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相互作用の定量化

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Academic year: 2021

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(1)

一一一

熊本大学工学部研.究報告第42巻第3号(平成5年-11) 203

QuantificationoflnterractionofAspectRatio,

FiberVolumeFractionandCement-WaterRatio onMechanicalCharacteristicsofSteel

FiberReinforcedConcrete

論 文

鋼繊維補強コンクリートの力学的特’性に及ぼす アスペクト比,繊維体積率,セメント水比の

相互作用の定量化

上 聖 事 ・ 浦 野 登 志 雄 * * 井 之 * * * ・ 西 漂 輝 美 * * * * 村

1 . は じ め に

KiyoshiMURAKAMI,ToshioURANO,YoshiyukiMITSUI

andTerumiNISHIZAWA。

鯛合因子(例えば,繊維素材の性質・形状寸法,繊維 体稜率,コンクリートマトリックスの性質など)の相 互作用の定堂化に基づく最適調合設計手法,また構造 設計に関しては,、SFRCの力学的特性,特に引張特性

とその寸法効果を考慮した,部材の断面設計手法等の 体系化が期待されている.

断面設計に関しては,前報2)において,SFRCの引張 応力一ひずみ関係の推定手法と,引張応力一ひずみ関

係の寸法効果を考慮した,梁部材の曲げ解析手法を提 示し,その適用性を実験的に検討した。本報では,材 料設計手法の確立に資するための基礎的データを得る ために,SFRCの力学的特性に及ぼすアスペクト比,

繊維体積率,セメント水比の相互作用の定趣分析を行 った結果について報告する.

(7)

鋼繊維補強コンクリート(SFRC)が主として土木分 野を中心に実用化されて、既に約20年を経過している。

SFRCの調合設計に関しては,初期の小林らによる精

力的な実験的研究')を通じて,既に土木学会では,調合 設計指針が刊行されている.しかし,SFRCの材料殴 計(用途に応じた所要の力学的特性を得るための調合 設計)あるいは構造設計に関しては,いまだ容認され る方法験は確立されていない.

材料股計に関しては,SFRCの力学的特性に及ぼす

平成5年9月6日受付

・ 助 教 授 工 博 建 築 学 教 室

掌 . 助 手 工 修 八 代 工 業 高 等 専 門 学 校

. * ・ 教 授 工 博 建 築 学 教 室

“ . * 大 学 院 生 建 築 学 専 攻

(2)

2 . 実 験 方 法

204鍵M爵鑑コンクリートの力識#誰に及耐アスぺクト比b鑑体1N串,セメント批のi亜作用の定、化祉・識・三井・噸

表 - 1 使 用 材 料 表 - 2 使 用 調 合

2 . 1 鯛 合 股 計

SFRCの使用材料および調合を表-1,2に示す.

鋼繊維には,繊維公称直径(d)×繊維長さ(1,)が0.5×

20mm,0.6×30mm,0.7×50mmの3種類の異形カッ

トワイヤーを使用した.なお,アスペクト比(1,/d)

は,それぞれ40,50,71である.それぞれのアスペク ト比に対して,アスペクト比×繊維体菰率が0.5,1.0 の2水準について一定となるように,繊維体祇率(Vf)

を選定した.これは,アスペクト比が大きくなると,

繊維分散性の面から混入可能な繊維体秋率が小さくな るためである.また,セメント水比(C/W)は,アス ペクト比と繊維体積率のそれぞれの組み合せに対して,

1.5,2.0,2.5,3.0の4水準で変化させた.鯛合は,

スランプ18cmを目標にシ試し練りにより定めた.

(8)

*d:繊維公称直径,

1,:繊維長さ

2.2脚験および測定

圧縮賦験には,直径×高さが10×20cmの円柱供賦 体を用いて,圧縮応力一ひずみ関係を測定し,圧縮強 度,ヤング係数(1/3割線弾性係数)、強度時のひず みを求めた.なお,ひずみの測定には,コンプレッソ

*l,/d:アスペクト比,V,:繊維体秋率,C/W:セ

q

メント水比,s/a:細骨材率,W:単位水且

メータを使用した.引張試験には,圧縮賦験と同一寸 法の円柱供試体を用いて,割裂引頚強度を測定した.

なお,引張強度の算定には最大荷重を用いた.

