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低開発国の工業化におけるマーケティングの役割その2

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(1)

低開発国の工業化におけるマーケティングの役割 157

低開発国の工業化における マーケティングの役割その2

 工業化は国威と国力の高揚・高度の経済的自給度の達成・有利な交易条件の実現のため に低開発諸国の経済開発計画においてしだいに重要な地位を占めてきつつある。しかしこ の工業化計画の実施に伴いいろいろな障害が現われてきている。この中で最も大きい障害 の一つはマーケティング問題である。これまでの低開発国の工業化計画において生産面ば        (1)

かり強張してきた当然の結果である。先進諸国による開発援助も殆んど生産面ばかりに集 中されてきた。:Northwestern大学のWestfall教授はインドはマーケティングを殆ん

ど知らず,そのため資源と人的努力は高度に非能率的に利用され,経済発展を抑制してい ると述べている。

      (2)

 マーケティングはむしろ生産に先行する問題である。開発計画にはマーケティング問題 の解決が含まれていなければならない。本稿の目的は現代のマーケティング・コンセプト の概略を記し,これがどのように低開発国の企業に適用されるかを検討することである。

注(1>A.A. Sherbin;Marketing in the Industrialization of Underdeveloped Countries.

  Journal of Marketing, January,1965.

  Peter Drucker;Marketing and Economic Development, Journal of Marketing, Ja・

  nuary,1958.

 (2):Kenneth Myers and Orange Smalley;Marketing History and Economic DeveloP・

  ment, Business History Review, Autumn,1959,

I

H

皿I

IV

    ×        ×        × ぐ 一ケテイング

マFケテイング・マネジメント

マーケティング・コンセプトの構成過程と企業の受け入れ過程 マーケティング機会の評価

      以上は1966年第8集に掲載。

V マーケティングの計画または戦略

計画は行動の経路を選択する機能である。戦略は競争者の反応を考慮に入れた計画であ る。計画又は戦略は目標の設定とそれを追求するための政策とプログラムの設定からなる。

マーケティング計画は企業目標又はこれと両立するマーケティング目標を追求する政策と

(2)

して構成されねばならない。そこでまず企業の目標又はマーケティング目標からみてゆこ

う。

  (1)企業目標とマーケティング目標

 企業目標は最高管理によって設定される。企業目標には生存と成長,長;期利潤の極大化,

社会や国家への奉仕,顧客への奉仕,市場支配領域の維持と拡大,好ましい企業イメージ の創造,企業活動の多様化,産業における指導的地位の達成,快適な職場の確保,国家の 経済的安定の強化…  等が採用される。現代の企業は典型的には=複i数の目標を持ち,か っこれらの目標間に重要性の程度別または部門組識別の階層構成がみられる。これまでは しばしば利潤極大化が他の目標よりも優先されることが多かったが,最近では利潤を犠牲 にして成長政策が採用されることも多くむしろ生存と成長が企業の基本目標となっている

ともいえる。

     く1)

 また企業目標は時を通じてまたは企業の発展過程と並行して変化する。典型的な企業の 生活史は設立,拡大,安定…  等の段階に分割できる。この各段階でそれぞれ異なる企 業目標が採用される。設立期では最も緊急の課題は企業業務を開始することである。拡大 期には例えば業界の先頭に立つことであり,安定期には企業基盤を強化することであろう。

       ・(2)

多くの場合企業の成長経過は製品または製品ラインの売上と並行する。若干の企業では企 業目標を固定する傾向があるがこれは誤っている。企業目標は企業環境の変化に応じて常 に改訂されねばならない。しかし企業目標を設定しないという極端な事態に至ってはなら ない。それは企業路線が政策の事情で常に動揺することを意味するからである。

 企業目標は場合によっては具体的,数量的に再叙述され,これがマーケティングの政策 や戦略の基礎として利用される。これをマーケティング目標とよんで適当であろう。製品 や製品ラインの生存と成長,地域別または製品別の売上高,投資収益率,売上高,利益比 率…  等で表現される目標の設定が実際のマーケティング政策やマーケティング戦略編 成のために必要である。また目標の時間的側面も決定されねばならない。これは普通長期 か短期かということである。5〜10年の長い期間にわたって追求される目標を一般に長期 目標という。

