町おにしのための r 間合
J賞はじめに 1背ながらの窟
1.1撒悶震予おんの郷土料理レシピ 1.2食を伝える蹴み
2田舎をアピールする食 2. 1民宿茶どころさん 2.2田脅屋さん 2.3寺田園さん 3新しい食
3. 1小沢食想定ん 3.2滞本茶間さん 4問臆点と解決の糸口
ι1 COLORS古ん
4.2エコブラ・ PEOPlE TREES
5 1訟の持つ可能性 5. 1町おこしの撤 払2千閣の1誌と町おこし 省幹帯文献
はじめに
町おこしのための「田舎J食
構 ヶ 鶴 礼 嫡
今、食が観光の目的になりつつある。各地でB級グルメと呼ばれる、その土地ならでは の食べ物が次々と生み出され、それを食べに多くの人が集まる。安くてうまいB級グルメ が、町おこしの主役として脚光を浴びている。人を惹きつけ、その土地ならではの味、と うならせるのは昔から現在まで長きにわたり受け継がれてきた地元の昧である。それも凝 った正式な場での料理ではなく食べなれた日常的な料理なのである。B級グルメによる町お こしの最大の成功例は、静岡県富士宮市だ。コシのある麺に肉かすを入れた独特の風味の
「富士宮やきそばJは、平成18年度までの6年間で217億円の経済効果を生み、観光パスが 連日のようにやって来ている(ブランド総合研究所ホームベージ)。レジャー施設など多鮪の予算
こで、このよう
こしとは迷い、地元に根付く庶民の味は、
にあ は30,020 りつつある
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ミ長め
町おこしのための「田舎j食
ついて考え、食を使った地域おこしの可能性を探るととが本章の目的である。まず、昔な がらの食と、それから現在の食に関する新しい動き、更にはそこから見える今後の可能性 について取り上げる。
1昔ながらの食
本節は食材については主に近畿大学の『本川根町奥泉・大谷の民俗H本 川 根 町 上 岸 ・ 藤川の民俗~ ~本川根町桑野山・沢聞の民俗』から、料理については大石貞男の『日本の 食文化全集22 聞き書 静岡の食事』から一部抜粋したものである。
まず初めに、昔ながらの食について見ていく。季節の素材と共に季節の食事を見ていく ことにする。この地域ではお茶の仕事があり、主婦も一人前の仕事があるので、しっかり 煮炊きするのは夕飯の時だけであったことから、ここで取り上げるのは夕飯だけに絞る。
春には山で採れた山菜やタケノコが多く食卓に上がる。料理としては、 ドジョウの煮付け や味噌汁などをつくるときもある。また、キノコご飯、里芋飯、タケノコ飯、ソラマメ飯、
エンドウ飯ができる季節である。 5月になれば新ジャガのおいしい季節になるので、煮物に したり、塩茄でにしたりする。山で採れた山菜などは煮物や漬物にして保存食にする。夏 にはナスなどの季節の野菜の味噌汁、ソウメン、 トウモロコシなどが登場する。季節の野 菜はナスやキュウリが多く、カボチャの煮物、キュウリもみ、キュウリ・ナスなどの漬物 は絶やさない。また、川で魚がとれるので、カジカ(ハゼ類)の佃煮、ハヤの煮付 け、フナの 田楽、シジミの味噌汁などもできる。秋は、里芋、山芋、大根、サツマイモ、シイタケ、
柿など様々なものが収穫される。料理にするなら、里芋とシイタケのご、った煮、ゴボウの 金平、ニンジンの醤油和え、里芋の煮つ転がし、大根の赤漬などがおいしい。また、コン ニャクもできるので、白和えや煮物にし、寒くなればおでんにもする。山にはハチが巣を つくるので、その巣をとってきてハエハチ飯にする。幼虫も成虫も食べるようである。冬 になるとこの地域でとれるものはほとんどないので、秋にとれたものを使った保存食が頼 りである。料理では麦飯、大根飯、里芋飯などつくるときがある。 トロロ汁もこの時であ る。里芋、大根の合わせ煮、フロフキ大根、大根のほろ煮、切干大根の煮物もよい。また、
害獣である猪や鹿の肉が食べられたりする。また、川でとれる魚は少ないので、塩マスな どを買って時々食べていた(1986大石)。
このように千頭や千頭周辺の地域では蕎麦、麦、キピ、ヒエ、大豆、小豆、クリ、 トウ モロコシ、里芋、コンニャク、山芋、サツマイモ、ジャガイモ、山菜、椎茸、筒、)11魚、 獣肉(山鳥、兎、猪、鶏、豚)、昆虫(ジバチ、クマバチ、スズメパチなどの蜂)、柿、栗、味噌などの 食材が多く用いられていたようである。また、里芋、椎茸はどの地域でも用いられていた
