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看護師の手荒れの症状と程度

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第1群5席

看護師の手荒れの症状と程度

一手荒れ予防ローション設置前後の変化について-

感染対策室ICN龍口さだ子 Keyword:手荒れ,手荒れ対策,感染予防対策

はじめに 2.調査期間

2006年2月:設置前, 2007年2月:設置後

3.調査方法は質問紙を用い調査 4調査内容

手荒れの有無 ハンド・ケアの有無 手荒れの症状と程度

皮層かさつき、発赤、皮薄化、皮膚肥厚、皮膚 亀裂、爪周囲ヒピ割れ症状等を「なし、少し

ある、ある、ひどくある」に分類調査。

手荒れ予防ローションの効果 手荒れと手洗い時の苦痛について 5.倫理的配慮

研究データは研究のみに使用し、個人が特定され ないこと、さらに得られたデータは研究者以外に見 ることはなく関連資料は厳重に保管する。

院内ラウンドで手荒れを訴える看護師に時々遭遇 する。看護師にとって、手荒れは手指の美的感覚に も影響するが、感染予防対策上からもおろそかに出 来ない大きな問題である。手荒れは医療従事者の手 洗いの遵守率低下を招くことが指摘されている')2)。

病院における最も有効な感染予防対策は手指衛生と いわれている。多くの医療従事者がその重要性を認 識し、実際の医療現場では積極的に手洗い啓発活動 を行い、手洗いや手指消毒を積極的に実施している。

その一方、医療現場の看護師の手荒れへの苦痛は多 い。しかし多くの病院では医療従事者の手荒れにつ いて明らかになっていることは少ないと考える。そ こで手荒れ対策を自己責任として捉えず、組織の対 策として捉えることが必要ではないかと考え、2006 年度手荒れの状況を調査した。その後、労働安全衛 生委員会に結果を報告した。その結果、総括安全衛生 管理者(病院長)より手荒れ予防ローションの設置 が許可された。そこで手荒れ予防ローション設置前 後の看護師における手荒れの変化について調査した ので報告する。

Ⅳ6結果

図1.2から2006年2月の手荒れの調査結果は、

看護師の91%に手荒れを認め、75%が個人の予防ロ ーション等でハンドケアを実施していた。手荒れ予 防ローションの設置後の2007年は手荒れの無い看 護師が11%上昇、ハンドケアをする看護師が11%上

昇した。

図3の手荒れの症状と程度については、皮膚かさつ きがなし2006年1%から、2007年9%、発赤なし 2006年26%、2007年40%、皮薄化なし2006年51%、

2007年59%、皮膚亀裂なし2006年37%、2007年 48%、爪周囲ヒピ割れなし2006年21%、2007年 39%、紋消失なし2006年80%、2007年86%であ った。図4から、使用中の手荒れ予防ローションの 効果的は、2006年.2007年と61%・62%と変わり はないが、2007年は非常に効果的が9%であった。

図5の手荒れと手洗いに対する苦痛について、手洗 いで苦痛を伴わないが、2006年32%、2007年56%

であった。

I、目的

手荒れ予防ローション設置前後の看護師における 手荒れの変化について調査し、その効果を把握する。

Ⅱ用語の定義

手荒れは、観察者の経験に基づく主観的判断が多 く、その皮層科学的明確な定義はない。しかし、手 塚4)によると「手荒れ」とは、頻回の手洗いや洗剤 や手指消毒剤の使用により、角層表面の細胞が天然 保湿成分と水分を失い手指が乾燥し硬化し、浅い亀 裂が生じザラザラになった状態。さらに進化すると 角層全体が固くなり亀裂を認め、多くの場合、手背に 紅斑、丘疹を生じる状態を言うといわれている。

ハンドケアとは、手指に保湿クリームやローショ

ンを塗布し皮膚の乾燥をおぎなうこと。 V・考察

手指の皮膚pHは酸性を保ち、細菌の発育を抑制 する機能を備えている。しかし医療従事者は高頻度 な手洗い、手指消毒剤、温水、洗剤等の重複があり 手荒れにつながりやすい。手荒れが起きるとその機 能を十分に発揮できず、皮膚表面には表皮ブドウ球 菌・黄色ブドウ球菌等による微細膿瘍を形成し、細菌 の増殖や定着を招く。さらに手荒れなどの皮膚の落 屑には細菌が付着しており、空気中の細菌の飛散を

Ⅲ、研究方法 L調査対象

当院ICU、HCU、小児科病棟勤務の看護師 手荒れ予防ローション設置前:n=85 手荒れ予防ローション設置後:n=6l ほぼ同じ集団である。

-17-

(2)

11j

345

媒介に、周囲の環境を汚染する原因になると言われ ている3)。当院ICNの巡視時に手荒れに対する苦痛 を訴える看護師に時々遭遇する。看護の職場におけ る看護職の健康を守り、看護の質向上につなげてい くことを要求される労働安全衛生衛生管理者として、

また、感染管理担当師長として、こころが痛い。そ こで2006年に手荒れを調査した。その結果、手荒れ を認める看護師が91%ときわめて高率であること。

さらに63%の看護師が手洗い時に苦痛を伴っていた。

このことは「手荒れ対策は個人の責任」のみでは片づ けられない現状があるのではないかと考え、手荒れ 予防ローションを各病棟に設置した。手荒れ予防ロ ーションの科学的評価分析は行っていないが、ハン ドケアは少なからず手荒れ予防につながり、看護職 の手指の保護に効果があること解った。

