合の処理についてふれておきたい。   

これについては,『自動車損害賠償責任保険損害調査関係質疑応答集』の「共   同不法行為」25−3紅,損害てん補の出所が図示されているので,詳しくは.そち   らを参照していただきたいが,自賠安保険払おいて」は,けん引阜および被けん   引貴の両尊両が連結の状態にあるときに事故を惹起せしめた場合に.は,いずれ  

(53)自動車保険料率静定会,前掲規定集,118−119ぺ−・汐。  

(54)同上,120ページ。  

(55)同上,119ぺ−・汐。  

(56)自賠責保険の支払限度額が本年7月1日に引上げられた。その概要はつぎのとおり   である。  

(1)死亡および後遺障害の場合の最高限度額は,被害者1人虹つき2,000万円,   

(2)傷害の場合の最高限度額は,被害者1人につき120万円,(3)死亡するまで   の傷害ついての最高限度額は,被害者1人につき120万円,(4)休業損害ほ1日に.  

つき2,500円から9,000円までの実額,(5)傷害の場合の慰謝料は1日紅つき2,300  

円,(6)後退障害の場合の慰謝料等は障害の程度により欝1級600万円から第14級   

23万円′まで,となっている。   

(19)

551   米国自動塵保険約款免裳条項第5集および第6粂について  

−…ヱ9−   

の車両が轢いたかを問わず,被害者に.対するてん補ほすべてけん引車の保険に   よって処理されることに.なっており,被けん引尊がけん引車と連結の状態に・な   いときに事故を惹起せしめた場合に.のみ,被害者紅対するてん補は被けん引頚   の保険によって処理されることに.なって−いる。   

なお,けん引単に自賠責保険が付けられていないときの事放は,被けん引尊   が付保されて.いると否とを問わず,政府の保障事業に.よって処理されるものと 

し与Tl  

されている。  

ⅠⅤ あ と が き  

以上で免責条項5条および6条の解説と,同2か条とFAPおよび日。英自   動車保険約款の免普条項との比較・検討を終わる。   

すでに.述べたように,New Policy,米国のBAP,PMCPおよびわが約   款(いわゆるわがBAPとPAP)は,その表現方法こそ異なるが,いずれも   すべてのCOntraCtualliabilityに.ついて保険者を免貴とする旨規定している。   

これに対し米国のFAPほ,普通条項5条により,pOSt−loss agreement   に基づく安住については保険者を免責とするが,pre−loss agreementに.基づ  

く責任については保険者を有穿としている。しかしながら,FAPがPre・−loss   agreementの場合に,保険者を有責とする理由は,すでにみたように,家庭用  

自動車の場合に.contractua11iabilityを負担するケ・−スが極めて少ないとい   うことにあるのであるから,pre・−loss agreementの場合に保険者を有貴とす   る取扱いほ,被保険者と保険者の両者に.とって実質的にはそれほど重要な意味   をもつものとほおもわれないのである。   

したがって,上記の諸約款がいずれも contractua11iability の担保につい   ては極めて消極的な態度を示しているということ,またこれら諸約款の間には   実質的な意味における相違は存在していないということができるのである。  

(57)自動車保険料率算定会『自動車損害應償茸任保険損害調査関係質疑応答集』25−3。  

なお,ここに「政府の保障事業」とは,政府が自動車損害賠償保障法によって行なう  

自動車損害賠償保障事業をいう。   

(20)

第51巻 第5号  

−2♂・−   552   

つぎ紅,tOWing−trailer exception紅,ついてみると,New Policyと米国の   BAPは約款上トレーラ」−・のけん引に.関する免責規定を設けでいるが,FAP,  

PMCPおよびわが約款はいずれも免茸規定を設けていない。したがって,約   款の解釈からすれば,トレーラL−Lのけん引に.ついては,New Policy と米国の   BAPは保険者を免貴とし,FAP,PMCPおよびわが約款ほ,保険者を有   責とすること匹.なるであろう。   

そして,実務の面払おいても,わがBAPの場合を除き,上述の解釈どおり   の取扱いがなされr{:いるのである。すなわち,NewPolicyと米国のBAPほ,  

被保険自動事がトレーラ」−−をけん引中の危険紅ついては保険者を免責とし,F   AP,PMCPおよびわがFAPは,トレ−ラpをけん引申の危険についで保   険者を有責としているのである。   

しかし,わがBAPの場合は,  トレ−ラ−−のけん引払ついて,約款上いかな   る免責規定をも設けていないので,FAP,PMCPおよぴPAPの場合と同   様に,保険者ほ担保責任を負わされることになるはずであるが,すでに.述べた  

よう紅,「自動車保険取扱規定集」紅おいて,けん引車賠償基本保険料を適用す   べきことが定められているから,かかる賠償基本保険料の支払いがなされなか   った場合には,保険者ほ,トレ:−ラ・−をけん引申の損害に.ついてほ,てん補資   任を否認することができるものと解せざるをえない。それゆえ,被保険者は,  

かかる場合に・,免責条項が約款上存在していないことを理由紅,損害てん補の   請求をなすことはできないのである。   

以上を要する紅,COntraCtualliabilityに.関する免費規定は,FAPの場合   を除き,はとんどすぺての保険証券に.挿入されているの■で,保険者ははとんど   すぺての種類の自動車について免資を主張しうるのに.対し,tOWing−trailer   exceptionほ,NewPolicyおi び米国のBAP〜e:.締入され・て一いるにとどまり,  

他の保険証券には挿入されていないので,保険者ほ家庭用自動車や自家用乗用   皐については免資を主張しえないものと解せざるをえないのである。  

(1978.10.1)   

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