韻 文
産地農産品のブラン ド展 開 と ダイレク ト ・ マ ー ケ テ イ ング
鍋 田 英 彦
日本各地に集積する産地の経営基盤が弱体化す る中で,産地企業が厳 しい岐路 に立た されている.その多 くは経営資源の乏 しい中小零細企業 であ り,下請 け賃加工形態 による受身の経営 を余儀 な くされている.本 稿では産地の農産品事業 に焦点 を当て,その事業展 開の類型化 を試みな が ら,マーケテ イングの視点か ら農産品の高付加価値化 と販路 開拓の方 策について考察 している.すなわち二つのケース研究 を手がか りに.付 加価値生産性 を高めるために,一次産品供給か ら製品化への転換 .主体 的マーケテ イングの遂行 に欠かせ ないブラン ド展 開,特定顧客 との直接 的, 継続 的な関 係性 を 重視す るダイ レク ト ・マーケテ イング手法 の有効
性 を 論 じ ,戦略 的課題 とし ての脱 コモデ ィテ ィ化に向けた経験価値創 出
の マ ーケテ イン グについて言及 している.
はじめに
日本の産業 を裾野で支 えているのは各地 に集積 する地場産業であ り,その
モ ノづ くりの生産拠点である産地の存在である.産地 を形成 しているのは経
営 資源の乏 しい中小零細企業である.産地企業 は下請賃加工形態の下で加工
賃依存 の受身の経営 を余儀 な くされている.農産品に して も集荷業者 に素材
や製品を供給 しているのは働 き手の高齢化 と後継者不足が深刻 な生産農家で
現代経営経 済研 究 第
2巻 第
1号
あ り,中小零細製造業である.その付加価値生産性 は低い.産地企業の経営 が悪化す ることは産地の弱体化を意味するが,そのことは地域経済ひいては
日本の産業構造を変革させる要因になる,
しか し産地企業の中には地域資源 を活か したモノづ くりに成功 したケース や,優れた技術力 を活か して差別化 された製品を開発 し,独 自能力 を発揮 し ているところもある. また産地依存の旧態依然 とした経営か ら脱却 して情報 技術 を駆使 しなが ら消費地 との近接化を図 り,新規市場 を創造 しているケー スもある.
本稿では, ともすれば大企業や有力企業に偏重 しがちなマーケティング戦 略 を論 じるのではなく,経営資源の乏 しい農産品を取 り扱 う産地企業に焦点 を当て,そのモノづ くりとマーケテイングのあ り方について考察する.具体 的には産地企業が ダイレク ト・マーケテ イング
(iet reigdrcmaktn)の展開 を通 じて産地ブランドの市場浸透に成功 した二つのケースを取 り上げ,その 要因分析 を通 じて,今後の産地農産品のマーケテイングの方策を考察するも のである.
1
変貌する産地の動態
日本の産地はどのような実態にあるのか,中小企業庁が実施 している 「 産 地概況調査」 ( 平成 1 7 年度)によると
1) .産地企業の厳 しい経営の実態が浮 かんで くる.この調査 は年間生産額が概ね
5億円以上の産地を対象 としたも のであるが ( 回答は 4 86 産地) ,それによると,平成 1 6 年の産地の稔生産額 は, 6兆 7 86 8 億 円 ( 4 06 産地)である.生産額は業種 によるバ ラツキはあ るが, この
4年間は全体 としてほほほ横ばいである.ただ食料品や機械 ・金 属は増加 している.産地の企業数は
4万 1 6 55 企業であるが,全業種 におい て毎年減少 している.その中では食料品企業の減少幅は小 さい.産地が抱 え る問題点は次の順で高い.
・
「内需の不振」 ( 6 9. 0%)
・ 「 構造的な競合輸入品の増加」 ( 4 2. 8%)
論 文 二産地 農産品のブ ラ ン ド展 開 とダイ レク ト マ ー ケテ ィング
jイ 受注単価の低下」 ( 4 2. 6%)
・
「 原材料 ・部品価格の上昇」 ( 2 8. 1%)
・
r 熟練技術 ・技能工の高齢化」 ( 2 7. 9%)
*上位
5位 まで列挙 ( 複数回答)
とりわけ内需不振 競合輸入品の増加,受注単価の低下が 目立つ・内需の 不振は業種別にみると食料品が特 に高 くなっている・産地が抱 えるこれ らの 問題は一過性のものではな く,産地の構造的要因によることが指摘 されてい る.
また産地集積のメリットである 「 分業体制
」「 原材料 ・部品調達
」「 公的支 援
」「 熟練技術 ・技能工の確保
」「 販路の確立
」「 人材の育成」などが失 われ っっぁる. とりわけ産地内企業間での分業体制は次第に困難になり,モノづ くりに支障が出ているという. 5 年後の見込みでは産地内で完結する分業体 制は変化 し.産地外を含めた新 しい分業体制の構築が見込 まれるとしている・
また産地製品は 「 知名度がな くブラン ドカは低い」 と回答 している産地が最 も多い.「デザイン カ 」について もほぼ同様である・
産地の
5年後の姿について 「 現状 と同 じ
」「 衰退する」がほぼ半々で
,「 発 展する」 とい う回答は少ない.産地の将来性 に対する企業の意識はかな り悲 観的である.調査結果によると産地や産地企業が とる今後の重点対応策につ いては次の順で高い.
イ 製品の高付加価値化」 ( 5 9. 3%)
・
「 新製品開発 ・新分野進出」 ( 4 9. 3%)
・「 販路の新規開拓」 ( 3 7. 5%)
・「 消費者ニーズに合 わせた多品種小 ロッ ト生産」 ( 3 30/) ・0 o
*上位
4位 まで列挙 ( 複数回答)
すなわち,製品の高付加価値化 新製品 ・新分野-の進札 チャれ レ ( 販 紘)の新規開拓, これ らをどのように して実現するか,そのことが産地およ
び産地企業の現実的な戦略課題 となっている.
現代軽骨経済研 究 第
2巻第
1号 論 文 ・産地農産品の ブ ラ ン ド展開 とダイ レク ト マーケテ ィング
J2 産地における農産品のブラン ド形成
日本各地 には農畜産 鼠 水産品,伝統 工芸 品,工業製 品 な ど多種 にわたる 地場産業が存在す るが, それ ら地場 産業 はモ ノづ く りの拠 点 と しての産地 を 形成 してい る.産地の タイプは多様 であ るが,一般 的 に業種 別 に集積 した産
理がそれ ほ ど高 くな く, 品種 とい うブラ ン ドの源泉だけで成立 してい る もの.量 的に主産地 を形成 しうるほ ど生産がで き,全 国流通 で展 開され てい る有名 産地 (しか し抽象的 な産地)の一定 の品質で規格化 され.大 量 に生 産 され る比較 的低 単価 の もの. 「 広 島の カキ 」「 「浜松 の うな ぎ」
な ど.