 (2)マーケティング政策(マーケティング戦略)

 企業目標の設定又は企業目標と両立するマーケティングの実行目標が設定されると,そ の目標を追求するための政策(戦略,以下省略)が決定きれねばならない。企業のマーケ ティング政策はマーケティング活動のフレイムワークの叙述である。政策編成は可及的多 数の政策を案出する政策創出の段階とその案出された多数の政策の申から最適政策を選択 する政策選別の段階に分けられる。

      (3)

 政策創出は閥題の一般解を導くことである。企業のマーケティング政策には製品,実物 配給と販売経路,情報,価格,組織学マーケティング問題についての一般解が含ま.れなけ ればならない。

(3)

低開発国の工業化におけるマ門ケティングの役割 ↑591

 マーケティング問題を解決するために採用きれる方法は問題や企業の性格・種類・規模 等により異なる。例えば実物配給(輸送とか保管)の問題は他のどのマーケティング問題 よりも数量的取扱いができるし,消費者行動や製品政策の問題は管理者,科学者,現業員 等の協力によって解決されねばならないより広汎な性格をもつ。企業管理における問題解・

決と決定過程の研究は管理者と管理問題研究者にとって推進されるようになった。これら の研究の成果はマーケティング問題への科学的方法の適用の過程を経てマーケティングサ イエンスとして集約されつつある。マ肖ケテイングサイエンスは問題解決や決定にオペレ ーションズリザーチや数学模型のような数量的方法に基礎をおく。企業におけるマーケテ イングザイエンス適用の目的は政策決.三者や意志決定者に事態展開の可能的帰結についで 情報を提供する乙とと企業の資源便用について責任をもつ意志決定者にマーケティング聞 題解決における不確実性を排除したり削減したりするのに必要な科学的技術的方法を提供 することである。

 マーケティングがより科学的になるに従ってマーケティング問題の解決とマーケティン グ理論の展開において高度に分析的創造的技術を用いるように:なる。マーケティング問題 の定義と解決における模型の使用の試みは南頭解決への分析的手法が管理者にとっていか に将来有望であるかを示すものである。

 オペレーションズ・つザーチは模型により問題を解ぐものである。マーケティング模型 ば現実のマーケティング:聞懸をその問題を構成する重要な因子だけで適正な単純さで描く

ものである。

 マーケティング模型は抽象化と現実化の二つの方法で構成される。抽象化による方法は        (4)

第1図に示すように現実の聞題が認知ざれそれが模型に移される。もじこ,れが数学静シス テムに移されるなら数学模型となる。現実化は抽象化の逆である。ここでは模型構成者は 理論的に成立する観念的システムから出発する。現実問題の若干の局面がシステムの模型

と みなされる。理論的システムから始め現実に至るこの過程は第2図に示されている。

       第1図:抽象化による模型構成       1 模型調整  ↓

漏鍮一聯係ト→関係の数量化一→数学模型の齢→模型の翻

      1

      ↑         l

      l_ブイードバツク_i         、        第2図 現実化による模型構成

象的叙述 もつ緬叙述  ゾグ状況の認知一二の適離含1模響の適用       育   ブイードバ。ク   1 凹

第1図・第2図とも・William Lazer; The Role of Models垣珂軍k曾tin琴 ・Jou『nal吋

      惣rkゆg・Ap・i1・13◎2力疹               「鯉謹一↓

蘭通論ダ繍→内部的灘を→抽象鯉→現実の艘テイ→惣蘇訓

(4)

 マーケティング問題は模型化の過程で解決されるかもしれない。しかし一般に模型は分 析的ないしはi数学的技術の使用によって解がえられる。純粋に数学的方法によりえられた 解は事実調査や実験によって検証できる。またi数学的方法は問題の解をうる方法を開発し たり改良するための,また調査研究を行なう方向を示すものとして役立っている。『しかし 数学的方法は高度に論理的に誤った解を与えるかもしれないことが注意されねばならない。

