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低開発国の工業化における マーケティングの役割その1

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(1)

129

低開発国の工業化における マーケティングの役割その1

梶 原 禎 夫

 工業化は国威と国力の高揚。高度の経済的自給度の達成。有利な交易条件の実現のため に低開発諸国の経済開発計画においてしだいに重要な地位を占めてきつ\ある。しかしこ の工業化計画の実施に伴いいろいろな障害が現われてきている。この中で最も大きい障害 はマーケティング問題であろう。これまでの低開発国の工業化計画において生産面ばかり

      (1)

強張してきた当然の結果である。先進諸国による開発援助も殆んど生産面ばかりに集中さ れてきた。Northwestern大学のWestfall教授はインドはマーケティングを殆んど知ら ず,そのため資源と人的努力は高度に非能率的に利用され,経済発展を抑制していると述

べている。

    (2)

 マーケティングはむしろ生産に先行する問題である。開発計画にはマーケティング問題 の解決が含まれていなければならない。本稿の目的は現代のマーケティング・コンセブ。ト の概略を記し,これがどのように低開発国の企業に適用されるかを検討することである。

注(1)A.A. Sherbin;Marketing in the Industrialization of Underdeveloped Countries.

   Journal of Marketi119, January,1965. VoL.29♂No.1.PP.28−32.

   Peter Drucker;Marketing and Economic Development, Journal of Marketing, Ja・

   nuary,1958. VoL22, No.4, PP.252−259.

 (2)Kenneth Myers and Orange S皿alley;Marketing Histgry 3nd Econo畑。 DeveloP・

   ment, Business History Review, Autumn,1959,33, PP.387〜401,

1 マーケティングとは何か。

 マーケティングが共同体間の生産物交換として始まって以来今日までマーケティングの 内容は技術,入口,資源,所得,生活様式,競争状態の変化とともに変っているρ,マーケ ティングの定義は時代に応じて適切に行われねばならない。

 さて,現代の高度に工業化された諸国の経済状態はどうであろうか。そしてこれに適切 なマーケティングの定義はどのようなものであろうか。

 現代の高度に工業化された経済の基本的特徴は消費者の同種の必要とか欲望に充当され

る製品が極めて豊富であるということである。消費者は如何なる特定の生産者の製晶も,絶

対に必要とするということはない。消費者の周囲には緊密な代替製品があふれている。こ

のような経済状態にあって現代のマーケティングの定義はどうあるべきであろうかア

(2)

130;

 1948年にアメリカ。マーケティング協会はマーケティングを「生産者から消費者または 使用者への財とサ三ビスの流れを方向づける企業活動の遂行」 と定義した。1956年に       (1)

Harry:L. Hansenlはこの定義は工場で何がつくられるかを決定する業務が含まれていな いし,またマーケッターが財とサービスの流れの創造者であるという意味も含んでいない とし,ての定義は現代マーケティンヴの活力と消費者志向性を欠いていると批判した。そ してH:ansen自身はマーケティングは消費者の欲望を発見し,それを納額とサービスの 明細に移し乳つづいてこのよう尽製品やサービスのより多くを益々多くの消費者が享受す るのを援助する過程であるという。1960年1ごD。May飴rd瓢elpsとJ。 H6ward Westi一

   ・、,  、・       、 (2)

ngもアメリカ漕マーケティング協会の定義は製晶計画と販売後製品についての責任,換 言すれば消費者の必要や欲望と消費者の満足を含んでいないという。

    ,・、         …      (3)

 Hansen, Phelps, Westingはアメリカ。マーケティング協会の定義は時代遅れで,不 適切であるというのである。この定義も1940年忌までは一応代表的なものとして通用して いたのである。その時代までは,マーケティングは強力な販売活動だけで一応処理できた のである。しかしこれは最早通用しなくなった。現代のマーケテギングは消費者の必要や

鯉から麟し・そ嘩まで?つくので回る㌣麟はr三三獅磁け四魔

し}・マ?噸回議≧レ働93ne、1・15e 1ρyの、もρがある・Kel ・y lrようとう汐

謡轡嘩騨満脚嚥?廟分嘩じ繍を満喫∫

     (4)

       1 :

注(1)Report of the Definitlon Committee∬叫rnal of Marketing, o¢tober,1948, P・202・

 (2)IHarry:L. Hansenl Marketing, Text, cases and Readings(Homewood,1956)PP.6〜

   7,1961・Revised Edition, PP・1〜2・  ・ . ∴.、   ,  }、.・.

 ・13)・1).Maynard Phelps!and J.H:6ward」Westing;MarketinglMan3ge卑eμt・(耳gmewood,

   1960)PP.1〜3・・』 馳、「   「圏 −∵            ・   ・     ∴ ., ・ :,

 (4)Eugene J. Klelley;Marketing:Strategy and Functions(Englewood cliffs,1965)P.1

蛍・一一一氏㌃ケテぞグ∵ネ、ジ泣㌧.、ぐ.、、』...