地 を形 成 して い る. 山崎 充 ( 1 9 7 4)
2)に よれば, 立 地 的視 点 か ら産地 を捉 え セ レ ク テ イ ッ ド ・ブ ラ ン ド
( db dranる と 「 都市 型産地」 と 「地方 型産地」 に大別 される, その地方型産地 は さ ら ダー ドを狙 ったナ シ ョナ ル ・ブ ラ ン ドよ り高品質で,差 別化 されたポ ジ
的視点か ら捉 える と 「 伝統 的産地」 と 「 現代 的産地」 とに大別 され,対 象市 の商 品 タイプが存在す る.「 博多万能 ネギ」 な ど.
l t seece
シ ョンに位置す る もの.少量生産で差 別化 の程度 に よって様 々な レベ ル に 「 農村 立地型 産 地」 とか 「 郊外 立地型 産地」 な どに細 分化 され る. 歴 史
②
):商 品 の 中 で ス タ ン
場 ・販路の視点 か ら捉 える と 「輸 出型 産地」 と 「内需型産地 」 とに大別 され ① セ レプ レテ ィ ・ブ ラ ン ド
(ceerlbityb randる. が なされ た高価で希 少性 のあるブ ラ ン ド.厳格 に定義す る と. この類型
産 地 企業 の多 くは中小 零細 企業 で あ るが, と りわ け農産物 な ど一次 産 品
)
:非常 に厳格 な品 質管理
」
( 天然の トラ フグ),佐 賀 関漁協 に よる 「
maycmmr oi pr
( odities)
の生 産者 は零細 農家 で あ り, そ の付加価 値 生 産性 開サバ」 な どであ る・そ の 中 は低 い.工業製 品 な ども産地 内にお ける社会 的分業構 造の下で, 産地 問屋 と で も,松坂牛 は特 別 な品種 ・飼育方法, 限定 された産地で供給 されてい の下請 賃加工 による零細 家内工業が多 い. 下請加工機 能のみ を担 う産地 農家 る非常 に厳格 な品質管理が な された高価 で希 少性 のあ るセ レプ レテ ィ ・ や産地製造業 には, むろん企画力 も販売 力 も価格 決定力 も,そ して消費者 に ブラ ン ドの典型だ と位置づ けてい る.
品質 を保 証す るブ ラ ン ドカ も備 わってい ないのが一般 的である.
しか し,農 産品,畜 産 品 ・水 産 品 の 中 には産地 ブ ラ ン ド ( 地域 ブ ラ ン ド) と して消 費者 に広 く認知 され,全 国的 に普及 してい る もの も多 い.例 えば, 夕張 メ ロ ン 」 「 新 潟 コ シ ヒカ 1 月 「浜 松 の うな ぎ 」 「 松 坂 牛 」 「 広 島の カキ」
「 讃
「
岐 うどん 」 「関サ バ 」 「 下 関ふ ぐ」 な どであ る.
ただ, これ ら産地 ブ ラ ン ドはブ ラ ン ドの形成主体 サ イ ドの品質管理 の程 嵐 消 費者サ イ ドの ブラ ン ド認知 と関与 の程 度 で幾 つか の タイ プに分 け られ る.
) 2
これ らのブ ラ ン ド類型 のポ ジシ ョニ ングにつ いて,渡橋真理
(002は図表
1の ように示 してい る.
従束 農産 品は工業製 品 とは異 な りブラ ン ドとは関係 の ない ものだ と理解 されて きたが,消費者 の 「 食 」 に対す る関心の高 ま り. 品質 と産地へ の こだ わ り, 自然志 軌 健康志 向の傾 向が強 まる中で,村 お こし,地域振興 策 とし ての産地 ブラ ン ド戟略が注 目され るよ うになって きた.
周知 の ように, ブ ラ ン ドとは 「競争者の商 品 と識別す るため につ くられた 披積真 理
(2002)に よれ ば
3)∴ 一次産 品 にお けるブ ラ ン ドの源泉 となる晶質の 名 札 用 語.記 号, シ ンボ ル, デ ザ イ ン, あ る い はそ れ らの組 み 合 わせ」
「 品種 」 「 生産 ・加工技術 」 「 産地 」 「 流 通過程 にお け る評 規格化 要素 と して
b dran (AMA
定 義) をい う.ブ ラ ン ドには ブ ラ ン ドネー ム, ブ ラ ン ドマ ー ク, ロ 価 ・選 別」が あ る ことを指摘す る.その一次産品 について次の よ うな類 型化 ゴ, ブラ ン ドキ ャラクターがあ る.製 品にブ ラ ン ドが付与 され ることで,製
を試みてい る. 品の識 別.保乱 意味づ けが な され,消 費者のブ ラ ン ド認知, イ メー ジ形 成
が な され る. そ の こ とを通 じて消 費 者 の ブ ラ ン ド・ロ イヤ ル テ ィ
(① ナ シ ョナル ・ブ ラ ン ド
(nati lonabrand):ブ ラン ド形成 主体 の品質管
現 代軽骨経 済研 究 第
2巷 第
1号 論文 ・産地 農産 品の ブラ ン ド展開 とダイ レク ト マ ー ケテ ィング 7
図表 1
一次産品のブランド類型のポジション
品質 管理 の程度
ン ド物語でもなければ,計画的なブランド ・マーケテ ィング戦略でもなかろ
う.
3 ダイレク ト・マーケテイングの進展
一次産品は卸売市場 を経由 した中間業者介在による間接流通が主流である が,産地企業の中には市場外流通 による小売直販や消費者直販による直嶺流 通 を構築す る動 きがあ る.産地企業の中か ら各種 メデ ィアを駆使 して ター
高 低
ブ ラ ン ド認知 と
関与 の程 度 大 ・ ・ ・ 小
ゲ ッ ト顧客 に直接的に働 きかけるダイレク ト マーケティングの展開が見 ら れるようになった.その背景 には消費者行動の変化 インターネットや宅配
ナ ショナ ル システムの普及 といった情報技術の進歩や インフラの整備がある・生産 と消
ブラン ド
費の懸隔,すなわち場所的.時間的,認識的,価値的な隔た りを埋める流通 ィノベ- ションが進展する中で.ホームショッピングの普及は消費者に店舗
出典 :波積 真理 『 一 次産 品 にお け るブ ラ ン ド理 論の本 質
』p 7..8白桃 書房
に出向 く商品探索 コス トを削減 させ,居なが らに して遠隔地の商品を購入す ることを容易 にした.
l loyayt)
が 高 まる ようになる.消費者の購 買意思決定 プロセスは,認知⇒
関心∋選好⇒行動 とい う段階を経 るが, ブラン ド・ロイヤルティが高 まるに
ダイレク ト
978 9
1 0
マーケティング とは,アメ リカで 年代後半に登場 した 概念である5. 日本では 1 0 - 年代 に入 ってか ら注 目されるようになった
6 .'つれ,消費者か らのブラン ド指名購買 ・反復購買が促進 されるようになる, それは 1
9世紀の後半 にアメリカで登場 した通信販売の手法 を取 り入れた特
つ ま りリピー ト顧客の増加である. 定顧客 に直壕的に働 きかける双方向型のマーケテ イングである・アメリカで
近年,企業のコーポ レー トブラン ド (
その価値測定モデルの開発が なされ, ブラン ド価値 ( 蘇) ,価値 ランキ ング
B
C) 価値が重視 されるようにな り, 登場 した通信販売 は 1
9世紀後半か ら2
0世紀前半 にかけて買物に不便 な地方 の農村家庭 を中心 に普及を遂げる.通信販売 を原型 とするダイレク ト マー な どが公表 され,株価 な どに も影響す る指標 になっている. もはやブラン ド ケテ ィングの概念については識者によって見解の相違 はあるが.次の ような は単 な る商標 で は な く.ブ ラ ン ドは 資産 価 値, ブ ラ ン ド・エ ク イテ ィ 定義がなされている.
d e iquyt bran
(
) と捉 え られている
4ド戦略は欠かせない要件 となる. 使用 し,蓄積 された顧客デー タベースを活用 して,謝走可能なレスポ ンス と
しか し , こうしたブラン ド戦略の発想 と展開は有力ブラン ドを有する製造 場所 を問 わない取 引 を もた らす,マ ー ケテ イングの双方 向 システムであ ' .その意味か らも企業にとってブラン 「ダイ レク ト・マーケテ イングとは . 1つ もしくは複数の広告 メデ ィアを
る
」産地ブラン ドは産地の中小零細企業の時間をかけたひた向 きな.地道なモノ 示す 5 つのキー ワー ドがある.