しかし複雑な模型では,無数の選択対象があるため解析的手法では解はなかなか得られな い。このような場合には系統的に試行錯誤を繰り返えすことにより,より優れた解に接近 することができる。後の試行程より少い誤りしかもたない。結局最後には誤りは全くまた        (5)

は殆んど排除される。電算機はこの手続に含まれる一連の大量の計算を行なうために利用 できる。シミュレーションは模型があまりにも複雑で解析的に解が得られない場合に試行 錯誤により解を導く手法である。例えばX2−2X−15=0の解をうる場合を考えてみよう:。

勿論解はこの方程式を満足するXの特定の値である。X=5, X=一3という解が解析的に みいだすことができる。しかしこの解析的な解法が知られていない場合にはXにいろいろ な値を代入する試行錯誤により遂次正解に接近してゆく他に方法はない。明らかにこの解 法は非能率的である。しかし解析的方法が適用できない場合にはシミュレーションな解を 導く唯一の残された方法である。

 問題についての充分な情報が利用できず,不確実性のもとで問題の解が導びかれねばな らない時の一つの適正な解法はベイズ決定理論である。ベイズ決定理論は数学模型に管理        (6)

者の主観的判断を加えることを可能にする。幾つかの行動の経路と各経路の帰結が分離さ れる。経験とか主観的判断による確率が各事象に割り当られる。割り当てられる確率は,

特定の帰結が起る確率は0と1を含めたその中間のある数値で与えられなければならない。

また可能なすべての帰結の確率の合計は1でなければならない。確率は各々の行動の経路 の期待貨幣価値の算出と決定の加重値として利用される。

 ベイズ決定理論に従うことにより次のいずれかの行動を行なうことができる。すなわち,

情報を収集するより主観的又は経験的確率を基礎に行動することと,情報を収集しこの情 報によって事前確率を改訂し行動するか又は更に情報を収集することである。そこで追加 的情報(Pもとで決定することの利得と追加な的情報収集の費用に情報収集のために決定を 延期することにより蒙むる費用の合計が比較されねばならない。一連の確率関係をもつ模 型で期待値又は平均値によっても解析的には解が得られないものについてはシミュレーシ

ョンの手法が解法として利用できる。

 マーケティング問題は他のあらゆる問題と同様に個人の主観的,直観的過程によって解 かれる。この主観的過程はよく解明されていないが,しかし人は経験により意識し制御で

  (7)

きない大量の情報と解法もっていることは確実であり,主観的な問題解決が充分活用され なければならない。事実マーケティングを含む大部分の作業や管理上の問題が主観的に適 正に解決されていることが多い。特に客観的解法を経済的に又は技術的に適用できない問

(5)

低開発国の工業化におけるマ傍ケティングの役割      161

題の分野や,客観的解法の不可欠の部分として又客観的解をチェックする手段として主観 的解法は益々その充分な利用が考えられねばならない。

 マーケティング政策には企業目標追求のために適切な市場機会に訴える製品の決定問題,

製品を販売する時,場所,者という実物配給と販売経路の問題,製品に関する情報投入問 題,組織設定問題,及び製品実物配給販売経路情報の間の調整と均衝確保(適正なマーケ ティング・ミクスの構成)の問題等の解決が含まれる。それぞれについて別戸を設け,そ       第2図マーケティング・プログラム