・個別企業のセーケテーイ;ンゲ活動の遂行過程におけるマネジメンド9プワ堂スはマ摩ケテ ィング・マネジメントとよばれるd:マーケティング。マネジメントはマレー ケティングをビ

       (1)

ジネス。マネジメントの晶分野として描くものである。

 過去において企業努力は製品の・と・くに代替製品の比較的稀少性.に特徴づ嫁られていた 社会の消費者欲望を満たすための生産に集中ざれていた。『マネジメ財トの主たる関心は財 務や製造の問題にあった。マーケティング。マネジメントは米国において製晶よりも市場 あ創造が企業のトップIbマネジメントの主たる問題となる1950年代に入ってから発展させ られだ6・:層− 一 『  冒ン  一 ・ ・・…   ご     、 、ll  貿 …

   (2)

(3)

低開発国の工業化におけるマ伊ケティングの役割 13111

 マーケティング・マネジメントは消費者の必要や欲望の発見からその充足にわたる企業 のマーケティング活動において・マーケティ,ング機会の評価・マーケティ財グ努力の計画

とプログラミング,マーケティング活動の組織とリーダーシップ,マーケティング努力の 評価と調整という一連のプロセスである。このマーケテ才ンゲ。マネジメントの概念をマ        (3)

一ケティング。コンセブ。トどいう。

       (4)

  ○ マーケティング機会の評価。

 マーケティング機会の評価は企業目的の認識とその目的を追求する場としての標的市場 決定のための市場利益機会を分析することからなる。企業目的は,トップ。マネジメントに・

       (5)

より設定される。企業目的は例えば企業の生存,企業の成長,短期または長期利潤の極大 花,顧客へのサービス,市場領分の維持または拡大,企業または製品イメージの確立,業 界のリーダーシップの掌握:・…・と定義される。市場の利益機会の分析とは全潜在消費者を       (6)

購買動機,購買行動,購買力の相異により分割することである。標的市場の設定とはこの ようにつくられる消費者グルーフ。の中から企業の立地,企業がもつ諸資源,市場の競争状 況等の制約のもとで企業目的を有効に追求するためたーマニゲデ≧ング努力を比較的集中す

る若干のグループを選択することである。

      (7)

 ダイナミックに変化する市場機会に企業努力を即応させるために,マーケティング機会 は継続的に評価されなければならない。『

○ マーケティング努力の計画とプログラミング

 マーケティング努力の計画はマーケティング目的の設定とこの目的を追求するあらゆる 要素の決定,この各要素についての実際行動の予定表の編成と行動手順の決定を含む。

      (8)

 マーケティング目的は企業目的を達成するためめ々一ケディング活動の具体的な実行目

的である・マーケテ・ング目的は標的市勢越 毎上・暢勘違夢・幽幽率卿

で定義されることが多い。しかしマーケティングの直接目的は顧客の必要充足,顧客の欲

       (9)

望満足でなければならない。

 マーケティング目的を追求する要素には製品・サービス・情報・実物配給とこれらの要 素を投入するための騰施設がある・ζれらの鞭素の麟π㌃ケr・ング?ミック

スーの最適化を求めることはマーケテギング計画の核心である。

      (10)

  ○ マーケティング活動の組織とリーダーシップ

 マーケティング目的を逼航するために必要な諸要素の種類を決定し,この要素に関する 諸決定,実施,調整,細身の責任を一人の管理者一マーケティング。マネジャー一または マーケティング。エグゼクティブに集中すべきである。,マーケティング・マネジャーはマ       ⑳

一ケティング目的の追求と関係のある経営政策のすべての領域に関与すづきである。

       ㈱

(4)

132・

 (第1図参照)マーケティング。コンセプトの下ではマーケティング目的を追求する要 素に・は組織,製晶,サービス,情報,実物配給が含まれる。

      (1鋤

  ○ マーケティング努力の評価と調整(マーケティング。コントロール)

 マーケティング努力の評価と調整は,マーケティング努力の成果測定のための標準の設 定,マーケティング成果の測定と比較と評価,マーケティング努力の計画とプログラムの 調整という一連の過程である。

       個

 ヤーケティング努力はその成果の継続的評価とそれに基づく調整によ.り,月的追求に適

切な市場機会に即応させねば・なち.ない。

〔第1図〕

      1社二■,

・1_

務/

マFケティング

そ の 他.

    計画とサービス         オペレーション    製品計画,製品開発       販売員活動    マーケティング調査        販売員管理    広告と販売促進         販売サ轡ビス

      実物配給

     Euge亘倉JJ臨e且ey;鍛藩童:k色・tih9言Str譲t壱gy{菱血d Functiαns       《El魑蛇WQQd, cUffs,、1965)P・71の組織図から作製◎

第2図マーケティング・マネジメントのシステム

       計   画

←マーケティング情報の経路一

組織と施設

.産.出

製品とサー Aビスの投赫

マ」ケテイ マーケティ 塔O結果

塔O目的ど・・1 W的の設定

消費者『

s場部分

監査と タ行評価 一ケテイ

O機会の

ソ業目的の決 定,

情報投入 利  駅

フ  分イメージп@ 上

サの他

実物配給の

@投 入.