づ くりの結果 として形成 されてきた軽桂がある.それは決 して華やかなブラ ① 広告媒体の使用
莱,大企業のケースが多 く,産地 ブラン ドの多 くはそ うした レベルにない.
(筆者訳 による
)7.. この定義 にはダイ レク ト マーケテ ィングの特長 を
現 代経営経 済研究 第
2巷 第 1号 論文 産地農産 品の ブラン ド展開 とダイ レク ト .マ ー ケテ イング
9② 顧客データベースの活用 店舗 を出店 させたほうが効果的である. ダイレク ト・マーケテ イングの特長
③ レスポ ンスの測定可能性 は全 国に点在す る小 さな需要 の束 ね効 果 にあ る
1.そ こが 店舗型 マーケ
④ 立地場所 を問わない取引 テ イングにない強みで もある. これ ら二つのマーケテ イングにはそれぞれ長
⑤ 双方向型のマーケテ イング 短があるが,両者の相違点 は図表
2のように示 され よう 1 1 ) これら
5つの要素は伝統的な一般マーケテ イングとの本質的な相違 を示 し
ている8 ) ・伝統的なマーケテイング ・マネジメン ト論 は. メーカーの視点か マーケテイングの相違点
) 0
> メデ ィア接 近型 ダ イ レ ク ト ・マーケテ ィ ング
図表2 ら理論構築 されて きた経緯があ り,消費財については最終的に物理的施設で
手法 来 店促 遭型
<小 大 ▲ 1
ある小売店舗 に不特定の消費者 を吸引 して購買 を促す とい う,言わば物理的 店舗 を前提 とした来店促進型のマーケテ イングの性格 をもつ.
一万・ ダイレク ト・マーケテイングは広告メデ ィアを使用 して特定顧客 に ダイ レク トに働 きかけるメディア接近型のマーケテ イングである.蓄積 され た顧客デー タベースを活用 してプロモーシ ョン企画に見合 った見込み客を選 別 してアプローチす る・見込み客の選別 には レスポ ンスの的中率 を高めるた
▲ - 初 プ ロ モ ー シ ョ ン ・ コ ス ト
期 投 資 コ ス ト
一般 マーケティング
めに
RFM分析
9)な どの手法 を駆使 す る・一般 マーケテ イングの
4Pと対
比 されるダイ レク ト マーケテ ィングの操作手段 は次の諸点である. l l
①
②
プロダク ト
(オ ッファー
off )erd prouc (
t ):撞供す る商品
特定エ リア内の
大 小
大 ー ー 小
‥注文のルール と特典の提示 ( 価格,支払方法. 需要分布密度
返品保証など)
市場空間の広 が り
④ ク リエ イテ ィブ
d me (③ メデ ィア
ia):使用す る広告 メデ ィア,顧客 リス トなど
)i t creave
(
=カ タログ,広告 コピー,写真 ・映像 出典 :鍋 田英彦 「ダイレク ト ・マー ケテ イングの戦略 的概念 r 新 潟産業大学紀 要1第
8号
、p 8.1デザインな どの広告企画 より若干修正
⑤ フル フィル メン ト
(flurlllmetn): 受注処理,顧客サ ー ビスな どの オペ レーション業務
その強みはグローバルな市場空間の広が りにある.立地条件 にも左右 され ず・起業する場合の初期投 資 コス トは店舗型マーケテ イングに比べて低 くつ く・参入障壁 も低い・但 しオペ レー シ ョン ・コス トは事業規模 に応 じて高 く なる・事業規模が拡大す るにつれて物流セ ンターを設置す るな どの投資 コス トも嵩むようになる・基本的に特定エ リア内での需要の分布密度が高ければ
4 産地農産品の事業展開類型
産地における一次産品及 び二次産品のブラン ド化,消費者直販チ ャネルの 構築 とい った動 きをふ まえて, ここで産地農産品の事業展開類型 を試み る.
その類型化の分析軸は幾つか考えられようが.本稿では縦軸 に農産品の タイ
プ,す なわち一次産品か,二次産品か,横軸 に流通 ・マーケテ イングの タイ
プ,すなわち中間業者介在 による間接流通か,消費者直販による直接流通か,
]0 現代軽 骨経 済研 究 第
2巷 第 1号
それ ら
2軸か ら
4タイプの事業展開類型 を位置づけてみた.それは囲表 3 の ように示 される.
タイプ Ⅰ . 「 一次産品 ・間接流通型」:この タイプの農産品は一般に見 ら れる一次産品で.総 じて付加価値は低 く,天候や市況に左右 されやす く,市場価格の乱高下は避け られず,その多 くが集 荷業者の手を経て間接流通 される.
タイプ Ⅱ.「一次産品 ・直接流通型」:この タイプの農産品は差別性,希 少性 のある一次産品で, とりわけ希少性 のある ものは量的に 限定 されるため付加価値 は高い.そ うした一次産品が直接流 通 される.直接流通の対象者は最終消費者.業務用需要者で ある.
タイプ Ⅲ. 「二次産品 ・間接流通型」:この タイプの農産品は一般的な二 次産品で.その加工度 によって製品の差別化,付加価値 レベ ルが異 なる.その多 くが流通業者の手を経て間接流通 される.
タイプ n r , 「 二次産品 ・ 直接流通型」:このタイプの農産品は製品の差別 化,付加価値 レベルが高い二次産品で, ダイレク ト・マーケ テイングの手法によって直接流通 される.直接流通の対象者 は最終消費者,業務用需要者である.
産地農産品はタイプ Ⅰの形態が多 く,次いで タイプⅢが多 く, タイプ Ⅱ,
Ⅳは少ない.