ものであり、代表的なものだと言えるのではなし、かと思う。その他には山村なので特に米 が貴重なものであり、ヒエやキピ、ムギと混ぜて炊いていたことや、前述したように海魚 は行商から買って食べていたことなどが書かれていた。この行商をぼて振り商し、(天秤棒を担 いで売り歩く人)といい、焼津から来て早朝には農家を回っていたようである。 1週間に3、
町おこしのための「田舎j食
4回はイワシ、メザシ、カツオ、カツオの削り節、サパ、マスなどを売りに来たようだ。
実際に千頭の人に昔ながらの食について聞いたところ、郷士料理というと思いつくもの が少ないようだが、昔からよく食べているものはいくつか挙がった。例えば、里芋の茎を 甘辛く煮たいもがら。里芋をつぶし、もち米と一緒につき因子にした亥の子餅などである。
上記のものが日常の食であるのに対し、結婚式の時に出される料理がある。これは、一 の膳、二の膳または会席膳、本膳などで成り立っていたが、徐々に会席膳のみになってい ったようである。料理を作るのは、近所の数軒が集まって成り立っている班や親戚の女衆 であったり、料理屋や仕出し屋に頼むこともあった。料理は婿の家で作るのが一般的であ った。料理の内容はというと、膳や木製の平皿、回し血に、金平ゴボウ、昆布や人参など の煮物、煮豆、蒲鉾、羊嚢などを盛った。他には、縁起の良い鯛はできるだけ用意するも ので、あったが、戦時中や食糧難で手に入らない時には、濡らした新聞紙にくるんだ生きた 鯉を用意したり、蒲鉾で鯛の形をかたどったものを用意することもあったそうだ。また、
座着きのお吸い物、閉めのお吸い物があったようである。葬式の時の料理も大体似たよう なものであるが、もちろん鯛はなく、清めの酒や汁ものが出されたようである。また、お 正月には1年のはじめに、来年は良い年になるようにという願いを込めて精一杯のごちそ うを作る。まずお雑煮である。平らな餅を焼かないで煮る。大根、里芋、京菜を入れ、か つお節をかいてのせる。お膳にはゴボウ、ニンジン、コンニャク、タケノコ、里芋、シイ タケの煮物、昆布まき、大根とニンジンのなます、黒豆.の煮物、ハスイモの吸い物、数の 子などを黒塗りの椀に盛る。
1.1森田愛子さんの郷土料理レシピ
こうした昔ながらの食べ物の具体的な材料と料理法については、森田愛子さんという方 が食生活促進協議会からの依頼を受け、静岡県高齢者地域福祉促進事業のーっとして、高 齢化対策のために島田保健所の指導のもと各家庭に配布した『郷土料理』としづ冊子に記 されている。森田愛子さんは、大井川をはさんで千頭の対岸にある小長井の、山の上の方 に住んでいらっしゃる80代の女性である。この冊子は昭和63年につくられたものであり、
当時森田さんは60代であった。発刊にあたり、森田さんは「健康づくりのためにI多様な食 品で栄養バランスJを考えて食事を作らなければなりませんが、その中に私たちの身近なと ころに、忘れられているものがいくつかある様に思います。それらをもう一度見直し「ふる さとの味、わが家の味」を大切に末永く伝えてほしいものと存じます。Jとおっしゃっている。
この冊子にある料理名を表にしてみる。なお、詳しいレシピは参考資料として資料編に載 せている。
町おとしのための f田舎J食
表1 森田愛子さんの記した郷土料理
料理名 備 考
1 苧がらのいため者: 芋がら 史芋の茎
2 椎茸と切干大根の沙り煮 切干大根。冬に千切りにしC干すと4月まで食べられる (保 存食)
3 かぼちゃと小豆のいとこ煮
4 なすの味噌妙め ナス 初夏から秋までずっと採れる
5 大根の葉の:沙め煮 大根:1,2月の寒い時
6 ぜんまいと油揚げ煮 (保存食)ぜんまい春
7 大根と糸こんにゃくの妙め煮 8 にが瓜となすの味噌妙め
9 ふろふき大根 大根 1,2月の寒い時
10 にんにくの葉と生しいたけの油紗め しいたけ:秋 11 生しいたけ、かまぼこのかき揚げ し い た け 秋
12 稗飯 稗。五穀の中で最もカロリーが高い
13 蜂の子飯 ハ チ 秋
14 五回めし 行事などがあったときにつくる
15 かぼちゃ入りきび粥
16 亥の子餅 旧暦10月の亥の日、亥の千(百姓の紳)
17 卯ずき餅
18 じゃがいも餅 きな粉、砂糖をかけてもおいしい