一一一−㎝

      統    制

Eugene J.Kelley;M:arketing:Strategy and Functio血s

(EnglewoodF, C1魯ffs,↑965)]臥28

(5)

低開発国の工業化におけるマーケティングの役割

○ マーケティング・コンセプトの具体的特徴

 マーケティング・マネジメントが適用された企業は具体的には次の事項により特徴づけ

られる。

  ㈲ A 企業は生存と成長の規定要因として消費者の戦略的地位を正当,に評価し認識するづ企   業の全マーケティング組織は消費者の必要を満たすために編成される。

B C

D

E

F

G H

1

消費者の必要を満たすマ戸ケティング活動が計画化される。

マーケティング・リサーチゐビジネス9リサーチが事実に基づく決定のために利用さ

れる。

企業の目的や標的の設定にマーケティング情報が重要な役割を演ずる。

マーケティングに関する決定のマーケティング以外の組織単位へのかかわり合いと各 組織単位の活動が認識され,あらゆるマーケティング努力の統合力1追求される。

企業にとって,計画的進歩と製品革新が必須のものとして認識きれる。

新製品の計画と開発,及びこれが企業の利益と姿勢に与える衝撃が認識される。

マーケティングを焦点として,全企業努力調整と企業目標,企業の部門目標の設定が

行なわれる・

製品,サービス,その他の活動は需要をより効果的に充足するために常に修正される。

溺ユ)耳・四三az・a且d A蜘・玉 ρ帥i垣;Man勧ge・恥ent玉皿簸礁・伽9碑w漁r紅・Trρ鵬

  London,19β1)P.74,

  John A・Howard;Marketing Manageme無t, Analysi$轟n4 Pユ無耳n加9〔H9珊ewood。196   3)PP・1 γ15・等参照

 (2)Hector Lazo and Arnold Corbin;oP・cit・, P・ix.

 (3)Eugene J・Kelley;Marketing:Strategy and Functions(Englewood Cliffs,1965)P4.

 (4) Ibid・, P・31

  EJerome Mccarthy;Basic Marketing, A Managerial ApProach(Homewood,丁960)

  P.680.

 (5) Eugene J. Kelley;op. cit., PP・27〜38・

 (6) Ibid・, P.40。

 (7)Alfred R. Oxenfeldt;The Formulation of A Market Strategy, in Eugene J.Ke壬ley   and Wmiam Lazer, Managerial Marketing:Perspectives and Viewpoin亡s, A Sour.

  ce Book(Homewood,↑958)P{P♂267〜27③・

  E.Jefome McGa銚hy;oP. cit., PP.37〜4顎.

 (8) Eugene J、Kelley;op. cit., PP.22〜23・

⑲う 1わid., PP.39〜46.

 (10)Alfred R・Oxenfeldt;the Formulation ot A Market Strategy, in E:ugene J.Ke丑ley.

  and William:Lazer, op. cit., PP.267−270。

(6)

↑34

(1D,(12} Eugene J・Kelley;oP. cit., P.19. 

 (13} Ibid., P.21.

 (14) Ibid., PP.19 一20. P.73.

   John A. Howard;op. cit., PP.12〜15.

㈲=E・g…J.K・U・シ; ・P. clt., PPB〜iO.

皿 マーケディジグてマネジメント) ・ コンセプト晶   め構成過程と企業の受け入れ過程

○ マーケディング・マネジメントの原始概念

 普通マーケティング。マネジメント研究は1950年代に入って行なわれるようになったと いわれている。確かに1950年代になってからマーケティング・マネジメントと表題をつけ た多くg)論文や著書が発表されるようにタつた。

 しかしマーケティング・マネジメントの原始概念はこれよりも古く・大量生産能力と並 行して大量販売能力が必要になる1900年代の初めにみいだすことができる。マーケティン 劾マネ.ジメヒ!の凹田念は.1900年解おける倒ングとマ汐テ・ングへの科学的管 理法の適用の中にみられる。ここで科学的管理法とは:Frederick W. Taylor lこよって始

      (1)

められ,・その後Frank豆(}ilbreth,:Frank M.(}ilbreth, Henry L。 Gantt等により 整備された科学的方法に基づく作業の管理(テイラー・システム)をいうる    ・

科学的管理法の外輪は船内うである。・   (2)

A,作業を行う最善の方法と適正な時間を定めるために作業の科学的な調査と分析を行う。

:β・作栄者の科学的選択と科学的訓練。幽

d,管理者による統制と科学的分析による訓練された作業の遂行。

即一讐代醐るセリングとマrケテブ≧グへの騨鱒理法翻の羅を追って

みよう。

  (3)       」  −1 ・

  セリングへの科学的管理法の適用

      

へlj912年にCha「les、W・Hoγtは科学的セPルス●マネジャーにより販売員が科学的選択・

科学的訓練・,動機ブけ・指揮脅受ければをの販売能率は高められることを唱えた。

 1914年にH・W・Brownは管理者が販売員の巡回経路を定めるシステみを提唱した。

 1920年に:Henry S. Dennisonはテイ,ラー,・システムは販売割当の計画と設定の分野 で特によく適用できると述べた。

 1926年に Leverett S。 Lyonはテイラーの機能的職長制度を応用して新しい販売組織

を考案した。 (第1図参照)

(7)

低開発国の工業化におけるマ戸ケティングの役割 ↑35

第1図・Lyon・の販売組織図・(1926年)

社   長

マーケティング部長

広告係 販売現場係 教 育 係

     一

販売員 販売員 販売員 販売員 販売員

 1929年にCharles W.Hoytはセリングへの科学的管理法適用の効果を 「販売員はより 高い賃金の支払を受けることができる。販売費は削減される。販売価格は引下げることが できる。企業はより多くの利潤をうることができる。」と要約した。

 現代のセールス・マネジメントは販売員の選択1販売員の訓練,販売員の給与,販売員 の動機づけ,販売現業の統制から成るがこの基本部分がこの時代に構成されたといってよ

いであろう。

  マーケティングへの科学的管理法の適用

 セリングへの科学的管理法の適用の努力と併行して,セリングより広いマニケディング にも科学的管理法は応用された。

 1924年に Stuart Cownはマーケット・セグメンティションの概念を用いて,広告を 標的市場に適合させる方法を述べている。       ,い  1925年にArthur:Livingstonは潜在需要の測定法と販売努力を潜在需要に適合させる 方法を述べている。