最高管理

長期の企業開発口標と}陶略的業務目標の設ワL

業務の答理

マーケティング部閂の業務目標と交渉

マーケティング部門の目標は企業の開発日標と一致するか

    ㊥

ヂ_φ

ノー・

マーケティング部門の目標は最高管理の挙髪略的言h荊と一致するか

 ロロロのロロコココゆ ロコロリロロ ココロロコリロゆロコロロコロコ ココロい

      ≡

1 1.予測業務

i 売上と市場潜勧の決定 i、.予縣務

iマーケティング謝櫟への費陥己分

i販売機会は三二の予算でミ齪できるか

i6 ,一

i

  政策は現存するか

i麟霧縢肇いて時間の進行

   を定める

1の____._.._.卿_.__

ノー

業務計画をそこなうことなく マーケティング目標は改訂できるか

φ φ

ノー・

戦略的計画をそこなうことなく マーケティング目標は改訂できるか

3.手続明細

・ニ順序の設計と作業方法 フ明示

ノー

長期計画をそこなうことなくマーケティング 目標は改訂できるか

イエス ノー

四 口・師。圏●餉鱒ロ。・購卿.■口量馳騨日電●鯛■L

rr個鴫騨旧酬騨醐一馳一膠一量一冒一 騰一

言i画段階終了 調整と統制を開始

凡 例

計画活動

1マーケティン グプログラム

◎進行

○聾

計画修正のために統制用 資判のブイードバック

george Fisk;M孕取eting Systems(1967)p425から

(6)

こで詳述する。

   (3)マーケティング・プログラム

   プログラムは目標を追求する政策の実行計画である。マーケティング・プログラムはマ   ーケティング機会の評価,作業グループへのマーケティング努力と予算の割当,作業遂行   の時間表と各作業の開始時間と完了時間の決定,作業手順の決定を含む。第1図はマーケ        (8)

  テイング・フ。ログラムの計画過程をマーケティングの管理過程全体との関連の中に示した   ものの一例である。点線でかこった部分がマーケティング・プログラムの計画過程を示す   部分である。

注(1)Wore Alderson;Marketing Behavior and Exective Action(Homewood, Illinois,

  1957)

 (2)Eugene J.Kelley;Marketing:Strategy and Functions(Englewood,Cliffs,New Jersey,

  1965) PP.41〜44

 (3)Mark E. Stern;Marketing Planning:a systems approach(New York,1966),PP」15 一16  (4>William Lazer;The Role of Models in Marketing, Jo血rnal of Marketing Apri1,1962  (5)Henry H.Albers;Organ三zaed Executive Action(New York,1962)PP.211〜212  (6)Harold Bierman and others;Quantitative Analysis for Business Decisions(Home・

  wood, Illinois,1961)PP.5〜7

 (7)Henry H.Albers;op.cit., pp.220〜224

 (8)George Fisk;Marketing Systems(New York,1967)PP.424〜426

W マーケティング組織

 組織はプログラムの有効な実施を,援助する手段である。プログラムの有効な実施のた めには,管理者は管理する活動,援助の提供者,報告する上位者,報告を受ける下位者を 知っていなければならない。更に管理者はプログラムめ実施遍程の全体,その過程におけ る彼の地位,情報伝達の経路を知っていなければならない。同樺に非管理者も作業の要件 と作業の限界,管理者との関係,直接関係する作業集団と全作業集団についての明確な認 識を持だねばならない。組織は管理にとって不可欠の要素である。

 (1)組織の定義

 一般に組織とは憂相互関係を持ち,それが全体との関係で統制される要素(部分)の集 合。をいう。従って組織は要素(部分)とその相互関係という二つの因子により構成され る。企業組織において,部分は活動単位とそれに配置される人員である。これらの部分の 関係は活動の割当と各単位へ与えられる相対的重要性の結果とレて発生する。しかし各個 人がそれぞれの活動を遂行する時に部分間の諸関係がより重大な意味を持つようになる。

各個人へ移譲される権限とその程度又は範囲の問題が生じてくる。

(7)

低開発国の工業化におけるマーケティングの役割 163

 組織設定とは奏目標を達成するのに必要な各種の活動の決定,分類,配列とこれら諸活 動への人員の配置,及び各々の活動の遂行について各人員に委譲される相対的権限を明示 すること昏である。

 (2)マーケティング組織の発展

 米国の場合でみると工場制生産が開始されて以来約1920年までは企業の主なマーケティ ング業務は工場で造った製品を販売することであった。企業組織は製造や財務の機能を中 心に構成され,販売部門は全般管理者に対し責任をもつ製造部長の下におかれることが多 かった。販売業務はしだいに重要性を増してくるが,代表的な組織は第1図で示されてい

るものであった。

      (1)