天候や市況に左右 されず,付加価値生産性 を高めるために タイプ Ⅰか らタ イプⅢの製品化への展開 も見 られるが.両者 とも間嶺流通による流通業者依 存型 の経営になる. タイプ Ⅱの差別性,希少性のある一次産品は特定の需要 に支えられて直接流通 されるが,その先行 きは量的な限界 と消費者行動や業 務用需要の動向にかかわる.なお主体的なマーケテ イング展開を目指 して,
タイプⅢか らタイプⅣへ シフ トする動 きも活発化 しよう.全般的な動 きとし て.図示 されている矢印の方向に向かって農産品の事業展 開が進行 してい く もの と考 えられる.すなわち,高付加価値化 とダイレク ト・マーケテイング
論 文 :産地農 産 品の ブ ラ ン ド展 開 とダ イ レク ト
・マ ー ケ テ イ ング JJ
図表 3
産地農産品の事業展開類型
一 次 産 品供給
二次産 品供給
の展開による消費者への近接化の動 きである.基本的にタイプⅣの動 きが産 地農産品の今後の展 開を考 える意味で先進事例 となろ う .
5
産地農産品のケース研究
以上の産地における農産品の事業展 開類型 をふ まえて.以下ではタイプ Ⅳ の 「 二次産品 ・直接流通型」 に該 当する産地企業を抽出 して,先進事例研究 を試みることにす る.
(ケース企業の概要)
く ケース 1) 馬路村農業協 同組合 の柚子加工品事業 (ケース
2)佐藤園 グループの緑茶 ・関連製品事業
前者は高知県の山奥の農協が単独で地域資源の柚子 を製品加工 し, ダイレ
ク ト・マーケテ イングの展開を通 じて産地ブラン ドを育成 ・普及 させたケ-
12
現代経営経済研 究 第
2着第
1号
スである.調査研究の方法は
2回にわたる現地視察 と農協責任者か らの情報 収集,馬路村農協発行の資料分析に依拠 している
12)後者は静岡市郊外の大原の里に広がる茶産地で地域資源の緑茶を-貴工場 で製品化 し.ダイレク ト・マーケテ イングの展開を通 じて産地ブラン ドを育 成 ・普及させたケースである.調査研究の方法は 1 回の現地視察 と責任者か らの情報収集.同社発行の資料分析 に依拠 している
13)(ケース 1)馬路村農協の柚子加工品事業 1)高知県の馬路村農協
馬路村 は高知県東部の徳島県 に隣接する山奥の村である.高知市内か ら自 動車で
2時間ほ どの ところにある.村の総面積の
96%は山林で農地は少 な い. ここは昔か ら日本三大美林の一つである天然ヤナセ杉の産地 として栄え てきた.かつて林業で栄えた村には営林署がおかれ,森林鉄道 も敷かれて賑 わっていたが,林業が衰退すると鉄道 も廃止 され,村の過疎化が進んだ.人 口はお よそ
1200人.耕地面積が少 な く農業では生計が成 り立たない.村の 存亡をかけて.昔か らあった柚子 ( ゆず)の栽培を始めることにした.昭和
38年のことである.昭和
40年になって柚子の栽培が盛んに始 まる.農家 に とって収入になる農作物はこれ しかなかった. しか し高齢化が進む村では柚 子栽培の手入れが行 き届かない.人手をかけずに自然の力で育 った無農薬の ゆずは出荷 して も形 もいびつで見栄え も悪 く.市場価値は低かった.柚子は 他の地域でも栽培 されていたので競争 も激 しい.その地域資源の柚子をどう 括かすか,そこか ら馬路村農協の挑戦が始 まった.その旗振 り役に東谷望史 とい う若手の農協職員が組合長か ら指名 された.そ して苦節
30年余.馬路 村農協は 「 柚子」を原料に した加工食品を開発 して首都圏を中心に普及させ
ることに成功 した.
2)
柚子を活か した製品開発- ブラン ド開発
柚子 を素材のまま出荷 しても単価 は低 く付加価値 も小 さい.馬路村農協は
論文.産地農産品のブランド展開とダイレクト・ マーケテイング
]3無農薬の柚子 を原料 にした加工食品を開発することを決定する.一次産品の 生産出荷か ら二次製品加工 とい う戦略の転換である.
・昭和
50年 :農協の工場でゆずの搾汁 を始める.
・昭和 5 4 年 :第一号の柚子加工品 「ゆず佃煮」発売.京阪神地域 にゆ ずの PR に出向 く.
・昭和
58年 :「ゆずみそ 」 「 ゆずジャム」発売.
・昭和 60 年 :ゆずの濃縮 ジュース発売.
・昭和
63年 :ポ ン酢 しょうゆ 「ゆずの村」が 日本の
101村展で最優秀 賞を受賞.
・平成
2年 :蜂蜜入 り飲料 「ごっ くん馬路村」が 日本の
101村展で農産 部門賞を受賞.
・平成
4年 :加工品の伸びが順調で増産計画.翌年に新加工場が完鼠
・平成
6年 :朝 日農業貨を受賞.
・平成
8年 :柚子廃棄物利用堆肥セ ンター完成.柚子皮乾燥施設完成.
・平成
12年 :高知県地場産業特別賞 を受賞.翌年に龍馬賞 を受賞.
中で も 「ゆずの村 」 「ごっくん馬路村」ブラン ドはロングセラー となった.
これ ら柚子製品のラベルには 「 馬路村の柚子づ くりは. 自然流で無農薬」 と 請われている.農協では原料の柚子が新鮮であること.添加物 は使用 しない こと,地元産の柚子をすべて使い切ることをモ ットーにしている.果汁だけ でな く皮や搾汁後のカスまで活用する.柚子の皮 を乾燥 させて作 った入浴剤, 柚子の種を素材に加工 した化粧品などがある.
現在,柚子を原料 にした製品は多種 にわたる.果汁欽料,濃縮 ジュース.
はちみつ入 り飲料,ポ ン酢,味噌, ジャム類,ゼ リー,茶漬け, こぶ茶,か らし.胡板,化粧品 入浴剤,天然ヤナセ杉 を使用 した家庭用 トレー,木工 芸品などがある. これ らは単品だけでなく,詰め合わせ商品.ギフ ト商品が ある.酸味の強い柚子は疲労回復,肩 こり.胃や肝臓,血行などの働 きを円 滑 にさせる効用がある.地域 資源を活か した柚子製品は世の中の 自然志 向.
健康志向の流れにのって事業 を拡大 させるようになる.
14
現代経営経 済研 究 第
2巻 第
1号
3)
消費者直販チャネルの構築
しか し柚子製品の事業展開は苦難の連続であった.製品が開発 されて も売 れなければ仕方がない. しかも農協 にはこれら製品を販売するチャネルがな かった.伝統的な加工食品業界の流通チャネルには容易に入 り込めない. こ の事業の立ち上げか ら携わって きた東谷望史氏 ( 現.馬路村農協組合長)が 次の ように語る.当初は県内のホテルや土産物店などを営業 した.次いで各 地の百貨店の催事場,物産展 を廻 って,商品の
PR. 販売依頼 を したが相手 にしてもらえない.百貨店でもわずかなスペースを借 りて販売活動を始めた そうした地道な商売を何年 も続けたが,結局.百貨店 との正規取引は実現で きなかった.常設の売場 を持たずに各地の催事場 を巡回販売する日々が続い た. しか も年間
80日余 も馬路村農協 を離れた営業活動 は効率が悪かった.
知名度のない特産品は売上が伸びず採算が合わない.