破壊靭性試験には,幅×せい×長さが10×10×40cm のノッチつき梁賦験体を用いて,荷重一ノッチ肩口開 口変位(crackmouthopeningdisPlacement,CMOD)

関係を測定し,前報3)のJ等価DUgdaleモデルの逆解 析手法により,J秋分値を求めた.なお,ノッチは賦験 前にダイヤモンドパンドソーにより切断し,その深さ は3cmとした.また,CMODは,ノツチ肩口にナイ フエッジを介して取り付けたクリツプゲージにより測 定した.

以上の試験体は,同一調合に対してそれぞれ3個ず つ作製し,材令28日まで水中養生を行った.

/ ( C/W

aj副暁

( k g /

ス ラ ン プ ( c

4

1.25

553.2.21 9026344424604445

242 242 226 224 269 269 251 249

17.4 16.1 17.5

15.387061121 8117

5

553。2。21

88373344

80374555

252 252 236 233 288 288 271 267

66951111

65771111 99103506

7

0.7

1.4

57944445

57055566

262 262 245 243 310 310 289 287

77871111

66881111

9624957.1

セ メ ン ト 普通ポルトランド

細 骨 材 川砂

表乾比重=2.53 吸水率=3.50%

最大寸法=1.2mm 粗粒率=1.70 実績率=60.7%

粗 骨 材 川砂利 表乾比重=2.68 吸水率=1.42%

最大寸法=20mm 粗粒率=6.97 実級率=61.4%

鋼・繊維 異形カットワイヤー d×lf(m、)

0.5×20 0.6×30 0.7×50

(3)

熊 本 大 学 工 学 部 研 究 報 告 第 4 2 巻 第 3 号 ( 平 成 5 年 - 1 1 ) 205

- 団2

表 - 3 実 験 結 果 E(×100)

c/fgk m 2

*fc:圧縮強度,E:ヤング係数(1/3割線弾性係数),cc。:強度時のひずみ,ft:割裂 引狼強度,J:CODが0.5mmにおけるJ穣分値

800

5022

(毛痴呉温エも一×)山

1 a5 f /

0.0125 0.026

lrノUVC

O●△▲ロ■ 。●△▲ロ■

700

3.0

400

(9)

600

1.5

一…

500

200

図-1

1 . 6 2 2 . 5 3 3 . 5 4 , 4 . 5 5

(1『/d)Q・I6Vfp・OT(C/W)

圧縮強度に及ぼすlf/d,V,,C/Wの相互 作用

0 . 3 0 . 4 0 . 5 0 . 6

(10/d)‐8.42Vf-8.00(C/W)。.“

図-2ヤング係数に及ぼすI,/d,V,,C/Wの相 互作用

300 E8.37(l42V-q~9.0(C/WO9.44 rgO6935

/ ,Vf (

C/W f ( k g f / c m 2

eCo

(

×8-10 ( 2mc/ (

J g f

c

4

1.25

582 523‐

436 278 555 549 420 278

3.01 2.95 2.92

2.483222 06360972

2.56 2.47

2223 07605888

64.3 59.6 54.4

35.016608754 5760

1.320 1.085 0.873 0.518

1111 950

590 254 262

5

553.2‐21 553.2.21

564 499 404 312 571 570 471 298

22.222222 8210977272707850 23232334 5308707579427008 5370554467846664 5231

5241 0010

1110

926 954 151 680 465 479 291 771

7

0.7

553.2.

21

584 514 424 291 663 563 447 321

2221

2221 8781664959365407 22333345 23088823

62714822

7917555410258876

3672

9042

1111

2221

613 554 306 348 620 556 109 900

(4)

( 1 0

3.0

65

206鰯蝿繊コンクリートの力学湖推に及I対アスペクト比,I雛蝿i串bセメント水比の極怖の趣化批・浦野・三井・西潔

表-3に実験結果を示す.また,SFRCの力学的特 性に及ぼす鯛合因子の相互作用を定避化するために,

測定値を次式に当てはめて,非線形回帰を行った.