 1927年に:H¢nry S. Deunison』は企業の強力な成長のためには製品開発が必要でφるこ

とを説いた。  『  噛へ 楓

 1927年にPercival Whiteはヤーケティングの始めと終りはともに消費者であると述べ,

科学的マーケティング6システムの8つの要素を区別し,これらは消費者へのサービスに 向けられると主張した。 (第2図参照)

 また稼は科学的マーケティング。マネジメントが適用されるためには、マーケティング機 能の再編成が必要であるごとを認めた。1そしてマーケティング部門の指揮,.調整5維持,

 測定について責任をもつマーケティング・エグゼクティブを考えた。

 以上のようにごの時代において既に現代のマーケティツグ。コンセプトの基本であるマ

ーケティング努力の消費者志向性,マーケティング・マネジャーの機能の重要性,市場標

的設定とこれを追求する戦略の重要性,製品革新の重要性等々の認識がありこれらは明ら

かに現代ヤーケティング・マネジメント論の出発点とみなされる。

(8)

第2図 Whiteの科学陶マーケティング・システムく1.927年)

輔蝪調査

マーケティング

 訓 練

広 告

マーケティング

 計画

信用

売 上

輸送

消費者への層

・サービス

そあ他の,、

二次的機能

「マーケティング

 会 計

○,マーケティ,ング・マネジメント論の展開

 米国において1950年代に入ってマーケティング。マネジメン…トの研究と適掲斌広く行わ

れ;るようになったσ

 1950年代に入って米国企業は主として緊密な競争による未曽有めフ。ロフィ}ト。ズクィー ズを経験した6麟0年かち195③犀ま奄に会社の平均利益は248%上昇した。 ところがダ19 57年では会社利益は1950年の水準を9%下まわった。しかし,消費支出は1940年かち㈱50 年にかけて辞2%上昇したが,な輸↑957年には1950年より47%上昇した。/958年では49%

の上昇であった。1940年に比べ1957年では個人消費支出は304%伸びたが,プロフィト6 スクイーズめだめ同期簡についてめ会社利益の増加は217%に止まった。

一方ではプロフィート・スクイーズ他方消費者の個人支出の増加という市場拡大の間に あって企業は成長してゆくための問題解決用具としてマーケティング・ゴンセプトを急速 綬け入れ始めた・醐畔いマ戸ケテ・ング0マネジメント研究櫨んになつ噛  1956年から1958年にかけてマーケティング・マネジメント関係の著書,論文が多数発表

された。

 ↑956年にP.」.Verdoornは次のような企業のマーケテ辱ング論を展開した。

       (5)

 企業は市場で特定の諸目的を達成しようとするポリシー。メーカーである。企業は複数

の目的をある制限内で自由に操作できる手段をもって追求する。マーケティング理論の中

心問題は6つの目的追求手段一価格,製晶品質,販売促進努力,,配給経路,製晶ライン

(9)

低開発国の工業化におけるマーケティングの役割 幅了

一一 多種の境界条件を考慮に入れて最大の現在利潤を保証するよケに結切する一この 結含をマーケティング。ミクスという一ことである。

 l1956年にH. LH融s舳は既に正で述べたよう:に消費者の必要充足を明示し たマー㌻

ティングの新しい定義を行い,市場,消費者の購買動機と購買行動,市場調査と動機調査 について論じ更に,顧客の必要に訴える製品,無給経路,広告,販売員,価格とこれらの 調整の問題を論じた¢

        (6)

 1957年にJ.A。Howar は,マーケティング・マネジメントは販売の広汎な問題を扱う カンパニー・マネジメントの分野で.マーケティング・マネジャーは価格。広告と他の販 売促進,販売管理,製品,販売経路についての決定に責任をもつとし・,マーケティング・

マネジャーの計画機能を中心に新しいマーケティング論を展開した。

       (7)

 1958年にA。R。 Oxe皿feldt lは次のようなマーケティング戦略論を展開した。

       (8)

 企業が成長するためにはマーケティング。デシジョンも科学的に行わねばならない。マ ーケティング・デセジョンを科学的に行うためには市場戦略を編成しなければならない。

市場戦略は市場標的の設定一愛顧をえようとする消費者層の選択一とマーケティング

。ミクスー販売画面用具である,製品晶質,製晶外様,広告,販売員,販売経路の結合 一の構成からなる。

 綿61年にH.IL翻⑦とA. Corbinはそれまでのマーケティング・マネジメント論で欠 けている組織論を補い,企業のマーケティング活動におけるマネジメントρプロセスを統 一的に論じた。 (部分的には組織論が展開されていた。例えば,1957年にS.C. J曲nson

      (9)

とC.Jhonesは企業の長期の成長と利潤を維持するための新製晶の重要性をとき.利益 ある新製品の定常的流れを確保するための製品計画委員会,製品計画部を企業に設定する

ことを提唱した。)

       α0)

  ○ マーケティング(マネジメント)コンセプトの企業の受け入れ過程

 マーケティング。コンセプトを語るだけは容易である。しかしこれを実行することは人 員とプログラムの相互関係,伝統と革新の相互関係のため極めて複雑で困難なこととなる。