19 晦日汁 年越し朴
20 八ツ頭苧の雑煮 八ツ頭 里芋の親芋が大きくなったもの
21 そばほうとう 22 けんちん汁 23 呉粋
24 わらびのたたき わ ら び 春
25 わらびの白和え わらび。春
26 タラの芽のごま和え タヲの芽,山菜の中で最も味わい深い。春
27 芽がきのごま和え 芽がき:草木の芽 5月上告jに若芽をとる 28 いもぎのごま酢和え い も ぎ 山 菜 。 春
29 じゃがいもの梅肉和え 大根でもよい
30 梅干し(減塩) 保存食
31 酢漬け大根 保存食
32 煮なます
なすの刻みf貴け みょうがの酢漬け 大根のハリハP漬け
保存食 保存食
町おこしのための「田舎j食
たくあん用の大根から細めのものを選ぶ保存食
こうして見ると、野菜を中心とした食事にコクを与える調理法である妙め煮、もちと総称 される食材を丸める調理法、和えもの、野菜の保存法である漬物が目立つように思う。漬 物は、野菜、山菜を利用し、大根はたくあん、その他はぬか漬け、塩漬け、酢漬けとする ことが多い。このうちたくあんは冬から春にかけて欠かせないものである。ぬか漬けは季 節の物を漬けるので、年中なくなることはない。材料としてはニンジンや大根、イモ類、
山菜が目立つように思う。ニンジンやゴボウは普段のおかずにも晴れの日のごちそうにも 使い道が広い。大根は煮物や漬物、混ぜご飯にもなくてはならないものであり、使い道が 広く、とりわけ重要な作物である。イモ類の中でも里芋は、米、麦に次ぐ大切な食料であ る。山菜は早春から晩春にかけてはおいしいものが多い。中でも多く採れて好まれるのは ワラビである。この冊子に載っているものは、千頭という地で供給できる材料を使ったも のが多い。つまり、自分の持っている畑でとれるようなものや、山からとれるものを使っ た料理が多い。この冊子を作るにあたり、女性によく作るものを聞いて、それを集めて作 ったということから、日常で食べているようなものが多い。しかし、山菜はアク抜きしな くてはいけなかったり、漬物は漬ける時聞があったりと何かと時間のかかりそうな料理が 多いようにも思う。さまざまな加工品やレトノレトのものが出ている今、こうした時間のか かるものは若い人には好まれないであろう。それに、高齢化したお年寄りの方にも長時間 の調理は負担になるのではないだろうか。こうして、長い間千頭周辺で作られていたにも かかわらず、作る機会が減ってしまった地域に密着したものが冊子となり、伝えられよう としたのだと思う。
しかし、この冊子がつくられてからは長い時聞がたっており、現在はこうした昔ながら の食べ物を若い人にも作って欲しいという思いはあるものの、それを実現する場をもてな いでいる。それでも、前述したとおり、お葬式や結婚式での料理を作ることがあり、そこ が若い人に地域の食を伝える数少ない場であるようだ。
1.2食を伝える試み
また、森田さんは千年の学校で講師をしていた。千年の学校とは、まち全体をキャンパ スにして地域の資源、歴史や文化、暮らしを楽しみながら体験し、みんなで学び合いなが ら「まちづくりJへつなげていく活動である。これは、川根本町主催のもので、 2002年の開 校以来8年、「千年の学校Jでは各種講座を行い、「ふるさとjの良さを学んできた。様々な 体験を通して、 fまちづくりへ参画」することを目的としている。具体的には、
(1)人づ、くり一地域を深く知る
地域の文化資源を掘り起こして光をあて、誇りと自信を持つ人材をみんなで、育て合う。
町おこしのための「田舎J食
(2)魅力づくり一地域をみがく
知識と技と誇りを持つ人は地域の魅力となり、その実践が地域の風景を美しくみがき、
もてなしの心を生み出す。
(3)活力づくり 地域を発信する
人や風景やもてなしの魅力が人を呼び込み、情報やそノが交流し、らせん状に地域づ くりの力が高まる。
というものである。平成 22年、第 9期生の事業計画としては開講式を皮切りに来年 3月ま で基礎講座を年間6回、専門講座を年間6回程度開講する。基礎講座(全員の学生が受講)では まちの歴史、文化、暮らしに関する講演、お宝発見ツアー、先進地への視察。そば打ち体 験、炭を利用してのバーベキューなどが行われる。その後、専門講座として以下の3つの 専門講座の中から選択して受講する。複数の参加も可能である。専門講座とは①山の暮ら しコース(間伐材の利用・炭焼体験など)②ふるさとの食コース(安全な農作物の生産と食への利用)