そんな地道な活動か ら突破口が兄いだされる.百貨店の催事 は対面販売な ので顧客から商売上のヒン トが聞ける.引 き続 き商品を購入するための問い 合わせが増 えるようになる.柚子製品のポ ン酢やジュース類はビン詰めなの で, ダース単位で購入すると重 くて持ち帰 りに不便である. まとめ買いの配 達希望の顧客には氏名,住所,電話番号を伝票に記載 して もらい発送するこ とになる.それが顧客 リス トになって蓄積 されるようになった.試 しに簡単 な商品チ ラシを作成 し,その顧客 リス トを使 って DM を出 したところ注文 が入るようになった. ささやかな通信販売の試みであった.それ以降,通信 販売に力を注 ぐようになる. リピー トオーダーが増えるようになり,通伝販 売の手法が機能するようになった.そこで採算の合わない百貨店の催事販売 は顧客 リス トを収集する手段だと割 り切ることに した.そ して,当面の 目標 として 1 万人の顧客 リス トを収集することにする. この顧客 リス トの利用価 値 に着 目したことが契機 になって,馬路村農協 は柚子製品事業の成長に向け て.新たな事業戦略 を構想するようになる.
論文 ■産地農産 品の ブラ ン ド展 開 とダイ レク ト ・マー ケテ イング
J54) ダイレク ト・マーケテイングの展開
馬路村農協の柚子製品事業が成功 したのは,蓄積 された顧客 リス トを活用 した通信販売 を展開したことにある.東谷氏 はこの販売方法 しか生 きる道が なかったという.苦難の末に通信販売 という形態に行 き着 き,それが功 を奏 することになった.その結果,山奥の産地 と消費地の顧客 をダイレク トに結 ぶマーケテ イングの展開が可能になった.
柚子製品の広告メディアは一枚の特大サイズのカタログである.一般のカ タログは複数ページの雑誌スタイルの形式が多い.一枚の特大サイズに して いる理由は消費者か ら見て一覧性があって効果的なのだという.掲載品目数 が増 えた現在 もその姿勢 は変えていない _その柚子製品の主たるマーケット は東京など大都市圏である.柚子の食文化 とは縁遠い北海道なども好調だと いう‥ 電路村農協は自ら生産機能を担 っているのでモノづ くりと品質管理に は気 を配っている.原料の柚子 は全て馬路村産に限っている.他か らの仕入 れは一切 ない.かつて原料不足 に陥って注文に応 じきれないこともあったが, 基本方針 は貫いた.その時は顧客か らの注文に応 じきれずに受注を中止 した
という.
すでに柚子加工品事業の売上高は
29億円 ( 平成
15年度概算) .村の予算 を大 きく上回る規模になった.かつて 1万人を目標 に した顧客 リス トはすで に
35万人に膨 らんでいる.その膨大 なリス トはデー タベース化 され, コン ビュタ処理 されている. ダイレク ト・マーケテイングに欠かせ ないのが顧客 リス トであるが,そこには東谷氏 など農協職員が足で歩いて蓄積 してきた顧 客 とのホッ トな関係が刻 まれている.
5)製品ブラン ドか ら馬路村 ブラン ドへの広が り
馬路村農協 には基本ポリシーがある.その一つは 「自然環境型のモノづ く
り」-の取 り組みである.例えば,柚子の製品化の過程で残った絞 りカスは
製材所か ら出るおが屑 と醗酵 させ,それを堆肥 にして農家に無料に配布 して
いる,その堆肥が再び柚子の生産に使用 される.そのために 「ゆず廃棄物利
16
現代軽骨経 済研 究 第
2巷 第
1号
用堆肥セ ンター」や 「ゆず皮乾燥施設」が造 られた.要するに捨てる無駄が ないのである.
二つ 削 ま 「 商品を売 るのではな く,村 を売 る」取 り組みである.当初 は柚 子の販売に必死であったが,事業が順調に伸 びてい く過程で考 え方が変わる 柚子の販売 を通 して全国に馬路村 を知って もらい,不便だが 自然がいっぱい の村 を訪ねてもらいたい と考えるようになった,観光による 「 村おこし」で ある.
馬路村の PR には個性豊かなデザインのポスター. カタログ.ホームペー ジが一役買っている.田舎 らしさを強調 したデザ インである.それは無名の デザ イナーに依税 して製作 した ものだが,馬路村の自然で素朴なイメー ジが 的確 に表現 されている.かつて東京の山手線の車内に馬路村のイメージ広告 が掲載 されて話題 を呼んだ 村の素朴な子供たちが主役のポスターは地方か ら出てきた都会のサ ラリーマ ンたちの郷愁 を誘 った.馬路相の存在が知 られ るようになって旅人 も訪れるようになった
.温泉が湧 く相 には宿泊施設 もあ る.全国か ら馬路村 ブラ ンドの愛好者がやって くるようになった.来村者は 年間
20万人を数える.事業が拡大 して雇用機会 も確保 されるようになった.
若者 も戻 って くるようになった.馬路村 は柚子製品の個別 ブラン ド展開か ら
「 馬路村 ブラ ン ド」 とい うコーポ レー トブラン ドへ と事業領域 を拡大 させて いる.
( ケース
2)佐藤圃グループの緑茶 ・関連事業 1)静岡の茶産地
緑茶の製造お よび通信販売 を手がける佐藤園グループ ( 製造会社 と販売会 社 か ら成 る)は静岡市内か ら自動車で
30分ほ ど離れた大原の里 ( 本 山茶産 地) に所在する.昭和 23 年 に先代が茶の製造 を手がけた佐藤商店に始 まる.
静岡県には特産品が種 々あるが,静岡茶の生産量 は国内第一位 を占める.そ の茶産地は-箇所 に集積 しているわけではな く,県内に広 く分散 している.
主な茶産地は 「 天竜 ・春野 ・森茶産地
」「中速茶産地
」「 牧之原茶産地
」「 川
論 文 `産地農 産品のブ ラ ン ド展 開 とダイ レク ト・マー ケテ イング
ノ7板茶産地
」「 志太茶産地
」「 本山茶産地
」「 清水 ・庵原茶産地
」「 富士 ・沼津茶 産地」の八箇所 に大別 されている.囲みに静 岡県の茶商工業協 同組合 は
20支部ある.それだけ産地が広範囲に及んでいる.茶の栽培 は天候や土壌 など 気候風土の影響 を強 く受けるため, どこで も栽培で きるものではない. 自然 環境 に恵 まれた静岡では昔か ら茶の栽培が盛 んで,その茶園は山間斜面,丘 陵地に広がっている.一般 に静岡茶ブラン ドとは県内産の茶葉 を 1 00% 使用
したものを指すが.県内産地のブラン ド間競争 も活発である.
緑茶 といって も,煎茶.玉露,番茶,粉茶,ほ うじ茶,棒茶,玄米茶 など 多種類 に及ぶ.緑茶の製造は紅茶な どの発酵茶 と違 って発酵が行われないた め,茶菓の緑色が保存 されるので緑茶 と呼ばれて きた.