第1図生産と財務中心の企業組織

匝蜀

匝劃

1製造i

匝送1 i製造1 1販 売

 1920年代に入って輸送と通信技術の発達により企業がもつ市場は全国的に拡大されたこ とと企業の能力拡大により競争は激化した。更に全般的不況により生産は相対的に過剰に なり企業間競争は一層強化された。競争の激化により販売のためには企業が支配する市場 の創造が前提となり,販売業務は製造部長の権限領域から分離され市場創造業務と併せて,

製造部長と同じ水準におかれた販売部長の責任とされるようになった。販売現業の他市場 調査単位と広告単位が設定されそれぞれ販売部長に報告した。広告を極めて重視する企業 では広告部門を販売部門と独立に設け広告部長は販売部長と同一組織水準におかれた。マ ーチャンダイジングや販売促進も販売部門内で一つの機能として確立された。攻勢的な販 売促進と販売活動がこの時代の特徴である。販売活動をより科学化するための多くの努力 が払われた。販売員の選択と訓練の技術は改善された。しかしまだ販売員活動はスタッフ で援助されることはなかった。販売部長は販売だけでなく市場創造にも責任をもつように なりリマーケテイング部長とよばれるようになったが,しかしこれらのマーケティング部 長はまだ企業の総合的な計画と統制には参加していなかった。マーケティング部長の主な 関心は販売と販売促進であり,その他の機能はまだ補助的なものとしか考えられなかった。

この販売中心時代の企業組織の代表的なものは第2図のようなものであった。

      (2)

(8)

第2図 販売申心の企業組織

匝長1

1

匝務1 i製造 身売

1広告

  l

l販売現郵 {販売サービヨ

 1940年代の後半から国民総生産の拡大による所得上昇と製品多様化,技術革新の進行,

生活慣習の変化,企業間競争の激化,外国企業との競争等に直面し企業はマーケティング

・ミッションの領域を拡大した。またこのマーケティング・ミッションの拡大にいくらか 先だって市場創造の手段として新製品の有効性が認識され技術研究や製品開発のために,

それまで製造部にあった設計や試験と併せて技術研究や製品研究を行なう技術調査開発部 門を全般管理に直接責任をもつスタッフとして確立された。マーケティング・ミッション の拡大により市場調査,価格設定,広告に加え製晶計画や実物配給もマーケティング業務 とされ,特に製品計画が重視きれるようになった。またこれまで行なわれてきた販売のた めの調査領域は単なる市場調査から広告調査,製品調査,販売方法調査を含むマーケティ ング調査となった。マーケティング業務の計画機能ば業務執行から区別されマーケティン グ部長に対し責任をもつスタッフ部門として確立された。マーケティング部長は中層管理 の水準から,製造部長,財務部長と共に最高管理の水準に引き上げられ,企業の全般管理 機能に参加することとなった。第3図は顧客志向性の強いこの時代の企業の代表的なマー ケティング組織である。

       (3)

      第3図 マーケティング重視の企業組織

厘長1  1

 11財劃    Ii一ケテイング1  1製造    l      I

I瀟調査二目その画

1計画とサーピヨ   1医物配語1

1

i販冨

マFケテイング調査

塑の廼と圏 [墜販売圃 唾現業i 匿サービヨ

……イ整

(9)

低開発国の工業化におけるマFケティングの役割 165  この時代の後期には新製品の継続的成功的市場導入が企業の利益機会確保のための重要 な方策となり新製品の計画から開発,市場導入を経て廃棄に至るまでの製品別の総合的統 一的管理の必要からその管理責任者としてマーケティング部長に報告するフ。ロダクト,マ ネジャーを確立する企業も多i数現われた。

 1960年代に入ってからの科学的技術の急激な進歩,マーケティングの諸決定の科学化,

企業の社会的責任の認識と顧客の企業への大きな期待等は企業を単なるマーケティング重 視から技術とマーケティングの適正な丁字の確保により企業の全組織を以てより高度の顧 客の満足を得企業の生存と成長を計ることへの転換を迫った。技術とマーケティングの協 調によりすぐれた新製品や新販売方法の開発が行われねばならないことが主張されるよう