③閏舎のものづくりコース(町の素材な利用してのものづくり)がある(川恨本町ホームページ)。
こうした取り組みの中で、森田さんは昔から地元で、作っていたそばを種から作り、そばに して食べるということを講師として行ったという。 21年度のそば打ち体験では、)11根そば 打ちの会から3名の講師を招いて50食のそばを打った。講師の方が最初に見本のそば打ち を披露した後、学生も真剣にそば打ちに取組んだ。また、キピとさつまいもを炊いたキピ ご飯、カボチャとそば団子、収穫した小豆がたっぷり入ったカボチャしるこも、森田さん の指導で調理した。こうした企画には、静岡市や浜松、島田の定年した女性や、浜松にあ る静i商文化芸術大学の学生が参加しているようである。
2田舎をアピールする食 2. 1民宿茶どころさん
今回私たちが泊まった民宿茶どころさんのお客様は、普段は建設業や電機会社等の仕事 で長期滞在する方が中心である。男性客が多い上に、連泊となると、量と食事のバラエテ ィーを重視するためどうしても一般的なメニューが中心になってしまう。しかし、時には 観光客のお客様も宿泊するため、観光客向けの食事がある。メニューは、)11魚のお造り、
旬のものの天ぷら、大根そば、シイタケの鉄板焼き、ホウレン草や山菜の和え物、鮎の塩 焼き、果物である。このなかには、山菜や原木シイタケ、)11魚など、地元で採れる食材を つかった料理が目立つ。
また、食材の流通の面で昔とは変化してきたととがある。流通が便利になったことで、
食材をほとんど外から仕入れるようになった。昔は地元で仕入れていた食材も、仕入れの 範囲が島田、焼津、!日中川根に広がった。さらに、食材の入手法に電話などでの注文、通 販、カタログを見ての注文などが加わった。これには、値段が安く、通販などは玄関先に まで届けてくれるため、運ぶのが楽だという利点もある。それに加え、茶どころのご主人 は多趣味で、自ら)11魚を釣ったり山に山菜を採りに行ったり、沢ガニを捕まえから揚げに
町おこしのための「田舎」食
したり、子供のころにはクロスズメパチの巣をとってきて、蜂の子を生や、甘く妙めたり して食べていたとしづ。こうした自然に密着した暮らしは、子供のころから体験して、体 で覚えてきたからこそできるのである。しかし、先代が亡くなった今は奥さんと 2人で民 宿を経営しているため、そうした時聞がないようだ。そのため、あれば土地のものを使う が、そうでないことが多いためほとんどの食材を現在は仕入れている。
こうして見てきたように、観光客用のメニューは、食材は外から仕入れたものが多いが、
メニューは山のもの、土地でとれるものを使ったものが多い。つまり、外から仕入れたも ので、山の、地域の食事を再現していることも面白い点である。
2.2 r田舎屋jさん
また、都会から離れ、昔ながらの岡舎の良さを味わってもらおうとする届がある。千頭 の対岸の小長井にある、田舎屋さんである。ここは、都会の忙しさから抜け出し、ゆっく りとした時を過ごして欲しいというご主人の思い通りの庖である。庖は緑に固まれ、入っ た正面には囲炉裏の部屋がある。その部屋にある掛け時計が唯一のデジタノレといえるもの で、音といえば唐内にある小さな池に流れ込む水の音や風の音のみである。こうすること で自分の時間を止めると同時に、相手の声をしっかりと聞き、自分にはないものを理解す ることができると田舎屋のご主人は言う。食事は「田舎料理」である。メニューは、やまめ 塩焼き定食の場合、たけのこの煮物、高野豆腐の湯葉巻き、レンコンの梅和え、いもがら、
きのこのマリネ、春雨、こんにゃく田楽、山菜そば、玄米ご飯、漬物、~Lrぶどうジュース、
ヤマメの塩焼きである(写真1)。定食にはこうした小鉢がつく。この小鉢は季節によって変 化する。畑で採れた野菜や、山で採れた山菜、自ら養殖したやまめやいわななどが並ぶ。
ここでは、田舎屋さんが自給した素材を使うことにしているが、シーズン以外のものは地 元の人から買うこともあるようである。地元の人から買うのは、知っている人から買うた め、食材が確かなものであるといえることと、地元の人との付き合いがあれば、何かの時 に助けてもらえるという理由だそうだ。土地のものがつかわれていることや、人と人のつ ながりを大切にしているというのは回舎の良さではなし、かと思う。将来的には、お客さん が自ら畑で収穫した野菜を食べてもらうことも考えているそうだ。