 マーケティング・コンセプトを受け入れた企業は生産に専念していればよかった時代か ら長い発展の経路をたどってきているのである。この発展過程がPillshury社について この副社長である盈。J。 Keithにより最も明確に示された。

      (鋤

 Pi11sbury社は1869年に創設され,小麦粉,ケーキ。ミックス,家畜飼料の製造販売を

行っている。

 Keithはこの会社にマーケティング。コンセプトが浸透してきた過程を次の様に分析し た。1869年の創立時から1930年頃までは生産時代(The Production era)であった。製 品は比較的稀少で,会社の最も重要な仕事は高品質の製晶を生産することであった。

1930年の初めころから販売時代(The Sales era)に入った。会社は消費者の欲望,選好p

(10)

138

慣習を考慮しはじめた。そして会社は市場に関する適切な事実を収集するために商業調査 部門を設けた。また会社は製品を工場から家庭に分配する経路として卸売や小売の食料晶 商の役割の重要性を認めた。適切な価格の製品を分配する第一級の販売組織を持ち,この 販売力を広告と市場知識で援助する努力が行なわれた。販売時代は1950年頃までつづいた。

 その後会社は新しいケーキミックスを開発しその売上げが驚異的成長を遂げたことと,

技術研究と生産設備の事情によって幾百もの異なる製品をつくれることを認識したことが 契機になって会社はマーケティング時代(The Marketing era)に入った。調査により 消費者の必要を把え,消費者の必要から出発して製品が計画され,選択されて製品は販売

された。この一連の活動を組織するために会社はマーケティング部門を設けた。

 1858年ごろに会社はマーケティング会社時代(Tbe Marketing company 6ra)に入っ た。マーケティングは会社の長期経営計画の基礎として認識された。マーケティングとト ヅプマネジメントの決定との統合が行われた。会社のあらゆる活動は消費者の必要と欲望 を満足することを目的とされた。

 以上,Pnls bury社の実例でみられるようにマーケティング・コンセプトの受け入れ 過程は長く苦難の多い道である。マーケティング・コンセプトは企業の構成要員全体を通

じて理解され,企業組織の再編成が適切に実施されねばならない。伝統と慣習の障壁があ らわれる。しかし,技術革新による新製品開発の重要性,技術進歩の動力としてめ市場の 重要性の認識は益々多くの企業にその生存と成長のために伝統と慣習を超越してマーケテ

ィング。コンセプトを受け入れてゆくことを強制するであろう。また更にすすんで,企業 を消費者の必要と欲望を満足するマネジメントと技術の統一的システムの水準にまでたか

めるであろう。

注(1)Edw・・d J・M・rri・・n;M・・k・ting M・n・g・m・nt C・ncept・Y・・t・・d・y・nd. Tgd・y・J・ur−

  nal of Marketing, January,1967, VOL.31, P.9.

 (2)Richard N.Owen;Management of Indu$trial Enterprises(H:omewood,1957)PP・3〜

  24・参照・

 (3)Edward JよMorri60n;Marketing Management Concepts Yesterday and Today, Jour・

  nal of Marketing, oP. cit.,・PP、9〜13.

 (4)Hector:Lazo and Arnold Cbrblin;Mana彗ement in Marketing(:New York, Tronto,

  London,1961)PP・9〜11・・

 (5)PJ. Verdoorn;Marketing from the Producer s Point of View, Journal of Ma広・

  etihg, January,1956, voL.20, PP,221〜235。

 (6}H:arry L.Hansen;Marketing, Text, Cases, and Readings(:H:omewood,1956)

 (7)John A. Howard;Marketing Management, Analysis and Decision (Homewood,

  195了).、

(11)

低開発国の工業化におけるマ伊ケティングの役割       1舶

 (8)Alfred R. Oxenfeldt;The Formulation of a Market Strategy in Eugene J・Kelley    and William:Lazer, Managerial Marketing, Perspective and Viewpoints(H:omew    ood,1958),PP.264〜272.

 (9) Hector Lazo and Arnold Corbin;op. cit。

 (10}Samuel C.Johnson and Conrad Jhones;How to Organize for New Product. Harva・

   rd Business Review, May−June,1957, VOL.35, NO,3,PP・49〜62・

  (111Roわert J.:Keith;The Marketing Revolution,.Journal of Marketing, January,1960,

   VOL.24,PP.35〜38

IV マーケティング機会の評価

 マーケティング機会は企業がその目的を追求するために,充足することができる消費者 必要の存在である。マーケティンケ機会の評価は消費者の数,居所,所得と消費者の必要,

購買動機,購買行動に関する情報により企業のマーケティング努力を比較的集中する潜在 顧客群を明らかにすることである。

       (1)

消費者の数と所得幽

 購買者の単位は消費者個人または家計である。消費者及び家計の数と所得は潜在顧客全 体の規模を示す。

 消費者及び家計の数に関する有効な情報には総人口,世帯数,地域別人口,地域別世帯 数,性別人口,職業別人口,年令別人口,教育程度別人口とこれらの長期変動傾向である。

      (2)

この長期変動傾向には総人口の増大,農村人口の減少,中心的大都市人口の増大,特にそ の郊外人口の著しい増大,総人口の増加と、家計規模の縮小による世帯数の増加,婦人労働 者の増加,老年人口(特に65才以上)の増加,若年(ティーンエイジャー)人口の増加,