2)佐藤園グループの事業展開
先代が創業 した佐藤商店は一度倒産するが,やがて再建する.その後,荒 茶工場.仕上工場 などを新設 し,本格的な製茶づ くりの道 を歩む.佐藤園グ ループは製造卸売事業 を手が ける佐藤製茶株式会社 と.通信販売事業 を手が ける株式会社佐藤 園か ら成る.佐藤製茶の事業内容は,茶の栽培,茶園管理, 荒茶の製造 ・卸売.仕上げ茶の製造 ・卸売である.佐藤園の事業内容は,各 種の緑茶お よび食品 ( 茶菓子,季節 の果実な ど農産品,水産品,佃煮類,発 芽玄米,健康食品など)の通信販売である.佐藤製茶が製造 した茶 は佐藤園 経 由の通信販売 ルー トと,他社 に販売 されるルー トに分かれる.通信販売 を 手が けたのは佐藤園を設立する前の昭和
51年か らである.
茶は製茶 とい う工程 を踏む特殊 な農産物である.茶の栽培 ・製茶は人手 と 時間 と熟練の技が必要 とされる.山間の傾斜地での生産現場の作業は重労働 で品質管理 も厳 しい.茶農家の後継者問題 も深刻である.その栽培 ・製茶の 工程の概要は次のような流れになる.
( 栽培の工程) 肥培管理⇒整枝⇒防寒⇒防霜⇒摘採
( 製茶の工程) 生薬⇒蒸 し⇒操捻⇒精操⇒乾燥 ( 荒茶製造段 階)
再製⇒火入れ⇒検査 ( 仕上げ段 階)
ノβ
現代軽骨経 済研究 第
2巻 第
1号
佐藤圃 グループでは 「 栽培 ・荒茶製造 ・仕上げ加工 ・販売の一貫体制」 を 構築 し.製茶の全工程 を自社工場で行 っている.いかに製茶技術が優れてい て も原料の生葉が良 くなければな らない.最高の生薬 を育てるには有機肥料 中心の地道な土壌づ くりが必要である. これは茶農家の仕事である.茶畑 も 南の斜面 と北の斜面 とでは色合いなどが違 うとい う.茶農家出身であった佐 藤 園では自社茶園の管理 とともに.茶農家
350戸 と契約 して 「 佐藤 園清流
会」 を組織化 し.共 に栽培 ノウハ ウの研究 ・開発 を行 っている.同時にその 組織 を通 じて良質な茶葉 を安定的に確保す る仕組みを築いている.茶の味 を 最終的に決めているのが 「 茶師」 と呼ばれる製茶職人の熟練の技である.
茶の栽培か ら小売販売 まで一貫 して手がけている佐藤園グループは業界で は異色な存在である. この一貫体制の強みについて,佐藤園では製茶の品質 の安定,価格の安定,消費者の晴好の直接把握を挙げている.
3)
消費者直販チャネルの構築
佐藤圃グループの佐藤篤史社長 は二代 目である.佐藤社長は苦労の末に緑 茶の通信販売を行 うようになった経緯 を次の ように語 る.茶産地 には昔なが らの閉鎖的 な流通取引,参入障壁の高 さ,問屋 との不利 な力関係があった.
この世界で商売 してい くには伝統的な問屋依存の取引に依存す る しかない と 考えたが問屋か ら相手 にされなかった.苦慮 した結果.通信販売 という手法
を導入することに した.佐藤社長は人前で話すのが苦手 だったので通信販売 に関心が持 てた ともい う.
当初は通信販売に不慣れで採算が上が らず赤字続 きであった.試行錯誤の 莱,試 しに首都圏の高額所得者
1万人をターゲ ッ トに電話帳 を使ってダイ レ ク トメールを出 してみた.静岡県内を避けたのは茶商の影響力が強かったか らである.結局 2 0 0 名ほ どか らレスポ ンスがあった. この顧客か らの リピー トオー ダーが契機 となって. 3 年 目位か ら採算が合 うようになる.「 種 をま かなければ実 は育 たない」 ことを実感 した とい う.顧客 は
3年で
1200名 ほ
どになった.
論文 :産地農産品の ブラ ン ド展 開 とダイ レク ト ・マー ケテ イング
19昭和
51年 にスター トした事業 は足踏み状態が続 いたが,次第に売上 を伸 ばす ようになる.昭和
55年度には
1億 6千万 円,翌年の
56年度には
3億 7千万 円へ と倍増す る.広告 メデ ィアはカタログ
,DM,新聞広告.折込み広 告 などを使用 した.テ レビショッピングも試みた. リピー タを確保するため に顧客の視点 に立ったキャッチ コピーの工夫 を凝 らした.例 えば 「もし美味 しくなかった ら,代金はい りません」 とい う新聞広告 も打 った.茶のサ ンプ ルの配布 に も力 を注いだ.「 お茶のお試 し百円」 とい う新聞広告 も打 ち,サ ンプル請求客 を増やす ことを重視 した.サ ンプル請求客は見込み客 となるか らである.常顧客向けの景品に急須 を特注で配布 した. この急須は評判が良 く
, 1年間で
5万個ほど陶器産地 に特注するほ どであった.
売上規模の拡大 にともなって.同社の扱 い製品 は主力の緑茶だけでな く, 地元名産の各種農産物,海産物,加工食品,健康食品へ と広がっている.そ れ らの製品は同社発行の味道通信 「 お茶 日和」や ネッ ト上のホームページで 紹介 されている.同社が取扱 い製品を拡大す る背景には,若年層を中心 とし たペ ッ トボ トル緑茶飲料への需要増の傾向 と.それに反 して急須で飲む緑茶 離れ な ど,伝統 的 な緑茶マー ケ ッ トが狭小 化す る傾 向へ の危機感が ある.
ペ ッ トボ トル飲料 とは無縁 な同社 にとって.若年層 を中心 とした消費者の需 要の変化にどう対応 してい くかが今後の課題 となる.
佐藤園の販売チ ャネルと一般の緑茶チ ャネルとの対比は下記の ように示 さ れる.
( 緑茶の流通チ ャネル)
茶農家-農協-茶市場-茶商 ・産地問屋一地方問屋- 小売商- -消費者
」 斡旋商 .仲買商 」
( 佐藤園グループの消費者直販チ ャネル) 佐藤製茶 ・佐藤園
L _ 茶農家
*佐藤園資料 より作成
20
現代経営経済研究 第
2巻第
1号
6
産地農産品のマーケティング戦略
( 1 ) ケース研究か ら示唆される諸点
以上の二つのケース研究か ら示唆 される諸点 を考察する.
第一は付加価値 を高めるための製品戦略である.私見によれば.付加価値 とは加工度の問題である.素材や製品にどれだけ専門的な手を加えるかで付 加価値は高まる.馬路村のケースでは一次産品の市況に左右 される供給事業 か ら脱皮 して,その素材 を加工 して製品化することで付加価値が高められた 佐藤園のケースも茶の栽培 ・製茶の一貫生産体制で高品質 ・高付加価値 を実 現 している.むろん一次産品においても希少性 に富んだ素材は高付加価値 を 確保できるが,希少性 に富んだものは量が限定される.一次産品は天候や市 況など不確定要因に左右 されがちで値崩れ も生 じやす く.受身の経営 を余儀 な くされやすい.
