川崎 一史 内容の要旨
論文内容の要約(要旨)
【目的】 エダラボンはフリーラジカルスカベンジャーの作用を有し,本邦で開発された神経保護薬であ る.本邦では2001 年から急性期脳梗塞に対して,神経保護薬としては唯一臨床応用されている. また 2015 年から筋萎縮性側索硬化症に対しても,適応拡大され再注目されている.過去にエダ ラボン投与における in vivo での一酸化窒素代謝への影響については調べられていない.そこで 我々は,脳虚血再灌流モデルマウスにおいて,一酸化窒素産生とヒドロキシルラジカル代謝およ び神経型一酸化窒素合成酵素発現に対するエダラボンの影響を調べた. 【方法】 実験には C57BL/6 マウスを使用し,両側総頸動脈をクリッピングし,10 分間の前脳虚血とし た後にクリッピングを解除し、120 分間再灌流を行った.再灌流直前にエダラボン(3 mg/kg)を静 脈内投与した群(n=8)および,生理食塩水を投与したコントロール群(n=6)において実験をお こなった。一酸化窒素産生とヒドロキシルラジカル代謝については,マウスの両側線条体に微小 透析プローベを刺入し,経時的に観測した.一酸化窒素産生は,NO2-とNO3-濃度として,Griess反応で測定した.ヒドロキシラジカルは,サリチル酸をトラップした2,3-DHBA, 2,5-DHBA 濃度 として測定した.鼠径動脈にカテーテルを挿入し、血圧を連続的に測定した.脳血流は頭蓋骨上 レーザードップラー血流計で測定した. 神経型一酸化窒素合成酵素発現は,エダラボン投与群(n=6)とコントロール群(n=5)の,虚 血再灌流後96 時間後の脳線条体の切片を抗 nNOS 抗体で免疫染色し、免疫染色陽細胞の面積の 比率を比較した. 【結果】 血圧はエダラボン投与群とコントロール群で有意差はなかった.脳血流はエダラボン投与群と コントロール群で有意差はなかった.NO2-産生はエダラボン投与群とコントロール群で有意差は なかった.NO3-産生はエダラボン投与群(167.4±29.0 %)で,コントロール群(130.1±21.4 %)に比 氏 名 川崎一史 学位の種類 博士(医学) 学位記番号 甲第1438 号 学位授与の日付 令和2 年 3 月 27 日 学位授与の要件 学位規則第3 条第 1 項第 3 号に該当 学位申請論文タイトル及び掲載誌
Effects of edaravone on nitric oxide, hydroxyl radicals and neuronal nitric oxide synthase during cerebral ischemia and reperfusion in mice
Edaravone のマウス脳虚血再灌流負荷時における NO と OH-代謝および nNOS への影響 Journal of Stroke and Cerebrovascular Diseases 2019 年 11 月 9 日 掲載受理
学位審査委員(主査)教授 松居 徹