町おこしのための「田舎」食
写真1田舎屋さんのやまめ塩焼き定食
2.3寺田園さん
また、寺田三根男さんの経営する寺田園も、ゆっくりとした時聞を過ごして欲しいとい う思いを持っている。寺田園も対岸の小長井の山の上の上岸にある。広大な敷地に畑、梅 の木、ツリーハウス、差鶏場、木工所、味噌などをつくる施設があり、様々な体験ができ る。食べ物でいえば、梅を摘み取り、梅ジャムを作る体験。地元で採れた大豆をつかつて 味噌を作る体験などがある。この味噌はTI姓の奥さんたちの集まりである「つどいの会Jの 人たちが中心となりつくっている。このつどいの会では畑でできたものを使った食べ物を 作り、外部の施設で販売している。また、お屈ではホテルに勤めていた時の経験をもとに、
寺田さんが作ったパンやピザ、ランチが楽しめる。以前は卵の宅配も行っていたが、現在 はその鶏を利用したメニューを考えている。
3新しい食
こうした昔ながらの食事に注目するところもあれば、地元のものを使って新しい食を生 み出しているところもある。
3. 1小沢食堂さん
千頭にある小沢食堂さんでは、地元のものを使ったメニューを作りたいということから、
川根茶杏仁豆腐をつくった(写真2)。ご主人がもともと静岡のホテルで中華料理をつくって いたこと、川根茶のきれいな緑がよく出ている上に、杏仁豆腐の下の伝うに川根茶の粉が 沈んで、より深い緑になりきれいであったことから、このメニューに決定したそうである。
川根茶を使用したのは、観光客が川根といって思い浮かべるものの筆頭に川根茶があるか らだそうだ。小沢食堂さんで使用している川根茶はご主人のお母さんが作ったものを使用 しており、 100%1正真正銘の川│根茶であるそうだ。 4月の新茶の時期になれば、お茶のてん ぷらも出しているようで、こうしたメニューは、観光客だけでなく地元の方にも喜ばれて
、いる。
町おこしのための「田舎」食
また、 11月の紅葉の時期になると、旅行会社、小沢食堂、えびすや、おせど精肉府が協 力して「紅葉弁当Jを作ることもしたようである。内容はしいたけ、猪やシカの肉、紅葉寿 司(紅葉の葉を漬けた赤い酢を使用したもの)、お茶などといった田舎の食材をメインにしたもの である。 1台のパスで50人くらいの人のお弁当をつくっでいたそうだ。
今後は、ご主人が商工会青年部であることもあり、商工会と地域の飲食庖とでホームペ ージをつくる話があるようだ。また、千頭は、観光客が駅までは来てくれるものの、そこ から先に来てくれる人が少ないと感じているようで、若い人が集落の中の方まで来てくれ るように、結婚式など多ぐのイベントを聞いたり、サスペンスブリッジ恋愛事件などのイ ベントと提携することで、話題づくりをしている。
写翼2 小沢食堂さんの川根茶杏仁豆腐
3.2津本茶園さん
お茶を使った新しい料理といえばお茶屋さんたちの動きも知っておきたい。千頭の南に 位置する、間代にある標本茶園の奥さんに話を聞いたところ、川根茶業協同組合は 10年前
に40周年記念、で、お茶を使った料理のコンテストを開いたそうである。お茶を丸ごと食べ てもらうというのが目的である。栄養士や、芸能人が審査員となり、 1位が決定した。作品 名はないが、内容は惣菜(揚げ物)である。そのレシピは次の通りである。
材料:J 11根茶20g、ゆでた里芋300g、豚ひき肉250g、ポねぎ112個、パン粉80宮、卵I 個、しょうが汁少々、塩コショウ少々、ナツメグ小さじ 1/2、揚げ油
調理:①川根茶をボールに入れ、お湯を注ぎ葉の聞き具合を見ながら、ひたひたになる くらいまで湯を注ぐ。
②ゆでた里芋をよくつぶす。玉ねぎはみじん切りにする。
③ボールに豚ひき肉を入れ、里芋、玉ねぎ、パン粉を入れよく混ぜ合わせる。さ らに開いた茶の葉をいれ卵、塩、こしょう、しょうが汁、ナツメグを入れて混 ぜる。
町おこしのための「間合J食
を170牒にし 々 口 2
である。 1 もの
ークル「茶の議Jによって冊子イじされている。 58人の人による 55倒のレシピが載っている。