第二は素材供給か ら製品化によるブラン ド展開である,製品にブランドが 付与 されなければ主体的マーケテイングは展開できない.ブランドがあって 製品訴求が可能にな り,消費者の反復的購入が期待できるようになる.それ
図表 4
ケース企業の概要
馬路村農業協 同租合 株式会社 佐藤圃
産 地 高知県安芸郡馬路村 静岡市葵 区大原 ( 本山産地) 事 業 昭 昭
和 和5 54年 0 年 : :加工品第一 農協で柚子
の号搾汁 を始め 完成
昭
和5
6年 :通信販売始め る
る 昭 昭和
和23 51年 年 : :通信販売始める 佐藤商店創業 平
鹿3年 :株式会社佐藤園設立 生 産 生産農家 と連携 した一貫生産体制 生産農家 と連携 した-貢生産体制 製
品地元 産の無 農薬.有様栽培 に よる柚
を原料 とした各種 の加工食品お よび 粧品 な ど
子 伝 統 あ る地元 ( 本 山産地)の茶畑 化 ら採 取 され た素材 を活か した各種
緑茶お よび関連食品な ど
か の
( 製品 ライ アソー トメン ン ト) 単一素材鉱張 によるアソー トメ ン ト 関連製品拡張 によるアソー トメ ン ト ブラ ン ド セ レクテ ィツ ト.ブラ ン ド セ レクテ ィソ トーブラン ド チ ャネル 消費者直販チ ャネル 消費者直販チ ャネル 価格設定 自社 に よる独 自設定 自社 に よる独 自設定
顧客特性 特定 された顧客 ( 顧客デー タベース化)特定 され た顧 客 化) ( 顧客 デー タベ ー ス 従業員数 8 0名 ( 但 し全農協職員数)
1C K )名
論文 ,産地農産品のブラン ド展 開 とダイ レク ト・マーケテ イング
21は付加価値向上に結びつ く.むろん,産地企業が主体的な経営 を目指す場合, 製品化 によるブランド展開だけが唯一の方策ではな く.素材 ・半製品のニ ッ チ
(ih )分野における独 自領域の展開 といった選択肢 もある・nce第三は製品開発 と製品ライン拡張の考え方である.この展開には二つの方 法がある.それは単一素材の原料 にこだわって,その素材か ら多様な製品を 生み出す方法 と,単一素材 にこだわ らずに関連製品を他か ら調達 して製品ラ インを拡張する方法である.前者は地元産の柚子 に固執す る馬路村農協 の ケースであ り , 後者は佐藤園のケースである.いずれを選択するにせ よ.そ れは製品戟略の相違 となる.
第四はダイレク ト・マーケテイング手法の導入である.旧来型の流通チャ ネルは硬直臥 排他的であ り,後発企業 に とって参入障壁 は高い.二つの ケース企業は伝統的チ ャネル-の参入 を諦めて,参入障壁 は低 いが,チ ャネ ル構築に時間を要す る消費者直販チ ャネルの構築 に成功 した・ ダイレク ト マーケテ ィングの手法を採用することで.誰が,何 を,いつ, どこで. どの
くらい, どのような方法で購入 したか,その個人別情報の掌握が容易 にな り, たとえ遠隔地の産地企業であって も顧客個人-のアプローチ を可能にさせた.
第五は環境志向, 自然志向を目指 したモノづ くりの取 り組みである・産地 ブラン ドが消費者か ら支持 されるには.企業の環境-のこだわ りの姿勢が問 われる.消費者は産地表示が明 らかなもの,信頼できる産地の食を求めてい る.食の 「 安全 」 「 安心」 を保障するには手間隙かけた基礎 の土壌作 りか ら 始めなければならない.二つのケースはそのことの大切 さを教 えている・
第六 は馬路村のケースに見 られる 「 製品 を売 るのではな く.馬路村 を売
る」 という発想である.それは 「 馬路村ブラン ドの愛好者の場」を提供する
という考えである.馬路村 ブラン ドの認知率が高ま り.全国か ら愛好者が村
にやって来るようになった.村では温泉の湧 く宿泊施設を設けるなどの対応
をす る.今では来村者は年間
20万人を超えるようになった.柚子製品の個
別ブランド訴求か ら馬路村ブランドへ 安 らぎや癒 しの空間を創造すること
で愛好者の鞍が広が りを見せている.
現 代経営 経済 研 究 第
2巷 第 1号 論 文 :産地 農産 品の ブ ラ ン ド展開 とダ イ レク ト ・マ ー ケテ イング
第七は事業創造 の旗振 り役 となる リーダーの存在である.「 企業 は人な り」 図表
5経済価値の進展
3 2
の例 えにあるように,事業創造の成否 は リーダ-の存在 と,その リー ダーを 支 える構成 メンバ ーで決 まる.その ことは人的経営資源 に乏 しい産地企業 に とって容易ではないが.二つのケースが証明 しているように リー ダーの事業 創造への発想,執念 行動力 といったことが成否の鍵 を握 ることになる.
( 2) 脱 コモデ ィテ ィ化のマーケテ ィング戦略
ところで.産地農産品のマーケテ ィング戦略 を中長期的 に構想す る場 合, いつ まで もコモデ ィテ ィ発想 のマーケテ イングに固執 して よいのであろ うか 時代 とともにモ ノの経済価値 は変化する方向にあるが,そ もそ もモ ノな どの 経済価値 はどの ような進化 をとげてい くのであろうか.
そ の こ とにつ い て.B. ∫.パ イ ンと J. H.ギ ルモ アは次 の よ うに指摘 す
価格 出典
:BJ.パ イ ン
、JH.る1 4. それ は 「 ) コモ デ ィテ ィ」- 「 . 製 品」- 「 サ ー ビス」- 「 . 経験」へ と
2DO5, ギ ルモ ア、 岡 本 ・小高訳 『 種族 経 済
』( I p ・ 4 、 ダ イヤ モ ン ド社
6進化するのが経済価値の本質なのだ とい う. その図式 は図表
5に示 され る.
は製品の コモデ ィテ ィ化 に直面する.製品はコモデ ィテ ィの宿命であるデ ィ 著者の主張 による と, コモデ ィテ ィ
( mmo界か らの産物 をい う.企業 は農産品や鉱物 な どコモデ ィテ ィに加工や精製 を ス カウ ン トの圧力 をたえず受ける.そこか ら逃れ るためにメー カーは製品を 施 し,大量 に貯蔵 して市場 に運ぶ.代替品の コモデ ィテ ィは差別化 で きない サー ビス に包んで碇供す る. しか し,サー ビス経済が ピー クを迎 える中で, ので. コモデ ィテ ィ市場 は需要 と供給のバ ランスだけで価格 が決まる. 同 じ サー ビス とは異 なる新 たな経済価値が台頭する.
Co dity
) とは,代替可能 な自然
著者 はそれが 「 経験
(expereince)」 とい う経済価値 である とい う・経験 等級 であれば商品は完全 に代替可能である. コモデ ィテ ィ発想 とは. ビジネ
スは単 に機能 を果 たす ことだ と勘違 いす ることなのだ と指摘 する.