大学卒人口の増加がみられる。総人口の増加はそれがより高い個人所得を伴うとき,年々 母親が新しく生まれる赤ん坊に必要な製品を買い,少年が初めてカミソリを買い,少女が 口紅の潜在顧客となり,青年が新しく結婚して家庭に必要な製品を買うことを意味する。

農村人口の減少は農村市場の重要性を減じてゆくであろう。しかし農村の生産力の拡大と 政府の農業政策を考えると今後の農村市場は一戸当りの消費支出の増加によりその重要性 を人口減少に比例しては減少しないかもしれない。都市郊外人口の増加はその所得水準の 高さと共に都市郊外に家,家具,調度晶,庭園用具, レコードや本,スポーツ用具やスポ ーツウエア等の市場を生み出した。世帯数の増加は家計単位で購買される製品,ラジオ,

テレビ,電気冷蔵庫,ストーブ,自動車,洗濯機等の市場を全国的に拡大してきた。65才

以上の老年人口の増加は特別食品,補聴器,医薬品,書籍等の市場を拡大した。老年層の

人口は増加しつつあるとはいえ退職者が多く比較的所得水準は低いので市場の魅力は少な

(12)

糾0

い。ティーンエイジャーの増加は自動車,宝石,化粧品,ラジオ,ハイファイセット,ス ポーツ用品等の市場を拡大した。婦人労働者の増加は家計の所得の増加をもたらし家具,

旅行,衣類,教育等の製品やサービスの市場を拡大した。更に,家事時間の短縮化のため に洗濯機,掃除機,冷凍食品,調理済み食品の需要を拡大した。大学卒人口の増加はその 高い所得により全般的市場の拡大の他に,旅行,図書,レコード,写真用品等の市場を若 干鉢大している。

消費者の必要と購買行動

 人口統計学的情報だけでは個別企業から見たマーケティング機会を適正に評価すること はできない。企業がマーケティング機会をみいだすためには消費者の必要,消費者の購買 動機と購買行動に関する情報がこれに加えて必要である。

      (3)

 消費者は飢え,渇き,性,休息どいう生理学的必要と愛情,恐怖,誇,社交,好奇とい う心理学的必要をもっている。この必要が満たされないと消費者は何とかして必要を簸た       (4)

そうとしている一種の緊張状態一衝動一に至る。衝動緊張は必要を満たす活動の動力であ る。衝動は消費者の行動様式の理由であり動機である。例えば,飢えという必要は消費者 を空腹という衝動に導く。消費者はそれがもつ価値体系により必要の種類と聯賜に関する 階層組織をもっている。この階層組織は消費者が各種の必要を満たしてゆく順序を示すも

のである。

 衝動は必要を満たす目標物を確保するための認識活動を消費者に要求する。認識活動と は個入が現象を知覚し,その現象に意味を付与する過程,即ち現象の解釈過程である。認 識活動は個人独自の認識構造によって行なわれる。認識構造は個人の環境,知性,心理過 程により形成されるもので,価値,信念,態度を含む。価値は目標,恐怖,願望である。

信念は現象についての知識,意見,信頼である。一方態度は現象に対する,好ましいとか 好ましくない,受け入れるとか拒絶するという持続的姿勢である。信念は現象に対し中立 的であるが,態度は能動的で,個人にとり信念より重要な意味をもつ。

 さて消費者の認識活動は必要に充当される選択物の知覚からはじめられる。この知覚は 過去の使用経験,他人の助言,売手の広告や販売員からの情報の結果である。つづいて認 識活動は製品種類の選択,商標選択へとすすめられる。選択の対象とする代替的製品種類,

商標を選ぶにあたって,消費者はほぼ類似の満足をもたらす製品を一緒にまとめる〃総合 化〃の過程を経る。そこで消費者は確保できると期待される満足度によって製品を種類別,

商標別に順序づける。この差別化は〃総含化の勾配〃とよばれる。この勾配を定めるにお いて消費者ぽ商標名,包装,機能,外観,デザイン等の手がかりや標識一刺激一により導 かれる。認識活動の最後の過程は目標物を得る行動とそれを使用することで〃手段的行動

〃とよばれる。そこで,ある程渡の満足が得られると手段的行動傾向の強化,〃強化〃と

よばれるものがはじまる。もし満足が強いと目標物が再購買され,強化が更に進められる。

(13)

低開発国の工業化におけるマ門ケティングの役割       141

強化から,先行する刺激に対する特定の反応,〃学習〃とよばれるものが現われる。強化 及び学習がつづけられると購買行動は個定化し〃慣習〃が発達する。慣習が生まれると認 識活動は減少する。

 以上のように必要,衝動,動機は消費者の購買行動の動力であり,認識は購貞行動め方 向と様式を決定する過程である。

  問題解決者としての消費者と学習者としての消費者

 消費者は限られた情報の下で危険にさらされながら幾つかの選択物の中から自己の必要 を最もよく満たす製品を合理的に選択しようとする。即ち消費者は問題解決者として行動 する。消費者は外部から情報をえてどのように問題解決を行うかを検討する。消費者にと

  (4)

って製油の購買(そして使用)経験は選択を支配する最も強力な情報源である。即ち消費 者は購買経験により学習し習慣的購買パターンを発展させるρ従ってこの問題は消費者を        (5)

学習度により三つの局面に分類し,それぞれの局面で消費者の問題解決方法がどう変るか をみてゆくことに置き替えられる。 (第1表参照)