その中から持部、観光協会が主体となって決めた川│根茶の日に一品っくり、観光客に無料 でふるまっている。これは、旧本川根町、旧中川根町、│日川根町の三町が)11肩掛i之主催して おり、旧本川j恨町なら、駅前、旧中川根町なら茶若館、旧川根町なら川根温泉で聞いてい た。今年、 2010年は4月18日の日曜日に川根本町が主催したようである。こうした動古 が次第に認められ、静岡新聞に載ったこともあれば、町のイベントに呼ばれることも増え てきているようである。
町外の人へアピールする場は設けられているものの、その皮面、若い人に急須でお茶を 飲んでほしい、川根茶在使った料理を知って欲しいという思いはあるが、方法がわからな
かったり、 に出てj子ってしまい、
る。また、それと同時に町へ出でいっ 闘って持ってiぎてくれるという
う
︑ る い が あ
レ﹂十口
い る
4問問点と解決の品口 し
いるにも る
たり、
らないこと 個々の屈は観光客をI呼ぶための工夫そしているところが多いものの、)白ごとの構のつなが
りが薄いために情報交換や、協力体制があまり築けていないこと。千聞の人々の自ら外へ 動きかけようとする意識が低いとと。それは、千閣の人自体が積極的に外へ働き掛けなく とも、交通の嬰所であったために多くの人が訪れていたからなのか、反対に山村で閉鎖的 なためなのかは分からない。飲食屈などでせっかく地元のものを使った料ま里なのに、その ことが千頭を知らない人にでもわかるように全面的にアピールされていないことなどが千 頭全体を盛り上げる力に欠けているのではないかと感じた。
4. 1 COlORSさん
そこで注目したいのが、駅前にある COLORSという飲食j占のご主人、内野博康さんであ る。内野さんは食管使った観光に;留欲的であり、自
によると、今千臓に必喪なものは日級グルメのような、
うだ。川椴よいえば r)11根燕Jがある。しかし、
るものが欲しいのである。そのために、
γ なると てしgとうの
町おとしのための「田舎」食
観光客の目的はSLに乗ることだけであったり、千頭駅周辺に芸能人が撮影などで来て、そ の影響で観光客が一時的に噌えたとしても、それを次に繋げられないという。こうした現 状を打開するのが食である。そこでポイントとなるのが千頭の「つくる文化Jである。内野 さんは、静岡などの街は無いものを買うが、千頭は無いものをつくるという。例えば山の 木を使って生活用品や道具と作り出すということであるロこのつくる文化は流通の不便な 閃舎であるからこそ守られてきたものであるが、今は背からの知恵を伝えていくべき時な のである。さらに、もう一つのポイントは「若者」である。若者の注目を集めること、若者 の視点を取り入れたオリジナリティのあるものをつくることで観光が盛り上がるのである。
その時に、若者を千頭に呼び、住んでもらうようにするだけではなく、住み分けというの も大事だという。買う文化を持つ街の若者。つくる文化を持つ千頭の人たち。この、新し いものと占い物の組み合わせが求められているのである。
こうした考えのもと、内野さんは、自身の屈でも若者が好みそうな川根茶パスタや川根 茶、川根紅茶のシフォンケーキ{写真3)、川根茶シロップというような川根茶を使った新し い料理を提供している。この川根茶シロッフは観光協会の小倉一孝さんが農家出身であり、
小倉さんの家でつくっている川根茶を使用しているそうだ。さらに、屈で販売しているお 茶やシロップのパッケージも若者に好まれそうなスタイリッシュなものを取り入れている。
また、今後は川根の様々な場所で作られたお茶を、お客さんに自分で選んでもらい、その お茶と一緒にスイーツを出す、日本茶カフェも考えているようである。田舎にある、田舎 らしくないカフェというギャップが持者を引き付けるとの考えからである。
写真3 COLORSさんの川根茶シフォンケーキ
4.2ヱコプラ・PEOPLETREES
その一方で川根を何とかしたい、若者に、自然を体験し人生の選択肢を広げてほしいと いう思いのもと、山の作る文化、街の買う文化を融合させるべくエコブラネットの略であ る「エコプラJという学校を、現在内野さんが個人で作ろうとしている。すぐ横を大JI:川が 流れる sOOO坪の敷地に、徳山にある 100年前の洋裁学校の校舎を移築する予定である。そ
たち のである。
ソン在つかっ
業体験なら 11f.、エコ リズムなら
いものはある 新し