次の製品 とは用途に応 じて規格化 された もので,企業は製品 をつ くり在庫 す る.製品は有形 の物 品で.製造過程 で原材料 が加工 されるので. ある程度 自由に価格 を決める余地がある.ユーザーは原材料 であるコモデ ィテ ィよ り も高い価値 を製品に見 出す,
サー ビス とはそ もそ も他人 には して もらいたいが 自分 では した くない仕事 であって,サー ビスは顧客の要求 に応 じて カスタマ イズ ( 個別 に提供) され た形のない活動 である.サー ビス経済化の進展 とともに.消費者 も企業 も評 価 す るサー ビス を購入 するために製品の支出 を節約する.そのため メー カー
はサー ビス を思い出に残 る出来事に変 え,顧客 を魅了 させ る. コモ デ ィテ ィ は代替可酪 製品は有形,サー ビスは無形だが,経験 は思い出に残 るという 特性がある.経験 を購入す る人は,ある瞬間やある時間に企業が碇 供 して く れる 「コ ト」 に価値 を見出す.つ ま り経験 とは出来事の提供である・顧客 は サ ー ビス に費やす コス トを吟味 して, もっ と価値 が ある と認 め られ る 「コ ト 」 ,つ ま り経験 にカネ も時間 も費や したい と考 える.著者 は経験価値 こそ, す なわち経験 をつ くり出す ことがマーケテ イングであ り,顧客の心 を動かす
には顧客 の心 の中に経験 をつ くり出す ことだ とい う. また経験 を提供す る場 の提供,場 を通 した経験でブラ ン ドを理解 して もらうための 「ブラ ン ド ・エ
「 ■ ■ ■ ■ ■ ー
22
5
現代 経営経済研 究 第
2巷第
1号 論
文 産地農産品のブランド展開とダイレクト マーケティング 24 2
〕
『ブラン ド ・エ クイテ ィ戦略』 ダイヤモ ン ド社 1995) 米 国における ダイ レク ト マーケテ ィングの先駆 的な文献 は次の ものであ 4
( クスペ リエ ンス」 も認 識 す べ きだ とす る. 小林菅訳
わ り に ろ う.
uccess Di/ul rectMa7・ktein tone,S
S .
B thdos1974 C i,ranBooks .お
産 地 企業 が 直面 す る主 要 な課 題 は. 製 品 の高付 加価 値 化 を ど う実 現 す るか, 7
新 製 品 ・新 分 野 へ の進 出 を どの よ うに図 るか ,販 路 の新 規 開拓 を どう実 現 す
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k 1 NTC B essBoos ma
J ] - Graw gHa book1 Mc Hi
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7 9 d n ing kt re i trec d le b ta S
J.R b Pos r, o/
Th Die rectMarektin N has
. , E
るか で あ る. そ の こ とは従 来方 式 の事 業活 動 が 立 ち行 か な くな っ て い る こ と M.Biaer.Elmee nLM/DirectMa7・kteing1985,McGraw-liil1 6) 日本 における初期の文献 としては次の ものがある.
を物 語 って い る. 現状 打 開の戦 略設 計 と手 法 は産 地 企業 の置 か れ て い る状 況 ,
5 8 9 1
( )『実践 ダイ レク ト マーケ テ ィング戦略』 ビジネス社 ルデ ィー和子
経 営 資源 や 事 業活 動 の レベ ルで異 な る こ とは言 うまで もな い. 本稿 で は素材
)『 7 8 9 1 (
ルデ ィー和 子 ダイ レク ト マーケテ ィングの実際』 日本経済新聞 供 給 か ら製 品化 へ , さ らに製 品化 に よ る ブ ラ ン ド展 開, 最終 消 費者 あ るい は 社
業 務 用 需 要者 に近 接 す る ダ イ レク ト .マ ー ケ テ イ ングの展 開 に よる顧 客 との 江尻弘 (1988)『ダイレク ト マーケテ ィング ・マ ネジメン ト』 ビジネス社 199
しか し, 脱 コモ デ ィテ ィ化 の発 想 に立 て ば, 素材 や 製 品 な ど産地 ブ ラ ン ド 7) DMA (米 国 ダイ レク ト マー ケテ ィング協 会)の定義 あ るい は業界専 ( 2)『ダイレク トマーケテ ィング ・システム』 中央経済社 継 続 的 関係性 の構 築 , とい う事 業 モ デ ル を提 案 した. 鍋田英彦
3 . マーケテ ィング』1996年 3月号, p 門誌の 『ダイ レク ト
の展 開 を通 して, 顧 客 にモ ノや サ ー ビス だ け で な く 「経験 価 値 」 を提 供 す る
8)
鍋 田英彦 「ダイ レク ト マ ーケ テ ィ ングの戦略 的概念」
冒新潟産業大学舵マ ー ケ テ イ ングの仕組 み を工 夫 す る必 要 が あ る. そ の試 み は馬路 村 ブ ラ ン ド
要』第 8号,新潟産業大学,1992年,pp.16-18
requenc :
Recency:
に よる 「村 お こ し」 の ケ ー ス に見 うけ られ る. 産 地 と消 費地 との 隔 た りを超 なお,本稿 の ダイレク ト マーケテ ィングの記述 に関 しては, この文献 に依 えて, 顧 客 にモ ノだ けで な く経験 価 値 の場 を提 供 す る こ とに よって. 顧 客 満 拠 している部分が多い.
足 に よる顧 客 との継 続 的 関係性 を確 保 して い く必 要 が あ る. 産 地戦 略 と して 9) RFM分析 とは,顧客 デー タベ ースか ら見込み客 を選 別す るため の評価分
*
最新購入 日 *F析手法
,
y:隣人頻度ダ イ レク ト ・マ ー ケ テ イ ングの手 法 は有効 に作 用 す るが , 次 の ス テー ジに向
t
*
Moneary:購入金額 けた 「経験 価値 創 出 の マ ー ケ テ イ ング」 の研 究 が新 た な戦 略 的課 題 とな ろ う.10) この需要の分布密度‥ 良在す る束ね効果, とい う考 え方 については下記の '文献 を参考 に した.
註 大槻博 「流通 費用 か らみ た通信販売事業 の類型化
」
『消 費 と流通』 日本経済3
第
2号.pll) 2つのマーケテ イングの相違点については下記 の文献 による.
鍋田英彦 「ダイレク ト ・マーケテイングの戦略的概念」前掲書.
111 - 6 0 1 p.
1) 中小企業庁 『平成 17年度 産地概況調査結果について』平成 18年 3月,pp 新聞杜 8
- 1
2) 山崎充 (1977)『日本 の地場 産業』 ダイヤモ ン ド社 - (1974)『変 わ る
2)馬路村 農協 の ケース研 究は. かつて筆者 が委 貝長 を務 めた 「地域特 産品通
地場産業』 日本経済新聞社 1
販 ネ ッ トワー ク委員会」 (事務局:DMグループ) を通 して,2001年10月お よ
3)波積 真理 (2002)『一次産品 におけ るブ ラ ン ド理論の本質』 白桃 書房 pp.
9 8 - 2
8 び2002年3月の2回にわたる1泊2日の現地視察.工場見学‥ 馬路村 農協 の
東谷望史代 表理事お よび関係者 か らの情報収集,馬路村お よび同農協が発行 し ている各種 の冊子 などを参考 にまとめ られた.記 して感謝 したい,
4) ブ ラン ド・エ クイテ ィ戦略については次の ものがある,
陶 山計介 ・中田善啓,尾崎久仁博 ・ D.A.Aaekr.ManagnigBrandE iqu yt