になった。例えば新製品を生みだす過程は技術とマーケティングの両局面について適切な 均衡をもつ管理が行われねばならないことが認識され,その全過程の統一的管理の必要性

もあってマーケティングからも技術からも独立の全般管理に直接報告する新製品部門が新 製品の総合管理機能を遂行するスタッフ部門として確立されるようになった。第4図はこ のような組織化の一例である。

      (4)

        第4図 S.C.Johnson&Son,Incの最高組織計画        厘長1

       [編委員会i一一一■

       1副社副

  1塵三目人事舗          !i大衆関係部門1[墾品舗i

塵細口三部酬調査二部一回

1

目頭熱1賜部門i

     Samuel C. Johnson and Conrad Jones;How to Organize for New      Products, Harvard Business Review, MAY−JUNE1957

       〆

 しかし企業が多品目の製品のマーケティングを行なっており,マーケティング業務量が 大きく且つそれらの製品が著しく異なり,市場とマーケティング政策が大きく異なる場合 には第5図のように製品別にマーケティング組織が構成されることがある。

       第5図 製品別のマーケティング組織       1一ケティンブー          1

マーケティング

 製品A   i 1

塵調擁調懸命酬機能調

       睡現業i 1

1マーケティング

  製品B

1

塵部引機能調塵部P心機能画

       1販垂

(10)

 このような場合更に製造過程も製品別に著しく異なると製造もマーケティングと併せて 製品別に行なわれることになる。又使用原材料も異なると原材料調達,製造,マーケティ

ングが製品別統一的に行なわれることになる。

注(1)Eugene J.K:elley;Marketing:Strategy and Functions(Englewood, Cliffs, New Jer・

  sey・1965) PP.69〜70

 (2) Ibid.,P.70  (3) Ibid., PP.70〜71

 (4)Samuel C.Johnson and Connad∫ones;How to organize for New Product, Harvard    Business Review, MAY−JUNE,1957

粗 マーケティング統制

 マーケティング政策の実行は充分監視され政策からの背離は記録され修正されねばなら ない。実行に移された政策やフ。ログラムは将来の計画設定を指導するためにその有効性を 定めるため評価されねばならない。

 マーケティング統制とは政策やプログラムに従ってマーケティングが実施されているか どうかの検定,目標達成のためにマーケティングの政策やプログラムは有効かどうかの検 定をいう。

 (1)統制の方法

 統制のためにはまず一連の統制点(コントロール・ポイント)が選択されねばならない。

統制点とはマーケティング計画に最も強力に影響するマーケティング変数である。これら        (1)

には例えば,売上高一販売費比率,売上高一広告費比率,販売員生産性(一定期間当りの 販売員の平均売上又は単位売上当りの平均販売員稼動時間),単位製品当りの実物配給費,

単位注文当りの平均売上等があげられる。これらの統制点は全マーケティング・システム の主要部分の産出(アウトフ.ット)であり,統制点での測定値はシステムの問題点を明示 するものとして利用される。

 統制点の選択が終れば次には統制点の値のマーケティング・システムの目標への影響力 が測定されねばならない。システムの目標の許容変域が定められ,そしてそれに対応する       (2)

統制点の許容変域が定められねばならない。 もし統制点の測定値がこのようにして定めら れる許容変域内にあるならば理想の状態であり当座は何等の行動も行なう必要はない。た だ統制点についての次の情報を待つだけである。一方統制点の実測値が許容変域外にある ならば直ちに修正行動が行なわれなければならない。統制点がこのような値を示す原因が 追求され測定されねばならない。これに従って次にマーケティング・システムが修正され

る。システムのパラメーターやその諸関係の一部又は全体が修正される。

 ・標準又は目標の設定

 統制は一般には数章,収益費用,利莚について標準又は目標を殻定しζれらの点につ

(11)

低開発国の工業化におけるマ門ケティングの役割 167

いての実績を定期的に検定することによって行なわれる。実績が標準から背離することは        (3)

管理者の注意が払われその原因が追求され,政策,実行,標準いつれかについて補正行動 が行なわれねばならないことを示すものである。

 マーケティング環境は特に変動の絶え間がない (例えば需要や市場構造の変化)ので,

一度定められた標準や目標もマーケティング業務の実績検査により必要に応・じて修正され なければならない。第1図は統制によるマーケティング計画の修正過程を示すものである。

     第1図 マーケティング計画の修正      マーケティング業務は数量,

マーケティング管理者への統制情報のフイーードバック

参ミ行は許容限界を越えるか?