世界的な現状として、手荒れ対策は個人の責任と されているところも多い5)。ハンドケアは手荒れの 予防効果があり、組織として取り組む必要性も示唆 される。院内感染予防対策上は積極的な、手指消毒や 手指衛生を促している感染管理担当師長として、ま た衛生管理者として、手荒れ予防対策を個人の責任 のみでの対応は不十分であると考えている。

今後も、感染管理担当師長として、手洗いを積極 的にすすめ、遵守率を高めるためにも、手荒れ予防 対策について、日常的に関わっていきたいと考えて いる。医療従事者の手荒れのない皮層は優れた生体 のバリアーであり、感染症に影響する微生物の成育 を少なくする。手指を健康な状態に保つことは、手 指衛生の向上に最も寄与するものと考える。さらに 手荒れを防止することは、重要な感染予防対策の1 つであると考えている。

Nodle,WC:Dispersalofskmmicroorgamsms、

BritJDematoL1975;93:477-485

手塚正:手足の皮層生理とそのケア。フレグ ランスジャーナル,2:11‐16,1991.

龍口さだ子他:感染予防対策の基本医療従事者 のための手洗いマニュアル,クリニカルマガジ

ン,p48-49,2001.

Ⅵ、結論

1.手荒れの最も多い時期の調査であるが、看護師 の91%に手荒れを認め、きわめて高率を示す。

2.手荒れが手洗いを苦痛にしている現状がある。

3.感染予防対策上、組織としての手荒れ予防ロー ションの設置は医療従事者にとって、手荒れの 症状を改善し、手洗いへの苦痛を減らし、良い 変化をもたらす。

4.今後も患者の安全、働く職員の安全のため、手 洗いの遵守率を高めるため、手荒れ予防対策を 組織として取り組む必要性がある。

参考文献

1)Larson,Eandkinien,M:Factorsinmuencing handwashingbehaviorofpatientcare personneLAmJInfbctControll982;10:93-99 2)Newman,』.L・andSeitz,JC:Intermittentuse

ofanantimicrodaialhandgelfbrreducing soap-inducedirritationofhealthcare persomeLAm.』・InfbctControl,18:’94-200,

1990.

-18-

(3)

図L手荒れ症状に有無

2007年手荒れ症状の有無 2006年手荒れ症状の有無

9% 20%

露iiD

91%

圖手荒れがある■手荒れがない 圖手荒れがある■手荒れがない

図2.ハンド゛ケアの現状

2007年ハンドケアの現状 2006年ハンドケアの現状

14%

75% 86%

鬮行っている■行っていない 團行っている■行っていない

図3.手荒れ症状と程度

皮膚のかさつき 発赤

100%

80%

冊冊%%船刊 000000 08642

〈ロ60%

剛ロ40%

如雨

20%

2006年度2007年度 0%

年度 2006年度2007年度

年度

團なし團少しあるロある□ひどくある 團なし圏少しある□ある□ひどくある

紋消失

冊冊船%冊 00000 08642

扣一繩

0%

2006年度2007年度 年度

-19-

化 薄 皮 %

5 殆●CCC●●■■■■■■●●●p勺●■●b■P■■の■●の■p●●。▲・CO●▲●●●凸●seGPP●。。PbpBp●■勺■■b■■■■■■■●、■■■■■巳●S●凸の◆。●CO●●●●●■■■■

船冊 00 08

船 0

船洲 00

42

如雨 ]

2006年度2007年度 年度

鬮なし圏少しある□ある□ひどくある

一一一一

20%

ヒニーーコ

18

4ロ

刑ロ 100%

80%

60%

40%

20%

0%

皮膚肥厚

8%

% 一

2006年度2007年度 年度

可 一一一一

qqh 一一 ̄一-一一-

1%

鰯なし圏少しある□ある□ひどくある

4ロ

Clロ 100%

80%

60%

40%

20%

0%

皮膚亀裂

恥 (一

2006年度2007年度 年度

鬮なし鰯少しある□ある□ひどくある

12%

21%

- 一一

'9%

鬮なし圏少しある□ある□ひどくある

(4)

図4使用中の手荒れ予防ローションの効果

2006年使用中の手荒れ予防ローションの効果 2007年使用中の手荒れ予防ローションの効果

4%9%

38 2

2%

鰯非常に効果的鰯効果的

鰯あまり効果的でない鰯効果的でない 蕊非常に効果的霞効果的 鱒あまり効果的でない麹効果的でない

図5.手荒れと手洗い時の苦痛

2006年手荒れと手洗い時の苦痛 2007年手荒れと手洗い時の苦痛

5% 4%

2%

鰯苦痛を伴わない 鰯苦痛を伴う

□苦痛で手洗いができない

鰯苦痛を伴わない 蟻苦痛を伴う

鰯苦痛で手洗いができない 6

-20-

失 消 紋 % 0 船 0 …

船船船船冊船船船船船刊 00000000000 0987654321

如雨

2006年度2007年度 年度

|圖なし團少しある□ある□ひどくあるI

4ロ

槻ロ 100%

90%

80%

70%

60%

50%

40%

30%

20%

10%

0%

湿疹

4% 2%

2006年度2007年度 年度

恥「

5-1-

% 4

一一’二』』』

團なし圖少しある□ある□ひどくある

参照

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