       (6)

(A)広範囲問題解決

  消費者はほとんど購買経験がなく学習度が低い局面における問題解決方法である。消  費者は購買に当たり多数の選択物を対象にかなりの思考を行う。製品提示,広告,販売  員説得,知人の助言等多種の刺激がこの選択過程を援助するb同一商標が再購買される  確率は低い。

(B)限定範囲問題解決

  消費者は購買経験をもち,より多く学習している局面における問題解決方法である。

 前局面の場合より,購買に当たり対象とされる選択物はかなり少なく,思考量も少ない。

 選択過程を援助する刺激も少ない。購買経験のある(そして満足がえられた)特定商標  が再購買されるb

(c)自動的反応行動        

  消費者は学習を止め,購買は慣習化する。購買に当たってしばしばただ一つの商標し  か対象とされない。選択は無意識的,即座的に行なわれる。刺激はこの購買過程の起動  力としてしか作用しない。

  社会的購買行動

 消費者の購買行動は他の消費者から影響を受ける。小集団に属する個人は集団の庄力に より特定の範囲内の購買行動をとることを強制される。小集団とは宗教的,文化的,経済 的,血族的に緊密な相互依存関係をもつ比較的少数の個人からなる集団である。個人は集 団においてそれぞれ独自の地位と役割をもつ。集団は独特の行動規範や価値体系をもち,

その構成員の行動を規制する。ショッピング・センターの発達や開店時間の延長等もあっ

      (7)

(14)

142、

第1表:問題解決方法の分類

   \、\、     \_

反応 反復確率

反応にまで要する時間

刺激の性格と量

考慮される選択肢の数

広範囲問題解決

多 種

題解決 限定範囲問題解決 自動的反応行動

程  度

数単

い   「

昭和42年半日本学業学会全国大会,京都大学,橋本勲氏報告

「購買者行動モデルの一批判」から引用

て,家族は幾人かの家族構成員が特定製品の購買過程に関与しながら一つの単位として購 買行動を行なう。ある消費者は友人の意見によって特定の製晶を購買する。集団の構成員 はたとえ不満はあっても集団の行動規範や価値を考慮に入れて行動しなければならない。

 また消費者はそれぞれが所属していない集団の影響もうける。消費者にとってそのよう        (8)

な集団は,消費者のかっての地位と関係があるもの,または将来得られると予想される地 位と関係のあるもの,即ち,〃対照集団〃である。製品が高度に特殊化または差別化され 容易に識別されるもの,また新奇さ望ましさをもつ製品では消費者は対象集団構成員から の影響を強く受ける。

 消費者は社会で果たす役割の相違(職業別)により層別化される。これはより大きな社 会集団で〃社会階級〃とよばれる。例えば全市民は,α)専門職(ロ)地主,管理職,役人,

の事務員及び類似の労働者,㊥熟練労働者と職長,㈲準熟練労働者,㈲不熟練労働者に 分割される。特定の階層はそれ独特の好み,生活様式,社交,家庭観,世界観,イメージ,

言葉をもっており,同じ階層の個人は他の階層と区別される類似の購買行動をとる。不熟 練蛍働者と事務員は同額の所得を得てもその支出型は異なる。

      (9)

 流行はかっては上流社会階級で,現代では全般的な所得水準の上昇,余暇の増加により 他の階級も含めた全人口のほとんど大部分をカバーする大集団の圧力で消費者が新奇なデ ザイン,スタイル,カラーの特定製品の購買を強制される現象である。年々着実に増加す       (1①

る所得と余暇,マスコミニュケーション組織の発展は今後ますます流行を意識する人口を 増加してゆくであろう。

消費者の分類

企業のマ幣ケティング努力脅比較的集中する潜在頭客群を明らかにするた珍に2全消費

(15)

低開発国の工業化におけるマ←ケティングの役割 143

者は企業が充足する特定の必要,購買行動別に分類されねばならない。

 消費者の必要や購買行動に関する事実を全消費者についてはいうまでもな.く.たとえ少数 についてでも収集することは莫大な作業となり,情報収集の費用は情報価値を遙かに越え るであろう。消費者分類について何らかの情報節約的方法が考案されねばならない。

       q1)

 消費者を年令別,性別,所得別,地域別,職業別に分類する人自統計学的方法は, 政府 機関等による資料が整備されており=最も簡単な分類である。この分類方法は購買動機,、商 標選択のための刺激,商標選択等の相違は年令,性,所属,地理的位置,職業等の相違に

よく代表されるということを前提としている。しかしこれは職業別分類の場合を除く之必・

ずしも正しくない。

 消費者はやはり購買動機,購買行動の相違そのものによって何らかの情報節約的方法で 分類されねばならない。

         〔12)

 一つの方法はマーケッターは消費者の,彼が適応しなければならないまたは彼が自己に 有利に変更しようとする購買行動についての情報だけを収集し,それによって消費者を分 類することである。

 第二番目の方法はマーケッターが顧客を吸引するために採用する方策に対して反応する 消費者集団だけを考えることである。

 次の消費者分類事例は人口統計学的方法によるものではなく,消費者の購買過程ゐ相違 による分類方法を示すものである5

 時計の顧客をωかなりよく機能する時計ならばどれほどでもよいからできるだけ安い価 格の下着を選択しようとする者う向耐久性,構造,材質のよきで製品を選択しようとする 者,の有用な製品の特徴ではなく,商標名,推せ一 書;』スダイル,デザイ嘱カラーで時