Ψ       Φ

○ ↓

売上と費用における標準からの偏差の分析 プログラムの

ロ持

      Ψ

@標準は適1二11できるか?

ォ       Φ

掾@  ○Ψ       Ψ

↓終結

標準適用     標準の設定又は変更

調整と統Il歪1∫ 業務管理者へ情報伝達

   終結

George Fisk;Marketing Systems(1967)p.433

る。これが販売地域別,支店別,販売員個人別,製品種類別,顧客層別に順次分割してゆ ぐことにより組織のあらゆる部分についての標準を設けることができる。

 ・利益統制

 予定原価と予定販売価格から算出される製品丁目別の予定利益は販売予測と関係づけら れると純利益算定の基礎として用いることができる。予定利益は競争激化や需要減退の時,

収益の純利益への効果について管理者の注目を集中することにより性急で軽卒な価格切下 げの行動を阻止する役割を果すものである。この場合価格切下げが売上にどのような効果 を与えそして製品単位当りの製造原価と販売費にどういう効果をもたらすかが問題なので

ある。

 また利益統制は製晶ミクスの統制にも適用できる。 もし企業が多品目又は多種i類の製品 を販売する時,品目別,種類別の収益はかなり異なり,販売される製品の品目別,種類別 構成の変化は平均収益に大きな影響を与えるであろう。従って,総売上は定期的に製品別

に分解し,製品別売上と総売上との変化の相関関係が検査されなければならない。もしこ 予算,利益,ディズトリビュー

ション・コストの分析を通じて 統制される。またプログラムの 統制はPART・CPMで行なう

ことができるσ  ・数量統制

 未来需要の数量的予測は統制 の性格をもつσ市場潜在力の予 測から企業はその産業での自身 の地位を評価し,その市場のど の部分を占有できるかを決定す ることができる。企業の総売上 予測は製品晶目別に分割され る。この数字は企業全体として の実行標準とすることができ

(12)

の関係が逆行しているなら補正行動が必要である。例えば,高収益製品の販売へ販売努力 がより多く向けられるよう販売員を誘導することにより補正されるかもしれない。

 ・予算統制

実行に移されるすべてのマーケティング計画,プログラムは販売費予算を必要とする。こ の予算は本部予算と地域,支店,販売員等の業務執行単位別の予算を含む。従って統制は 組織の多くの異なる点で実施されることになる。統制は時を通じての予算と実際原価との 差異測定により行なわれる。小さな差異は看過されるであろう。しかし乍ら,予算編成に 当って計画されていた事項が実行されていないか又はある費用が適切な理由もなく予定さ れた水準をかなり超過しているならばその原因が追求され,補正行動が行なわれねばなら ない。またこの追跡は次期予算編成にとって有効な情報を提供するであろう。

 ・デイストリビューション・コストの分析による統制

 デイストリビューション・コストの分析はプログラムの有効性の測定と修正のための主 要な手段である。デイストリビューション・コストの分析はマーケティング業務を遂行す る場合に発生する直接費を機能別に明らかにし,且つそれらを製品別,顧客層別,地域別,

注文規模別に分解することを含む。これらの費用情報は統制目的に有用である。

例えば特定製品品目を維持するか,特定地域での販売を促進するか,特定顧客層へ販売を 拡大するか,注文単位が小規模の顧客への販売も行なうか等の決定は機能別に分解きれこ れらの機能を必要とする程度に従って製品別,:地域別,顧客層別,注文単位の規模別に分 類された費用について知っていなければ行なわれえないであろう。費用分析の結果,製品 品目数,顧客数,販売地域が削減され,次期で純利益を拡大できるかもしれない。