町おこしのための「出舎l食
るクレ て る。カリキュラムは半年から燐 ど自分に合った期間が選択できるようであ る。このエコブラはZ年の内に始動するべく、現在努力されている。こうしたことでカヌ ーのインストラクターになることができたり、森や木についてのスペシャリストになるこ とがで古れば、その人の人坐が広がるし、町との橋渡しになると内野さんは考えている。
さらに、敷地内にはPEOPLETREESという建物があり、「あそこでこんなことがしたいJ
「こんな集まりがしたいJiふらつと行ってみたいJという想いをサポートできるよう、少人 数からのパーティー、ワークショップ、エコツーリズムを募集している。ビープルツリー という名前の由来は、「休むjことである。「休Jという字はイ(にんべん)と木からできているの らピ←プルツリー。ここが人と人、人よ時、人と環境、人と気持ちを繋ぐ場所になっ しいという気持ちでつけた名前である。中には、ブ口ジェクター、パーカウンターの ようなちょっとした飲世物悲つくる場所、関炉、黒板などがあり、デッキではコンサート
るなど様々tJ..ニーズにこたえられる泊りになっているω
うし いる。また、
しをしたいと培えている人が、コニ:ユブうそ成功させた内野さんに頼めば何とかなりそうだ から、自分も何かやってみようという
の仙にも、雑穀・野菜中心の他版企を食べるマク口ピオティックに現在注目が集まってい ることから、週末γク口という、静岡や島出の人対象で週末に 21内3日で昔ながらの な素材を使った自然食を食べよう企闘を 7月にするようである。また、 3日間の合宿で陛師
も│司伴でのメタボ対策を企画している。これでは、川根の山広さにそば粉のパンケぃーキな どオーガニックな食を絡めていくつもりである。
5食の持つ可能性 5. 1町おこしの輩
今観光の中で食の占める割合が大きくなっている。人々が旅を始めたころは、食べるこ とはままならないことであった。しかしそこから惜盤が発津し、食べ物屋ができ、今では
ることが観光の目的にまでなっている。観光が千頭の経済の中心となっている今、
で、
しにはEのようなも 伯切l'
しくなってしまう。内野さんが替うよう る。食で町おこしなするω 千顕にも るのではないかみ胤う。そこで、
いくの
町おとしのための「田舎」食
したと:ごろによる
蹴の戦略とする例。林業にかかわることが多いが、彼光・高│ま敢・普及告求める肢の中 核に農作業や食べ点がある。「食Jと人、「食Jと地域との関係同復の一つの醐官。新l規 就農者技術習得施融や棚田保全などがある。
② リサイクルの促進や新エネルギーの開発によって循開型地域産業を確立しつつある 例。健康志向と地産地消をキーワードに「食Jが掘り起こされている。 雪寝を貯蔵や 冷房に活用、循環型有機農業の展開などがある。
③ 培われてきた技、食文;化、景観、生活空間等の継承保全を過して好循環を実現しつ つある例。「食J文化それ自体を好循環資源としているばかりか、集落が主体となって 景観・生活空間と食文化とを切っても切れない関係として発信している例が多い。{而
とそれらを資産とした都市部との多様な交流が成功の秘訣である いる例。ここでも
なチー?となっているが、 ている地域が
いる。
2003)ω 四
r : 1
まで成長したのである。
もう一つ注目したいのがブァーマ←ズマーケットである。ファーマーズマーケットとは 複数軒の農家が自分の農場で作った農作物を持って集まり、消費者に直路販売する市場の ことである。日フf.::の商売所は真面白に買い物するところだが、アメリカのファーマーズマ ーケットは、祭りかエンターテイメントのような場所であるそうだ。お客さんは「何か面白 いことJrいつもと迷う何かjを求めてやってくる。フ1アーマーズマーケットは農村と都市住 民の触れ合いを継続させるのに役立っているのである。これを千頭でも活かせないだろう か。千頭には道の駅があり、そこじは駐車場という広い場所がある。エコプラの校舎の教
ていい。こうしたところでブア 闘い物客でも、そのうち自分の
ットができるのではないか。
たり、売り手との関係が ったりするロアメリカではファーマーズマーケット と、
くこともあるそうである。しか るよりはリスクが少ない(佐 麟2006)α
くっている。 ら
町おこしのための