計を選択しようとずる者・・…・た分割する6

 自動車の顧客を㈹最高の節約をもたらす製晶を選ぶ者,(ロ)製品の信頼性や耐久性,蓮転 回や維持費の安さ等の面からみて充当資金のワク内で最上の車を選ぶ者1の自己意識の高 揚に最大貢献する製晶を選ぶ者,⇔特定スタイルを選ぶ者,㈲ブランド・ロイヤルティの 高い者と低い者……に分割する。

 香水の顧客を㈹自然の身体に新しい要素一例えば香り一を付加するために香水を選 タ煮・(ロ)身体をより清潔に・より新鮮に・よりみだしなみがよいと他人に感じさせる 一例えば自然の体臭を消す一ために香水を選ぶ者……に分割する。

 浴用石鹸の顧客をω石鹸は身体を清潔にするものとして選択する者,@入浴を感覚的に 楽しい経験としている者……に分割する。

 洗髪剤の顧客をω乾性の髪をもっている・と思っている者,(ロ)油性の髪をもっていると思 っている者,の乾性,油性について普通であると思っている者……に分割する。

 以上の他に適正な顧客分割事例は多くあるだろう。市場を分割するあらゆる方法が列挙

され,その中からマーケティング計画に最も貢献する分割方法が選択されねばならない。

(16)

144,

 また顧客の購買動機,購買行動はダイナミックに変化しているので顧客分割方法は常に 再検討されていなければならない。

環境要因の影響

 マーケティング機会の適正な評価のたφには企業をとりまく文化的,社会的,経済的,

技術的外部環境要因の識別と分析が行なわれなければならない。巨大企業は環境要因に働       (1鋤

きかけそれ脅自己に有利に変更する傾向があるが普通は巨大企業といえども環境には企業 の方から適応してゆく方が,実行容易な,また適正な方策である。

 例えば競争状態をとってみよう。

 消費者必要の面からだけみると十分有利なマーケティング機会があっても強力な企業が すぐれた技術とマーケティング方策で既にその必要を満たしているかもしれない。また例 え申込企業であっても強力なカスタマー。フランチャイズを発展させているかもしれない。

また逆に必要は不十分にしか満たされてないないかもしれない。顧客の各区分で顧客の必 要に訴えている競争企業のi数と規模,競争の程度,競争行動はマーケティング機会の評価

に当たって考慮:されねばならない。

 マーケティング機会の評価に影響する外部要因を列挙すれば次のようになる。

α)科学知識の進歩に基礎を置く技術の急速な革新。

@ 世界を通じての消費者側の生活様式の変化と生活水準向上への期待。

㈲ 豊かな社会へ発展しようとする衝動。

◎ ほとんどあらゆる製品分野における強力な競争の発展。

㈹ 政府の影響と干渉の増加,事業倫理観の変化。

囚 マーケティングの概念,データー処理,輸送,組織,管理方法の変化。

 外部環擁要因は一経済的要因,技術的要因は急速に,他はゆっくり  常に変化して いるのでこれらのマーケティング機会への効果も必要に応じて常に新しく測定されねばな

らないq

注(1)Eugene J.Kelley;Marketing;Strately and Functions(Englewood Cliffs,1965)P.19.

  PP.27〜38。

 (2)E.Jerrome McCarthy;Basic Marketing, A Managerial ApProach(Homewood,196

  0)PP.56〜81.

   Charles F. Phillips and Delbert J. Duncan;Marketing;Principles and Methods    (Homewood,1960)PP.66〜80.

 (3)以下の消費者行動に関する記述は次の文献による。

   James A.Bato真;Motivation, Cognition, Learning−Basic Factor in Cons111ner Beh・

   avior, Journal of Marketing,1958. VOL.22, PP・282−289・

   翼3・・匹恥nse戦;M孕・k自ti・魯T・xちCase馬anφ細dings!Ho興ew・・d・19e1>PP・124

(17)

低開発国の工業化におけるマーケティングの役割 .145.

  〜127、

(4)Alfred IR・Oxenfeldt;Exective Action in Marketing(Belmoρt,1966)PP・72〜73・

(5) Ibid., PP.73〜74・

(6)John,A・Howard;Marketing Management, Analysis and Planning(Homewood,196

  3) PP.33〜89.

(7)John A.Howard;Marketing, Exective and Buyer Behavior(NewYork and Lon・

  don,1963)PP.147〜162.

(8) Ibid・, P・14・9・

  Harry L.Hansen;op. cit., PP.礒28〜1.29・

(9)John A. Howard;oP. cit., PP448〜149, PP.162−164.

(1① Chafles F. Phillips and Delbert J. Duncan;oP. cit., PP.80〜86.

⑳ Alfred R.Oxenfeldt;op. cit., PP.91〜95, PP.97〜135・

働 以下の分類方法,分類事例は次の文献による。

  Daniel Yankelovich;New Criteria for Market Segmentation,:Harvard Business   Review,1964, VOL,42, No.2,

(13) Eugene J. Kelley;oP. cit., PP.36〜38・

        ×       ×       ×

次の部分は次号に掲載する。

V

マーケティング努力の計画とプログラミング マーケティング活動の組織とリーダーシップ マーケティング努力の評価と調整

低開発国企業へのマーケティング・マネジメントの適用 経済発展へのマーケティングの貢献

      (以上.)

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