 (3)プログラム・コントロール

 Program Evaluation and Review Technique, PERTとCritical Path Meth・

od, CPMは新製品の計画,開発,市場導や広告キャンペーン,実物配給その他多種類の 作業から構成される過程を総合的統一的に統制するために用いられる。

       (4)

 いま13コの作業単位から構成されるプロジェクトを仮定しよう。各作業の完遂はイーベ ント(event)とよばれる。各イーベントにAからMまでの記号をつける。まず第一にプロ グラム・ネットワークが構成される。各イーベント間には先行,後続,並行の関係がある。

第2図 プログラム・ネットワーク・

    ダイヤグラム

       ◎一→①

このようなイーベント間の関係は最終イーベ ントから逆行することにより最も容易に決定 できる。このようにしてネットワーク・ダイ ヤグラムが構成される。イーベントを円で示 し作業を矢印で示し,第2図のようなネット ワーク・ダイヤグラムがえられたとしよう。

 次に各作業を遂行するのに必要な時間が予 測される。作業遂行時間は作業のために充当

(13)

低開発国の工業化におけるぐ一ケティソグの役割 169

される所与の資源の下で最も楽観的なもの,最もありそうなもの,最も悲観的なものの平 均期待値で予測される。このように予測された時間はあらゆる作業についてネットワーク

・ダイヤグラムに入れられる。

 .最後にクリティカル・パス(critical path)をみいだす。 AからMに至る経路(path)

には〔A,B,CID,M〕, 〔A,B,E,F,L,M〕, 〔A,B,G,E,F,L,M〕,〔A,B,G,H:,L,M〕,

〔A,B,1,G,H,L,M〕,〔A,B,1,」,K,M〕の6コがある。クリティカル・パスとは各経路 について積算された作業遂行時間の中最も長い経路をいう。全プロジェクトの完遂時間を 短縮するためには最大経路の継続時間を短縮しなけれぼならない。クリティカル・パスは クリティカル・パスを構成する作業により多くの努力を投入することによってか又はある 作業を排除しネットワークを再構成することによって,又はより多くの作業を並行して遂 行することにより短縮される。ネット・ワークは補正行動が最も必要であり最も効果的で

ある個所を明示するのである。非クリティカル・パスはスラック・パスともよばれる。

 各作業についてその完遂時間と費用との関係を分析しネットワークに明示することがで きる。作業を遂行する最短時間をクラッシュ・タイム (crash time)といい,それに対 応する極小費用をクラッシュ・コスト(crash cost)とよぶ。作業を最少費用で完遂する 時,その費用をノーマル・コスト(normal cost)といい,それに対応する完遂時間をノ ーマル・タイム(normal time)とよぶ。各作業についてその完遂のための時間と費用の 情報が与えられると管理者はプロジェクトを最も能率的に完遂する計画,目標期日にプロ

ジェクトを完遂する計画,最短時間でプロジェクトを完遂する計画が樹立できる。

 PART・CPMはまずネットワークダイヤグラムによりプロジェクトを構成する各作業 の責任の所在と作業間相互関係を明示し作業者には活動の刺激を与え,管理者には全フ。ロ

ジエクトの概観と理解を容易にする。更にネットワーク・ダイヤグラムの各作業に時間と 費用についての情報が与えられるとプロジェクト完遂の時間一費用計画,プロジェクトを 構成する作業への資源配分計画を可能にする。PART−CPMは製品革新,広告キャンペ ーン,販売促進,販売店や配送施設,販売員訓練等の複雑なマーケティング・プログラム の計画を援助するであろう。

注(1)Mark E. Stern;Marketing Planning:asystelns apProach(New York,1966)PP.133〜135

 (2) Ibid., PP.135一」 137

 (3) George Fisk;Marketing Systems(New York,1967)PP.463〜・464  (4) Ibid.,PP.471〜475

 次の部分は次号に掲載する。

  ]X 製品,情報,実物配給の管理

   X 低開発国企業とマーケティング・マネジメント       (以上)

参照

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