しいも p e } ︑ 4柏 り物になる。新し
つ。
新しいアイディアなどを自で見て、人と話し、
える。この生の人間同士のかかわりが出舎の良さでもある。
じ取るこ る
5.2千頭の食と町おこし
千顕には外~~対してアピールするべきものを持っている人が多くいるし、材料もある。
後は、地元の人たち全体が自分たちの地元、田舎らしさに自信を持って行動に移せばよい のである。千頭は寸又11庚温泉に行くための通過点や、 SLの終着駅であるだけではない。観 光客による経消的な効果を増やすため、また、外にいる若者に対して千頭の良さをアピー ルするために千頭肉体に観光客の「目的Jを作るべ古だよ考える。千頭の突しい自然、昔な がらの食、背から使われてきた食材を使った新しい料理などを利用することで、「目的jを ことがで古る。そして今、地域興し者号するのに即効性があるのは「金Jである。この機 に、多くの人が若者に対して、観光客に対しでもう一度自分たちの食をアピールしてい
とにつなが
る であ品。
つまり、千醐C''9:そ使、ったIJ:Ifおこレをするときにキーワードになるのが「地元の食材JI人 と人の関わりJiゆっくりとした時間JI多くの自然JT間金らしいイメージとのギャッブjで はないかと思う。目闘で述べたような日級グルメは、スナックのような、ぱぱっと食べる ことのできる干軽なものであることが多い。しかし、千頭での食には ゆっくりと時間告 かけてほしいと思う。地元の食材を使った料理を作ったり食べたりするにしても、農業体 験などを通して自分で野菜を育てたり収穫してみる。ファーマーズマーッケトなどを過し て生産者と直接触れ合う。自然の中でゆっくりと食事をする。反対に、何もないような田 舎だと思っていた千頭に、おしゃれなスイーツや料理があることに驚く。このようなとと が千頭という田舎に、都会の人々が求めることなのではないかと考える。
他には、内野さんが現在手掛けている「ヱコブラ」も対象を大学生だけに絞るのではなく、
地元の小中学生も対象にするのはどうであろうか。Y)Jいころから地元についての知識を学 び、体験することで、地元のために働きたい壮どという子供も増えるのではないかと考え る。また、町の大学生と地元の小学生というような若い世代の交流も期待できる。町の大
コ
こうしたこと
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それな り、川相
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り寸ず る。しかし、大井川銑j設が川根に与える経済的影響は大きいと思うので、
げればよいとはいえない。そこで考えたのが静岡と千四世直描結ぶ送油パスである。ブア ットのようなイベントがあるとさだけでも良いので、大井川鉄道よりも 軽な値段で千頭に行くことができたら、千頭に行きたいという人も増えるのではないだろ うか。もちろんSLなど鉄道に興味のある人は多いはずであるから、鉄道で千覇に来る人も そんなに減らないのではないかと思う。しかし、鉄道に興味はなくても千頭には興味があ るという人には、安い交通手段が求められると思う。
今述べてきたことは、私なりに考えたことであり、観光についての専門的な知識や行政 などとの兼ね合いも知っているわけではない。しかし、千頭の自然や食は、地域の人の活靴 くること、高齢者の生きがい者つくること、外の人在千頭に引古込む古っかけ 在つくること、若い人の今後の人生の椙な増やすことに役に立つのではないかと思うQ 千 ちみんなが協力すれば、古っと千顕を時り上げる力になるのではないだろうか。
mrおこしのための「聞舎J金 議齢場文献
おお 聞
日000 ンクールレシ
1999 2000 2001 熊 倉 浩 靖
2008 f食でまちおこしが新しい日本を育む.1W 季刊 Ve8ta~ 第 50 号 2・ 9 ページ 佐 藤 亮 ず
『本川根町 奥泉・大谷の民俗』
『本川根町 k岸・藤川の民俗』
『本川根町 桑野山・沢聞の民俗』
2006 W地域の味がまちをつくる』 宕波書!古
帯帯HP
NJ
ぺ
(2010/06/22明在)
http://www.tiiki.jp/corp̲new/column/sai加11附n/sai加 工I附1106.html(2010/06/出現在)