F=(l'/d)。W(C/W)γ

ここに,F:力学的特性,A,α,β,γ:回帰係数

1f/tlVf

d)(Cf/88(1rg01OV1.e / m - e

4

rロ0.904

田 口 酪 匝 r 】 a O O ‐ [

2.5 F n b u U = 田

ルノaVf 400.0125

O●△▲ロ■

「 Ⅱ y Ⅱ ロ . 口 個

(1f/d)Q・46V『B・op(C/W)■・00

図-5J積分値に及ぼす1,/d,Vf,C/Wの相互 作用

4a

(ぬ,○一×)。⑥画

]1

昌 小

22

△タヮド 0.5

J霧0.0026(16ノ句8.“V90.0QWpM.●8 戸0.899

- 1 . 5 2 2 . 5 3 3 . 5 4 4 . 6 5 6 . 5 6

(1,/d)0.60V『0.84(C/W)0.0’

図-4割裂引張強度に及ぼす1,/d,V‘,C/Wの 相互作用

0 0 Q Q Q 、 ’ 0

7

2 2 . 5 3 3 . 5 4 4 5 5

(1,/d)●・・6V『0.26(C/W)‐0.47

強度時のひずみに及ぼすl'/d,V,,C/W の相互作用

(狛刷逗渇己一半

図-3

図-1,2,3,4,5はそれぞれ圧縮強度(fb),ヤ ング係数(E),強度時のひずみ(Eb.)6割裂引喪強度 (ft),CODが0.5mmにおけるJ秋分値(J)に及ぼす 11/d,V,,C/Wの相互作用の定量分析結果を示す.相 関係数(r)は,すべてについてほぼ0.9以上であり,上 式により高い相関で相互作用を定量表示できるものと 考えられる.

図-1より,圧縮強度は,1,/d,V1,C/Wが大きく なるほど増加し,その寄与はC/Wが最大で,次いで l,/dの寄与が大きいが,V‘の寄与は小さいことが分か る.プレーンコンクリートと同様に,SFRCの圧縮強 度もC/Wにほぼ比例して増加し(いわゆるセメント 水比説が成り立つ),アスペクト比の大きい繊維を用い れ感多少の圧縮の補強効果が期待される.

図-2より,ヤング係数は,C/Wが犬きくなるほど 増加するが,1,/d,.V,が大きくなると減少することが 分かる.また,C/Wのプラス効果と1,/dのマイナスの 効果はほぼ同程度であり,V,のマイナスの効果は小さ い.一般に言われるように,繊維の混入はヤング係数 を低下させるが,その程度はアスペクト比の大きい繊 維ほど大きくなる.

図-3より,強度時のひずみは,1,/d,V‘が大きく なるほど増加するが,C/Wが大きくなると減少し,ヤ ング係数と逆の傾向を示している.これに関して,例 えば鋼管コンクリート柱のように,鋼材とコンクリー トの複合効果を期待するならば,アスペクト比の大き い繊維を用いて,強度時のひずみを増加させるのが有

9

O●△▲□■

8

3.実験結果および考察

3

□、01

5

4

(5)

熊本大学工学部研究報告第旦2巻第3号(平成5年-11) 207

効である.

図-4より,引張強度は,11/d,V',C/Wが大きく なるほど増加し,その寄与はC/Wが最大で,次いで 1'/d,V,の順となり,圧縮強度の場合と傾向は同じで

あるが,圧縮強度に比べ,C/Wの寄与が小さくなる一 方で,1‘/d,V‘の寄与が大きくなっていることが分か る.引張強度の改善には,C/Wと同程度にlf/dが重要 な因子となる.

図-5より,J稜分値は,1,/d,V,,C/Wが大きく なるほど増加し,その寄与は1,/dが最大で,次いで C/W,V‘の順であるが,C/WとV‘の寄与はほぼ同程 度であることが分かる.ひびわれ抵抗性の改善には,

1‘/dがもっとも重要な因子となる.

以上のように,それぞれの力学的特性の改善に対し て効果的鞍因子を定盆化することにより,SFRCの用 途に応じた最適な鯛合設計を硫立することができるよ

うに思われる.

(

4 . ま と め

本研究では,SFRCの力学的特性に及ぼす調合因子 の相互作用の定量分析が行われ,アスペクト比,繊維.

体種率,セメント水比の力学的特性の改善への寄与に ついて,材料股計手法の硫立に資するための有用な知 見が得られた.

最後に,本研究にあたって,鮪本大学甲斐定夫技官 の趨力を頂きました.ここに記して感闘致します.

参 考 文 献

1)d琳一輸著:lfua補強コンクリートー特性と応用-,オーム社,1981 2)村上聖,三井直之.油野丑菌麹:$謡、補強コンクリートの靭性癖価

に関する研究一飼織継袖強鉄筋コンクリートはりの曲げ特性-,熊本 大学工学部研究報告,館3蝿,鰯2号Opp、215-222,1990.9

3)村上理,油野登志雄,三井宜之:&副鋤I強コンクリートの破壊力学 特性に関する”E,鯛本大学エ学部研究報告,館41趣,第3号,pp、199 -213,199211

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